Oracle® Fusion Middleware Oracle Business Intelligence Publisher管理者ガイド 12c (12.2.1.3.0) E80600-02 |
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内容は次のとおりです。
Oracle BI Publisherの使用時に問題が発生した場合のエンド・ユーザーのサポートや、原因を把握して問題を修正するためのOracleサポートとのやり取りは、通常、システム管理者が担当します。
問題は、エンド・ユーザーがエラー・メッセージを受信したり、パフォーマンスの低下や可用性の損失を経験したときに報告されることがあります。
管理者は、主に次のように対処して問題解決をサポートします。
エラーと診断ログ情報の調査。詳細は、次を参照してください。
可用性とパフォーマンスの問題を把握するためのシステムおよびプロセス・メトリックの調査。詳細は、次を参照してください。
BI Publisherは、Oracle Diagnostic Logging (ODL) 形式で診断ログ・ファイルに書き込みます。
ログ・ファイルの名前とログ・ファイルの内容の形式は、Oracle標準に準拠します。WLST displayLogsコマンドを使用してログ・ファイルを表示するか、ログ・ファイルをローカル・クライアントにダウンロードし、別のツールを使用してそれらを表示することができます(たとえば、テキスト・エディタや別のファイル表示ユーティリティ)。
ログ・ファイルは、Oracle Fusion Middleware Controlを使用して作成および編集されます。デフォルトでは、インストール後、bipublisher-handlerログが作成されます。このログ・ファイルを構成することも、新しいロガーを作成することもできます。
ログ・ファイルの各メッセージ・カテゴリは、1から32までの特定のデフォルト値に設定され、ログ・レベル以下のレベルのメッセージだけがログに書き込まれます。
ログ・ファイルのメッセージには次の表に説明するように様々なカテゴリがあります。
レベル | 説明 |
---|---|
IncidentError:1 |
原因不明の重大な問題です。この問題を解決するにはOracleサポートに問い合せる必要があります。この例としては、回復不能なエラーや重大な問題があります。 |
Error:1 |
システム管理者が対応する必要がある問題が発生しましたが、製品の不具合によるものではありません。パフォーマンスへの影響はありません。 |
Warning:1 |
管理者による確認を要する、潜在的な問題。この例としては、パラメータ値が無効な場合や指定したファイルが存在しない場合などがあります。 |
Notification:1 |
プライマリ・サブコンポーネントや機能のアクティブ化や非アクティブ化などの主要なライフサイクル・イベント。これはNOTIFICATIONのデフォルト・レベルです。 |
NOTIFICATION:16 |
通常のイベントをレポートする粒度の詳細なレベル。 |
TRACE:1 |
パブリックAPIエントリや終了ポイントなど、管理者に重要なイベントに関するトレースまたはデバッグ情報。 |
TRACE:16 |
詳細なトレースまたはデバッグ情報で、Oracleサポートによる特定のサブシステムの問題診断に有益なもの。 |
TRACE:32 |
非常に詳細なトレースまたはデバッグ情報で、Oracleサポートによる特定のサブシステムの問題診断に有益なもの。 |
ログ・ファイルの形式は一貫している必要があります。
ただし、使用可能な形式は複数あり、ログ・ファイルで使用する形式は変更も可能です。ログ・ファイルで使用する形式を変更し、新しい形式が現在のログ・ファイルの形式と異なる場合は、新しいログ・ファイルが作成されます。たとえば、ODL-XMLを含むログ・ファイルには必ずXMLが含まれ、テキストが混在することはありません。
ログ・ファイルの形式は「ログ・ファイルの編集」ダイアログで構成します。「ログ・ファイルの構成」を参照してください。形式は、TextまたはXMLにすることができます。
Oracle Fusion Middleware Controlを使用してBI Publisherのログ・ファイルを構成します。
次のトピックを参照してください。
Oracle Fusion Middleware Controlでログ・レベルを設定できます。
「レポート・ジョブのスケジュール」ページの「診断」タブでジョブ診断を有効にして、「レポート・ジョブ履歴」からジョブ診断ログをダウンロードできます。
Oracle Fusion Middleware Controlを使用してログ・メッセージを表示するか、直接ログ・ファイルを表示できます。
Oracle Fusion Middleware Controlでログ・メッセージを表示するには:
ログ・ファイルは、「ログ・ファイルの編集」ダイアログの「ログ・パス」に指定されたディレクトリにあります。サーバー上のそのディレクトリに移動して、ログ・ファイルを表示します。
次は、ODL形式のエラー・メッセージの例です。
<msg time="2009-07-30T16:00:03.150-07:00" comp_id="xdo" type="ERROR" level="1" host_id="MyBIPHost" host_addr="122.22.222.22" module="oracle.xdo" tid="11" user="Administrator"> <txt>Variable 'G_dept' is missing...</txt> </msg>
次の表は、ログ・ファイルに表示されるメッセージの属性を説明しています。
属性名 | 説明 |
---|---|
time |
メッセージが生成された日時。ローカル・タイムゾーンが反映されます。 |
comp_id |
メッセージを生成したコンポーネントのID。 |
type |
メッセージのタイプ。使用可能な値は、INCIDENT_ERROR、ERROR、WARNING、NOTIFICATION、TRACEおよびUNKNOWNです。メッセージ・タイプの詳細は、「ログ・ファイル・メッセージのカテゴリとレベルについて」を参照してください。 |
level |
メッセージ・レベル。メッセージ・タイプを限定する整数値で示されます。指定できる値は、1 (最高の重大度)から32 (最低の重大度)までです。 |
host_id |
メッセージを生成したホストの名前。 |
host_addr |
メッセージを生成したホストのネットワーク・アドレス。 |
module |
メッセージを生成したモジュールのID。コンポーネントが単独のモジュールの場合は、この属性にコンポーネントIDが表示されます。 |
tid |
メッセージを生成したスレッドのID。 |
user |
メッセージを生成した実行コンテキストを所有するユーザーの名前。 |
パフォーマンスの監視では、問合せ、レポートおよびドキュメント生成のパフォーマンスを監視したり、収集した詳細情報を分析できます。
BI PublisherはOracle Dynamic Monitoring Service (DMS)でパフォーマンス統計を収集します。http://server_address:enterprise_manager_port/dms/Spy
でEnterprise ManagerのDMSによって提供されているDMSスパイのサーブレットを使用して、パフォーマンス・データを監視できます。BI Publisherでは、DMSによって収集された属性、動作および関連統計を明らかにするMBeanも提供されます。次の表に、提供されるBeanの概要を示します。
管理Bean | 説明 |
---|---|
ReportEventMonitor |
レポートごとに1つのMbeanを作成し、レポートの詳細な監視データを表示します。 |
ServerEventMonitor |
サーバーごとに存在し、ユーザーとサーバーのアクティビティ・サマリーを表示します。 |
UserEventMonitor |
ユーザーごとに1つのMbeanを作成し、ユーザーの詳細な監視データを表示します。 |
管理サーバー構成ページで監視と監査を有効にします
監視と編集を有効にする手順は次のとおりです。
管理サーバー構成ページで「モニターと監査」を有効にします。「「サーバー構成」ページでの監視と監査の有効化」を参照してください。
Fusion Middleware Control(Enterprise Manager)を使用して、「監査ポリシー設定」を構成します。「監査ポリシー設定の構成」を参照してください。
WebLogic Serverを再起動します。
BI Publisherアプリケーションの監視と監査を有効にすることができます。
Oracle Fusion Middleware Controlで監査ポリシー設定を構成します。
監査ポリシー設定を構成するには
通常では、「監査レベル」を「中」に設定します。
イベントごとに監査レベルをカスタマイズする場合は、「監査レベル」リストから「カスタム」を選択します。この設定により、イベントごとに監査レベルを設定してフィルタを適用できるようになります。使用可能なイベントを表示するために、カテゴリ(「ユーザー・セッション」、「レポート・アクセス」、「レポート実行」、「レポート・ジョブ」または「レポート・アクセス」)を選択します。
BI Publisherサーバーの監査対象のイベントは次のとおりです。
ユーザー・ログイン
ユーザー・ログアウト
レポート・リクエスト
レポート・リクエストのスケジュール
レポート再公開
レポート・データのダウンロード
レポートのダウンロード
レポート・データ・プロセス
レポート・レンダリング
レポートの配信
レポート・ジョブのスケジュール
レポート・ジョブの取消し
レポート・ジョブの削除
レポート・ジョブのパージ
レポート・ジョブの再開
レポート・ジョブ履歴の削除
レポート・ジョブ履歴のパージ
リソースの作成
リソースの更新
リソースのコピー
リソースの削除
リソース名の変更
WebLogic Server BIサーバー・ディレクトリのbipublisherフォルダの監査ログを表示できます。ORACLE_HOME/user_projects/domains/bi/servers/bi_server1/logs/auditlogs/bipublisher/audit_1_0.log
。
データベースの監査リポジトリに問い合せることもできます。収集されたデータを分析するために、BI Publisherを使用して独自のレポートを作成できます。
監査フレームワークで提供されるレポートの詳細は、『Oracle Platform Security Servicesによるアプリケーションの保護』を参照してください。
12cリリースでBIドメインを構成すると、ドメインに対する監査スキーマが作成され、データソースが作成され、監査データベースが登録されます。
監査を構成したら、BI Publisherを使用して独自のレポートを作成し、監査データを視覚化できます。
BI Publisherで監査データのレポートを作成する手順は次のとおりです。
以前の手順でJNDIとして作成した監査データソース(JNDI/JDBC接続)をJNDIデータソースとしてBI Publisherに登録します。
JNDIとして登録したJDBC接続を作成したので、接続URL、ユーザー名とパスワードなどを入力してJDBC接続を新たに作成する必要はありません。JNDI名(例: jdbc/AuditDB)を使用するのみで登録できます。
BIPUBLISHER_Vビューに対してSQL問合せを実行して、データ・モデルを作成します。
監査データソースからデータ・モデルを作成する手順は次のとおりです。
注意:
『Oracle Business Intelligence Publisherデータ・モデリング・ガイド』を参照してください。
管理者権限を持つユーザーのみが、DMSスパイのサーブレットを使用して、レポート・イベント・モニター、ユーザー・イベント・モニターおよびサーバー・イベント・モニターによって収集されたパフォーマンス統計を表示できます。
システムMBeanブラウザを使用して、レポート・イベント・モニター、サーバー・イベント・モニターおよびユーザー・イベント・モニターによって収集されたパフォーマンス統計を表示できます。