この付録の内容は次のとおりです。
Oracle HTTP ServerのカスタムWLSTコマンドについてはオンライン・ヘルプを使用できます。オンライン・ヘルプを取得するには、WLSTコマンド行にhelp('manageohs')
と入力すると、Oracle HTTP ServerのすべてのカスタムWLSTコマンドが表示されます。
特定のカスタムWLSTコマンドを取得するには、WLSTコマンド行にhelp('
custom_command_name
')
と入力します。次に例を示します。
help('ohs_createInstance')
使いやすさと識別のしやすさの向上のため、次のOracle HTTP ServerのカスタムWLSTコマンドの名前が現在のリリースで変更されました。コマンド名に"OHS
"が組み込まれるのではなく、コマンドに"ohs_
"の接頭辞が付くようになりました。たとえば、createOHSInstance
コマンドはohs_createInstance
になりました。古いコマンド名は非推奨です。これらは現在のリリースでWLSTにより許容されますが、使用を避ける必要があります。古いコマンド名を使用すると、その名前は非推奨であることを伝えるメッセージが、新しいコマンドへのポインタとともに受信されます。
次の表に、新しいコマンド名と古いコマンド名をリストします。
表A-1 Oracle HTTP ServerのカスタムWLSTコマンドの新しい名前と古い名前
古い名前(非推奨) | 新しい名前 |
---|---|
|
|
|
|
|
|
|
|
構成ウィザードではなく、ohs_createInstance
およびohs_deleteInstance
コマンドを使用して、Oracle HTTP Serverインスタンスを作成および削除する必要があります。これらのカスタム・コマンドは追加のエラー・チェックを実行し、インスタンスの作成の場合は、自動ポート割当ても行います。
表A-2にリストしているカスタムWLSTコマンドを使用して、WebLogic ServerドメインのOracle HTTP Serverインスタンスを管理します。
表A-2 Oracle HTTP Serverコマンド
使用するコマンド | 目的 | WLSTでの使用 |
---|---|---|
Oracle HTTP Serverの管理サーバーのプロパティ・ファイルにLogLevelプロパティを追加します。 |
オンライン |
|
Oracle HTTP Serverのノード・マネージャのプラグイン・プロパティ・ファイルにプロパティを追加します。 |
オンライン |
|
Oracle HTTP Serverの新しいインスタンスを作成します。 |
オンライン |
|
指定したOracle HTTP Serverインスタンスを削除します。 |
オンライン |
|
キーストアを指定したOracle HTTP Serverインスタンスにエクスポートします。 |
オンライン |
|
ドメイン内のすべてのOracle HTTP Serverインスタンスのウォレットの内容(以前のバージョンからアップグレードされたOracle HTTP Serverインスタンスに対して有効なもの)をKSSデータベースにインポートします。 |
オンライン |
|
Oracle HTTP Serverインスタンスが構成ウィザードを使用して作成された場合、KSSデータベースにキーストアを作成します。 |
オンライン |
WLSTでの使用: オンライン
説明
ohs_addAdminProperties
コマンドはLogLevel
プロパティをOracle HTTP Server管理サーバーのプロパティ・ファイル(ohs_admin.properties
)に追加します。LogLevel
はohs_addAdminProperties
が現在サポートしている唯一のパラメータです。このコマンドは、WLSTが管理サーバーのインスタンスに接続している場合にのみ使用できます。
構文
ohs_addAdminProperties(logLevel = 'value')
引数 | 説明 |
---|---|
LogLevel |
ログに書き込む情報の粒度。デフォルトは
|
例
この例では、ログ・レベルをFINEST
に設定したログ・ファイルを作成します。
ohs_addAdminProperties(logLevel = 'FINEST')
WLSTでの使用: オンライン
説明
ohs_addNMProperties
コマンドはプロパティをOracle HTTP Serverノード・マネージャのプラグイン・プロパティ・ファイル(ohs_nm.properties
)に追加します。このコマンドは、WLSTが管理サーバーのインスタンスに接続している場合にのみ使用できます。
構文
ohs_addNMProperties(logLevel = 'value', machine='node-manager-machine-name')
引数 | 説明 |
---|---|
LogLevel |
ログに書き込む情報の粒度。デフォルトは
|
machine |
ノード・マネージャを実行するマシンの名前。 |
例
この例では、ターゲット・マシンmy_NM_machine
のパス<domain_dir>
/system_components/OHS
の下に、ログ・レベルをFINEST
に設定してohs_nm.log
という名前のログ・ファイルを作成します。ユーザーはノード・マネージャを再起動する必要はありません。
ohs_addNMProperties(logLevel = 'FINEST', machine = 'my_NM_machine')
WLSTでの使用: オンライン
説明
ohs_createInstance
コマンドでは、Oracle HTTP Serverの新しいインスタンスを作成し、明示的に指定されるか自動的に割り当てられるリスニング・ポートなどの重要な構成が可能です。
構文
ohs_createInstance(instanceName='xxx', machine='yyy', serverName='zzz', ...)
引数 | 定義 |
---|---|
instanceName |
作成する管理対象インスタンスの名前。 |
machine |
インスタンスの既存マシンのエントリ。この名前(しばしば serverConfig() cd('Machines') ls() |
listenPort |
(オプション) 非SSLサーバーのポート番号。この値が指定されない場合、ポートは自動的に割り当てられます。リスニング・ポートは通常7777から始まり、ここから順次増加します。 |
sslPort |
(オプション) SSL仮想ホストのポート番号。この値が指定されない場合、ポートは自動的に割り当てられます。SSLポートは通常4443から始まり、ここから順次増加します。 |
adminPort |
(オプション) ノード・マネージャとの通信に使用するポート番号。この値が指定されない場合、ポートは自動的に割り当てられます。管理ポートは通常9999から始まり、ここから順次増加します。 |
serverName |
(オプション) 非SSLサーバーのServerNameディレクティブの値。この値が指定されない場合、マシンのホスト名およびリスニング・ポートを使用してこの値が作成されます。 |
例
次の例では、マシンabc03.myCorp.com
上で動作するohs1
というOracle HTTP Serverインスタンスを作成します。
ohs_createInstance(instanceName='ohs1', machine='abc03.myCorp.com')
WLSTでの使用: オンライン
説明
ohs_deleteInstance
コマンドは指定したOracle HTTP Serverインスタンスを削除します。インスタンスは削除する前に停止しておく必要があります。インスタンスがUNKNOWN
またはRUNNING
状態の場合、このコマンドによってエラーが返されます。
構文
ohs_deleteInstance(instanceName='xxx')
instanceName
はOracle HTTP Serverインスタンスの名前です。
例
次の例では、Oracle HTTP Serverインスタンスohs1
を削除します。
ohs_deleteInstance(instanceName='ohs1')
WLSTでの使用: オンライン
説明
ohs_exportKeyStore
コマンドはキーストアを指定したOracle HTTP Serverインスタンスの場所にエクスポートします。このコマンドは、WLSTが管理サーバーのインスタンスに接続している場合にのみ使用できます。このコマンドの使用方法の詳細は、WLSTを使用したキーストアのOracle HTTP Serverインスタンスへのエクスポートを参照してください。
構文
ohs_exportKeyStore(keyStoreName='<keyStoreName>', instanceName = '<instanceName>')
引数 | 説明 |
---|---|
keyStoreName |
キーストアの名前。 |
instanceName |
Oracle HTTP Serverインスタンスの名前。 |
キーストアの命名規則
キーストアの名前(keyStoreName
)は文字列<
instanceName
>_
で始まる必要があります。
たとえば、キーストアがohs1
という名前のOracle HTTP Serverインスタンスにエクスポートされる必要があるとします。この場合、ohs1
にエクスポートされる必要のあるすべてのキーストアの名前は、ohs1_
で始まる必要があります。
キーストアの作成中にこの構文に従わなかった場合、キーストアのエクスポートは成功しない可能性があります。
例
この例では、キーストアohs1_myKeystore
をOracle HTTP Serverインスタンスohs1
にエクスポートします。
ohs_exportKeyStore(keyStoreName='ohs1_myKeystore', instanceName = 'ohs1')
WLSTでの使用: オンライン
説明
前のバージョンのOracle HTTP Serverからリリース12c (12.2.1)にアップグレードした後に、ohs_postUpgrade
コマンドを使用します。
リリース12c (12.2.1)以前は、Oracle HTTP Serverインスタンス/コンポーネントはウォレットをKSSと統合せずに使用していました。アップグレード・アシスタントを使用して12c (12.2.1)にアップグレードする場合、既存のウォレット・コンテンツは高度な管理のためにKSSデータベースにインポートされる必要があります。
ohs_postUpgrade
コマンドではドメイン内のすべてのOracle HTTP Serverインスタンス間で解析が行われ、同じキーストア名に対するエントリがデータベースに存在しない場合、そのウォレットがKSSデータベースにインポートされます。このコマンドは、WLSTが管理サーバーのインスタンスに接続している場合にのみ使用できます。このコマンドの使用の詳細は、Oracle HTTP Serverの以前のリリースからのアップグレードおよびWLSTを使用したアップグレード後のウォレットのKSSデータベースへのインポートを参照してください。
構文
ohs_postUpgrade()
このコマンドは引数を取りません。
例
ohs_postUpgrade()
WLSTでの使用: オンライン
説明
WLSTが管理サーバー・インスタンスに接続されている場合のみ、ohs_updateInstances
コマンドを使用できます。ドメイン内のすべてのOracle HTTP Serverインスタンス間で解析が行われ、次のタスクが実行されます。
存在しない場合、新しいキーストアが<
instanceName
>_default
という名前で作成されます。
新しく作成したキーストアにデモンストレーション用の証明書demoCASignedCertificate
を入れます。
キーストアをインスタンスの場所にエクスポートします。
このコマンドは、構成ウィザードをコロケート・モードでのみ使用してOracle HTTP Serverインスタンスが作成された後に使用されます。このコマンドの使用の詳細は、WLSTを使用したOracle HTTP Serverインスタンスとキーストアとの関連付けを参照してください。
構文
ohs_updateInstances()
このコマンドは引数を取りません。
例
ohs_updateInstances()