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Oracle® Fusion Middleware Oracle GoldenGate for Big Dataの管理
リリース12c (12.3.0.1)
E85689-01
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2 Javaアダプタの概要

この章の内容は次のとおりです。

トピック:

2.1 Oracle GoldenGate VAMメッセージの取得

Oracle GoldenGate VAMのメッセージ取得は、Oracle GoldenGate Extractプロセスでのみ機能します。Oracle GoldenGateのメッセージの取得では、JMSメッセージングに接続してメッセージを解析し、メッセージ・データからOracle GoldenGate証跡を作成するOracle GoldenGate ExtractプロセスにVAMインタフェースを介して送信します。これによって、ターゲット・データベース用に稼働しているOracle GoldenGateシステムにJMSメッセージが配信されます。Oracle GoldenGate VAMのメッセージ取得には、Java 8が必須の依存関係です。

Oracle GoldenGate JMSメッセージ取得を使用するには、Oracle GoldenGate Extractプロセスにアタッチされ、動的にリンクされた共有VAMライブラリが必要です。

Extractプロセスによって書き込まれた、結果となる証跡を解析するために証跡定義ファイルが必要な場合には、gendefという別のユーティリティを使用して、Oracle GoldenGateソース定義ファイルを作成できます。

2.1.1 メッセージ取得構成オプション

メッセージ取得の3つの部分を構成するオプションは次のとおりです。

  • メッセージ接続: プロパティ・ファイルの値によって、JMSクライアントのJavaクラスパス、JMSソース宛先名、JNDI接続プロパティ、セキュリティ情報などの接続プロパティが設定されます。

  • 解析: プロパティ・ファイルの値によって、固定幅、カンマ区切りまたはXMLのメッセージの解析ルールが設定されます。これには、使用されるデリミタ、トランザクションの先頭と末尾の値、日付形式などの設定があります。

  • VAMインタフェース: VAM、dllまたはsoライブラリを識別するパラメータおよびプロパティ・ファイルがOracle GoldenGateコアExtractプロセス用に設定されます。

2.1.2 一般的な構成

次の図に、JMSメッセージを取得するための一般的な構成を示します。

図2-1 JMSメッセージ取得用の構成

図2-1の説明が続きます。
「図2-1 JMSメッセージ取得用の構成」の説明

この構成では、JMSメッセージはOracle GoldenGateアダプタJMSハンドラによって取得され、アダプタのメッセージ取得VAMを使用してExtractプロセスに転送されます。Extractによってデータが証跡に書き込まれ、証跡がデータ・ポンプExtractによってネットワーク経由でOracle GoldenGateターゲット・インスタンスに送信されます。ターゲットReplicatは証跡を使用してターゲット・データベースを更新します。

2.2 Oracle GoldenGate Java配信

Oracle GoldenGateによって取得されたトランザクション・データは、Oracle GoldenGate Java APIを介してリレーショナル・データベース以外のターゲット(JMS (Java Message Service)、ディスクに書き込まれたファイル、ビッグ・データ・アプリケーションへのデータのストリーミング、カスタム・アプリケーションのJava APIとの統合など)に配信できます。Oracle GoldenGate Java配信は、ExtractまたはReplicatプロセスと連携できます。ベスト・プラクティスとして、Oracle GoldenGate Replicatプロセスを使用してください。Oracle GoldenGate Java配信には依存関係としてJava 8が必要です。

Java用Oracle GoldenGateには、Oracle GoldenGate ReplicatプロセスからJavaコードを実行する機能があります。JavaのためのOracle GoldenGateを使用するには、次の条件が満たされている必要があります。

  • C/C++で実装され、Oracle GoldenGate Replicatプロセスの拡張モジュールを統合している動的リンク・ライブラリまたは共有ライブラリ。

  • Oracle GoldenGate Java APIを構成するJavaライブラリのセット(JAR)。このJavaフレームワークは、Java Native Interface (JNI)を介してReplicatと通信します。

  • Java 8がインストールされており、Oracle GoldenGate Java配信のプロセス(複数も可)をホストしているマシンでアクセスできる必要があります。Javaとその関連ライブラリを解決するには、環境変数が正しく設定されている必要があります。

図2-2 JMSメッセージを配信するための構成

図2-2の説明が続きます。
「図2-2 JMSメッセージを配信するための構成」の説明

2.3 配信構成オプション

Java配信モジュールは、GoldenGate Replicatプロセスによってロードされ、これはReplicatパラメータ・ファイルを使用して構成できます。ロード時に、Java配信モジュールはアダプタ・プロパティ・ファイルに存在する構成に基づいて引き続き構成されます。アプリケーションの動作は、次のようにしてカスタマイズできます。

  • プロパティ・ファイルの編集。たとえば、次のような編集があります。

    • ターゲット・タイプ、ホスト名、ポート番号、出力ファイル名、JMS接続設定の設定

    • debugレベルのロギングなどの有効化/無効化。

    • 使用されるメッセージ形式の識別。

  • レコードは、次の方法でカスタム・フォーマットにできます。

    • 既存のフォーマット・プロセス(固定長またはフィールド区切りのメッセージ形式、XML、JSONまたはAvro用)のプロパティの設定

    • Velocityテンプレート・マクロ言語を使用したメッセージ・テンプレートのカスタマイズ。

    • (オプション)カスタムJavaコードの記述。

  • (オプション)トランザクションおよび操作のカスタム処理、フィルタリング、またはカスタム・メッセージ形式の実装を行うカスタムJavaコードの記述。

JMSを使用したメッセージの送信およびディスクへのファイルの書込み用に既存の実装(ハンドラ)があります。ビッグ・データ・ターゲットの場合、サポートされているデータベースに書き込むための組込みの統合ハンドラがあります。

メッセージの送信用にあらかじめ定義されたメッセージ形式がいくつかあります(XML、フィールド区切りなど)。あるいは、テンプレートを使用してカスタム形式を実装できます。各ハンドラには、その構成プロパティを表すドキュメンテーションがあります。たとえば、ファイル名をファイル・ライターに対して指定したり、JMSキュー名をJMSハンドラに対して指定できます。一部のプロパティは複数のハンドラに適用されます。たとえば、同一のメッセージ形式をJMSとファイルに使用できます。