Oracle® Fusion Middleware Oracle Business Intelligence Enterprise Editionユーザーズ・ガイド 12.2.1.3.0 E90111-02 |
|
前へ |
次へ |
キー・パフォーマンス・インディケータ(KPI)は、モニタリング、改善および評価が必要な、より大きい組織の戦略へとつながる特定のビジネスのゴールや目標を定義および追跡する計量法です。
KPIは、通常時間とともに変わる計量可能な値で、スコアとパフォーマンス・ステータスを決定するためのターゲットを持ちます。詳細な分析を可能にするディメンションが含まれ、トレンド用およびパフォーマンス・パターンの特定のために経時的な比較を行えます。
次のリストで、Oracle BI EEでのKPIの特定の使用方法について確認してください。
ターゲットに対するメトリックを評価し、ターゲットが達成されていない場合にエージェントを使用して適切なユーザーにアラートを送信します。
KPIから分析を作成し、その分析をダッシュボードに追加します。KPIから作成される分析では、ユーザーは、KPIのディメンションに基づいて、様々な詳細レベルにドリルできます。
たとえば、製品の売上というKPIに、地域と会計時間のディメンションを追加し、地域ごと、および会計四半期などの期間ごとの製品の売上値を表示できます。この追加によって、データの多次元のサブセットを収集し、ディメンション・メトリックの異なるターゲット値に対して、KPIで測る目標とイニシアティブのパフォーマンスを評価できます。
Oracle Scorecard and Strategy Managementでは、KPIを使用して、戦略を形成する目標と、目標の達成に必要なイニシアティブ(タスクまたはプロジェクト)のパフォーマンスを評価したり、モニターします。「スコアカードの作成」を参照してください。
たとえば、顧客満足度調査の平均スコアと再注文のKPIを使用して、顧客満足度の改善という目標のパフォーマンスを測ります。
KPIのステータスとスコアは、実際の値と定義されたしきい値との比較によって決まります。
KPIのパフォーマンス・ステータスは、各範囲に割り当てられたステータス・アイコンで示されます。
たとえば、製品の売上KPI(値が大きい方が望ましい)の場合、表に示す範囲を定義します。しきい値は、範囲の区切りとなる数値です。
評価範囲ルール | しきい値 | 名前 | ステータス・アイコン |
---|---|---|---|
125を超える(125 < x)値は、パフォーマンスが申し分ないことを表します |
126以上 |
優 |
青色の四角 |
100から125まで(100 < x <= 125)の値は、パフォーマンスがよいことを表します |
125 |
良 |
緑色の四角 |
80から100まで(80 < x <= 100)の値は、パフォーマンスがまずまずであることを表します |
100 |
可 |
黄色の四角 |
50から80まで(50 < x < = 80)の値は、パフォーマンスが悪いという警告を表します |
80 |
警告 |
明るい赤色の四角 |
50より小さい(x <= 50)値は、パフォーマンスがクリティカルなことを表します |
50以下 |
クリティカル |
濃い赤色の四角 |
KPIはKPIエディタを使用して作成され、KPIエディタはスタンドアロンのエディタとしても、スコアカード・エディタ内からもアクセスできます。
KPIを作成して保存すると、次のように使用できます。
スコアカードの基礎的要素 - KPIを作成して割り当て、組織の戦略の進捗とパフォーマンスを測ることができます。スコアカード内に、進捗とパフォーマンスを測るためにKPIに割り当てる目標(運用コストの削減などのゴール)およびイニシアティブ(コスト最小化チームの結成などのプロセスまたはタスク)を定義できます。「目標とは」および「イニシアティブとは」を参照してください。
分析として - 分析をKPIから生成できます。この場合、Oracle BI EEは分析をカタログに保存します。分析をダッシュボードに含めたり、関連ドキュメントとしてスコアカード、KPI監視リストまたはKPIに含めることができます。分析として出力する前にKPIに固定したディメンション値は、分析に含められます。固定では、1つ以上の値をディメンションに割り当てることで、ユーザーに表示されるデータを制限またはフィルタ処理します。分析でドリルダウンを使用できます。ユーザーが分析を開くたびに、Oracle BI EEで分析のデータがリフレッシュされます。
KPI監視リストに含める - KPIのグループを含む監視リストや、固定のディメンション値を使用して1つのKPIを複数回表示する監視リストを作成できます。監視リストは、保存後、カタログ・オブジェクトとして使用でき、ダッシュボードやスコアカードに追加できます。ユーザーは監視リストにアクセスし、監視リストに含まれているKPIのディメンション値を変更できます。スコアカードには、「イニシアチブとKPI」ウォッチリスト、「目標とKPI」ウォッチリスト、ブレークダウン・ウォッチリストなど、他のタイプのウォッチリストを含めることができます。「検証の理解」を参照してください。
ユーザーの対話の促進 - KPIが、KPIウォッチリストに追加された場合、またはスコアカード内の目標やイニシアチブに追加された場合、KPIにコメントを追加したり、他のユーザーのコメントを読んだり、返信することができます。KPIに関する質問やコメントを使用して、KPIのビジネス所有者に連絡をとることもできます。また、ビジネス所有者は、KPIのステータスをオーバーライドできます。
アクションの開始 - KPI内でクリックされると関連付けられているアクションを実行するアクション・リンクを追加できます。たとえば、内部支出のKPIのパフォーマンスが非常に高く、支出が過度なことを示している場合、クリックされると適切な従業員に電子メールを送信するアクション・リンクを作成できます。
エージェントのトリガー - KPIの値、パフォーマンス・レベルおよびステータスを使用して、エージェント・アラートを開始する条件をトリガーできます。たとえば、内部コストKPIの値が特定の金額を超えたときに通知するエージェントを定義できます。
ディメンションはデータの分類で、分類には、ビジネス・アナリストのデータの分析方法が反映されます。
アナリストが、ある単位で、あるいはあるものと比較して数値を表示する場合、データのディメンションを指定します。一般的なディメンションは、地理、製品、顧客および時間です。
KPIの場合、サブジェクト・エリアから属性列をディメンションとして選択できます。KPIを設計する際、1つ以上のディメンションに1つ以上のデータ値を固定する(Region =
Centralなど)か、KPIのウォッチリストまたはスコアカードへの追加時やウォッチリストまたはスコアカードのダッシュボードへの追加時に、すべてまたは一部のディメンション値を固定するよう指定できます。設計者によって値が固定されると、ユーザーは値を変更できません。
あらかじめ固定された値を持たないKPIをウォッチリストに追加する場合、設計者は1つ以上の値を固定したり、セッション変数、リポジトリ変数またはグローバル変数を指定してディメンション値を設定できます。設計者がディメンションに値または変数を固定しない場合、KPIのユーザーは実行時に、KPIウォッチリストまたはKPIを含むスコアカードの視点領域、ダッシュボードの変数プロンプトまたはダッシュボードの列プロンプトから1つ以上の値を選択できます。
KPIウォッチリストまたはKPIを含むスコアカード・オブジェクトがプロンプト付きでダッシュボードに追加され、KPI定義の特定のプロンプトのディメンションでKPIにディメンションが設定されていない場合は、そのプロンプトが無視されます。さらに、KPIがその定義の特定のディメンション値に固定されている場合は、そのディメンションのプロンプトが無視されます。KPIウォッチリストまたはKPIを含むスコアカード・オブジェクトをプロンプトを含むダッシュボードに追加する際には、ダッシュボードまたはダッシュボード・ページへのダッシュボード・プロンプトの追加および「ダッシュボードのプロパティ」ダイアログを参照してください。
ディメンションを含むKPIが分析に出力される場合、ディメンションは列およびドリルとして表示されます。ディメンション値が固定されている場合、分析は、固定された値によって決定されるデータに限定されます。ディメンションに複数の値が固定されている場合、固定された値ごとに行が表示されます。
KPIには複数のディメンションを定義しますが、KPI定義自体の中でディメンションを固定しないでください。これによって、ユーザーはKPIを再利用して、スコアカードの戦略ツリー、ウォッチリストまたはダッシュボード・プロンプト内に固定できます。たとえば、ディメンションを固定する非常に特殊なKPI (北米の地域など)を作成する場合、そのKPIの使用は制限される可能性があります。ディメンションを固定しないでおいた場合は、ユーザーが固定する領域を決定します。このKPIの使用を使用すると柔軟性と再利用性が向上するため、非常に特殊なKPIの作成および管理が不要になります。
コンテンツ設計者がKPIの作成に使用できるいくつかのページがあります。
これらのページを図に示します。「KPIの作成」を参照してください。
「KPI」エディタの「一般プロパティ」ページおよび「KPI」エディタの「ディメンション」ページに入力する必要があります。
ページ間をナビゲートするには、「次」および「戻る」ボタンを選択するか、ナビゲーション・トレインに従ってページ名をクリックします。次の図に、ナビゲーション・トレインを示します。
KPIを編集する方法は複数あります。
保存済KPIをオープンおよび編集する手順は、次のとおりです。KPIはカタログに格納されていますが、KPIウォッチリスト、スコアカードおよびダッシュボードに追加できます。KPIを編集して保存すると、KPIの表示箇所に変更が伝播されます。
次の手順を使用して、カタログからKPIを編集します。
カタログを使用してKPIにアクセスして編集できます。
ターゲット設定では、適切な権限とセキュリティ設定を備えたユーザーがKPIの実際の値やターゲット値を変更できます。
一度変更すると、値はリポジトリに送信されて格納されます。次に、Oracle BI EEでは、これらの変更された値を使用して、集計値の再計算、キャッシュのリフレッシュ、およびKPIウォッチリストまたはKPIの追加先スコアカードのリフレッシュが実行されます。ターゲット設定は、現在、Essbase データ・ソースにのみ使用できます。「スコアカードの権限と許可について」を参照してください。
KPIでターゲット設定を使用するために実行する必要がある複数のステップがあります。
コンテンツ設計者がターゲット設定を備えたKPIを作成するには、管理者が、次の前提条件タスクを実行しておく必要があります:
ターゲット設定のリポジトリの構成 - Oracle BI EEのリポジトリ管理者は、Oracle BIリポジトリの物理層、ビジネス・モデルとマッピング層およびプレゼンテーション層にOracle Essbaseデータ・ソースをマッピングして、ターゲット設定機能を有効にする必要があります。次に、管理者は論理列の「書込み可能」オプションを選択してから、対応するプレゼンテーション列の「読取り/書込み」権限を有効にして、ターゲット設定を有効にするリポジトリ内の列のライト・バックを有効にする必要があります。詳細は、『Oracle Business Intelligence Enterprise Editionメタデータ・リポジトリ作成者ガイド』の列でのライトバックの有効化に関する項を参照してください。
計算スクリプトの作成 - Oracle BI EEのリポジトリ管理者は、Oracle Essbaseを使用して、データ・ソースの計算スクリプトを作成します。計算スクリプトを作成すると、Oracle BI EEの「KPI」エディタの「一般プロパティ」ページにある「更新後ビジネス・ルール」リストに計算スクリプトが表示されるようになります。設計時には、コンテンツ設計者が計算スクリプトを選択します。実行時には、指定した計算スクリプトがOracle BI EEで使用されて、KPIの実際の値とターゲット値をユーザーが変更して保存した後にデータが再計算されます。
詳細は、Oracle Essbaseデータベース管理者ガイドのブロック・ストレージ・データベース用の計算スクリプトの作成に関する項を参照してください。
ユーザー権限の割当て - KPIの実際の値とターゲット値をユーザーが変更できるようにするには、Oracle BI EEのシステム管理者が特定の権限をユーザーに割り当てる必要があります。プレゼンテーション・サービスの権限の詳細は、「スコアカードの権限と許可について」を参照してください。
ユーザーが実行時に更新できる実際の値とターゲット値が指定されたKPIを作成するために、コンテンツ設計者が実行する必要がある手順がいくつかあります。
図に、プロセスで必要な各ステップを示します。「ターゲット設定タスク・フローのステップの説明」および「KPIの作成」を参照してください。
ターゲット設定タスク・フローのステップの説明
次のリストで、KPIのターゲット設定を設定するために実行する必要がある各ステップを説明します。
KPIに対する実際の値とターゲット値の追加 - 「KPI」エディタの「一般プロパティ」ページで、「実際の値」および「ターゲット値」フィールドを使用して、KPIのステータスとスコアを決定するために使用する値を指定します。現在は、Essbaseデータ・ソースごとに1つのKPIのみを作成できます。
実際の値とターゲット値をユーザーが更新できるようにメジャーを書込み可能としてマーク - 「KPI」エディタの「一般プロパティ」ページで、「書込み可能」チェック・ボックスを使用して、どの値をユーザーが変更できるようにするかを指定します。1つまたは両方の値を書込み可能として選択できます。
ビジネス・ルールの選択 - 「KPI」エディタの「一般プロパティ」ページで、「更新後ビジネス・ルール」リストを使用して、計算スクリプトを指定します。計算スクリプトがOracle BI EEで使用されて、ユーザーが値を変更した後にデータが再計算されます。リポジトリ管理者はOracle Essbaseを使用して、設計時に表示されるデータ・ソースおよび計算スクリプトを作成します。「KPIのターゲット設定を設定するための前提条件」を参照してください。
コンテンツ設計者は、ターゲット設定が有効なKPIを、KPIウォッチリスト、目的およびイニシアティブなどのウォッチリストに含めることができます。
「検証の理解」を参照してください。
正しい権限が付与されているユーザーは、書込み可能な実際の値やターゲット値を実行時に変更および保存できます。ユーザーが値を入力および保存すると、Oracle BI EEでは、リポジトリへの値の送信、集計値の再計算、およびウォッチリストのリフレッシュが実行されます。「スコアカードの権限と許可について」を参照してください。
KPIを使用して、KPIウォッチリスト、スコアカードまたはスコアカード図に基づいて分析を生成できます。
次の手順を使用して、分析をKPIから生成します。分析は、組織のデータに対する問合せで、ビジネスに関する質問(特定の飲料の地域の年間売上はいくらかなど)の解答を得ることができます。「新規分析の作成」を参照してください。
分析は、KPI監視リスト、スコアカードまたはダッシュボード内のスコアカード図ビューに含まれたKPIから生成できます。分析を生成すると、カタログのDrillsフォルダ(/My Folders/Drills
)に格納されます。My Folders/Drills
フォルダは一時的な格納用に使用されるため、セッションの終了後、分析が残っていない可能性があります。分析を保持するには、別のディレクトリにコピーします。たとえば、共有ダッシュボードで使用する分析を保持するには、/Shared Folders
のフォルダにコピーします。
分析の生成後、分析はダッシュボードに配置したり、分析としてカタログから開いたり、関連ドキュメントとしてスコアカード、KPI監視リストまたはKPIにアタッチできます。ユーザーが分析を開くたびに、データはリフレッシュされます。
KPIディメンションに複数の値が固定されている場合は、各値が個別の行として分析に表示されます。
ウォッチリストのKPIから分析を生成するには:
KPI監視リストを含むカタログ、スコアカードまたはダッシュボードからKPI監視リストを特定し、開きます。
「パフォーマンス」タブに移動し、「KPIウォッチリスト」表内で、分析に出力するKPIを含む列を選択します。
「オブジェクト」をクリックし、「分析」を選択します。新規ブラウザ・タブが開き、分析が表示され、Oracle BI EEによって、分析がカタログのDrillsフォルダ(/My Folders/Drills
)に保存されます。
スコアカードのKPIから分析を出力するには:
スコアカードの戦略ツリー、イニシアティブ・ツリー、「スコアカードのドキュメント」ペインまたは「カタログ」ペインを展開し、KPIを選択します。
KPIを右クリックし、「分析」を選択します。新規ブラウザ・タブが開き、分析が表示されます。Oracle BI EEによって、分析がカタログに保存されます。
「エージェントの作成」オプションを使用することで、KPIからエージェントを作成できます。
KPIディメンション、指定したディメンション値、およびステータスを使用して、KPIに基づいた条件を作成し、その条件を「エージェント」エディタの「条件」タブに追加します。
KPIを分析として出力し、分析をカタログに保存して、分析を「エージェント」エディタの「配信コンテンツ」タブに添付します。
パフォーマンス、継続的フィードバックおよびリアルタイム・アラートをモニターするには、KPIおよびスコアカードのエージェントを使用します。日常的な決定を企業戦略に沿ったものにして、普通ではない結果に対してアラートをトリガするには、アクションを使用します。
「コンテンツの配信」を参照してください。KPIのビジネス所有者にメッセージを送信できます。
ビジネス所有者は、KPIの管理の責任を負うユーザーです。KPIの作成または変更時、コンテンツ設計者はOracle BI EEユーザー・リストからビジネス所有者を選択します。
Oracle BI EEでは、ビジネス所有者が「マイ・アカウント」ダイアログの「配信オプション」タブで指定した配信デバイスとプロファイルを使用して、メッセージの配信先(電子メール、電話、ページャなど)を決定します。
KPIウォッチリストからKPIのビジネス所有者に連絡するには:
カタログからKPIウォッチリストを特定して開くか、KPIウォッチリストを含むダッシュボードを開くか、KPIウォッチリストを含むスコアカードを開きます。
「パフォーマンス」タブに移動し、「KPIウォッチリスト」表内で、連絡相手が所有するKPIを含む行を選択します。
「オブジェクト」をクリックし、「所有者への連絡」を選択します。「所有者への連絡」ダイアログが表示されます。
「件名」フィールドに、意味のある件名を入力します。
「優先度」リストから、このメッセージを送信する優先度を選択します。
「メッセージ」フィールドに、KPIの所有者へのメッセージを入力します。
「送信」をクリックします。
スコアカードからKPIのビジネス所有者に連絡するには:
スコアカードの戦略ツリー、イニシアティブ・ツリーまたはスコアカードのドキュメント・フォルダを展開し、KPIを選択します。
KPIを右クリックし、「所有者への連絡」を選択します。「所有者への連絡」ダイアログが表示されます。
「件名」フィールドに、意味のある件名を入力します。
「優先度」リストから、このメッセージを送信する優先度を選択します。
「メッセージ」フィールドに、KPIの所有者へのメッセージを入力します。
「送信」をクリックします。
KPIのステータスは、ビジネス所有者のみがオーバーライドできます。
ビジネス所有者は、KPIの管理の責任を負うユーザーです。KPIの作成または変更時、コンテンツ設計者はOracle BI EEユーザー・リストからビジネス所有者を選択します。
ビジネス所有者は、KPIの値が古い場合や使用できない場合、あるいはKPIの計量対象のステータスを正確に反映していない場合に、ステータスをオーバーライドできます。KPIのステータスは、ビジネス所有者がオーバーライド・ステータスを削除するまで、オーバーライドされたままになります。たとえば、店舗の売上を測るKPIを含むスコアカードがあるとします。火事によって店舗が焼かれ、営業できなくなった場合、ビジネス所有者はKPIのステータスをオーバーライドして、スコアカードがアンバランスにならないようにします。ビジネス所有者は、店舗の営業が再開されるまで、このオーバーライドを続けます。
「ステータスのオーバーライドの操作」を参照してください。
KPIへのコメントの追加は、利害関係者が対象項目について話し合う手段となります。
KPIの利害関係者は、KPIの列にコメントを追加できます。利害関係者は、他のユーザーが入力したコメントをレビューしたり、これに応答することもできます。KPIのコメントにアクセスすると、時系列に累積されたコメントのリストが表示されます。
「コメントの操作」を参照してください。
KPI監視リストは、カタログに格納されているKPIを追加して作成したKPIの集まりです。
KPI監視リストを作成して保存すると、カタログ・オブジェクトとして格納され、ダッシュボードやスコアカードに追加できます。ユーザーはカタログからKPIを直接表示できないため、KPIウォッチリストは、KPIを分析に出力したり、KPIをスコアカードに含めたりすることと並ぶ、KPIをユーザーに配布する方法の1つです。
KPI監視リストでは、次のKPIパフォーマンス情報が提供されます。
KPIを識別するラベル
現行のステータス
パフォーマンスが向上しているか、低下している、同じかを示したり、変更を加えた方がよいかどうかを示すトレンド・ステータス
実際の値とターゲット値。これらの値は、コンテンツ設計者が書込み可能に設定できます。「ターゲット設定とは」を参照してください。
現在の値がターゲットとどれだけ異なるかの差異の値とパーセント
現在の値がその前の期間とどれだけ異なるかを示す変化の値とパーセント
KPIウォッチリストは、特定の使用方法および特定のユーザーに対する正式または非正式なリストを簡単に作成できたり、ユーザーに適切な権限がある場合、情報に関する特定のニーズを満たす独自のKPIウォッチリストを作成できるため、便利です。たとえば、KPI監視リスト・デザイナが、特定のスコアカードの戦略とイニシアティブをサポートするKPIを含むKPI監視リストを作成します。あるいは、ユーザーが、個々の目標をモニターするKPIウォッチリストを作成します。たとえば、営業担当者が、特定の地域内の四半期の売上合計をモニターするKPIを含むKPI監視リストを作成できます。「スコアカードの権限と許可について」を参照してください。
KPIウォッチリスト設計者は、KPIを追加するたびに異なるディメンション値を固定して、1つのKPIをKPIウォッチリストに複数回追加し、ユーザーが、ディメンションを指定してKPIを再ロードしなくても、簡単に全体像を把握できるようにすることができます。
KPIウォッチリストによって、ユーザーは、ウォッチリストからKPIを選択して分析に出力したり、KPIのビジネス所有者に連絡する機能を得ることもできます。
KPIウォッチリストの作成により、ユーザーが1つ以上のKPIを追跡および更新するための場所を作成できます。
KPIウォッチリストを作成するには、次の手順に従います。「KPIウォッチリストの編集」を参照してください。