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Oracle® Fusion Middleware Oracle WebLogic Serverの理解
12c (12.2.1.3.0)
E90327-01
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11 WebLogic Server Webサービス

Webサービスは、企業のイントラネットまたはインターネット上で記述したり、公開したり、呼び出したりできる自己完結型のアプリケーションです。Webサービスは、Extensible Markup Language (XML)やHTTPなどの標準のWebプロトコルを使用してアクセスされるため、Web上の(通常はXMLとHTTPをすでに理解している)多様な異種アプリケーションは、自動的にWebサービスにアクセスし、お互いと通信できます。

Webサービスの主な利点は次のとおりです。

Oracle Fusion MiddlewareでサポートされているすべてのWebサービスの概要は、「Webサービスの理解」を参照してください。

注意:

JAX-RPC APIは、バージョン12.2.1のOracle WebLogic Serverで非推奨となり、将来のリリースで削除されます。WebサービスはJAX-WSまたはJAX-RSを使用して開発することをお薦めします。

この章の内容は次のとおりです。

Webサービスの構造

Webサービスは、次の3つの要素によって特徴付けられます。Webサービスの機能(公開するビジネス機能)、アクセス方法(公開された機能を使用するために必要な公開されたインタフェースのセット)、およびその場所(その機能を公開するWebサイト)。

Webサービスにできることは、Web Services Description Language (WSDL)という標準XMLの用語で記述されます。たとえば、銀行業務Webサービスは、口座の確認、取引明細書の印刷、資金の預入れや引出しを行う機能を実装します。これらの機能は、銀行Webサービスにアクセスするすべてのコンシューマが呼び出すことのできるWSDLファイル内に記述されています。このため、コンシューマ側でWebサービスについて把握しておく必要があることは、実行できる内容が記述されているWSDLファイルのことのみです。

Webサービスのクライアント(たとえば、デスクトップ・アプリケーション、Java Platform, Enterprise Editionポートレットなど)は、Webサービスに対してXMLドキュメント形式のリクエストを送信してWebサービスを呼び出します。Webサービスは、リクエストを処理し、その結果をXMLドキュメント形式でWebサービスのクライアントに返します。

Webサービスのクライアントは、Simple Object Access Protocol (SOAP)形式でメッセージを送信できます。SOAPはXML形式のメッセージング・フレームワークであり、分散環境で異種アプリケーション間での構造化された情報の交換を可能にします。そして、Webサービスはそのリクエストを処理し、SOAPメッセージでレスポンスを返します。

Representational State Transfer (REST) Webサービス、すなわちRESTful Webサービスを開発することもできます。RESTは、SOAPのように追加のメッセージ層を使用することなく、HTTPなどの標準化されたインタフェースでデータを転送するためのシンプルなインタフェースを記述したものです。RESTは、リソース(特定の情報のソース)と見なされて一意のURIによって特定できるステートレス・サービスを作成するための設計ルールを提供します。クライアントは、メソッドの標準化された固定セットであるURIを使用してリソースにアクセスし、リソースの表現が返されます。クライアントは、新しいリソース表現ごとに状態を転送するよう指示されます。

セキュアなメッセージ交換を行うため、Webサービスは、サービスにアクセスするためのユーザー名やパスワードのような資格証明や、レスポンスを暗号化するための資格証明を必要とする場合があります。

Webサービスの標準

Webサービスの標準を定義する仕様の多くは、業界全体で幅広く使用できるように記述されています。Oracle WebLogic Serverでの特定の仕様の実装では、その仕様で考慮されているすべての使用方法がサポートされていない場合もあります。しかし、Oracleでは、Webサービス仕様の考え得るあらゆる使用事例をサポートするよりも、Webサービス・プラットフォームの相互運用性の方をより重要視しています。

Webサービスは、次を含むXMLベースの企業標準のセットを必要とします。

  • サービス・コンシューマとサービス・プロバイダの間での統一的な通信を可能にするデータ形式であるXML

  • ビジネス・トランザクションで使用するXMLボキャブラリを記述するフレームワークであるXMLスキーマ。

  • サービスの実装において、構造化された情報を交換するためのプロトコルであるSOAP

  • サービスを記述するためのモデルを提供するXMLベースの言語であるWSDL

  • ポリシーを使用したサービスの機能、要件、一般的な特徴を記述するための柔軟性の高い拡張可能な文法を提供するフレームワークであるWS-Policy

Webサービスのためのロードマップ

WebLogic Serverのドキュメント・セットには、WebLogic Webサービスの開発および管理方法の理解に役立つ、いくつかの入門的なトピック、手順的なトピック、リファレンス的なトピックがサンプルとともに含まれています。

表11-1 Webサービスのためのロードマップ

主要なタスク サブタスクと追加情報

WebLogic Webサービスについてさらに詳しく理解する

  • WebLogic Webサービスでサポートされる機能および基準

  • WebLogic Webサービスの概要

  • JAX-WSとRESTful Webサービスから選択

  • Webサービス・セキュリティの概要

サンプルの使用(WebLogic Webサービス開発者向け)

JAX-WSを使用したWebサービスの開発

  • Javaからの開始

  • WSDLからの開始

  • JWSファイルのプログラミング

  • JAXバインディングの使用

  • Webサービスの呼出し

  • Webサービスの非同期的な呼び出し

  • Webサービスの信頼性のあるメッセージングの使用

  • Webサービスの永続性の管理

  • Webサービスのメッセージ・バッファリングの構成

  • クラスタ内のWebサービスの管理

  • Webサービスの原子性トランザクションの使用

  • Webサービスのエンドポイントの公開

  • コールバックの使用

  • MTOM/XOPを使用したバイナリ・データ伝送の最適化

  • XMLカタログの使用

  • SOAPを使用した例外処理

  • SOAPメッセージ・ハンドラの作成と使用

  • HTTPセッションを使用したステートフルJAX-WS Webサービスのプログラミング

RESTful Webサービスの開発

  • WebLogic ServerでのRESTful Webサービスの開発の標準サポート

  • RESTful Webサービスの開発について

  • ルート・リソース・クラスの定義

  • ルート・リソース・クラスの相対URIの定義

  • リクエストおよびレスポンスのメッセージ・タイプのカスタマイズ

  • 高度なRESTful Webサービス・タスク

  • RESTful Webサービス・クライアントの開発

  • RESTful Webサービス・アプリケーションのパッケージ化とデプロイ

  • RESTful Webサービスとクライアントの保護

  • RESTful Webサービスのテスト

  • RESTful Webサービスのモニタリング

  • Server-Sent Eventsの使用方法

WebLogic Webサービスのデプロイと管理

  • RESTful Webサービスのパッケージ化とデプロイ

  • JAX-WS Webサービスの開発

WebLogic Webサービスのセキュリティ

  • 『Oracle WebLogic Server WebLogic Webサービスの保護』

WebLogic Webサービスとの相互運用性

  • Microsoft WCF/.NETとの相互運用性

  • WebLogic Webサービス・セキュリティとOracle WSMセキュリティとの間での相互運用性