Oracle Big Data SQLの初期インストールの後、HadoopクラスタまたはOracle Databaseシステムに変更が加えられ、そのために対応するOracle Big Data SQL構成に対して次のような更新が必要になる場合があります。
Kerberosのステータスの変更 - 以前は無効にしていたものを現在は有効にした場合、またはその逆。
TLS (Transport Layer Security)やその他のセキュリティ対策(Oracle Big Data SQLでサポートされるようになったデータベース認証オプションなど)の実装。
Hadoopクラスタ内のHiveサービス・インスタンスの場所の変更。
HadoopクラスタとOracle Databaseシステム間のネットワークにおける、イーサネットからインフィニバンド(またはインフィニバンドからイーサネット)への切替え。
Hadoopクラスタで実行されているOracle Big Data SQLのバージョンの変更。
重要:
HDFSにOracle表領域を格納している場合は、reconfigure
を実行した後、その表領域をオフラインにしてから(またはデータベースを停止してから)、Hadoopクラスタに接続されているすべてのデータベース・コンピュート・ノードで実行中のFUSE-DFSサービスを再起動します。詳細は、この項の最後にある「再構成操作後のFUSE_DFSの再起動」を参照してください。
インストールを再構成するための基本的な手順は次のとおりです。
必要に応じてbds-config.json
ファイルを編集します。
Jaguarのreconfigure
コマンドを実行して、構成変更をHadoopクラスタ・ノードにプッシュし、更新されたデータベース側のインストール・バンドルを生成します。
新しいインストール・バンドルを使用して、Oracle Databaseコンピュート・ノードにOracle Big Data SQLを再インストールします。現在のインストールを上書きできます。現在のOracle Big Data SQLインストールをアンインストールすることは、いずれの側でも前提条件ではありません。
詳細は後述します。
関連項目:
Hadoopクラスタ・ノードまたはマルチノードOracle DatabaseシステムのノードでのOracle Big Data SQLの追加または削除は、構成変更とは見なされません。「インストールの拡張または縮小」を参照してください。インストールのHadoop側を再構成し、更新されたデータベース・インストール・バンドルを生成するためのjaguarのreconfigureの実行
root
としてクラスタ管理サーバー・ノードにログオンし、ダウンロードしたOracle Big Data SQLインストール・バンドルを抽出したディレクトリに移動します。
Oracle Big Data SQLバンドルを解凍した場所のパスの下にあるBDSJaguar-3.2.1
サブディレクトリに移動します。
# cd <Big Data SQL Install Directory>/BDSJaguar-3.2.1
BDSJaguar-3.2.1
ディレクトリで、Jaguarユーティリティを実行します。reconfigure
パラメータおよび構成ファイル名(bds-config.json
など)を引数として渡します。--requestdb
オプションを含める必要がある場合もあれば、そうでない場合もあります。
[root@myclusteradminserver:BDSjaguar-3.2.1] # ./jaguar reconfigure bds-config.json
bds-config.json
でdatabase_auth_enabled
がtrue
に設定されている場合は、インストール・コマンドに--requestdb
オプションを含めます。 [root@myclusteradminserver:BDSjaguar-3.2.1] # ./jaguar --requestdb testdb reconfigure
BigDataSQL: RECONFIGURE workflow completed.
更新したデータベース・インストール・バンドルの各Oracle Databaseノードへのコピーおよびインストール
root
またはoracle
としてクラスタ管理サーバーにログオンし、cdを使用して新しいデータベース・バンドルが生成されたディレクトリに移動します。
# cd <Big Data SQL Install Directory>/BDSJaguar-3.2.1/db-bundles
そこに新しいバンドルが存在していることを確認します。
[oracle@myclusteradminserver:db-bundles] # ls [oracle@myclusteradminserver:db-bundles] # bds-3.2.1-db-<cluster>-<yymmdd.hhmi>.zip
Oracleシステムでのoracle
アカウントを使用して、データベース・インストール・バンドルを、Oracle Databaseノード上の任意のディレクトリにコピーします。バンドルが複数ある場合は、Oracle Databaseに接続するクラスタに適切なバンドルを選択してください。
[oracle@myclusteradminserver:db-bundles] # scp bds-3.2.1-db-<cluster>-<yymmdd.hhmi>.zip oracle@<database_node>:/opt/tmp
インストールを実行するために、データベース所有者(oracle
など)としてOracle Databaseノードにログオンします。
バンドルをコピーしたディレクトリに移動してバンドルを解凍し、zipファイルから抽出された圧縮実行可能ファイルを実行します。次に例を示します。
$ unzip bds-3.2.1-db-cdh510-170309.1918.zip $ ./bds-3.2.1-db-cdh510-170309.1918.run
ORACLE_HOMEの下にある新しいディレクトリに移動し、データベース側のインストーラであるbds-database-install.sh
を実行します。
$ cd $ORACLE_HOME/BDSJaguar-3.2.1/cdh510-6-node1.my.domain.com $ ./bds-database-install.sh
再構成操作後のFUSE_DFSの再起動
HDFS機能のOracle表領域では、Oracle DatabaseとHadoopクラスタ間のファイル転送にFUSE-DFS接続を使用します。クラスタへの接続ごとにFUSE-DFSサービス・インスタンスがあります。サービスの名前は次のようになります。
fuse_<cluster name>_hdfs
このサービスが存在する場合は、Oracle Big Data SQLインストールの再構成後に、次の手順を実行します。
HDFS内の表領域をオフラインにするか、データベースを停止します。
これらの表領域のデータファイルは、データベース・プロセスによってオープンされるか、ロックされます。
FUSE-DFSを再起動します。これを各コンピュート・ノードで実行します。
# service fuse_mycluster_hdfs restart
FUSE-DFSを再起動した後、表領域をオンラインに設定できます(または、データベースを自分で停止した場合は、それを再起動できます)。
status
、stop
、start
の各操作は、次のように、FUSE-DFSサービスに対しても使用できます。
# service fuse_mycluster_hdfs status