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Oracle® Fusion Middleware Forms Servicesデプロイメント・ガイド
12c (12.2.1.3.0)
E90224-02
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14 Forms診断エージェント

Forms診断エージェントまたはFormsメトリック・エージェントを使用すると、環境内で実行中のFormsアプリケーションに関するパフォーマンス関連の様々な情報を分析できます。

このエージェントはメトリック・データ(DMSで使用可能なもの)に定期的にアクセスし、データベース表に移入します。このプロセスにより、履歴データとして収集されたデータにアクセスできるようになります。Forms診断エージェントのデプロイメントはオプションです。このエージェント・アプリケーションは、データ収集の頻度の指定、さらにデータ収集の開始と停止の制御が可能な対話型インタフェースを備えています。これを行うには、次の項のタスクを実行します。

14.1 Oracle Forms 12cのインストール

Forms診断エージェントは、Oracle Forms 12cでのみ動作できます。

12cバージョンのOracle FormsをインストールしてForms診断エージェントが動作するように構成する必要があります(「Oracle Forms and Reportsのインストールおよび構成」を参照)

14.2 データベース・スキーマの設定

Forms診断エージェント用にDBスキーマを設定するには、データベース内にユーザーとスキーマを作成する必要があります。ユーザーは、独自のデータベース・インスタンスを選択できます。Formsまたは診断エージェントとともにインストールされる特殊なデータベースはありません。

データベース内のユーザーの作成

注意:

データベース内にユーザーを作成する前に、指定するユーザー名が新しいものであり、既存のものではないことを確認します。(データベース内にユーザーを作成する際に使用される).sqlスクリプトによってユーザーが新しいユーザーで上書きされるためです。

データベース内にユーザーを作成するには、次の手順を実行します。

  1. 次に示すとおり、sysdbaとしてデータベースにログインします。

    sqlplus sys/<sys-password>@<DB> as sysdba

  2. 次のスクリプトを実行します。

    @ORACLE_HOME/forms/forms_create_diagnostics_user.sql

  3. ユーザーは、ユーザーIDおよびパスワードを入力する必要があります。

ユーザーがデータベース内に作成されます。

データベース内のスキーマの作成

注意:

データベース内にスキーマを作成する前に、指定するユーザー名が新しいものであり、既存のものではないことを確認します。(データベース内にスキーマを作成する際に使用される).sqlスクリプトによってスキーマが新しいスキーマで上書きされるためです。

データベース内にスキーマを作成するには、次の手順を実行します。

  1. 前述の手順で作成したユーザーとして、データベースにログインします。

    sqlplus <user>/<password>@<DB>

  2. 次のスクリプトを実行します。

    @ORACLE_HOME/forms/forms_create_diagnostics_schema.sql

スキーマがデータベース内に作成されます。

14.3 WebLogicでのデータ・ソースの設定

Forms診断エージェントで使用するデータベースを設定した後で、Weblogicコンソールを使用してデータ・ソースを設定する必要があります。

Weblogicコンソールを使用してデータ・ソースを設定するには、次の手順を実行します。

  1. WebLogicコンソールにログインします。
  2. 左のナビゲーション・パネルで、「サービス」を選択し、「データ・ソース」にナビゲートします。

    「チェンジ・センター」ウィンドウで、ロックして編集をクリックして変更を行います。

  3. 「JDBCデータ・ソースのサマリー」ページで、「構成」をクリックします。

    「データ・ソース」表で、「新規」をクリックし、リストから「汎用データ・ソース」を選択します。

  4. 次のパラメータに値を入力します。

    JDBCデータ・ソースの名前

    ユーザーは任意の名前を入力できます。

    JNDI名

    oracle/forms/agentDS

    データベースのタイプ

    前述の手順でユーザーおよびスキーマの作成に使用したデータベースのタイプを選択します。

    「次」をクリックします。「新しいJDBCデータ・ソースの作成」ページが表示されます。

  5. 選択したデータベースのタイプに使用可能なドライバのリストから、「データベース・ドライバ」を選択します。「次」をクリックします。
  6. 次のパラメータに値を入力します。

    データベース名

    ホスト名

    ポート

    データベース・ユーザー名

    前述の手順で、データベースにユーザーを作成したときに使用したユーザー名を入力します。

    パスワード

    前述の手順で、データベースにユーザーを作成したときに使用したパスワードを入力します。

    「次」をクリックします。

  7. 次のページで、左上にある「構成のテスト」をクリックし、データベースが正しく構成されたかどうかをチェックします。

    「次」をクリックします。

  8. データ・ソースをデプロイするターゲットとして、「管理サーバー」を選択します。

    「終了」をクリックします。

  9. 「チェンジ・センター」ウィンドウで、「変更のアクティブ化」をクリックして変更を保存します。
これでJDBCデータ・ソースの設定は終了です。

14.4 Forms診断エージェントのデプロイ

Weblogicでデータ・ソースを設定した後で、Weblogic管理サーバーにForms診断エージェントをデプロイする必要があります。

Forms診断エージェントをデプロイするには、Weblogicコンソールで次の手順を実行します。

  1. Weblogicコンソールにログインします。
  2. 左のナビゲーション・パネルで、「デプロイメント」を選択します。

    「チェンジ・センター」ウィンドウで、ロックして編集をクリックして変更を行います。

  3. 「デプロイメントのサマリー」ページで、「インストール」をクリックします。

    「アプリケーション・インストール・アシスタント」ページが表示されます。

  4. .warファイルのパスを次のとおり入力します。

    ORACLE_HOME/forms/j2ee

    これは、formsagentapp.warファイルの場所です。

  5. formsagentapp.warファイルを選択します。「次」をクリックします。

    「ターゲット指定スタイルの選択」ページが表示されます。

  6. 「Install this deployment as an application」を選択します。
  7. Forms診断エージェントをデプロイするターゲットとして、「管理サーバー」を選択します。「次」をクリックします。
  8. オプション設定はデフォルト値のままにし、「終了」をクリックします。

    「チェンジ・センター」ウィンドウで、「変更のアクティブ化」をクリックして変更を保存します。

Forms診断エージェントが、Weblogic管理サーバーに正常にデプロイされました。

このアプリケーションを起動するには、デプロイされたアプリケーションのリストから「formsagentapp」を選択し、「起動」をクリックします。

14.5 データ収集の管理

Forms診断エージェントを使用すると、インタフェースを使用してデータ収集を管理できます。

ユーザーは、データ収集の頻度を指定したり、データ収集の開始と停止を制御できます。そのためには、次の手順を実行します。
  1. 次のURLから、エージェント・コンソールにログインします。

    http://<host>:<admin port>/formsagent/AgentConsole.jsp

  2. ユーザーIDおよびパスワードを入力します。

    管理者権限を持つすべてのユーザーがこのコンソールにログインできます。

  3. データ収集の頻度に値を入力します。このパラメータは、連続する2つのデータ収集の間隔です。

    デフォルト値は10分です。最小値は1分にする必要があります。

  4. 「起動」をクリックします。
Forms診断エージェントが実行中であることを示すメッセージが表示されます。エージェントによるメトリックの収集を停止する必要がある場合は、「停止」をクリックします。

14.6 エージェント・アプリケーションの使用

ユーザーがエージェント・アプリケーションにメトリックの収集を開始するよう指示すると、エージェントによってDMSからメトリックが収集され、データベース表に移入されます。ユーザーは、データベース表内のこの収集されたメトリックにアクセスできます。

収集されたメトリックを使用する場合、ユーザーはフロントエンド・アプリケーションを作成して、これらのデータを読み取り、チャートやグラフなどを準備して環境内で実行中のFormsアプリケーションの履歴パフォーマンスを分析できます。

各表の主キーおよび外部キーを、次のそれぞれの表に示します。次に、Forms診断エージェントによるメトリック収集中に移入されるデータベース表を示します。

表14-1 ADMIN_SERVERデータベース表

シリアル番号 列名 サンプル値 説明

01

AGENT_ID

1

AGENT_IDは、ADMIN_SERVERデータベース表の主キーです。

エージェント・アプリケーションのID。1から始まる任意の整数

02

ADMIN_HOSTNAME

myhost.mydomain.com

管理サーバーがデプロイされたマシンの名前

03

ADMIN_PORT

7001

管理サーバーのポート

表14-2 AGENTデータベース表

シリアル番号 列名 サンプル値 説明

01

AGENT_STATUS

Running

エージェントのステータス

02

REAL_TIME

2009.07.23 at 17:11:41

ステータスが記録される日時

すべての時刻エントリはUTC/GMT形式

03

SEQUENCE_ID

205

エージェントのステータスが記録されるたびにエージェントによって作成されるID

04

FREQUENCY

40

連続する2つのデータ収集の間隔(分単位)

05

AGENT_ID

1

AGENT_IDは、このデータベース表の外部キーです。これはADMIN_SERVERデータベース表内のAGENT_IDを参照しています。

エージェント・アプリケーションのID。1から始まる任意の整数

表14-3 FRM_DBデータベース表

シリアル番号 列名 サンプル値 説明

01

FRM_DB_ID

8769

FRM_DB_IDは、FRM_DBデータベース表の主キーです。

Formsアプリケーションで使用されるデータベースに割り当てられたID

02

DB_NAME

v11g

frmwebが接続されているデータベース。v11gに接続されている場合は、このフィールドにv11gと表示されます。frmwebがいずれのデータベースにも接続されていない場合、これはNULLになります。

03

TNS_ENTRY

(DESCRIPTION =

(ADDRESS_LIST =

(ADDRESS = (PROTOCOL = TCP)(HOST = sample.host.com)(PORT = 1521)))

(CONNECT_DATA =

(SERVICE_NAME = v11g)))

frmwebが接続されているデータベースのTNSエントリ

04

USER_NAME

scott

ログインしているデータベース・ユーザー

表14-4 FRM_DB_LOGINデータベース表

シリアル番号 列名 サンプル値 説明

01

FRM_DB_LOGIN_ID

345

FRM_DB_LOGIN_IDは、FRM_DB_LOGINデータベース表の主キーです。

表内の各行に割り当てられたID

02

FRM_RUNTIME_ID

107

FRM_RUNTIME_IDは、このデータベース表の外部キーです。これはFRM_RUNTIMEデータベース表内のFRM_RUNTIME_IDを参照しています。

03

FRM_DB_ID

1025

FRM_DB_IDは、このデータベース表の外部キーです。これはFRM_DBデータベース表内のFRM_DB_IDを参照しています。

Formsアプリケーションで使用されるデータベースに割り当てられたID

04

REAL_TIME

2009.07.23 at 17:11:41

表を更新するためのステータスが記録されメトリック・データが収集される日時

すべての時刻エントリはUTC/GMT形式

表14-5 FRM_RUNTIMEデータベース表

シリアル番号 列名 サンプル値 説明

01

FRM_RUNTIME_ID

107

FRM_RUNTIME_IDは、FRM_RUNTIMEデータベース表の主キーです。

Formsプロセスを識別するID

02

WLS_APP_ID

5005

WLS_APP_IDは、このデータベース表の外部キーです。これはWLS_APPデータベース表内のWLS_APP_IDを参照しています。

WLS_APP表内のFormsアプリケーションを判別します。

03

FRM_USER_ID

1310

FRM_USER_IDは、このデータベース表の外部キーです。これはFRM_USERデータベース表内のFRM_USER_IDを参照しています。

Formsクライアントまたはクライアント・インスタンスに割り当てられたID

04

CONFIG_VALUE

formsweb.cfgからの構成セクション名

05

CONNECT_TIME

2009.07.23 at 17:11:41

frmwebが起動される日時

すべての時刻エントリはUTC/GMT形式

06

DISCONNECT_TIME

2009.07.23 at 18:15:43

frmwebが終了する日時

すべての時刻エントリはUTC/GMT形式

07

STARTING_FORM_NAME

emp

開始フォームの名前

08

PROCESS_ID

8020

中間層マシン上のfrmwebのプロセスId

09

FRM_STATUS

Running / Exited

frmwebのステータス

10

FRM_CPU_TIME_ON_EXIT

256

frmwebの終了時のCPU時間

11

FRM_PRIVATE_MEMORY_ON_EXIT

6385

終了時にFormsプロセスで使用されていたメモリー

12

FRM_EXIT_CODE

表14-6 FRM_TRACEデータベース表

シリアル番号 列名 サンプル値 説明

01

FRM_TRACE_ID

2679

FRM_TRACE_IDは、このデータベース表の主キーです。

FRM_TRACEデータベース表内の行に割り当てられたID

02

TRACE_FILE

forms_1055.trc

ftraceが有効化されている場合のトレース・ファイルの名前。ftraceが無効化されている場合はNULLになります。

03

TRACING

mytrace

アプリケーションによって選択されたトレース・グループの名前

表14-7 FRM_TRACE_USEデータベース表

シリアル番号 列名 サンプル値 説明

01

FRM_TRACE_USE_ID

1906

FRM_TRACE_USE_IDは、このデータベース表の主キーです。

データベース表内の行に割り当てられたID

02

FRM_RUNTIME_ID

107

FRM_RUNTIME_IDは、このデータベース表の外部キーです。これはFRM_RUNTIMEデータベース表内のFRM_RUNTIME_IDを参照しています。

Formsプロセスを識別するID

03

FRM_TRACE_ID

2679

FRM_TRACE_IDは、このデータベース表の外部キーです。これはFRM_TRACEデータベース表内のFRM_TRACE_IDを参照しています。

データベース表内の行に割り当てられたID

04

REAL_TIME

2009.07.23 at 17:11:41

表を更新するためのステータスが記録されメトリック・データが収集される日時

すべての時刻エントリはUTC/GMT形式

表14-8 FRM_USERデータベース表

シリアル番号 列名 サンプル値 説明

01

FRM_USER_ID

1310

FRM_USER_IDは、このデータベース表の主キーです。

Formsクライアントまたはクライアント・インスタンスに割り当てられたID

02

CLIENT_IP

255.255.255.255

ブラウザの起動元およびユーザーが中間層への接続に使用したクライアント・マシンのIPアドレス

03

SSO_USERID

fname.lname@myapp.com

ログインしたユーザーのシングル・サインオンID

表14-9 HISTORYデータベース表

シリアル番号 列名 サンプル値 説明

01

FRM_RUNTIME_ID

107

FRM_RUNTIME_IDは、このデータベース表の外部キーです。これはFRM_RUNTIMEデータベース表内のFRM_RUNTIME_IDを参照しています。

Formsプロセスを識別するID

02

REAL_TIME

2009.07.23 at 17:11:41

スナップショットが実行される日時

すべての時刻エントリはUTC/GMT形式

03

SEQUENCE_ID

205

エージェントのステータスが記録されるたびにエージェントによって作成されるID。

04

FRM_BYTES_SENT

400

これまでに、このプロセスでサーバーからクライアントに送信されたバイト数

05

FRM_BYTES_SENT_DELTA

37

エージェントで前回測定されてから、このプロセスでサーバーからクライアントに送信されたバイト数の差分

06

FRM_BYTES_RECEIVED

200

これまでに、このプロセスでクライアントからサーバーに送信されたバイト数

07

FRM_BYTES_RECEIVED_DELTA

23

エージェントで前回測定されてから、このプロセスでクライアントからサーバーに送信されたバイト数の差分

08

FRM_NETWORK_ROUND_TRIPS

30

これまでに、このプロセスでクライアントとサーバーとの間に発生したネットワーク・ラウンド・トリップ数

09

FRM_NETWORK_ROUND_TRIPS_DELTA

3

エージェントで前回測定されてから、このプロセスでクライアントとサーバーとの間に発生したネットワーク・ラウンドトリップ数の差分

10

FRM_CPU_TIME

230

これまでに、このプロセスでfrmwebにかかった合計処理時間

11

FRM_CPU_TIME_DELTA

47

エージェントで前回測定されてからの、FRM_CPU_TIMEの値の差分

12

FRM_PRIVATE_MEMORY

7998

スナップショットの取得時にFormsプロセスで使用されていたメモリー

13

ITERATION

50

データベース表にデータが収集された回数。

表14-10 WLS_APPデータベース表

シリアル番号 列名 サンプル値 説明

01

WLS_APP_ID

5005

WLS_APP_IDは、このデータベース表の主キーです。

WLS_APP表内のFormsアプリケーションを判別します。

02

SERVER_TYPE

MANAGED

サーバーのタイプ(MANAGED、ADMINなど)

03

SERVER_NAME

WLS_FORMS

サーバー名

04

DEPLOYED_APPLN_NAME

formsapp

Formsアプリケーション名

05

FORMS_HOSTNAME

host52.example.com

Formsランタイムが実行されている中間層マシン

06

INSTANCE_HOME_NAME

asinst_1

FormsランタイムがデプロイされているFMWインスタンス・ホームの名前

07

CLUSTER_NAME

cluster_xyz

Formsアプリケーションがデプロイされているクラスタの名前

08

AGENT_ID

1

AGENT_IDは、このデータベース表の外部キーです。これはADMIN_SERVERデータベース表内のAGENT_IDを参照しています。

エージェント・アプリケーションのID。1から始まる任意の整数

14.7 エージェント・アプリケーションの制限

Forms診断エージェントには、そのデプロイメントおよび使用に関して制限があります。

制限事項は次のとおりです。

  • Forms診断エージェント・アプリケーションのデプロイメントはオプションです。Formsアプリケーションに関してパフォーマンス関連の情報が必要な場合は、インストール後にForms診断エージェントを手動でデプロイする必要があります。

  • このエージェント・アプリケーションは、管理サーバーのみにデプロイする必要があります。このエージェント・アプリケーションによって、その管理サーバーのWLSドメインで実行中のすべてのFormsセッションに関する情報が収集されます。

  • エージェントがメトリック・データ(DMSで使用可能なもの)にアクセスするには、DMSアプリケーションが起動されて実行中である必要があります。

  • スキーマは、任意の時点で1つのドメインでのみ機能するように設計されています。別々のドメインで実行されている複数のエージェントに対して、同じスキーマは使用できません。

  • データ収集の頻度に小さい値を設定しないでください。データ収集の頻度に小さい値を設定すると、本番環境が遅くなり、過剰で不要なデータ収集が行われます。

  • このユーティリティは、データベース・オブジェクトおよび収集の実行に必要なエージェントのみを提供します。収集したデータを公開するためのユーザー・インタフェース(UI)は提供しません。データは、前述のドキュメントで概説した表を問い合せることで取得できます。あるいは、お気に入りのテクノロジを使用してユーザー・インタフェースを開発できます。