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Oracle® Fusion Middleware Oracle GoldenGate for Big Dataのインストールおよびアップグレード
12c (12.3.0.1)
E85687-01
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1 Oracle GoldenGate for Big Dataのインストール

この章では、Oracle GoldenGate for Big Dataの新規インスタンスのインストール方法を説明します。

トピック:

1.1 インストールの準備

正しいバージョンのJavaがインストールされ、環境変数が正しく設定および構成されていることを確認して、Java環境を準備します。

1.1.1 インストールの概要

この項では、インストールの内容およびOracle GoldenGateアダプタで使用されるOracle GoldenGateインスタンスの概要について説明します。

1.1.1.1 インストールZIPファイルの内容

Oracle GoldenGate for Big DataのインストールZIPファイルの内容は、次のとおりです。

  • Oracle GoldenGate Javaアダプタ

  • ビッグ・データのターゲットにデータをストリーミングするOracle GoldenGateのバージョン。このバージョンは、データベース固有ではなく、プラットフォーム依存であるため、汎用のラベルが付いています。

1.1.1.2 Oracle GoldenGateの汎用ビルドの使用

JMS取得の場合、JavaアダプタはOracle GoldenGateの汎用ビルドで実行する必要があります。ただし、証跡データをターゲットに配信するのにアダプタを使用する場合、汎用ビルドは不要です。この場合、Javaアダプタを任意のデータベース・バージョンのOracle GoldenGateで使用できます。

1.1.1.3 Oracle GoldenGate Big Dataインスタンスのカスタム・ビルドを使用する際の考慮事項

Oracle GoldenGateのビッグ・データ・インスタンスのカスタム・ビルドをインストールする場合、メリットとデメリットの両方があります。また、Big Dataのリリースと互換性のあるOracle GoldenGateのリリースにも制限があります。

メリット

  • 非汎用のインスタンスでは、メタデータのデータベースにログインするようにExtractを構成できます。これにより、ソース・データベースDDLと同期する必要のあるソース定義ファイルを使用する必要がなくなります。

  • また、データベースの取得およびJMS配信を同じサーバーで実行する場合に、個別の2つのバージョンのOracle GoldenGateを管理する必要もありません。

デメリット

  • Oracle GoldenGateコア・インスタンスにパッチを適用する必要がある場合は、パッチを適用した新しいOracle GoldenGateのインストールにBig Dataをコピーする必要もあります。

  • Oracle GoldenGate for Big Dataは、汎用バージョンのOracle GoldenGateコアでのみテストおよび動作保証されます。コアの新しいパッチにより、互換性がなくなる場合があります。

制限事項

  • ビッグ・データ・ターゲットに書き込むReplicatモジュールは、Oracle GoldenGateの汎用ディストリビューションでのみ使用できます。

  • Oracle GoldenGate for Big Dataは、Oracle GoldenGateインスタンスと同じメジャー・リリースでインストールできます。したがって、11.1.xリリースのBig Dataは、11.1.xリリースのOracle GoldenGate (11.2.xの場合は11.2.x、12.1.2.xの場合は12.1.2.x)にのみインストールできます。

  • これは、VAMをロードできるExtractのバージョンのみであるため、汎用ビルドはJMS取得で使用する必要があります。

  • DEFGENユーティリティは、Big Dataに付属していません。ソース定義を生成するには、データベース・タイプに専用に構築されたOracle GoldenGateのバージョンが必要です。

1.1.1.4 Oracle GoldenGateの非汎用インスタンスのへのインストール

Javaユーザー・イグジットをOracle GoldenGateの非汎用インスタンスにインストールする場合は、最初に一時的な場所に解凍してから、アダプタ・ファイルをOracle GoldenGateインストールの場所にコピーします。

これを行うには、次の手順に従います。

  1. Oracle GoldenGateインストールのZIPファイルを一時ディレクトリに解凍します。
  2. Oracle GoldenGateインストールのZIPファイルをOracle GoldenGateのインストール・ディレクトリに解凍します。
  3. 一時ディレクトリのggjavaサブディレクトリからOracle GoldenGateのインストール・ディレクトリにファイルをコピーまたは移動します。
  4. 一時的な場所からOracle GoldenGateのインストール・ディレクトリに共有ライブラリをコピーまたは移動します。
  5. オプションで、Gendefもコピーできます。(汎用ビルドでのみ動作するため、共有ライブラリggjava_vamをコピーする必要はありません。)
  6. 一時ディレクトリを削除します。

1.1.2 Oracle GoldenGate for Big Dataのダウンロード

Oracle GoldenGate for Big Dataには、Windows版、Linux版、UNIX版があります。ダウンロードするには、最初にOracleサポート・サイトにアクセスし、使用するオペレーティング・システムおよびアーキテクチャに利用できるパッチがあるかどうかを確認します。

注意:

インストールに含まれる汎用ビルドを使用しない場合は、ダウンロードするOracle GoldenGate Big Dataのビルドのメジャー・リリースが、一緒に使用するOracle GoldenGateインスタンスのメジャー・リリースに一致する(互換性がある)ことを確認します。

  1. http://support.oracle.comに移動します。

  2. Oracle IDとパスワードでサインインします。

  3. 「Patches and Upgrades」タブを選択します。

  4. 「Search」タブで、「Product or Family」をクリックします。

  5. 「Product」フィールドで、「Oracle GoldenGate for Big Data」と入力します。

  6. 「Release」ドロップダウン・リストから、ダウンロードするリリースのバージョンを選択します。

  7. 次のフィールドに「Platform」がデフォルトで表示されていることを確認したら、ドロップダウン・リストからプラットフォームを選択します。

  8. 最後のフィールドは空のままにします。

  9. 「Search」をクリックします。

  10. 「Advanced Patch Search Results」リストで、指定した基準を満たす使用可能なビルドを選択します。

  11. 「File Download」ダイアログ・ボックスで、ZIPファイルをクリックしてダウンロードを開始します。

利用可能なパッチがサポート・サイトにない場合は、リリースのダウンロード用のOracle配信サイトにアクセスします。

  1. http://edelivery.oracle.comに移動します。
  2. Oracle IDとパスワードでサインインします。
  3. 「Terms and Restrictions」ページで、次のようにします。
    • 「トライアル・ライセンス契約」を受諾します(永久ライセンスを所有している場合も受諾)。

    • 「輸出規制」を受諾します。

    • 「Continue」をクリックします。

  4. 「メディア・パック検索」ページで次の操作を実行します。
    • 「Oracle Fusion Middleware」製品パックを選択します。

    • ソフトウェアをインストールするプラットフォームを選択します。

    • 「Go」をクリックします。

  5. 「Results List」で、次のようにします。
    • 使用するOracle GoldenGate for Big Dataメディア・パックを選択します。

    • 「Continue」をクリックします。

  6. 「Download」ページで、次のようにします。
    • Readmeファイルを表示します。

    • 該当する各コンポーネントの「Download」をクリックします。自動ダウンロード・プロセスに従って、zipファイルをシステムに転送します。

1.1.3 Javaのインストール

Oracle GoldenGate for Big Dataは、Java 1.8で動作保証されています。Oracle GoldenGate for Javaをインストールおよび実行する前に、Java (JDKまたはJRE)バージョン1.8以降をインストールする必要があります。Java Runtime Environment (JRE)または完全なJava Development Kit (JREに付属)を使用できます。

1.1.4 ディレクトリ構造

次の表は、インストール・ファイルを解凍してサブディレクトリを作成した場合のサブディレクトリおよびファイルを含むサンプルです。次の表記規則が使用されています。

  • サブディレクトリは、角カッコ([])で囲まれてています。

  • レベルは、パイプとハイフン(|-)で示されます。

  • 内部の表記は、変更できない読取り専用のディレクトリを示します。

  • テキスト・ファイル(*.txt)はリストに含まれていません。

  • Defgen、Logdump、KeygenなどのOracle GoldenGateユーティリティは、リストには含まれていません。

表1-1 サンプルのインストール・ディレクトリ構造

ディレクトリ 説明
[gg_install_dir] 

C:/ggs (Windows)または/home/user/ggs (UNIX)などのOracle GoldenGateインストール・ディレクトリ。

|-ggsci 

プロセスの起動。停止および管理に使用されるコマンドライン・インタフェース。

|-mgr 

Managerプロセス。

|-extract 

Javaアプリケーションを起動するExtractプロセス。

|-replicat

Javaアプリケーションを起動するReplicatプロセス。

|-[UserExitExamples] 

サンプルのCプログラミング言語ユーザー・イグジット・コードの例。

|-[dirprm] 

ユーザーによって作成されるすべてのパラメータ・ファイルおよびプロパティ・ファイルを保持するサブディレクトリ。例:

javaue.prm 
javaue.properties 
jmsvam.prm 
jmsvam.properties 
ffwriter.prm 
|-[dirdef] 

証跡のメタデータを定義するソール定義ファイル(*.def)を保持するサブディレクトリ。

  • ユーザー・イグジット証跡データ用にコア・ユーティリティによって作成されます。

  • VAMメッセージの取得用にGendefアダプタ・ユーティリティによって作成されます。

|-[dirdat] 

VAM Extractによって生成、またはユーザー・イグジットExtractによって読み取られる証跡ファイルを保持するサブディレクトリ。

|-[dirrpt]

ログおよびレポート・ファイルを保持するサブディレクトリ。

|-[dirchk] 

Internal チェックポイント・ファイルを保持するサブディレクトリ。

|-[dirpcs] 

Internal 処理ステータス・ファイルを保持するサブディレクトリ。

|-[dirjar] 

Internal Oracle GoldenGate Monitor jarファイルを保持するサブディレクトリ。

|-[ggjava] 

Internal Java jarのインストール・ディレクトリ。読取り専用のため、変更しないでください。

|-|-ggjava.jar 

クラス・パスおよび依存性を定義するメインのJavaアプリケーションjar。

|-|-[resources] 

すべてのggjava.jar依存性を格納するサブディレクトリ。次のサブディレクトリを含みます。

  • [class] - プロパティおよびリソース

  • [lib] - ggjava.jarで必要なアプリケーションjar

|-ggjava_vam.dll 

VAM共有ライブラリ。UNIXではibggjava_vam.soになります。

|-ggjava.dll

Replicatベースの配信プロセスで使用されます。これは、UNIXではlibggjava.soです。

|-gendef 

JMSメッセージ入力のメタデータを格納するアダプタ・ソース定義ファイルを生成するためのユーティリティ(Oracle GoldenGateリリース12.1以下によって作成される証跡ファイルにのみ使用します)。

これは、証跡の入力メタデータを格納するソース定義を作成するOracle GoldenGate Defgenユーティリティとは異なるので注意してください。

|-. . . 

インストールに含まれるか、後で作成されるその他のサブディレクトリおよびファイル。

1.1.5 環境変数の設定

Oracle GoldenGate for JavaのJava環境を構成する手順:

  • Java Runtimeを検索できるようにPATH環境変数を構成する必要があります。

  • 共有(動的にリンクされた) Java仮想マシン(JVM)ライブラリも特定する必要があります。

Windowsでは、これらの環境変数をシステム変数として設定し、Linux/UNIXでは、グローバルまたはOracle GoldenGateプロセスを実行しているユーザーに設定する必要があります。Windows、UNIXおよびLinuxでこれらの環境変数を設定する例を、次以降の項で示します。

注意:

バージョンは2つあり、1つはJAVA_HOME/.../client、もう1つはJAVA_HOME/.../serverにあります。パフォーマンスの改善のために、サーバー・バージョンが利用可能な場合は使用します。Windowsでは、(JDKではなく) JREのみがインストールされている場合に、クライアントJVMがそこに存在する可能性があります。

1.1.5.1 Linux/UNIX上のJava

PATHでJREを特定できるように環境を構成し、システムの適切な環境変数を使用してJVM共有ライブラリを構成します。たとえば、Linux (およびSolarisなど)では、次のように、JVM共有ライブラリを格納するディレクトリが含まれるようにLD_LIBRARY_PATHを設定します(sh/ksh/bash)。

注意:

AIXプラットフォームでは、LIBPATH=を設定します。HP-UX IA64プラットフォームでは、SHLIB_PATH=を設定します。

例1-1 LinuxでのJavaのパスの構成

export JAVA_HOME=/opt/jdk1.8 
export PATH=$JAVA_HOME/bin:$PATH 
export LD_LIBRARY_PATH=$JAVA_HOME/jre/lib/i386/server:$LD_LIBRARY_PATH 

前述の例では、ディレクトリ$JAVA_HOME/jre/lib/i386/serverにファイルlibjvm.soおよびlibjsig.soが含まれるようにしてください。JVMライブラリを格納する実際のディレクトリは、オペレーティング・システムと、64ビットJVMを使用しているかどうかによって異なります。

次の例のように、コマンド・プロンプトを開いて、Javaバージョンをチェックし、環境設定を確認します。

$ java -version 
java version "1.8.0_92" 
Java(TM) SE Runtime Environment (build 1.8.0_92-b14) 

1.1.5.2 Windows上のJava

Javaをインストールしたら、JREおよびJVM DLL (jvm.dll)を特定できるようにPATHを構成します。

例1-2 WindowsでのJavaのパスの構成

set JAVA_HOME=C:\Program Files\Java\jdk1.8.0 
set PATH=%JAVA_HOME%\bin;%PATH% 
set PATH=%JAVA_HOME%\jre\bin\server;%PATH% 

前述の例では、ディレクトリ%JAVA_HOME%\jre\bin\serverにファイルjvm.dll.が含まれるようにしてください。

次の例のように、コマンド・プロンプトを開いて、Javaバージョンをチェックし、環境設定を確認します。

C:\> java -version 
java version "1.8.0_92" Java(TM) SE Runtime Environment (build 1.8.0_92-b14)) 

1.2 インストール手順

次の手順を実行して、Oracle GoldenGate for Big Dataをインストールします。

  1. 名前に空白のないインストール・ディレクトリを作成します。次に、ZIPファイルを新しいインストール・ディレクトリに解凍します。次に例を示します。
    Shell> mkdir installation_directory 
    Shell> cp path/to/installation_zip installation_directory 
    Shell> cd installation_directory 
    Shell> unzip installation_zip 
    

    LinuxまたはUNIXの場合は、次のように実行します。

    Shell> tar -xf installation_tar 
    

    これにより、「ディレクトリ構造」の複数のサブディレクトリに、ファイルがダウンロードされます。

  2. インストール・ディレクトリで、GGSCIを起動して、残りのサブディレクトリをインストールの場所に作成します。
    Shell> ggsci 
    GGSCI> CREATE SUBDIRS 
    
  3. Managerパラメータ・ファイルを作成します。
    GGSCI> EDIT PARAM MGR 
    
  4. エディタを使用して、Managerパラメータ・ファイルに行を追加し、リスニングするManagerのポートを指定します。次に例を示します。
    PORT 7801 
    
  5. WindowsでManagerをサービスとして実行している場合は、jvm.dllが含まれるようにシステム変数PATHを設定し、Managerサービスを削除して再追加します。
  6. GGSCIに移動して、Managerを起動し、実行されていることを確認します。
    GGSCI>START MGR 
    GGSCI>INFO MGR 

注意:

実行時にJVMを特定する場合に環境変数の問題をチェックする手順:

  • Windowsの場合はGETENV(PATH)パラメータ、UNIXの場合はGETENV(LD_LIBRARY_PATH)パラメータをReplicatパラメータ・ファイルに追加します。

  • Replicatプロセスを起動します。

  • GGSCIコマンドSEND REPLICAT group_name REPORTを使用して、レポートの出力をチェックします。