Oracle® Fusion Middleware Oracle User Messaging Serviceの管理 12c (12.2.1.3.0) E90140-01 |
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この章は、Oracle User Messaging Service (UMS)の使用を開始する上での一助となります。UMSのインストール方法とアップグレード方法について説明します。また、高可用性の実現とテスト環境から本番環境への移行に必要な手順について説明します。
この章では、次の項目について説明します。
UMSのインストールおよび構成の詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Fusion Middleware Infrastructureのインストールと構成』を参照してください。UMSのインストールは、主に次の手順で構成されています。
リポジトリ作成ユーティリティ(RCU)の実行によるデータベース・スキーマの作成
RCUを実行したら、コンポーネントのリストで「ユーザー・メッセージング・サービス」を選択します。データベース・スキーマの作成の詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Fusion Middleware Infrastructureのインストールと構成』の「Oracle Fusion Middleware Infrastructureドメインの構成」を参照してください。
UMSテンプレートを使用したドメインの拡張
UMSテンプレートは、ORACLE_HOME/oracle_common/common/templates/wls
にあります。UMSテンプレートの詳細は、『Oracle Fusion Middlewareドメイン・テンプレート・リファレンス』を参照してください。WebLogic Server構成ウィザードで、oracle.ums.basic_template.jar
を使用してドメインを拡張し、UMS JDBCプロパティを設定し、選択したドライバとともにUMSサーバーを管理対象のサーバーまたはクラスタにターゲット設定します。Oracle User Messaging Service基本テンプレートは、管理対象サーバーums_server1
を定義し、すべてのUMSコンポーネントをそのサーバーにターゲット設定するクイック・スタート・テンプレートです。
注意: UMSクライアントAPIは、UMSクライアント・アプリケーションが参照する必要がある共有ライブラリにパッケージされています。この共有ライブラリは、UMSサーバーおよびJRFテンプレートがインストールされている場所で使用できます。ただし、クライアント・アプリケーションがUMS以外の管理対象サーバーで稼働していて、UMS WebサービスAPIが使用されているとき、JRFテンプレートを使用しない場合は、クライアント共有ライブラリを明示的にデプロイする必要があります。これを実現するには、$ORACLE_HOME/common/templates/wls/oracle.ums.client_template.jar で入手可能なUMSクライアントAPIテンプレートを使用して、クライアント・アプリケーションがデプロイされるドメインを拡張します。UMSクライアントAPI共有ライブラリはoracle.sdp.clientと呼ばれます。 |
UMS 12cへのアップグレードの詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle Fusion Middleware Infrastructureへのアップグレードを参照してください。
UMSには、Oracle Fusion Middleware Upgrade Assistantへのスキーマ・アップグレード・プラグインと構成アップグレード・プラグインが用意されています。構成アップグレード・プラグインでは、11gのアプリケーション・レベル構成から12cのドメイン・レベル構成への変更を処理します。これには、リモート管理対象サーバーから管理サーバーへのアプリケーション構成のコピーや、UMSドメイン・レベル構成ファイルへのアプリケーション構成のマージなどがあります。詳細は、付録A「11gから12cへのユーザー・メッセージング・サービスのアップグレード」を参照してください。アップグレード・アシスタントを使用した11gから12cへのアップグレードの詳細は、Oracle Fusion Middleware Upgrade Assistantによるアップグレードを参照してください。
UMSに対してスケーラビリティの高い環境を実現できます。高いスケーラビリティを実現するために、UMSではまったく同じに構成された新しいノードを追加して水平方向に規模を拡大します。つまり、同じタイプのドライバおよびUMSアプリケーションが各ノードにデプロイされます。これで、JMSのスケーラビリティまたはデータ・ストレージのスケーラビリティが制限要因となるところまでUMSの線形スケーラビリティが実現します。
WS-UMSサーバー・アプリケーション・コンポーネントはUMSノードにデプロイされるため、UMSノードと同じように規模を拡大します。一方、WS-UMSクライアント・アプリケーションは別のマシンにデプロイされるため、スケーラビリティはそのコンポーネントの設計次第です。
UMSでは、環境の規模を拡大するための次のデプロイメント・シナリオに対応しています。
ドメインにデプロイされたUMSのインスタンスをまったく同じに構成し、デプロイする場合。サーバー数にもドメイン/クラスタの設定方法にも制限はありません。
ドメインにデプロイされた構成が異なるUMSのインスタンス(サーバーまたはドライバ、あるいはその両方)を別個のクラスタにデプロイする必要がある場合。
環境の規模拡大の詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle Fusion Middlewareの管理を参照してください。
サーバー全体の移行は、UMSでサポートされる主要な高可用性機能です。サーバー全体の移行の詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Serverクラスタの管理』を参照してください。
UMSの高可用性は、次の方法によって実現できます。
外部ゲートウェイへの自動再接続
メッセージの再送信とフェイルオーバー・チェーン
データベース接続問題を処理する永続性レイヤー・リカバリ
高可用性の詳細は、『Oracle Fusion Middleware高可用性ガイド』を参照してください。
このフレームワークにより、テスト環境から本番環境へのOracle Fusion Middlewareコンポーネントの移行が容易になります。テスト環境から本番環境へのOracle Fusion Middlewareの移行に使用する手順の詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle Fusion Middlewareの管理を参照してください。
テスト環境の構成のほとんどは、このフレームワークによって自動的に処理されます。カスタム・アクションが必要なコンポーネントは、T2Pプラグインでこれらを実装します。UMSには、このフレームワークに対するT2Pプラグインが用意されています。ユーザー・プリファレンスのデータの一部は、データベースに格納され、テスト・データベースから本番データベースにそのデータを移動するためにT2Pプラグインを必要とします。また、T2Pプラグインにより、本番システムの起動前に本番環境用の設定を準備できるように、ホスト名やポートなどの事前に選択したドライバ構成プロパティがmoveplan.xml
ファイルに抽出されます。
テスト環境から本番環境への移行の詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle Fusion Middlewareの管理を参照してください。