Application Expressのアップグレード時に稼働時間を最大化する方法を理解します。
これまで、Oracle Application Expressをアップグレードできたのは、アプリケーションの使用を長時間完全に無効にした場合だけでした。次に、Oracle Application Expressアップグレードの大部分の間、エンド・ユーザーに対してアプリケーションを使用可能な状態にするために実行できる追加の手順の概要を示します。
この高度な手順は、Oracle Application Expressインストレーション・ガイドの「Application Expressのインストール」のかわりになるものです。
Application ExpressのインストールとOracle REST Data Servicesの構成
Application Expressのインストールと埋込みPL/SQLゲートウェイの構成
Application ExpressのインストールとOracle HTTP Serverの構成
完全開発環境の場合:
@apexins.sql tablespace_apex tablespace_files tablespace_temp images
ランタイムのみの環境の場合:
@apxrtins.sql tablespace_apex tablespace_files tablespace_temp images
各要素の意味は次のとおりです。
tablespace_apexは、Oracle Application Expressアプリケーション・ユーザーの表領域の名前です。
tablespace_filesは、Oracle Application Expressファイル・ユーザーの表領域の名前です。
tablespace_tempは一時表領域または一時表領域グループの名前です。
imagesは、Oracle Application Expressイメージの仮想ディレクトリです。
Application Expressインスタンスのアップグレードは、4つのフェーズで実行されます。
データベース・スキーマおよびデータベース・オブジェクト(表、パッケージ)を作成します。
アプリケーション・メタデータを移行します。
ランタイム・アプリケーションが変更したデータを移行し、新規バージョンに切り替えます。
追加のログおよびサマリー・データを移行します。
フェーズ1および4では、インスタンスを使用しているエンド・ユーザーが無効になりません。フェーズ2は、アプリケーションを変更する開発者にのみ影響を与えます。フェーズ3は、Application Expressへのすべてのアクセスに影響を与えます。
 オラクル社は現在、フェーズを個別に実行する代替のアップグレード・スクリプトも提供しています。管理者は、これらのスクリプトをapexins.sqlおよびapxrtins.sqlのかわりに使用して、Application Expressインスタンスの実質的な停止時間を数時間からわずか数分に短縮できます(ハードウェアの性能によります)。
注意:
Application ExpressがCDB$ROOTにインストールされているときには、この機能はサポートされません。管理者は、次のスクリプトを順次実行して、フェーズ1、2および3をそれぞれ開始する必要があります。フェーズ3が終了すると、スケジューラのジョブが自動的に起動してフェーズ4を実行します。
Oracle Application Expressアップグレード時の停止時間を短縮する手順は、次のとおりです。
フェーズ1スクリプトを実行します。開発およびランタイムの使用に影響はありません。
完全開発環境の場合:
@apexins1.sql tablespace_apex tablespace_files tablespace_temp images
ランタイムのみの環境の場合:
@apxrtins1.sql tablespace_apex tablespace_files tablespace_temp images
例: @apexins1.sql sysaux sysaux temp /i/
フェーズ2スクリプトを実行します。開発は無効になっていますが、ランタイムの使用に影響はありません。
完全開発環境の場合:
@apexins2.sql tablespace_apex tablespace_files tablespace_temp images
ランタイムのみの環境の場合:
@apxrtins2.sql tablespace_apex tablespace_files tablespace_temp images
例: @apexins2.sql sysaux sysaux temp /i/
Webリスナー(Oracle REST Data Services、埋込みPL/SQLゲートウェイまたはOracle HTTP Server)に対するWebアクセスを無効にします。
フェーズ3スクリプトを実行します。Application Expressを使用することはできません。
完全開発環境の場合:
@apexins3.sql tablespace_apex tablespace_files tablespace_temp images
ランタイムのみの環境の場合:
@apxrtins3.sql tablespace_apex tablespace_files tablespace_temp images
例: @apexins3.sql sysaux sysaux temp /i/
Webリスナーに新しいApplication Expressバージョンのイメージをインストールします。新しいバージョンのimagesディレクトリが以前のApplication Expressバージョンのものと異なる場合(たとえば新しいバージョンでは/i51/、古いバージョンでは/i50/の場合)、これはフェーズ3の実行中やそれ以前に実行できます。
詳細は、Oracle REST Data Services、埋込みPL/SQLゲートウェイまたはOracle HTTP Serverに対するインストール手順を参照してください。
Webリスナーに対するWebアクセスを再び有効にします(Oracle REST Data Services、埋込みPL/SQLゲートウェイまたはOracle HTTP Serverを再起動します)。
Webアクセスの再起動後、開発者およびユーザーはインスタンスに再度アクセスでき、フェーズ4はバックグラウンドで完了します。