2 インストール要件

この章では、システムが適切なインストール要件を備えていることを識別して確認し、ドメインユーザーとクラスタの権限を設定します。

ハードウェア要件

  • DIVArchive クラスタマネージャー (2 台の同一のサーバー) のサーバー要件:

    • ラックマウントシャーシ

    • 最低 1 つの CPU Xeon E5-2420 (6 コア - 1.9GHz)

      • 組み込み Oracle ライセンスは、1 つの CPU (プロセッサカード) に制限されます。

    • 16G バイト RAM

    • 2 つの 300G バイトのハードディスクドライブ (HDD) 10,000 RPM (RAID 1 で構成) システムディスク

      • DIVArchive を使用して、複雑なオブジェクト (DPX など) をアーカイブする場合、最適なアクションの指針は、1 日あたりにアーカイブされるオブジェクトのサイズと数に関して、推定トラフィックに基づいて特定の推奨事項を要求することです。一般に、複雑なオブジェクトをアーカイブする必要がある場合は、最低 2 台の 10,000 RPM の 900G バイト HDD を使用することをお勧めします。

      • この推奨事項は、バックアップ Oracle DIVArchive Manager または、Actor サーバーをバックアップマネージャーとして使用する場合に Oracle DIVArchive Actor にも有効です。Actor および Manager のライセンス情報については、付録Aを参照してください。

      • RAID の設定に関する詳細情報および支援については、Microsoft のクラスタ化された RAID コントローラを使用して、クラスタ化された Windows サーバーのサポートを有効にする (https://support.microsoft.com/en-us/kb/2839292) 方法に関するページを参照してください。

    • 冗長電源装置およびファン

    • 2 つのオンボードギガビット Ethernet インタフェース (銅線 RJ45 インタフェース)

    • 共有ディスクベイ接続用の 1 つの SAS またはファイバチャネルホストバスアダプタ (HBA)。

      • デュアル RAID コントローラ (SAS またはファイバチャネルインタフェース) および Oracle データベース用に両方のサーバーに接続された 7 台の 300G バイト SAS ディスクを備えた共有ディスクベイ。

    • テープライブラリ制御用の 1 つのファイバチャネル HBA。ファイバチャネル HBA は、次の場合には必要ありません。

      • Sony Petasite ライブラリ (PCS ソフトウェアおよびネットワーク API 経由で制御) を使用する。

      • ネットワーク ACSAPI インタフェースを備えた ACSLS ソフトウェアが構成で使用されている場合に StorageTek ライブラリを使用する。重要: ACSLS 仮想ライブラリを使用する場合は、HBA が必要になります (詳細については、Oracle に問い合わせてください)

      • ライブラリ制御が SCSI LVD インタフェースに基づくが、一部のレガシーライブラリで、サポートされなくなった SCSI HVD インタフェースをまだ使用している場合は、ライブラリ制御がファイバチャネルではなく、SCSI 物理インタフェースに基づいている場合に Oracle に問い合わせてください。

    • Windows 2008 R2 SP1 Enterprise Edition 64 ビットサーバーまたは Windows 2012 R2 Standard。

  • 共有ディスクアレイの要件は次のとおりです。

    • デュアルコントローラ、デュアル電源、およびデュアルファンを備えた 1 台の直接接続共有ディスクアレイ。

    • 6 台の 146G バイトディスクドライブ (6Gb/秒 10,000) RAID 5 仮想ディスク

    • 2 台のスペア物理ディスク

  • サーバーの共有ストレージへの直接接続のための 2 つの HBA

HBA 接続図

ソフトウェア要件

MSCS のインストール、構成、および操作の正常に行うには、次のソフトウェアが必要です。

  • Windows 2008 R2 SP1 Enterprise Edition 64 ビットサーバーまたは Windows 2012 R2 Standard。

  • DIVArchive Database インストールパッケージ

  • Oracle Fail Safe 4.1 インストールパッケージ

  • 共有ディスクアレイドライバおよび管理ソフトウェア

  • すべてのサーバーが、重要な更新、推奨される更新、および Microsoft の更新で完全にパッチされ、それらすべてのパッチレベルが同じである必要があります。

    • 2015 年 1 月 7 日現在のすべての Microsoft パッチがテストされ、検証されています。

ネットワーク要件

MSCS のインストール、構成、および操作を正常に行うには、次の接続およびパラメータが必要です。

  • クラスタ管理用に、Domain Name Service (DNS) およびドメインコントローラ上に対応する DNS および Active Directory エントリがあるパブリックネットワークの 1 つの IP アドレスとホスト名 (DIVA-CL-MSCS)。

  • Oracle クラスタグループ用に、DNS およびドメインコントローラ上に対応する DNS および Active Directory エントリがあるパブリックネットワークの 1 つの IP アドレスとホスト名 (DIVA-CL-ORC)。

  • クラスタノードのパブリックネットワーク用に、ノードごとに 1 つずつ、2 つの IP アドレス (内部アクセスのみ)。

  • クラスタノードのプライベートネットワーク用に、ノードごとに 1 つずつ、2 つの IP アドレス。

    • プライベートネットワークはクラスタ通信用に予約されており、一般に、ハートビートネットワークと呼ばれます。

  • ネットワークインタフェースを構成する場合:

    • デフォルトゲートウェイや DNS サーバーを指定しないでください。

    • DNS Settings」タブで、「Register this connection's address in the DNS」チェックボックスの選択を解除します。

    • WINS Settings」タブで、「Enable LMHosts Lookup」チェックボックスを選択解除します。

    • WINS Settings」タブで、「Disable NetBIOS over TCP/IP」チェックボックスを選択します。

    • ネットワークインタフェースにそれぞれ PublicPrivate とラベルを付けます。

  • 2 台のサーバーノードは Windows ドメインのメンバーである必要があります。

  • NIC チーミングを使用している場合は、クラスタを作成する前にそれを構成している必要があります。

IP アドレスとホスト名の例

有効な IP アドレスと関連付けられたホスト名の組み合わせの例を次に示します。

  • 172.20.128.129 DIVA-CL-MSCS

  • 172.20.128.130 DIVA-CL-ORC

  • 172.20.128.125 RD-MC1 (パブリック)

  • 10.10.10.125 RD-MC1 (プライベート)

  • 172.20.128.127 RD-MC2 (パブリック)

  • 10.10.10.127 RD-MC2 (プライベート)

ドメインアカウントの要件 (お客様によって実行)

DIVArchive Cluster Manager のインストールおよび管理のための専用のドメインアカウントが必要です。各ドメインアカウントクラスタノードで、次のローカル権限を設定する必要があります。

  • ローカル管理者

  • バッチジョブとしてログオン

    • ローカル管理者権限に含まれている必要があります。

  • サービスモードとしてログオン

    • ローカル管理者権限に含まれている必要があります。

たとえば、このドキュメントの用途では、Domain Users グループのメンバーである DIVAClusterAdmin という名前のドメインアカウントを使用しています。

組織に関する用途では、Oracle では、DIVAClusterComputers Active Directory 組織単位 (OU) を使用することをお勧めします。OU の管理には「Active Directory ユーザーとコンピューター」画面を使用します。「Active Directory ユーザーとコンピューター」は、Microsoft Windows Server オペレーティングシステムの標準部分である MMC スナップインです。

「Active Directory ユーザーとコンピューター」画面

クラスタを作成するためのドメインユーザー権限の付与

クラスタを正しく作成するには、ドメインユーザーに、クラスタコンテナのコンピュータオブジェクトの作成すべての子オブジェクトの権限があることを確認する必要があります。または、ドメイン管理者が各ノードのコンピュータオブジェクトとクラスタ名オブジェクトを事前に作成できます。

ドメイン管理者が、既存のコンピュータオブジェクトを作成している場合は、それが無効な状態であることを確認します。さらに、クラスタを作成する前に、クラスタを作成するユーザーが、Active Directory ユーザーとコンピューターツールを使用して、そのコンピュータオブジェクトへのフルコントロール権限を持っていることを確認する必要もあります。クラスタの作成後、次のステップを繰り返して、クラスタ名オブジェクトに、ドメインユーザーと同じフルコントロール権限を与えます。

クラスタ権限の詳細については、次を参照してください。

次の手順を使用して、ドメインユーザーの OU にフルコントロール権限を追加します。

  1. Windows のサーバー管理コンソールから、「Active Directory ユーザーとコンピューター」スナップインを開きます。

  2. DIVAClusterComputers」コンピュータオブジェクトを右クリックし、コンテキストメニューで、「プロパティ」をクリックして、「プロパティ」ダイアログボックスを表示します。

  3. セキュリティ」タブをクリックし、画面上部の「グループ名またはユーザー名」領域の「Domain User」(例の DIVAClusterAdmin) を選択します。

  4. 画面の右下側の「詳細設定」ボタンをクリックして、「セキュリティの詳細設定」画面を開きます。

  5. アクセス許可」タブで、ドメインユーザーを見つけて、一覧を 1 回クリックして、ドメインユーザーを強調表示します。

  6. アクセス許可」エントリ領域のすぐ下の「編集」をクリックして、「アクセス許可エントリ」画面を開きます。

  7. 画面の上部で、「種類」オプションが「許可」に設定されており、「適用先」オプションが「このオブジェクトとすべての子オブジェクト」に設定されていることを確認します。

  8. アクセス許可」領域のすべてのチェックボックスを選択します。

  9. 画面の下部の「OK」をクリックし、アクセス権を適用します。