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Oracle® Fusion Middleware Oracle WebLogic Server WebLogic Tuxedo Connectorの管理
12c (12.2.1.3.0)
E90366-01
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9 WebLogic Tuxedo Connectorサンプル・クイック・スタート・ガイド

この章では、Oracle WebLogic Server管理コンソールを使用してOracle WebLogic Tuxedo Connectorを構成し、Oracle WebLogic ServerがOracle Tuxedoと相互運用できるようにする方法を例示します。

この章の内容は次のとおりです。

Oracle WebLogic Tuxedo Connectorサンプルの場所

このリリースのOracle WebLogic Tuxedo Connector (WTC)のサンプルは、Oracle Technology Network Webサイトで入手できます。WebLogic Serverインストールのサンプル・ディレクトリ内にwtcディレクトリを作成します。wtc_90.tarの内容をこのディレクトリに展開します。このドキュメントで参照されるサンプルを実行するには、simpappサンプルとsimpservサンプルをダウンロードする必要があります。

Oracle WebLogic Tuxedo Connectorの構成

注意:

この節では、Windowsプラットフォーム上でOracle WebLogic Tuxedo Connectorを構成する方法について概説します。UNIXユーザーの場合には、「\」を「/」に、あるいは「.cmd」を「.sh」に置き換えるなど、読み替えを適切に行えば、説明はそのまま当てはまります。

このサンプルは、Oracle Tuxedoドメイン(Tドメイン)を越えて実行できるようにOracle Tuxedo simpappアプリケーションを拡張しています。このため、TOUPPERサービスのクライアントは、Oracle TuxedoサーバーでもOracle WebLogic Server examplesServerでも実行できます。このサンプルでは、以下のサービスが提供されます。

  • TOUPPER :文字列を大文字に変換するOracle Tuxedoサービス。Oracle WebLogic Serverクライアントは、TOUPPER EJBを呼び出して、Oracle Tuxedo TOUPPERサービスに接続します。

  • Tolower : Oracle WebLogic ServerのEJBによって実装されるサービス。TolowerサービスのクライアントはOracle Tuxedoで実行されます。

次の各項では、WebLogic Server管理コンソールを使用してOracle WebLogic Tuxedo Connectorを構成する方法について説明します。

simpappサンプルのビルド

注意:

Oracle WebLogic Tuxedo Connectorをモニターするためのトレースを有効にすることもできます。WebLogic Tuxedo Connectorのモニターを参照してください。

次の手順に従って、simpappサンプルをビルドします。

  1. Oracle WebLogic examplesServerを起動します。
  2. 新しいシェル・ウィンドウを開き、ORACLE_HOME\user_projects\domains\wl_server\setExamplesEnv.cmdファイルを使用して環境変数を設定します。
  3. simpappサンプルをダウンロードした場所にディレクトリを変更します。たとえば、ORACLE_HOME\wlserver\samples\server\examples\src\examples\wtc\atmi\simpappディレクトリに変更します。『Oracle WebLogic Serverの理解』の「サンプル・アプリケーションおよびサンプル・コード」を参照してください。
  4. antを使用してwtc_toupper.jarファイルをビルドします。これにより、EJBがOracle WebLogic Serverにデプロイされます。antコマンドを入力します。
  5. simpservサンプルをダウンロードした場所にディレクトリを変更します。たとえば、ORACLE_HOME\\wlserver\samples\server\examples\src\examples\wtc\atmi\simpservディレクトリに変更します。
  6. wtc_tolower.jarファイルをビルドします。これにより、EJBがOracle WebLogic Serverにデプロイされます。antコマンドを入力します。
  7. ブラウザでWebLogic Server管理コンソールを起動します。その際、http://your_machine:7001/consoleという形式のURLを使用します。ただし、your_machineの部分は、使用しているマシンのIPアドレスまたは名前に置き換えます。
  8. ナビゲーション・ツリーで、「デプロイメント」をクリックし、wtc_tolower.jarおよびwtc_toupper.jarがデプロイされていることを確認します。

WTCサーバーの作成

Oracle WebLogic Server管理コンソールから、次の手順に従ってWTCサーバーの作成および構成を行います。

  1. ナビゲーション・ツリーで「相互運用性」を展開し、 「WTCサーバー」を選択します。
  2. 「WTCサーバー」ページで、「新規作成」をクリックします。
  3. 「新しいWTCサーバーの作成」ページの「名前」フィールドに、WTCサーバーの名前を入力します。例: mySimpapp
  4. 「OK」をクリックします。
  5. 「WTCサーバー」リストに、新しいWTCサーバーが表示されます。

ローカルOracle Tuxedoアクセス・ポイントの作成

注意:

ローカル・アクセス・ポイントのネットワーク・アドレスを構成する場合、使用するポート番号は、他のプロセスに割り当てられたポート番号とは異なる必要があります。たとえば、Oracle WebLogic Serverのリスニング・ポートが//mymachine:7001に割り当てられている場合、ネットワーク・アドレスを//mymachine:7001に設定すると無効になります。

次の手順に従って、ローカルOracle Tuxedoアクセス・ポイントを構成します。

  1. WebLogic Server管理コンソールで、「相互運用性」を展開し、「WTCサーバー」を選択します。

  2. 「WTCサーバー」ページで、mySimpappなどのWTCサーバーの名前を選択し、「設定」ページにアクセスします。

  3. 「構成」→「ローカルAP」を選択します。

  4. 「WTCローカル・アクセス・ポイント」ページのフィールドに、次の値を入力します。

    アクセス・ポイント: myLocalAp

    アクセス・ポイントID: TDOM2

    ネットワーク・アドレス: ローカル・アクセス・ポイントのネットワーク・アドレスとポート

    例: //123.123.123.123:5678

  5. 「OK」をクリックします。

  6. Tuxedo 6.5ドメインに接続する場合の手順は次のとおりです。

    1. 「接続」を選択します。

    2. 「相互運用」フィールドを「はい」に設定します。

    3. 「保存」をクリックします。

リモートOracle Tuxedoアクセス・ポイントの作成

次の手順に従って、リモートOracle Tuxedoアクセス・ポイントを構成します。

  1. WebLogic Server管理コンソールで、「相互運用性」を展開し、「WTCサーバー」を選択します。
  2. 「WTCサーバー」ページで、mySimpappなどのWTCサーバーの名前を選択します。
  3. 「構成」→「リモートAP」を選択します。
  4. 「WTCリモート・アクセス・ポイント」ページのフィールドに、次の値を入力します。

    アクセス・ポイント: myRemoteAP

    アクセス・ポイントID: TDOM1

    ローカル・アクセス・ポイント: myLocalAp

    ネットワーク・アドレス: リモート・アクセス・ポイントのネットワーク・アドレスとポート

    例: //123.123.123.123:1234

  5. 「OK」をクリックします。

エクスポートされたサービスの作成

次の手順に従って、エクスポートされたサービスを構成します。

  1. WebLogic Server管理コンソールで、「相互運用性」を展開し、「WTCサーバー」を選択します。
  2. 「WTCサーバー」ページで、mySimpappなどのWTCサーバーの名前を選択します。
  3. 「構成」→「エクスポート済み」を選択します。
  4. 「WTCエクスポート・サービス」ページのフィールドに、次の値を入力します。

    リソース名: TOLOWER

    ローカル・アクセス・ポイント: myLocalAp

    EJB名: tuxedo.services.TOLOWERHome

    リモート名: TOLOWER

  5. 「OK」をクリックします。

インポートされたサービスの作成

次の手順に従って、インポートされたサービスを構成します。

  1. WebLogic Server管理コンソールで、「相互運用性」を展開し、「WTCサーバー」を選択します。
  2. 「WTCサーバー」ページで、mySimpappなどのWTCサーバーの名前を選択します。
  3. 「構成」→「インポート済み」を選択します。
  4. 「WTCインポート・サービス」ページのフィールドに、次の値を入力します。

    リソース名: TOUPPER

    ローカル・アクセス・ポイント: myLocalAp

    リモート・アクセス・ポイント・リスト: myRemoteAP

    リモート名: TOUPPER

  5. 「OK」をクリックします。

mySimpappのexamplesServerへの割当て

  1. WebLogic Server管理コンソールで、「相互運用性」を展開し、「WTCサーバー」を選択します。
  2. 「WTCサーバー」ページで、mySimpappなどのWTCサーバーの名前を選択します。
  3. 「ターゲット」を選択します。
  4. examplesServerを選択します。
  5. 保存」をクリックします。

Oracle WebLogic ServerユーザーとしてのTDOM1の登録

次の手順に従って、TDOM1をOracle WebLogic Serverユーザーとして登録します。

  1. ナビゲーション・ツリーで、「セキュリティ・レルム」をクリックします。

  2. 「myRealm」をクリックします。

  3. 「ユーザーとグループ」を選択します。

  4. 「ユーザー」をクリックします。

  5. 「ロックして編集」をクリックします。

  6. 「新規」をクリックします。

  7. 「新しいユーザーの作成」ページで、以下の手順を行います。

    1. 「名前」フィールドにTDOM1を追加します。

    2. パスワードを入力し、確認用にもう一度入力します。

    3. 「OK」をクリックします。

  8. 「構成の解放」をクリックします。

Oracle Tuxedoの構成

次の手順に従って、Oracle Tuxedoドメインを構成します。

  1. PATH環境変数には、Cコンパイラのパスが含まれている必要があります。set PATHを使用してそのステータスを調べ、必要ならそのパスを追加します。
  2. インストールされているOracle Tuxedoからsimpappサンプルをコピーして、作業用Oracle Tuxedo simpappディレクトリを作成します。
  3. 作業用Oracle Tuxedo simpappディレクトリへ移動します。
  4. TUXDIRにあるsetEnv.cmdを使用して環境変数を設定します。以下のパラメータを更新します。

    TUXDIR - TUXEDOソフトウェアのベース・ディレクトリ

    APPDIR - サンプル・プログラムのベース・ディレクトリ

  5. 次のコマンドで、クライアントをビルドします。
    buildclient -o simpcl -f simpcl.c 
    buildserver -o simpserv -f simpserv.c -s TOUPPER 
    
  6. ubbdomainおよびdom1configファイルをORACLE_HOME\wlserver\samples\server\examples\src\examples\wtc\atmi\simpappディレクトリからOracle Tuxedo simpappディレクトリにコピーします。

    『Oracle WebLogic Serverの理解』の「サンプル・アプリケーションおよびサンプル・コード」を参照してください

  7. tolower.cファイルをORACLE_HOME\wlserver\samples\server\examples\src\examples\wtc\atmi\simpservディレクトリからOracle Tuxedo simpappディレクトリにコピーします。
  8. Oracle Tuxedo環境に合わせてubbdomainを変更します。変更には、APPDIRTUXCONFIG、およびTUXDIRのパス名の設定や、マシン名の設定などがあります。山カッコ(< >)で囲まれたすべての項目を、使用している環境の情報で置き換えます。

    例:

    APPDIR="\home\me\simpapp" 
    TUXCONFIG="\home\me\simpapp\tuxconfig"" 
    TUXDIR="\usr\tuxedo" 
    
  9. tmloadcf -y ubbdomainと入力して、ubbdomainファイルをロードします。
  10. Oracle Tuxedo環境に合わせてdom1configを変更します。ログ・デバイスの作成や、ネットワーク・アドレスの更新などがあります。

    例:

    DMTLOGDEV="d:\my_apps\tlog" 
    AUDITLOG="d:\my_apps\aud" 
    TDOM1 NWADDR="//TuxedoMachine:1234" 
    TDOM2 NWADDR="//WTCMachine:5678" 
    
  11. dom1configファイルをロードします。
    set BDMCONFIG=d:\mydomain\simpapp\bdmconfig 
    dmloadcf -y dom1config 
    
  12. tolowerクライアントをビルドします
    buildclient -f tolower.c -o tolower 
    
  13. Tuxedoドメインを起動します。
    tmboot -y 

サンプルの実行

各クライアントを実行して、Oracle TuxedoとOracle WebLogic Serverとの相互運用性を実際に示します。

Oracle WebLogic ServerからOracle Tuxedoへの相互運用性

サンプルをダウンロードしたディレクトリの場所からOracle WebLogic Serverクライアントを起動します。たとえば、ORACLE_HOME\wlserver\samples\server\examples\src\examples\wtc\atmi\simpappディレクトリからTOUPPER EJBを起動して、Oracle Tuxedo TOUPPERサービスに接続します。『Oracle WebLogic Serverの理解』の「サンプル・アプリケーションおよびサンプル・コード」を参照してください。以下のコマンドを使用します。

ant simpapp 

Oracle TuxedoサービスからOracle WebLogic Serverアプリケーションに以下の応答が返されます。

Buildfile: build.xml 
simpapp: 
run_client: 
     [java] Beginning statefulSession.Client... 
     [java] Creating Toupper 
     [java] converting HelloWorld 
     [java] converted to: HELLOWORLD 
     [java] End statefulSession.Client... 
BUILD SUCCESSFUL

Oracle TuxedoからOracle WebLogic Serverへの相互運用性

Oracle Tuxedo simpappディレクトリからtolowerクライアントを実行して、Tolower EJBを呼び出し、クライアントに結果を返します。以下のコマンドを使用します。

tolower ALLSMALL

Oracle WebLogic ServerサービスからOracle Tuxedoクライアントに以下の応答が返されます。

Returned string is: allsmall