Oracle R Enterpriseの使用を開始するには、最初にore.connect関数を使用してOracle Databaseインスタンスのスキーマに接続します。Rセッション中に同時に存在できるのは、1つのOracle R Enterprise接続のみです。Rセッションがすでにデータベースに接続されている場合にore.connectを呼び出すと、アクティブな接続を終了してから新しい接続を開きます。接続を試みる前に、ore.is.connected関数を使用してアクティブな接続が存在するかどうかを確認できます。
ore.disconnect関数を使用して明示的に接続を終了します。ore.disconnectを呼び出さない場合は、Rセッションの終了時に接続が自動的に終了されます。ore.disconnectの詳細は、「ore.disconnect関数の使用について」を参照してください。
ore.connectのtype引数を使用して、接続のタイプ(ORACLEまたはHIVE)を指定します。HIVE接続タイプは、HadoopクラスタのHive表に接続します。ORACLE接続タイプは、Oracle Databaseインスタンスのスキーマに接続します。typeのデフォルト値はORACLEです。
接続タイプがHIVEの場合、ore.connectは他の引数をすべて無視します。HadoopおよびHiveのOracle R Connectorの詳細は、Oracle Big Data Connectorsユーザーズ・ガイドを参照してください。HIVEオプションは、Oracle R Advanced Analytics for Hadoop (ORAAH)をHadoopクラスタとともに使用している場合にのみ適用されます。ORAAHは、Big Data Applianceに対するOracle Big Data Connectorsオプションの一部です。
接続タイプがORACLEの場合は、次を実行します。
論理引数allを使用して、Oracle R Enterpriseがスキーマ内でユーザーがアクセス権を持つ各表に対してore.frameオブジェクトを自動的に作成し、作成したore.frameオブジェクトを現在のRセッションで表示するかどうかを指定します。ore.frameオブジェクトには表に関するメタデータが含まれます。all引数のデフォルト値はFALSEです。
all = TRUEの場合、Oracle R Enterpriseはore.sync関数およびore.attach関数を暗黙的に呼び出します。all = FALSEの場合、ユーザーはore.syncを明示的に呼び出してore.frameオブジェクトを作成する必要があります。これらのオブジェクトに名前でアクセスするには、ユーザーはore.attachを呼び出して、検索パスにその名前を含める必要があります。これらの関数の詳細は、「インデータベース・データ用のRオブジェクトの作成」を参照してください。
conn_string引数、またはuser、sid、host、password、port、service_nameおよびconn_stringの引数の様々な組合せを使用して、接続を特定する情報を指定します。
クリアテキスト・パスワードを使用しないようにするには、conn_string引数を使用してOracleウォレットのパスワードを指定できます。その他の引数は必要ありません。Oracleウォレットのパスワードを指定することで、アプリケーション・コード、バッチ・ジョブまたはスクリプトへのデータベース・ユーザーのパスワードの埋込みを避けることができます。Oracleウォレットの作成の詳細は、『Oracle R Enterpriseインストレーションおよび管理ガイド』を参照してください。
その他の接続識別子の引数を使用する場合は、データベース・ユーザー名、ホスト名およびパスワード、システム識別子(SID)またはサービス名のいずれか、さらにオプションでTCPポートを指定するか、データベース・ユーザー名、パスワードおよびconn_string引数を指定します。
port引数のデフォルト値は1521、hostのデフォルト値はlocalhost (ローカル・ホストを指定します)、conn_stringのデフォルト値はNULLです。接続するOracle Databaseインスタンスと同じコンピュータ上でRセッションを実行している場合は、ローカル・ホストを指定します。
関連項目:
様々な接続識別子の使用例は、「ore.connect関数およびore.disconnect関数の使用方法」を参照してください。