Oracle® Fusion Middleware Oracle GoldenGate for Big Dataのインストールおよびアップグレード 12c (12.3.0.1) E85687-01 |
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この章では、Oracle GoldenGate for Big Dataの新規インスタンスのインストール方法を説明します。
トピック:
正しいバージョンのJavaがインストールされ、環境変数が正しく設定および構成されていることを確認して、Java環境を準備します。
この項では、インストールの内容およびOracle GoldenGateアダプタで使用されるOracle GoldenGateインスタンスの概要について説明します。
Oracle GoldenGate for Big DataのインストールZIPファイルの内容は、次のとおりです。
Oracle GoldenGate Javaアダプタ
ビッグ・データのターゲットにデータをストリーミングするOracle GoldenGateのバージョン。このバージョンは、データベース固有ではなく、プラットフォーム依存であるため、汎用のラベルが付いています。
JMS取得の場合、JavaアダプタはOracle GoldenGateの汎用ビルドで実行する必要があります。ただし、証跡データをターゲットに配信するのにアダプタを使用する場合、汎用ビルドは不要です。この場合、Javaアダプタを任意のデータベース・バージョンのOracle GoldenGateで使用できます。
Oracle GoldenGateのビッグ・データ・インスタンスのカスタム・ビルドをインストールする場合、メリットとデメリットの両方があります。また、Big Dataのリリースと互換性のあるOracle GoldenGateのリリースにも制限があります。
メリット
非汎用のインスタンスでは、メタデータのデータベースにログインするようにExtractを構成できます。これにより、ソース・データベースDDLと同期する必要のあるソース定義ファイルを使用する必要がなくなります。
また、データベースの取得およびJMS配信を同じサーバーで実行する場合に、個別の2つのバージョンのOracle GoldenGateを管理する必要もありません。
デメリット
Oracle GoldenGateコア・インスタンスにパッチを適用する必要がある場合は、パッチを適用した新しいOracle GoldenGateのインストールにBig Dataをコピーする必要もあります。
Oracle GoldenGate for Big Dataは、汎用バージョンのOracle GoldenGateコアでのみテストおよび動作保証されます。コアの新しいパッチにより、互換性がなくなる場合があります。
制限事項
ビッグ・データ・ターゲットに書き込むReplicatモジュールは、Oracle GoldenGateの汎用ディストリビューションでのみ使用できます。
Oracle GoldenGate for Big Dataは、Oracle GoldenGateインスタンスと同じメジャー・リリースでインストールできます。したがって、11.1.xリリースのBig Dataは、11.1.xリリースのOracle GoldenGate (11.2.xの場合は11.2.x、12.1.2.xの場合は12.1.2.x)にのみインストールできます。
これは、VAMをロードできるExtractのバージョンのみであるため、汎用ビルドはJMS取得で使用する必要があります。
DEFGEN
ユーティリティは、Big Dataに付属していません。ソース定義を生成するには、データベース・タイプに専用に構築されたOracle GoldenGateのバージョンが必要です。
Javaユーザー・イグジットをOracle GoldenGateの非汎用インスタンスにインストールする場合は、最初に一時的な場所に解凍してから、アダプタ・ファイルをOracle GoldenGateインストールの場所にコピーします。
これを行うには、次の手順に従います。
ggjava
サブディレクトリからOracle GoldenGateのインストール・ディレクトリにファイルをコピーまたは移動します。Gendef
もコピーできます。(汎用ビルドでのみ動作するため、共有ライブラリggjava_vam
をコピーする必要はありません。)Oracle GoldenGate for Big Dataには、Windows版、Linux版、UNIX版があります。ダウンロードするには、最初にOracleサポート・サイトにアクセスし、使用するオペレーティング・システムおよびアーキテクチャに利用できるパッチがあるかどうかを確認します。
注意:
インストールに含まれる汎用ビルドを使用しない場合は、ダウンロードするOracle GoldenGate Big Dataのビルドのメジャー・リリースが、一緒に使用するOracle GoldenGateインスタンスのメジャー・リリースに一致する(互換性がある)ことを確認します。
http://support.oracle.com
に移動します。
Oracle IDとパスワードでサインインします。
「Patches and Upgrades」タブを選択します。
「Search」タブで、「Product or Family」をクリックします。
「Product」フィールドで、「Oracle GoldenGate for Big Data」と入力します。
「Release」ドロップダウン・リストから、ダウンロードするリリースのバージョンを選択します。
次のフィールドに「Platform」がデフォルトで表示されていることを確認したら、ドロップダウン・リストからプラットフォームを選択します。
最後のフィールドは空のままにします。
「Search」をクリックします。
「Advanced Patch Search Results」リストで、指定した基準を満たす使用可能なビルドを選択します。
「File Download」ダイアログ・ボックスで、ZIPファイルをクリックしてダウンロードを開始します。
利用可能なパッチがサポート・サイトにない場合は、リリースのダウンロード用のOracle配信サイトにアクセスします。
Oracle GoldenGate for Big Dataは、Java 1.8で動作保証されています。Oracle GoldenGate for Javaをインストールおよび実行する前に、Java (JDKまたはJRE)バージョン1.8以降をインストールする必要があります。Java Runtime Environment (JRE)または完全なJava Development Kit (JREに付属)を使用できます。
次の表は、インストール・ファイルを解凍してサブディレクトリを作成した場合のサブディレクトリおよびファイルを含むサンプルです。次の表記規則が使用されています。
サブディレクトリは、角カッコ([])で囲まれてています。
レベルは、パイプとハイフン(|-
)で示されます。
内部の表記は、変更できない読取り専用のディレクトリを示します。
テキスト・ファイル(*.txt
)はリストに含まれていません。
Defgen、Logdump、KeygenなどのOracle GoldenGateユーティリティは、リストには含まれていません。
表1-1 サンプルのインストール・ディレクトリ構造
ディレクトリ | 説明 |
---|---|
[gg_install_dir] |
|
|-ggsci |
プロセスの起動。停止および管理に使用されるコマンドライン・インタフェース。 |
|-mgr |
Managerプロセス。 |
|-extract |
Javaアプリケーションを起動するExtractプロセス。 |
|
Javaアプリケーションを起動するReplicatプロセス。 |
|-[UserExitExamples] |
サンプルのCプログラミング言語ユーザー・イグジット・コードの例。 |
|-[dirprm] |
ユーザーによって作成されるすべてのパラメータ・ファイルおよびプロパティ・ファイルを保持するサブディレクトリ。例: javaue.prm javaue.properties jmsvam.prm jmsvam.properties ffwriter.prm |
|-[dirdef] |
証跡のメタデータを定義するソール定義ファイル(
|
|-[dirdat] |
VAM Extractによって生成、またはユーザー・イグジットExtractによって読み取られる証跡ファイルを保持するサブディレクトリ。 |
|-[ |
ログおよびレポート・ファイルを保持するサブディレクトリ。 |
|-[dirchk] |
Internal チェックポイント・ファイルを保持するサブディレクトリ。 |
|-[dirpcs] |
Internal 処理ステータス・ファイルを保持するサブディレクトリ。 |
|-[dirjar] |
Internal Oracle GoldenGate Monitor jarファイルを保持するサブディレクトリ。 |
|-[ggjava] |
Internal Java jarのインストール・ディレクトリ。読取り専用のため、変更しないでください。 |
|-|-ggjava.jar |
クラス・パスおよび依存性を定義するメインのJavaアプリケーションjar。 |
|-|-[resources] |
すべての
|
|-ggjava_vam.dll |
VAM共有ライブラリ。UNIXでは |
|
Replicatベースの配信プロセスで使用されます。これは、UNIXでは |
|-gendef |
JMSメッセージ入力のメタデータを格納するアダプタ・ソース定義ファイルを生成するためのユーティリティ(Oracle GoldenGateリリース12.1以下によって作成される証跡ファイルにのみ使用します)。 これは、証跡の入力メタデータを格納するソース定義を作成するOracle GoldenGate |
|-. . . |
インストールに含まれるか、後で作成されるその他のサブディレクトリおよびファイル。 |
Oracle GoldenGate for JavaのJava環境を構成する手順:
Java Runtimeを検索できるようにPATH
環境変数を構成する必要があります。
共有(動的にリンクされた) Java仮想マシン(JVM)ライブラリも特定する必要があります。
Windowsでは、これらの環境変数をシステム変数として設定し、Linux/UNIXでは、グローバルまたはOracle GoldenGateプロセスを実行しているユーザーに設定する必要があります。Windows、UNIXおよびLinuxでこれらの環境変数を設定する例を、次以降の項で示します。
注意:
バージョンは2つあり、1つはJAVA_HOME/.../client
、もう1つはJAVA_HOME/.../server
にあります。パフォーマンスの改善のために、サーバー・バージョンが利用可能な場合は使用します。Windowsでは、(JDKではなく) JREのみがインストールされている場合に、クライアントJVMがそこに存在する可能性があります。
PATH
でJREを特定できるように環境を構成し、システムの適切な環境変数を使用してJVM共有ライブラリを構成します。たとえば、Linux (およびSolarisなど)では、次のように、JVM共有ライブラリを格納するディレクトリが含まれるようにLD_LIBRARY_PATH
を設定します(sh/ksh/bash
)。
注意:
AIXプラットフォームでは、LIBPATH=
を設定します。HP-UX IA64プラットフォームでは、SHLIB_PATH=
を設定します。
例1-1 LinuxでのJavaのパスの構成
export JAVA_HOME=/opt/jdk1.8 export PATH=$JAVA_HOME/bin:$PATH export LD_LIBRARY_PATH=$JAVA_HOME/jre/lib/i386/server:$LD_LIBRARY_PATH
前述の例では、ディレクトリ$JAVA_HOME/jre/lib/i386/server
にファイルlibjvm.so
およびlibjsig.so
が含まれるようにしてください。JVMライブラリを格納する実際のディレクトリは、オペレーティング・システムと、64ビットJVMを使用しているかどうかによって異なります。
次の例のように、コマンド・プロンプトを開いて、Javaバージョンをチェックし、環境設定を確認します。
$ java -version java version "1.8.0_92" Java(TM) SE Runtime Environment (build 1.8.0_92-b14)
Javaをインストールしたら、JREおよびJVM DLL (jvm.dll
)を特定できるようにPATH
を構成します。
例1-2 WindowsでのJavaのパスの構成
set JAVA_HOME=C:\Program Files\Java\jdk1.8.0 set PATH=%JAVA_HOME%\bin;%PATH% set PATH=%JAVA_HOME%\jre\bin\server;%PATH%
前述の例では、ディレクトリ%JAVA_HOME%\jre\bin\server
にファイルjvm.dll.
が含まれるようにしてください。
次の例のように、コマンド・プロンプトを開いて、Javaバージョンをチェックし、環境設定を確認します。
C:\> java -version java version "1.8.0_92" Java(TM) SE Runtime Environment (build 1.8.0_92-b14))