この章には次の項が含まれます:
サーバーの起動と停止の簡潔な説明については、「サーバーの起動と停止:クイック・リファレンス」を参照してください。
注意:
WebLogic Server管理コンソールでの手順については、Oracle WebLogic Server管理コンソール・オンライン・ヘルプのサーバーの起動と停止に関する項、およびクラスタに関する項にある様々な起動や停止の手順を参照してください。障害が発生したサーバー・インスタンスおよびクラスタの再起動については、第4項「サーバー障害の回避とサーバー障害からの回復」を参照してください。
サーバー・インスタンスを起動する前に、正常な環境を設定するための前提条件に従う必要があります。
選択するサーバーの起動管理方法や実行済のセット・アップ・タスクに応じて、サーバー・インスタンスを起動する前に次の手順の実行が必要になる場合があります。
バージョン要件を満たす - 「ドメインのバージョン要件」
ドメインを作成する - 『Oracle WebLogic Serverの理解』の管理タスクに応じた適切な技術の選択に関する項。
ユーザーの資格証明を指定する - 「サーバーの起動と停止を行うユーザー資格証明の指定」
ノード・マネージャを設定する — 『Oracle WebLogic Serverノード・マネージャの管理』の「ノード・マネージャの概要」。
管理対象サーバーの管理サーバーへの接続を構成する - 「管理対象サーバーの管理サーバーへの接続の構成」
Java起動オプションを指定する - 「WebLogic ServerインスタンスのJavaオプションの指定」
ドメイン内のWebLogic Serverインスタンスはすべて、メジャーおよびマイナー・バージョンが同じである必要があります。サーバーのバージョンを混在させることはできません。
同一の管理ドメイン内のWebLogic Serverインスタンスはすべて、メジャーおよびマイナー・バージョンが同じである必要があります。1つのドメイン内でサーバーのバージョンを混在させることはできません。ドメイン内のサーバー・インスタンスは、管理サーバーと管理対象サーバーのパッチ・セット・レベルが管理対象サーバーより高い場合、様々なパッチ・セット・レベルにできます。たとえば、管理対象サーバーがバージョン10.3.0である場合、管理サーバーにはバージョン10.3.0、10.3.1以降を使用できます。ただし、管理対象サーバーが10.3.1の場合、管理サーバーは10.3.1以降である必要があります。また、クラスタ内のすべてのサーバー・インスタンスは同じパッチ・セット・レベルにある必要があります。
管理サーバーを起動するには、startWebLogic
コマンドを使用します。これは環境変数を設定し、Java仮想マシン(JVM)を起動してWebLogic Serverインスタンスを実行します。
管理サーバーは、ドメインの構成データを管理するWebLogic Serverインスタンスです。通常、開発環境では、管理サーバーを起動し、アプリケーションをすぐにその管理サーバーにデプロイすれば十分です。本番環境では、アプリケーションを実行する管理対象サーバーを作成します。管理サーバーと管理対象サーバーの詳細は、『Oracle WebLogic Serverドメインの構成の理解』のWebLogic Serverドメインの理解に関する項を参照してください。
管理サーバーは、デフォルトの起動スクリプトを使用して起動することも、独自の起動スクリプトを作成して起動することもできます。管理サーバーをWebLogic Server付属の起動スクリプトを使用して起動するには:
ドメインをまだ作成していない場合は、構成ウィザードまたはWebLogic Scripting Tool (WLST)を使用して作成します。
『WebLogic Scripting Toolの理解』の構成ウィザードを使用したWebLogicドメインの作成に関する項またはWLSTオフラインを使用したドメインの作成に関する項を参照してください。
ドメインを作成したコンピュータでシェル(コマンド・プロンプト)をオープンします。
ドメインを配置したディレクトリに移動します。
デフォルトでは、このディレクトリはORACLE_HOME\user_projects\domains\
DOMAIN_NAME
です(DOMAIN_NAME
はドメインのルート・ディレクトリです)。(このディレクトリの名前はドメインの名前です。)
以下のいずれかのスクリプトを実行します。
bin/startWebLogic.cmd
(Windows)
bin\startWebLogic.sh
(UNIXおよびWindows。Windowsの場合、このスクリプトはMKSおよびCygnus BASH UNIXシェル・エミュレータをサポート)
注意:
WebLogic Serverが提供する構成ウィザードのテンプレートを使用すると、ドメイン・ディレクトリにstartWebLogicという名前の起動スクリプトが作成されます。別のソースから提供されたドメイン・テンプレートを使用する場合、ウィザードで起動スクリプトが作成されないか、または別の名前のスクリプトが作成される可能性があります。ウィザードで起動スクリプトを作成するかどうか、および別のスクリプト名を付けるかどうかは、テンプレートの設計者の判断によって異なります。
startWebLogic.cmd
を使用してWebLogic Serverを起動するときに、次のエラーが発生します。
Enter username to boot WebLogic server:weblogic <Error> <Security> <BEA-090782> <Server is Running in Production Mode and Native Library(terminalio) to read the password securely from commandline is not found> <Notice> <WebLogicServer> <BEA-000388> <JVM called WLS shutdown hook. The server will force shutdown now> <Alert> <WebLogicServer> <BEA-000396> <Server shutdown has been requested by <WLS Kernel>> <Notice> <WebLogicServer> <BEA-000365> <Server state changed to FORCE_SHUTTING_DOWN> This error is caused by installing a 32-bit JDK on a 64-bit OS. To avoid this error, install a 64-bit JDK on a 64-bit OS.
startWebLogicスクリプトは、次のことを行います。
コマンドラインから管理サーバーを起動するには、java weblogic.Server
コマンドを使用します。
weblogic.Server
クラスは、WebLogic Serverインスタンスのメイン・クラスです。Javaコマンドでweblogic.Server
を直接呼び出すことで、サーバー・インスタンスを起動します。
注意:
以下の理由から、java weblogic.Server
は主に初期の開発時に使用し、本番システムを起動する標準のメカニズムとしては使用しないことをお薦めします。
Oracle Middlewareホーム・ディレクトリの外部にある製品ディレクトリを選択した場合、java weblogic.Server
は機能しません。
java weblogic.Server
を実行した場合、WebLogic Serverの実行時にパッチが認識されません。
詳細は、『Oracle WebLogic Serverコマンド・リファレンス』の「weblogic.Serverコマンド・ライン・リファレンス」およびweblogic.Serverコマンド・ラインを使用したサーバー・インスタンスの起動に関する項を参照してください。
ノード・マネージャはWebLogic Serverインスタンスのリモート・コントロール用ユーティリティで、管理対象サーバーの制御および管理サーバーの管理を可能にします。管理サーバーを起動するには、WLSTのnmStart
を使用します。
WLSTがノード・マネージャに接続された状態でnmStartコマンドを使用すると、ノード・マネージャで管理サーバーのモニター、停止、および再起動がサポートされます。
WLSTとノード・マネージャを使用して管理サーバーを起動する方法の詳細は、『WebLogic Scripting Toolの理解』のWLSTとノード・マネージャを使用したサーバー管理に関する項を参照してください。ノード・マネージャがこのプロセスを実行する仕組みについては、『Oracle WebLogic Serverノード・マネージャの管理』のノード・マネージャが管理サーバーを起動する仕組みに関する項を参照してください。
システムの障害や再起動の際にノード・マネージャが自動的に再起動されるように、オペレーティング・システムのサービスとしてノード・マネージャを実行し、ノード・マネージャを使用して管理サーバーおよび管理対象サーバーの起動や再起動を行うことをお薦めします。
詳細は、『Oracle WebLogic Serverノード・マネージャの管理』の起動サービスとしてのノード・マネージャの実行に関する項を参照してください。
ノード・マネージャを使用せずにコマンドラインからWebLogic Serverを起動するには、WLSTのstartServer
コマンドを使用します。
WLST startServer
コマンドは、ノード・マネージャを使用せずに管理サーバーを起動します。サーバーはWLSTとは別個のプロセスで実行されます。WLSTを終了しても、サーバーは停止されません。『WebLogic Scripting Toolの理解』のノード・マネージャを使用しない管理サーバーの起動に関する項を参照してください。
startManagedWebLogic
起動スクリプトを使用して、本番環境でアプリケーションを実行するためにクラスタ内のすべての管理対象サーバーを起動します。このスクリプトは、Javaコマンドを使用して環境変数を設定し、WebLogic Serverインスタンスを実行するJava仮想マシン(JVM)を起動します。
管理対象サーバーは、ビジネス・アプリケーション、コンポーネント、Webサービスおよびそれらに関連付けられたリソースをホストします。管理対象サーバーは、デプロイされたアプリケーションを実行するWebLogic Serverインスタンスです。管理対象サーバーは、そのすべての構成およびデプロイメント情報について管理サーバーを参照します。通常、本番環境では管理対象サーバーを使用してアプリケーションを実行します。
管理対象サーバーと管理サーバーの詳細は、『Oracle Weblogic Serverドメインの構成の理解』の「Oracle WebLogic Serverドメインについて」を参照してください。
WebLogic Serverに付属している構成ウィザードのテンプレートを使用すると、ドメイン・ディレクトリにstartManagedWebLogic
という起動スクリプトが作成されます。このスクリプトで管理対象サーバーを起動できます。このスクリプトを使用して、クラスタ内のすべての管理対象サーバーを起動できます。
ドメイン・ディレクトリ・ファイルの詳細は、『Oracle Weblogic Serverドメインの構成の理解』の「ドメイン構成ファイル」を参照してください。
このスクリプトは、サーバーの起動と管理にノード・マネージャを使用しません。かわりに、Javaコマンドを使用して、WebLogic Serverインスタンスのメイン・クラスのweblogic.Server
クラスを呼び出します。Javaコマンドでのweblogic.Server
の呼び出しの詳細は、『Oracle WebLogic Serverコマンド・リファレンス』の「weblogic.Serverコマンド・ライン・リファレンス」を参照してください。
WebLogic Serverスクリプトで管理対象サーバーを起動するには:
前提となる作業については、「サーバーの起動:始める前に」を参照してください。
管理対象サーバーをまだ作成していない場合は作成します。
『構成ウィザードによるWebLogicドメインの作成』またはOracle WebLogic Server管理コンソール・オンライン・ヘルプの管理対象サーバーの作成に関する項を参照してください。
まだ起動していない場合は、ドメインの管理サーバーを起動します。
管理対象サーバーをホストしているコンピュータのシェル(コマンド・プロンプト)で、startManagedWebLogic
スクリプトが格納されたディレクトリに移動します。
DOMAIN_NAME
\bin\startManagedWebLogic.cmd
(Windows)
DOMAIN_NAME
/bin/startManagedWebLogic.sh
(UNIX)
DOMAIN_NAME
は、ドメインを配置したディレクトリです。デフォルトでは、このディレクトリはORACLE_HOME\user_projects\domains\
DOMAIN_NAME
です。
以下のいずれかのコマンドを入力します。
startManagedWebLogic.cmd
managed_server_name admin_url
(Windows)
startManagedWebLogic.sh
managed_server_name admin_url
(UNIX)
managed_server_name
には管理対象サーバー名、admin_url
にはドメインの管理サーバーのリスニング・アドレス(ホスト名、IPアドレスまたはDNS名)およびポート番号を指定します。
たとえば次のコマンドでは、startManagedWebLogic.cmd
を使用してmyManagedServer
という管理対象サーバーが起動されます。ドメインの管理サーバーのリスニング・アドレスはAdminHost:7001
です。
c:\Oracle\Middleware\user_projects\domains\mydomain\bin\startManagedWebLogic.cmd myManagedServer http://AdminHost:7001
起動する管理対象サーバーごとに、別のコマンド・シェルを開き、ステップ4と5を行います。別のマシン上の管理対象サーバーを起動する場合は、そのマシンにリモートまたはローカルでログインしてからステップ4と5を行います。
リモートのWebLogic Serverホストでの管理対象サーバーの実行の詳細は、『PackおよびUnpackコマンドによるテンプレートとドメインの作成』の「リモート・マシンでの管理対象サーバーの作成および起動」を参照してください。
管理サーバーへの接続を構成する方法については、管理対象サーバーの管理サーバーへの接続の構成を参照してください。
startManagedWebLogic
スクリプトは、次のことを行います。
管理サーバーとその管理対象サーバーを起動するには、WebLogic Server管理コンソールまたはFusion Middleware Controlを使用します。
WebLogic Server管理コンソールで管理対象サーバーを起動する場合は、Oracle WebLogic Server管理コンソール・オンライン・ヘルプの管理コンソールからの管理対象サーバーの起動に関する項を参照してください。
WLSTスクリプトを使用して、WebLogicクラスタ内の管理対象サーバーを起動します。
WLSTとノード・マネージャを使用して管理対象サーバーおよびクラスタを起動する場合は、『WebLogic Scripting Toolの理解』のノード・マネージャを使用したドメインまたはクラスタの管理対象サーバーの起動に関する項を参照してください。WebLogic Serverクラスタの詳細は、『Oracle WebLogic Serverクラスタの管理』の「WebLogicクラスタの設定」を参照してください。
java weblogic.Serverコマンドを使用して、管理対象サーバーを起動します。
weblogic.Server
クラスは、WebLogic Serverインスタンスのメイン・クラスです。Javaコマンドでweblogic.Server
を直接呼び出すことで、サーバー・インスタンスを起動します。『Oracle WebLogic Serverコマンド・リファレンス』の「weblogic.Serverコマンド・ライン・リファレンス」およびweblogic.Serverコマンド・ラインを使用したサーバー・インスタンスの起動に関する項を参照してください。
起動中に管理対象サーバーが管理サーバーに接続できない場合、管理対象サーバー独立(MSI)モードで管理対象サーバーを起動できます。
管理対象サーバーは起動時に管理サーバーにアクセスしてその構成情報を取得します。起動時に管理サーバーにアクセスできない場合、管理対象サーバーはローカルにキャッシュされた構成データをconfig
ディレクトリから読み込むことで構成を取得できます。
注意:
管理対象サーバー・インスタンスを初めて起動するときには、管理サーバーにアクセスできなくてはなりません。それ以後は、管理サーバーが使用できない場合でも管理対象サーバー・インスタンスを起動できます。
管理サーバーにアクセスできない場合の管理対象サーバーの起動の詳細は、「管理サーバーにアクセスできない場合の管理対象サーバーの起動」を参照してください
ユーザー資格証明を構成してドメインの初期管理ユーザー、起動IDファイルを指定し、信頼性と安全性の高い取得可能データをサーバー環境内でコンパイルしてノード・マネージャでサーバーを起動します。
WebLogic Serverインスタンスを起動および停止するには、ドメインのサーバーの起動および停止を許可されているユーザーの資格証明を指定する必要があります。ユーザーの資格証明、ロール、および許可の詳細は、『Oracle WebLogic Serverロールおよびポリシーによるリソースの保護』の「ユーザー、グループ、セキュリティ・ロール」を参照してください。
表2-1に、WebLogic Serverインスタンスの起動時にユーザー資格証明を指定する方法を示します。
表2-1 ユーザー資格証明の指定
これを指定した場合... | サーバー・インスタンスはこれを行います... |
---|---|
コマンド行でユーザー名とパスワード。 |
それらを使用し、いずれの資格証明も要求しません。 |
|
それらを使用し、いずれの資格証明も要求しません。 |
コマンド行でユーザー名もパスワードもなし。 |
|
コマンド行でユーザー名(パスワードなし)。 |
|
コマンド行でパスワード(ユーザー名なし)。 |
|
次の項では、次に示すタスクについて説明します。
ドメインを作成するときには、構成ウィザードによって、初期管理ユーザーのユーザー名とパスワードの指定が要求されます。構成ウィザードは、この情報を基に次の処理を行います。
ユーザーをAdministratorsセキュリティ・グループに割り当てます。
Administratorsグループには、WebLogic Serverの起動と管理について最高レベルの権限が付与されます。管理者権限の詳細は、『Oracle Weblogic Serverロールおよびポリシーによるリソースの保護』の「ユーザー、グループ、セキュリティ・ロール」を参照してください。
ユーザーをmyrealm
セキュリティ・レルムに追加します。
セキュリティ・レルムは、ユーザー名を認証したり、ユーザーがアクセスできるリソースの種類を指定したり、WebLogicリソースの他のセキュリティ関連サービスを提供したりするコンポーネント(プロバイダ)の集合です。WebLogic Serverはmyrealm
セキュリティ・レルムをインストールして、それをデフォルトで使用します。
管理コンソールでは、ユーザーをセキュリティ・レルムに追加できます。WebLogic Serverのインストールしたもの以外の認証プロバイダを使用する場合は、そのプロバイダの管理ツールを使用して管理者権限を持つユーザーを少なくとも1つ作成する必要があります。
開発モードでドメインを作成すると、ウィザードによって、管理サーバーのルート・ディレクトリにあるsecurity
ディレクトリに起動IDファイルが作成されます。起動IDファイルには、ユーザー名とパスワードの暗号化バージョンが格納されています。これにより、以後サーバーをインスタンス化するときにはログイン・プロンプトが回避されます。「起動IDファイル」を参照してください。
本番モードのドメインでは、サーバーの起動時にコマンド行でユーザー資格証明を入力するように求められます。
起動IDファイルは、WebLogic Serverのインスタンスの起動および停止に関するユーザーの資格証明を格納するテキスト・ファイルです。管理サーバーは、ユーザーに資格証明の提示を求めずに、このファイルを参照してユーザーの資格証明情報を取得できます。起動IDファイルでは資格証明が暗号化されているので、起動スクリプトまたは停止スクリプトに暗号化されていない資格証明を格納するより、起動IDファイルを使用した方が安全性は確保されます。起動IDファイルがない場合は、サーバーの起動時にユーザー名とパスワードの入力を要求します。
java weblogic.Server
コマンドを呼び出すスクリプトで管理対象サーバーを起動する場合や、直接java weblogic.Server
コマンドを呼び出す場合、管理対象サーバーからでも起動IDファイルを参照することができます。管理対象サーバーと管理サーバーが同じルート・ディレクトリを使用する場合、管理対象サーバーから管理サーバーのboot.properties
ファイルを参照できます。管理対象サーバーのsecurity
ディレクトリに有効なboot.properties
ファイルがある場合は、その起動プロセスでデフォルトでこのファイルが使用されます。boot.properties
ファイルは、ドメイン内のサーバー・インスタンスごとに異なったものにできます。
ノード・マネージャを使用して管理対象サーバーを起動すると、サーバーの起動に使用された資格証明がノード・マネージャによって暗号化され、自動再起動に使用するサーバー固有のboot.properties
ファイルに保存されます。このファイルは、DOMAIN_NAME
/servers/
SERVER_NAME
/data/nodemanager
にあります。DOMAIN_NAME
はドメインを配置したディレクトリの名前であり、SERVER_NAME
はサーバーの名前です。詳細は、『Oracle WebLogic Serverノード・マネージャの管理』のノード・マネージャの構成ファイルとログ・ファイルに関する項を参照してください。
次の項では、起動IDファイルの使い方について説明します。
構成ウィザードを使用して開発モードでドメインを作成すると、暗号化された起動IDファイルが管理サーバーのルート・ディレクトリにあるsecurity
ディレクトリに作成されます。ドメイン・ディレクトリ・ファイルの詳細は、『Oracle WebLogic Serverドメイン構成の理解』のドメイン・ディレクトリの内容に関する項を参照してください。
管理サーバーの起動IDファイルが未作成の場合や、ユーザー名とパスワードのプロンプトを回避する場合は、次の手順で起動IDファイルを作成します。
注意:
この手法を使用するのは、コマンド行からjava weblogic.Server
コマンドを呼び出す場合のみとしてください。管理サーバーの起動にスクリプトを使用する場合は、次の理由により、この項で説明する手法を使用しないことをお薦めします。
起動スクリプト内に暗号化されていないパスワードを格納することが必要となります。
スクリプトを実行するたびに、サーバーは指定されたユーザーの資格証明で起動し、その後新しい起動IDファイルを作成します。
前の項「管理サーバーの起動IDファイルの作成」の手順を実行する代わりに、コマンド・ラインで直接weblogic.Server
クラスを呼び出し、Javaコマンドに次のオプションを含めることで起動IDファイルを作成できます。
-Dweblogic.management.username=username -Dweblogic.management.password=password -Dweblogic.system.StoreBootIdentity=true
これらのオプションにより、サーバー・インスタンスは指定されたユーザーの資格証明で起動し、その後それらはboot.properties
という名前のファイルに格納されます。
たとえば、次のコマンドはmyAdminServer
という名前の管理サーバーを起動して、起動IDファイルを作成します。
java -Dweblogic.management.username=weblogic
-Dweblogic.management.password=password
-Dweblogic.system.StoreBootIdentity=true
-Dweblogic.Name=myAdminServer weblogic.Server
コマンド行から直接weblogic.Server
クラスを呼び出すには、『Oracle WebLogic Serverコマンド・リファレンス』の「weblogic.Serverコマンド・ライン・リファレンス」を参照してください。
管理対象サーバーが管理サーバーと同じルート・ディレクトリを使用する場合、管理サーバーと同じboot propertiesファイルを使用できます。ノード・マネージャを使用して管理対象サーバーを起動する場合は、起動IDファイルを作成する必要はありません。詳細は、『Oracle WebLogic Serverノード・マネージャの管理』のノード・マネージャの構成ファイルとログ・ファイルに関する項を参照してください。
管理対象サーバー・インスタンスの起動IDファイルを作成するには:
サーバー・インスタンスは、その起動プロセスで次のように起動IDファイルを使用します。
サーバーのsecurity
ディレクトリに有効なboot.properties
ファイルがある場合、その起動プロセスでこのファイルがデフォルトで使用されます。サーバーのルート・ディレクトリの詳細は、『Oracle WebLogic Serverドメイン構成の理解』のサーバーのルート・ディレクトリに関する項を参照してください。
別のファイルを指定する場合は(またはサーバーのsecurity
ディレクトリに起動IDファイルを格納しない場合は)、サーバーのweblogic.Server
起動コマンドで次の引数を指定できます。
-Dweblogic.system.BootIdentityFile=filename
filename
は、有効な起動IDファイルの完全修飾パス名。
startWebLogic
スクリプトでこの引数を指定するには、-Dweblogic.system.BootIdentityFile
をJAVA_OPTIONS
変数の値として追加します。例:
set JAVA_OPTIONS=-Dweblogic.system.BootIdentityFile=C:\Oracle\user_domains\mydomain\myidentity.prop
サーバー・インスタンスの起動サイクルで起動IDファイルを使用しない場合は、サーバーのweblogic.Server
起動コマンドで以下のオプションを指定します。
-Dweblogic.management.username=username -Dweblogic.management.password=password
これらのオプションにより、サーバー・インスタンスは、起動IDファイルをすべて無視し、起動サイクルで起動IDファイルをサーバーで使用するようにする、その他の起動オプションをオーバーライドします。
注意:
サーバー・インスタンスの起動にスクリプトを使用する場合は、起動スクリプト内に暗号化されていないパスワードを格納することが必要となるため、この手法を使用しないことをお薦めします。コマンド行から直接weblogic.Server
クラスを呼び出す場合のみ、この手法を使用します。詳細は、『Oracle WebLogic Serverコマンド・リファレンス』の「weblogic.Serverコマンド・ライン・リファレンス」を参照してください。
起動サイクルでサーバーの起動IDファイルにアクセスできない場合、サーバーはコマンド・シェルでユーザー名とパスワードのプロンプトを表示し、メッセージをログ・ファイルに書き込みます。
特定のサーバー・インスタンスでは、そのインスタンスが作成した起動IDファイルのみを使用します。WebLogic Serverでは、サーバー・ルート・ディレクトリ間での起動IDファイルのコピーはサポートされていません。
たとえば、ServerA
を使用して起動IDファイルを生成した場合、その起動IDファイルはServerA
でのみ使用します。ServerA
の起動IDファイルをServerB
のsecurity
ディレクトリにコピーしないでください。かわりに、「管理サーバーの起動IDファイルの作成」
または「管理対象サーバーの起動IDファイルの作成」で説明したようにServerBの起動IDファイルを作成します
サーバーの起動後に起動IDファイルを削除する場合は、サーバーのweblogic.Server
起動コマンドで次の引数を指定できます。
-Dweblogic.system.RemoveBootIdentity=true
この引数は、サーバーが起動に使用したファイルのみ削除します。たとえば、-Dweblogic.system.BootIdentityFile=c:\secure\boot.MyServer
を指定した場合は、サーバーのルート・ディレクトリにboot.properties
というファイルがあっても、boot.MyServer
のみが削除されます。別のコマンド・シェルを開き、各管理対象サーバーのweblogic.Server
起動コマンドで-Dweblogic.system.RemoveBootIdentity=true
引数を指定して、起動IDファイルを削除します。
startWebLogic
スクリプトでこの引数を指定するには、-Dweblogic.system.RemoveBootIdentity=true
をJAVA_OPTIONS
変数の値として追加します。例:
set JAVA_OPTIONS=-Dweblogic.system.RemoveBootIdentity=true
WebLogic Serverサンプル・コンポーネントをインストールした場合、デフォルトのユーザーweblogic
が作成されます。このユーザーにはWebLogic Serverを起動および停止する許可があります。ユーザーweblogic
のパスワードを設定する場合、WebLogic Serverではboot.properties
ファイル内にあるこのパスワードが自動的に更新されることはありません。このファイルは、DOMAIN_NAME
/servers/AdminServer/security
ディレクトリにあります。
ユーザーweblogic
のパスワードを更新すると、ユーザー名とその新しいパスワードを使用してWebLogic Serverインスタンスの起動を続行できるように、次のいずれかの回避策が使用できます。
boot.properties
ファイルを削除します。以後、WebLogic Serverを起動するたびに、ユーザー名とパスワードの入力を要求します。受け入れられるのは、ユーザーweblogic
の変更後のパスワードです。
既存のboot.properties
ファイルを変更します。ユーザー名とパスワードを次のように変更します。
username=weblogic
password=password
以後、サーバーの起動プロセスでは、boot.properties
ファイルが再び暗号化されます。
注意:
本番マシンには、WebLogic Server Examplesをインストールしないでください。本番マシンにサンプル・ソフトウェアやその他の開発ツールを格納しないようにすると、それらを利用する侵入者がWebLogic Serverの本番マシンへの部分的なアクセス権を持つおそれを減らせます。
ノード・マネージャを使用して管理対象サーバーを起動する場合は、WebLogic Server管理コンソールにある「構成」→「サーバーの起動」ページでユーザーの資格証明を指定する必要があります。これらの資格証明を指定しないと、ノード・マネージャはサーバーを起動しようとした時に例外をスローします。
WebLogic Server管理コンソールまたは構成ウィザードを使用して管理対象サーバーを作成する場合、WebLogic Serverはサーバーの「構成」→「サーバーの起動」ページにユーザー資格証明を追加します。他のWebLogic Serverユーザー・アカウントでサーバー・インスタンスを実行する場合は、Oracle WebLogic Server管理コンソール・オンライン・ヘルプの管理対象サーバーの起動引数の構成に関する項を参照してください。
次の項では、その他の起動タスクについて説明します。
$DOMAIN_DIR/lib
環境変数または-Dweblogic.ext.dirs
起動オプションを使用してJavaクラス・ファイルをドメイン内のすべてのサーバーに対してグローバルに使用できるようにします。
JavaクラスをWebLogic Serverでグローバルに使用可能にするには、2つの方法があります。
$DOMAIN_DIR/lib
環境変数を設定します。
-Dweblogic.ext.dirs
起動オプションを指定します。
いずれかまたは両方の方法を指定できます。両方とも指定する場合は、起動オプションで定義されたクラスの方が優先されます。
いずれの場合も、クラスは.jar
ファイルにパッケージ化されている必要があります。
管理対象サーバーの接続を構成するには、protocol://]Admin-host:port
形式を使用して管理サーバーのリスニング・アドレスを指定します。
java weblogic.Server
コマンドを呼び出すスクリプトから管理対象サーバーを起動する場合や、java weblogic.Server
コマンドを直接呼び出す場合は、管理サーバーの適切なリスニング・アドレスが指定されていることを確認する必要があります。管理対象サーバーは、このアドレスを使用して管理サーバーから構成情報を取得します。
次の形式でリスニング・アドレスを指定します。
protocol://]Admin-host:port
protocolには、以下のいずれかを指定します。
t3
t3s
http
https
ドメイン全体の管理ポートを使用する場合は、T3S
またはHTTPS
プロトコルを指定する必要があります。値を指定しない場合は、T3
が使用されます。
注意:
使用するプロトコルに関係なく、管理対象サーバーの構成の最初のダウンロードはHTTP
またはHTTPS
で行われます。RMIサブシステムが初期化されると、サーバー・インスタンスでT3
またはT3S
プロトコルを使用できるようになります。
Admin-host
には、以下のいずれかを指定します。
localhost
管理サーバーと同じコンピュータで管理対象サーバーを起動する場合のみ有効です。
管理サーバーをホストしているコンピュータのDNS名
複数のIPアドレスにマップする管理サーバーのDNS名の構成は、異なるIPアドレスで再起動した上の管理サーバーに再接続しようとする管理対象サーバーに対して特に役立ちます。詳細は、『管理対象サーバーと再起動された管理サーバー』を参照してください
マルチサーバー・ドメインのデモ用証明書を使用する場合は、完全修飾DNS名を指定すると管理対象サーバー・インスタンスの起動が失敗します。この制限および推奨される回避策の詳細は、『Oracle WebLogic Serverセキュリティの管理』のCertGenの使用に関する制限に関する項を参照してください。
管理サーバーをホストしているコンピュータのIPアドレス
次のセキュリティ上の問題があるため、本番環境ではAdmin-host
にIPアドレスを使用しないことをお薦めします。
SSLポートを通じて管理サーバーに接続するために、管理対象サーバーは管理サーバーのホスト名がURLで指定されたホスト名と一致することを検証します。ホスト名の検証が有効になっている場合で、IPアドレスを指定すると、数値の並びであるIPアドレスが文字の並びであるホスト名と一致しないため接続は失敗します。
セキュリティがそれほど重要でない開発環境では、IPアドレスを指定するSSL接続が成功するように管理対象サーバーでホスト名検証を無効にできます。『Oracle WebLogic Serverセキュリティの管理』のホスト名検証の使い方に関する項を参照してください。
管理サーバーが他のリスニング・アドレスを使用するように構成されている場合は、その構成されているリスニング・アドレスを指定する必要があります。
port
には、以下のいずれかを指定します。
ドメイン全体の管理ポート
構成された管理ポートは、ドメインの各管理対象サーバーで、ドメインの管理サーバーとの通信用に排他的に使用されます。Oracle WebLogic Server管理コンソール・オンライン・ヘルプのドメイン全体の管理ポートの構成に関する項を参照してください。
ドメイン全体の管理ポートが有効になっている場合は、このポートを指定する必要があります。このポートを使用するには、T3SまたはHTTPSプロトコルを指定する必要があります。
管理サーバーのデフォルト・ネットワーク構成の非SSLリスニング・ポート(デフォルトは7001
)
管理サーバーでこのリスニング・ポートが無効になっている場合は、このリストで説明されている他のリスニング・ポートのいずれかを使用する必要があります。このポートを使用するには、T3またはHTTPプロトコルを指定する必要があります。
管理サーバーのデフォルト・ネットワーク構成のSSLリスニング・ポート(デフォルトは7002
)。
管理サーバーでこのリスニング・ポートが無効になっている場合は、このリストで説明されている他のリスニング・ポートのいずれかを使用する必要があります。このポートを使用するには、T3SまたはHTTPSプロトコルを指定する必要があります。
任意指定のカスタム・ネットワーク・チャネルと関連付けられたポート番号
ポートがSSLでセキュリティ設定されている場合は、T3SまたはHTTPSプロトコルを指定する必要があります。
管理サーバーのホストIPアドレス、ホスト名、およびデフォルト・リスニング・ポートを確認するには、シェル(コマンド・プロンプト)で管理サーバーを起動します。サーバーの起動サイクルが正常に終了すると、次のようなメッセージが他のメッセージと一緒に標準出力に出力されます。
<Nov 5, 2004 12:16:04 PM EST> <Notice> <Server> <BEA-002613> <Channel "DefaultSecure[2]" is now listening on 127.0.0.1:7012 for protocols iiops, t3s, ldaps, https.> ... <Nov 5, 2004 12:16:04 PM EST> <Notice> <WebLogicServer> <BEA-000331> <Started WebLogic Admin Server "MedRecServer" for domain "medrec" running in Development Mode>
SSLの有効化については、Oracle WebLogic Server管理コンソール・オンライン・ヘルプのSSLの設定に関する項を参照してください。ネットワーク・チャネルの詳細は、『Oracle WebLogic Serverサーバー環境の管理』のネットワーク・チャネルの理解に関する項を参照してください。
WebLogic Serverインスタンスを実行するJVMの動作パラメータを構成し、一時的にサーバー構成をオーバーライドするには、Javaオプションを使用します。
Javaオプションは、サーバーの現在のインスタンスのみに適用されます。これらはドメインのconfig.xml
ファイルには保存されず、WebLogic Server管理コンソールにも表示されません。たとえば、サーバーがポート7201でリスニングするよう構成されている場合に、Javaオプションを使用してポート7555でリスニングするようにサーバーを起動できます。その場合も、WebLogic Server管理コンソールではサーバーがポート7201でリスニングするよう構成されていることが示されます。サーバーを次に起動するときにJavaオプションを使用しないと、そのサーバーはポート7201でリスニングします。
WebLogic Serverスクリプトを使用してサーバーを起動する場合、次の手順に従います。ノード・マネージャを使用してサーバーを起動する場合、Oracle WebLogic Server管理コンソール・オンライン・ヘルプのノード・マネージャによって起動されたサーバーのJavaオプションの設定に関する項を参照してください。
WebLogic Serverで様々なJDKを使用するには、コンフィギュレーション・ウィザードのJAVA_HOME
およびJAVA_VENDOR
環境変数の値を変更します。
ドメインを作成するときに、WebLogic Serverをインストールした際に使用したJDKのリストが構成ウィザードに表示されます。デフォルトのJDKはOracle HotSpotですが、インストールの際に別のJDKがインストールされ、それを使用している場合があります。
ドメインを作成した後で、使用するJVMを変更する場合は、次のようにしてスクリプトを変更できます。
アプリケーションに対してカスタムのシステムワイド・サービスを提供するには、Startup and Shutdown (SU/SD) JavaプログラムをWebLogic Serverのクラスパスに追加してサーバーが起動または停止するときにロードおよび実行するように構成します。
各クラスを1つ以上の専用サーバーにデプロイする必要があります。デフォルトでは、起動クラスは、他のすべてのサーバーのサブシステムが初期化され、サーバーがモジュールをデプロイした後にロードされて実行されます。『Oracle WebLogic Serverへのアプリケーションのデプロイ』の起動クラスの実行およびデプロイメントの順序付けに関する項を参照してください。停止クラスは、サーバーを正常にシャットダウンするときにロードされて実行されます。
WebLogic Server 9.0は、SU/SDクラスに対する新しくシンプルなPOJOベース・アプローチを導入しました。このアプローチでは、SU/SDクラスにはstatic main(String args[])
メソッドがあることだけが求められます。このメソッドは、クラスのインスタンスを作成した後にサーバーが呼び出します。SU/SDクラスに構成する引数は、String args []
パラメータによって渡されます。
POJOベースのSU/SDクラスは、以前のバージョンと同じデプロイメントおよび構成手順を実行します。クラスをサーバーのクラスパスで使用可能にする必要があります。SU/SDクラスはWebLogic Server管理コンソールを使用して構成され、最終的にはconfig.xml
にエントリとして保存されます。
詳細は、例2-1、例2-2、およびOracle WebLogic Server管理コンソール・オンライン・ヘルプのカスタム・クラスを使用したサーバーの構成に関する項を参照してください。
例2-1 起動クラス
package sab.demo.utils; public class StartupMain { /** * @param args */ public static void main(String[] args) { log(StartupMain.class.getName() + "::main"); log("Arguments::"); for(int i=0;args!=null && i<args.length;i++) { log(" arg[" + i + "]: " + args[i]); } } private static void log(String msg) { System.out.printf(" --> [SAB]: %s\n", msg); } }
例2-2 config.xml
<startup-class> <name>StartupMain</name> <target>AdminServer</target> <deployment-order>1000</deployment-order> <class-name>sab.demo.utils.StartupMain</class-name> <arguments>arg1 arg2 arg3</arguments> <failure-is-fatal>false</failure-is-fatal> <load-before-app-deployments>false</load-before-app-deployments> <load-before-app-activation>true</load-before-app-activation> </startup-class>
WebLogic Serverでドメイン・ワイドのサーバー・パラメータをカスタマイズするには、必要なJavaコマンドライン・オプションと環境変数を指定することでsetUserOverrides.cmd
(Windows)またはsetUserOverrides.sh
(UNIX)ライブラリを構成します。
すべてのドメインには、動的に生成されたドメインおよびsetDomainEnv
などのサーバー起動スクリプトがあります。起動スクリプトに行った変更は、その後のドメインのアップグレード操作中に上書きされるため、これらの起動スクリプトを変更しないでください。
ドメインのすべてのサーバーに適用するサーバー起動パラメータをカスタマイズするには、setUserOverrides.cmd
(Windows)またはsetUserOverrides.sh
(UNIX)というファイルを作成します。このファイルを構成すると、WebLogic Serverのクラスパスへのカスタム・ライブラリの追加、サーバーを実行するための追加のjavaコマンド・ライン・オプションの指定または追加の環境変数の指定などを行うことができます。このファイルに追加されたカスタマイズはドメインのアップグレード操作中に保存され、packおよびunpackコマンドを使用する際にリモート・サーバーに継承されます。
サーバーの起動中にこのファイルが存在する場合は、起動順序に含められ、定義されたオーバーライドが有効になります。domain_home
/bin
ディレクトリにこのファイルを格納する必要があります。
次の例では、カスタム・ライブラリの追加方法および追加のjavaコマンド行オプションの指定方法を示します。
例2-3 setUserOverridesファイルでの起動のカスタマイズ例
# add custom libraries to the WebLogic Server system classpath if [ "${POST_CLASSPATH}" != "" ] ; then POST_CLASSPATH="${POST_CLASSPATH}${CLASSPATHSEP}${HOME}/foo/fooBar.jar" export POST_CLASSPATH else POST_CLASSPATH="${HOME}/foo/fooBar.jar" export POST_CLASSPATH fi # specify additional java command line options for servers JAVA_OPTIONS="${JAVA_OPTIONS} -Dcustom.property.key=custom.value"
コンソール内の停止スクリプト、または特定のサーバー・インスタンスのJava仮想マシン(JVM)を削除するオペレーティング・システムのコマンドを使用して、WebLogic Serverを停止します。これらのプロシージャは、セッション・データを失わずに円滑にサーバー・インスタンスを停止するのに役立ちます。
WebLogic Server管理コンソールを使用してWebLogic Serverインスタンスを停止することをお薦めします。Oracle WebLogic Server管理コンソール・オンライン・ヘルプのサーバー・インスタンスの停止に関する項、正常な停止の制御に関する項およびクラスタ内のサーバーの停止に関する項を参照してください。
WebLogic Serverが提供する構成ウィザードのテンプレートを使用すると、ドメイン・ディレクトリのbinディレクトリに、管理サーバーを停止するためのstopWebLogic
という名前の停止スクリプトと、管理対象サーバーを停止するためのstopManagedWebLogic
という名前の停止スクリプトが作成されます。これらのスクリプトを使用するには、SERVER_NAME
、ADMIN_URL
、USERID
、およびPASSWORD
を環境変数として設定するか、またはそれらをコマンド行で指定する必要があります。stopWebLogic
スクリプトの使用時にSERVER_NAME
が指定されていない場合、デフォルトでは管理サーバー名が使用されます。
管理サーバーの場合のスクリプトの呼出しは次のとおりです。
DOMAIN_NAME
\bin\stopWeblogic.cmd
username password admin_url
(Windows)
DOMAIN_NAME
/bin/stopWeblogic.sh
username password admin_url
(UNIX)
管理対象サーバーの場合のスクリプトの呼出しは次のとおりです。
DOMAIN_NAME
\bin\stopManagedWeblogic.cmd
managed_server_name admin_url username password
(Windows)
DOMAIN_NAME
/bin/stopManagedWeblogic.sh
managed_server_name admin_url username password
(UNIX)
注意:
コマンド行では、上記の順序でパラメータを指定します。ユーザー資格は、stopWebLogic.cmd
ではADMIN_URL
の前に、stopManagedWebLogic.cmd
ではADMIN_URL
の後に指定します。
各WebLogic Serverインスタンスは、それ専用のJVMで動作します。上記の項で説明した方法でサーバー・インスタンスを停止できない場合は、オペレーティング・システム・コマンドを使用してJVMを強制停止できます。
注意:
JVMを強制停止すると、サーバーはただちにすべての処理を終了します。セッション・データはすべて失われます。サーバーがconfig.xml
ファイルへの書込みを行っている間に管理サーバーのJVMを強制停止すると、config.xml
ファイルが破損するおそれがあります。
JVMを強制停止する一般的な方法のいくつかを次に示します:
サーバーを起動したシェル(コマンド・プロンプト)がまだ開いている場合は、[Ctrl]+[C]
を押します。
Windowsコンピュータでは、タスク・マネージャを使用してJVMを強制停止できます。
UNIXコンピュータでは、ps
コマンドを使用してすべての実行中のプロセスをリストで表示できます。続いて、kill
コマンドを使用してJVMを強制停止できます。