7 Oracle GoldenGate Veridataサーバー構成パラメータ
この章の内容は次のとおりです。
サーバー・メモリーの概要
Oracle GoldenGate Veridataサーバーは仮想メモリーを次のように使用します。
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基本操作用サーバー・メモリー。これはVeridataサーバーおよびWebコンポーネントの動作に必要な仮想メモリーの量です。オブジェクト・プール、データベース・アクセス・ライブラリおよびその他の情報が格納されます。これは通常約200MBです。
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ソート・メモリー。これはサーバー側のソートを使用する際に使用されるメモリーです。ソートの仮想メモリーはスレッドごとではなく、比較全体に対して割り当てられます。行はエージェントから読み取られ、送信されてソートされます。ソートはエージェントから読み取るスレッドとは別のスレッドで行われます。ソートは並行して動作するため多くのスレッドを使用する可能性があります。エージェントからの行がすべてソート・プロセスに送信されると、サーバー・プロセスはソートからソート済の行を取得し、比較します。
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行ハッシュ・キュー・メモリー。これは、エージェント・プロセス、ソート・プロセスおよびサーバー・プロセス間のデータをバッファするメモリーです。データベース・ソートを使用する比較では、ソースとターゲットのそれぞれに単一キューが必要です。各キューの容量は20MGです。キューのメモリー使用量は比較の相対速度とエージェントからのデータ量によって異なります。2つのエージェント間の相対速度もメモリー使用量に影響します。キューはデータをバッファに入れる必要があるため、速度差が大きいほどメモリー使用量は増えます。
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MOOSキュー・メモリー。これは、初回比較と比較の確認手順間で同期していない可能性があるレコードを格納するメモリーです。MOOSキューのサイズは50Kレコードに制限されています。メモリー使用量は各レコードの幅によっても異なります。
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スクラッチ・ランタイム一時メモリー。これは仮想メモリー領域です。
ソート・プロセスで使用できるメモリーの量は、次のうち最小のものを超えることはできません。
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システム物理メモリー
-
スワップ内の使用可能メモリー
-
Javaブート・オプション
-Xmx
最大メモリー設定
メモリー使用量の見積り
Oracle GoldenGate Veridataで使用可能なメモリーの最大量は、Javaブート・オプション-Xmx
で指定されます。サーバー側のソートを使用する場合、このメモリーの大部分が比較時のソート用に確保されます。確保される量は、server.max_sort_memory
構成パラメータによって制御されます。
比較を実行する際、2つのバッファが確保されたソート・メモリーから割り当てられます。各々のサイズは、「最大メモリー使用量(MB)」で指定されたサイズと同じです。この設定にアクセスするには、「プロファイルの構成」画面で「編集」オプションをクリックし、「プロファイル設定」カテゴリで「ソート方法」をクリックします。
同時比較の数に基づいたメモリーの見積り
比較に使用されるメモリーの最大量は、パラメータserver.max_sort_memory
によって設定されます。-Xmx
Javaブート・オプションは、希望する同時比較の数に対して十分な大きさに設定します。
同時比較の最大数は、server.max.concurrent_comparison_threads
構成パラメータによって定義されます。したがって、ソート・メモリーの最大量は次のとおりです。
server.max_sort_memory
* server.max_concurrent_comparison_threads
たとえば、10個の同時比較が可能なようにserver.max_concurrent_comparison_threads
を設定し、 server.max_sort_memory
をデフォルト値の100MBのままにした場合は、1GBの使用可能メモリーが必要です。
行ごとに使用されるメモリー量の見積り
行ごとに使用されるメモリー量の見積りの計算は、『Oracle GoldenGate Veridataのインストールと構成』のサーバー・コンポーネントのディスクおよびメモリー要件に関する項を参照してください。
パラメータの設定方法
パラメータを設定するには、veridata.cfg
ファイルにあるエンティティを編集します。このファイルは、Oracle GoldenGate Veridataサーバーのインストール・ディレクトリ内のDOMAIN_HOME/config/veridata
ディレクトリに格納されています。
Oracleサービス・リクエストを開いてから、これらのパラメータを変更します。詳細は、http://support.oracle.com
を参照してください。
サーバー・パラメータ
この項では、Veridataサーバーの構成可能な次のパラメータについて定義します。
server.veridata_data
Oracle GoldenGate Veridataレポートが含まれるディレクトリ。
構文
server.veridata_data path
path
は、Veridataレポートが格納されるディレクトリの相対または絶対パスです。
注意:
データ・ディレクトリに相対パスを指定する場合は、スラッシュ(/)またはバックスラッシュ(\)で開始する必要がありません。パスは、Veridataドメイン・ホーム・ディレクトリの相対パスになります。
デフォルト値
veridata/reports
つまり、デフォルトのデータ・ディレクトリはVERIDATA_DOMAIN_HOME
/veridata/reports
になります。
server.persistence_db_type
このパラメータでは、永続データベース・タイプを定義します。
構文
server.veridata_data database_type
database_type
は、永続データベース・タイプです。オプションは次のとおりです。
-
ORACLE_OCI
-
MS_SQL
デフォルト値
ORACLE_OCI
server.meta_session_handle_timeout
このパラメータでは、メタセッション・ハンドルのタイムアウトを秒単位で定義します。
構文
server.meta_session_handle_timeout seconds
例
server.meta_session_handle_timeout 600
デフォルト値
900
server.max_concurrent_jobs
このパラメータでは、同時に実行可能なジョブの最大数を指定します。
構文
server.max_concurrent_jobs number_of_jobs
例
server.max_concurrent_jobs 200
デフォルト値
100
server.max_concurrent_comparison_threads
実行可能な最大同時比較数が設定されます。通常、サーバーによって構成される数はマシン・リソースの最適値です。この数を減らしてシステム上のサーバーの影響を減らせます。この上限に達すると、アクティブな比較が完了するまで新たな比較は開始されません。
構文
server.max_concurrent_comparison_threads {default | number}
-
default
に設定すると、Oracle GoldenGate Veridataは最大同時スレッド数と使用可能なリソースを計算します。デフォルト値はserver.max_sort_memoryです。 -
number
は、最大同時比較スレッド数を設定する正の整数です。
例
server.max_concurrent_comparison_threads 100
デフォルト値
デフォルト値は4または使用可能なCPU数のどちらか大きい値です。
server.mapped_sort_buffers
ソート・バッファをメモリー・マップ・ファイルとして割り当てるか、JVMヒープに割り当てるかを指定します。
構文
server.mapped_sort_buffers [true|false]
例
server.mapped_sort_buffers true
デフォルト値
デフォルトはtrue
です。初期化中にエラーが発生すると、Oracle GoldenGate VeridataではJVMヒープを使用します。
server.max_sort_memory
サーバー側ソートを使用する実行中のすべての比較に使用できるソート仮想メモリーの最大量が設定されます。Javaブート・オプション-Xmx
最大メモリーを使用してJVMヒープ・ソートを割り当てる場合、デフォルト設定は使用可能なヒープ・サイズから基本的なタスクに必要な200MBを除いたサイズになります。メモリー・マップ・ファイル・ソートを使用する場合、デフォルトは2Gです。Oracle GoldenGate Webユーザー・インタフェースがより多くのメモリーを使用できるようこの量を制限できます。
比較が十分な仮想メモリーを取得できると、現在使用可能なソート仮想メモリーは比較が確保した分だけ減らされます。比較が完了すると、使用可能なソート仮想メモリーの量は、確保されたソート仮想メモリーの分だけ増分されます。
構文
server.max_sort_memory {default | number{M | m}}
-
default
に設定すると、Oracle GoldenGate Veridataはオペレーティング・システム依存の最大値を定義できます。 -
number
{M | m}
は値がメガバイトで指定されます。たとえば、1000Mは1000メガバイトが限度であることを示します。この数値が使用可能なメモリーの量を超える場合、値は使用可能なメモリーの量まで減らされます。
例
server.max_sort_memory 1000M
デフォルト値
デフォルトのサイズは、使用可能な仮想メモリーに基づいて計算されます。
server.concurrent.writers
このパラメータでは、ソート・ディレクトリごとのライター・スレッドの数を指定します。
構文
server.concurent.writers number
例
server.concurent.writers number
デフォルト値
デフォルト値は4または使用可能なCPU数の4分の1のどちらか大きい値です。
server.concurrent.readers
このパラメータでは、サーバー全体のリーダー・スレッドの数を指定します。
構文
server.concurent.readers number
例
server.concurent.readers number
デフォルト値
デフォルト値は4または使用可能なCPU数の4分の1のどちらか大きい値です。
SSL通信の構成のパラメータ
この項では、VeridataサーバーとVeridataエージェント間のSSL通信の構成に使用可能なパラメータについて定義します。
server.useSsl
このパラメータでは、VeridataサーバーとすべてのVeridataエージェント間の通信にSSLが有効化されているかどうかを指定します。
構文
server.useSsl [true|false]
例
server.useSsl true
デフォルト値
デフォルト値はfalseです。
server.ssl.client.allowTrustedExpiredCertificates
このパラメータの値がtrueに設定されている場合、Veridataサーバーは、信頼できる証明書の有効期限が切れるまで、エージェントとサーバー間のSSL通信を可能にします。
注意:
このパラメータは、IBMのJVMを実行中の場合は適用できません。
構文
server.ssl.client.allowTrustedExpiredCertificates [true|false]
例
server.ssl.client.allowTrustedExpiredCertificates false
デフォルト値
デフォルト値はtrueです。
server.ssl.client.identitystore.keyfactory.alg.name
このパラメータでは、SSL通信に使用されるアイデンティティ・ストア・キー・ファクトリ・アルゴリズムの名前を指定します。
構文
server.ssl.client.identitystore.keyfactory.alg.name=algorithm_name
例
server.ssl.client.identitystore.keyfactory.alg.name=IbmX509
IBMのJVMで実行している場合は、値をIbmX509に設定します。
デフォルト値
デフォルト値はSunX509です。
server.ssl.client.truststore.keyfactory.alg.name
このパラメータでは、SSL通信に使用されるトラストストア・キー・ファクトリ・アルゴリズムの名前を指定します。
構文
server.ssl.client.truststore.keyfactory.alg.name=algorithm_name
例
server.ssl.client.truststore.keyfactory.alg.name=IbmX509
IBMのJVMで実行している場合は、値をIbmX509に設定します。
デフォルト値
デフォルト値はSunX509です。
Veridataコマンドライン・ユーティリティのパラメータ
この項では、Veridataサーバーの構成可能な次のパラメータについて定義します。
veridata.cli.run_from_managed_server
Veridata管理対象サーバーからVeridataコマンドライン・ユーティリティを実行するには、このパラメータ値をtrue
に設定します。
構文
veridata.cli.run_from_managed_server [true|false]
例
veridata.cli.run_from_managed_server false
デフォルト値
デフォルト値はtrueです。
veridata.cli.managed_server_name
このパラメータでは、Veridata管理対象サーバーの名前を指定します。
構文
veridata.cli.managed_server_name server
例
veridata.cli.managed_server_name VERIDATA_server2
デフォルト値
管理対象サーバーのデフォルト名はVERIDATA_server1
です。
veridata.cli.server.listenAddress
このパラメータでは、Veridata管理対象サーバーのホスト・マシンのリスニング・アドレスを指定します。
構文
veridata.cli.server.listenAddress host
例
veridata.cli.server.listenAddress host.example.com
デフォルト値
管理対象サーバーのデフォルト名はlocalhost
です。