14 DBMS_ADDM
DBMS_ADDM
パッケージによって、自動データベース診断モニターに関するアドバイザ機能を簡単に使用できるようになります。
この章のトピックは、次のとおりです:
参照:
-
Oracle Real Application Clusters環境の自動ワークロード・リポジトリの詳細は、『Oracle Real Application Clusters管理およびデプロイメント・ガイド』を参照してください。
-
自動パフォーマンス診断の詳細は、『Oracle Databaseパフォーマンス・チューニング・ガイド』を参照してください。
14.1 DBMS_ADDMのセキュリティ・モデル
DBMS_ADDM
パッケージは、定義者の権限ではなくコール元の権限で実行され、DBMS_ADVISOR
パッケージで必要なセキュリティ制約が適用されます。
参照:
セキュリティ・モデルの詳細は、「DBMS_ADVISOR」パッケージを参照してください。
14.2 DBMS_ADDMサブプログラムの要約
このトピックの表では、DBMS_ADDMサブプログラムとその説明を示します。
表14-1 DBMS_ADDMパッケージのサブプログラム
サブプログラム | 説明 |
---|---|
データベース分析モードで分析するためのADDMタスクを作成して実行します。 |
|
インスタンス分析モードで分析するためのADDMタスクを作成して実行します。 |
|
部分的な分析モードでインスタンスのサブセットを分析するためのADDMタスクを作成して実行します。 |
|
取得のパフォーマンスをリプレイと比較する期間比較ADDMレポートを作成します。 |
|
データベース全体でパフォーマンスを比較するための期間比較ADDMレポートを作成します。 |
|
インスタンス・レベルでパフォーマンスを比較するための期間比較ADDMレポートを作成します。 |
|
リプレイのパフォーマンスを別のリプレイと比較する期間比較ADDMレポートを作成します。 |
|
作成済のすべてのADDMタスクを削除します。 |
|
検索結果ディレクティブを削除します。 |
|
パラメータ・ディレクティブを削除します。 |
|
セグメント・ディレクティブを削除します。 |
|
SQLディレクティブを削除します。 |
|
検索結果に影響するASHの行を特定するASH問合せのSQLテキストを含む文字列を戻します。 |
|
実行済のADDMタスクのデフォルトのテキスト・レポートを取得します。 |
|
特定の検索結果タイプのレポートを制限するディレクティブを作成します。 |
|
特定のシステム・パラメータの値を変更するアクションがADDMによって作成されないようにするディレクティブを作成します。 |
|
特定のセグメントに対してセグメント・アドバイザを実行するアクションがADDMによって作成されないようにするディレクティブを作成します。 |
|
特定のSQLに対するアクションのレポートを制限するディレクティブを作成します。 |
|
ADDMアクティビティのリアルタイム・レポートを作成します。 |
14.2.1 ANALYZE_DBプロシージャ
このプロシージャは、データベース分析モードで分析するためのADDMタスクを作成して実行します。
構文
DBMS_ADDM.ANALYZE_DB ( task_name IN OUT VARCHAR2, begin_snapshot IN NUMBER, end_snapshot IN NUMBER, db_id IN NUMBER := NULL);
パラメータ
表14-2 ANALYZE_DBプロシージャのパラメータ
パラメータ | 説明 |
---|---|
|
作成するタスクの名前。 |
|
分析期間を開始するスナップショットの数。 |
|
分析期間を終了するスナップショットの数。 |
|
分析するデータベースのデータベースID。デフォルトでは、これは、現在接続しているデータベースです。 |
戻り値
作成するタスクの名前は、task_name
パラメータに戻されます。この名前は、入力として指定されている値と異なる場合があります(その名前が別のタスクですでに使用されている場合のみ)。
例
tname
変数に名前を指定して、データベース分析モードでADDMタスクを作成して実行するには、次のように入力します。
var tname VARCHAR2(60); BEGIN :tname := 'my_database_analysis_mode_task'; DBMS_ADDM.ANALYZE_DB(:tname, 1, 2); END
レポートを表示するには、次のように入力します。
SET LONG 100000 SET PAGESIZE 50000 SELECT DBMS_ADDM.GET_REPORT(:tname) FROM DUAL;
レポートの戻り値のタイプはCLOB
であり、行サイズ(80)に合うように書式化されます。
14.2.2 ANALYZE_INSTプロシージャ
このプロシージャは、インスタンス分析モードで分析するためのADDMタスクを作成して実行します。
構文
DBMS_ADDM.ANALYZE_INST ( task_name IN OUT VARCHAR2, begin_snapshot IN NUMBER, end_snapshot IN NUMBER, instance_number IN NUMBER := NULL, db_id IN NUMBER := NULL);
パラメータ
表14-3 ANALYZE_INSTプロシージャのパラメータ
パラメータ | 説明 |
---|---|
|
作成するタスクの名前。 |
|
分析期間を開始するスナップショットの数。 |
|
分析期間を終了するスナップショットの数。 |
|
分析するインスタンスの番号。デフォルトでは、これは、現在接続しているインスタンスです。 |
|
分析するデータベースのデータベースID。デフォルトでは、これは、現在接続しているデータベースです。 |
戻り値
作成するタスクの名前は、task_name
パラメータに戻されます。この名前は、入力として指定されている値と異なる場合があります(その名前が別のタスクですでに使用されている場合のみ)。
使用上のノート
シングル・インスタンス・システム(Oracle RACを使用していないインスタンス・システムの場合)では、作成されるタスクはANALYZE_DB
プロシージャを使用した場合と同じです。
例
tname
変数に名前を指定して、インスタンス分析モードでADDMタスクを作成して実行するには、次のように入力します。
var tname VARCHAR2(60); BEGIN :tname := 'my_instance_analysis_mode_task'; DBMS_ADDM.ANALYZE_INST(:tname, 1, 2); END
レポートを表示するには、次のように入力します。
SET LONG 100000 SET PAGESIZE 50000 SELECT DBMS_ADDM.GET_REPORT(:tname) FROM DUAL;
レポートの戻り値のタイプはCLOB
であり、行サイズ(80)に合うように書式化されます。
14.2.3 ANALYZE_PARTIALプロシージャ
このプロシージャは、部分的な分析モードでインスタンスのサブセットを分析するADDMタスクを作成して実行します。
構文
DBMS_ADDM.ANALYZE_PARTIAL ( task_name IN OUT VARCHAR2, instance_numbers IN VARCHAR2, begin_snapshot IN NUMBER, end_snapshot IN NUMBER, db_id IN NUMBER := NULL);
パラメータ
表14-4 ANALYZE_PARTIALプロシージャのパラメータ
パラメータ | 説明 |
---|---|
|
作成するタスクの名前。 |
|
分析するインスタンスの番号のカンマ区切りリスト。 |
|
分析期間を開始するスナップショットの数。 |
|
分析期間を終了するスナップショットの数。 |
|
分析するデータベースのデータベースID。デフォルトでは、これは、現在接続しているデータベースです。 |
戻り値
作成するタスクの名前は、task_name
パラメータに戻されます。この名前は、入力として指定されている値と異なる場合があります(その名前が別のタスクですでに使用されている場合のみ)。
例
tname
変数に名前を指定して、部分的な分析モードでADDMタスクを作成して実行するには、次のように入力します。
var tname VARCHAR2(60); BEGIN :tname := 'my_partial_analysis_modetask'; DBMS_ADDM.ANALYZE_PARTIAL(:tname, '1,2,3', 1, 2); END
レポートを表示するには、次のように入力します。
SET LONG 100000 SET PAGESIZE 50000 SELECT DBMS_ADDM.GET_REPORT(:tname) FROM DUAL;
レポートの戻り値のタイプはCLOB
であり、行サイズ(80)に合うように書式化されます。
14.2.4 COMPARE_CAPTURE_REPLAY_REPORTファンクション
このファンクションは、取得のパフォーマンスをリプレイと比較する期間比較ADDMレポートを作成します。
AWRデータは同じデータベースに格納されている必要がありますが、異なるデータベースから作成されていても構いません。このファンクションは、XMLまたはHTML(アクティブ・レポート)のどちらかの形式でレポートを生成します。
構文
DBMS_ADDM.COMPARE_CAPTURE_REPLAY_REPORT ( replay_id IN NUMBER, report_type IN VARCHAR2 := 'HTML') RETURN CLOB;
パラメータ
表14-5 COMPARE_CAPTURE_REPLAY_REPORTファンクションのパラメータ
パラメータ | 説明 |
---|---|
|
基本期間として使用するリプレイID。基本期間は、改善または低下を判別するために比較するベースライン期間です。 |
|
HTMLアクティブ・レポートの場合は |
戻り値
期間比較ADDMレポートを含むCLOB
14.2.5 COMPARE_DATABASESファンクション
このファンクションは、2つの異なる期間にわたる1つのデータベースのパフォーマンス、または2つの異なる期間にわたる2つの異なるデータベースのパフォーマンスを比較する期間比較ADDMレポートを作成します。
AWRデータは同じデータベースに格納されている必要がありますが、異なるデータベースから作成されていても構いません。このファンクションは、XMLまたはHTML(アクティブ・レポート)のどちらかの形式でレポートを生成します。
構文
DBMS_ADDM.COMPARE_DATABASES ( base_dbid IN NUMBER := NULL, base_begin_snap_id IN NUMBER, base_end_snap_id IN NUMBER, comp_dbid IN NUMBER := NULL, comp_begin_snap_id IN NUMBER, comp_end_snap_id IN NUMBER, report_type IN VARCHAR2 := 'HTML') RETURN CLOB;
パラメータ
表14-6 COMPARE_DATABASESファンクションのパラメータ
パラメータ | 説明 |
---|---|
|
基本期間のデータベースID ( |
|
基本期間の開始AWRスナップショットID。 |
|
基本期間の終了AWRスナップショットID。 |
|
比較期間のデータベースID ( |
|
比較期間の開始AWRスナップショットID。 |
|
比較期間の終了AWRスナップショットID。 |
|
HTMLアクティブ・レポートの場合は |
戻り値
期間比較ADDMレポートを含むCLOB
14.2.6 COMPARE_INSTANCESファンクション
このファンクションは、2つの異なる期間にわたる単一インスタンスのパフォーマンスを比較する期間比較ADDMレポート、または2つの異なる期間にわたる2つの異なるインスタンスのパフォーマンスを比較する期間比較ADDMレポートを作成します。
AWRデータは同じデータベースに格納されている必要がありますが、異なるデータベースから作成されていても構いません。このファンクションは、XMLまたはHTML(アクティブ・レポート)のどちらかの形式でレポートを生成します。
構文
DBMS_ADDM.COMPARE_INSTANCES ( base_dbid IN NUMBER := NULL, base_instance_id IN NUMBER base_begin_snap_id IN NUMBER, base_end_snap_id IN NUMBER, comp_dbid IN NUMBER := NULL, comp_instance_id IN NUMBER, comp_begin_snap_id IN NUMBER, comp_end_snap_id IN NUMBER, report_type IN VARCHAR2 := 'HTML') RETURN CLOB;
パラメータ
表14-7 COMPARE_INSTANCESファンクションのパラメータ
パラメータ | 説明 |
---|---|
|
基本期間のデータベースID ( |
|
基本期間から対象に含めるデータベース・インスタンスのインスタンス番号 |
|
基本期間の開始AWRスナップショットID。 |
|
基本期間の終了AWRスナップショットID。 |
|
比較期間のデータベースID ( |
|
比較期間から対象に含めるデータベース・インスタンスのインスタンス番号 |
|
比較期間の開始AWRスナップショットID。 |
|
比較期間の終了AWRスナップショットID。 |
|
HTMLアクティブ・レポートの場合は |
戻り値
期間比較ADDMレポートを含むCLOB
14.2.7 COMPARE_REPLAY_REPLAY_REPORTファンクション
このファンクションは、リプレイのパフォーマンスを別のリプレイと比較する期間比較ADDMレポートを作成します。
AWRデータは同じデータベースに格納されている必要がありますが、異なるデータベースから作成されていても構いません。このファンクションは、XMLまたはHTML(アクティブ・レポート)のどちらかの形式でレポートを生成します。
構文
DBMS_ADDM.COMPARE_CAPTURE_REPLAY_REPORT ( replay_id1 IN NUMBER, replay_id2 IN NUMBER, report_type IN VARCHAR2 := 'HTML') RETURN CLOB;
パラメータ
表14-8 COMPARE_REPLAY_REPLAY_REPORTファンクションのパラメータ
パラメータ | 説明 |
---|---|
|
基本期間として使用するリプレイID。基本期間は、改善または低下を判別するために比較するベースライン期間です。 |
|
比較期間として使用するリプレイID。比較期間は、改善または低下を判別するために基本期間と比較する期間です。 |
|
HTMLアクティブ・レポートの場合は |
戻り値
期間比較ADDMレポートを含むCLOB
14.2.8 DELETEプロシージャ
このプロシージャは、作成済のすべてのADDMタスクを削除します。データベース分析モードおよび部分的な分析モードの場合は、メイン・タスクに関連付けられているローカル・タスクを削除します。
構文
DBMS_ADDM.DELETE ( task_name IN VARCHAR2);
パラメータ
表14-9 DELETEプロシージャのパラメータ
パラメータ | 説明 |
---|---|
|
削除するタスクの名前。 |
例
BEGIN DBMS_ADDM.DELETE ('my_partial_analysis_mode_task'); END
14.2.9 DELETE_FINDING_DIRECTIVEプロシージャ
このプロシージャは、検索結果ディレクティブを削除します。
構文
DBMS_ADDM.DELETE_FINDING_DIRECTIVE ( task_name IN VARCHAR2, dir_name IN VARCHAR2);
パラメータ
表14-10 DELETE_FINDING_DIRECTIVEプロシージャのパラメータ
パラメータ | 説明 |
---|---|
|
このディレクティブを適用するタスクの名前。値が |
|
ディレクティブの名前。すべてのディレクティブの名前は一意である必要があります。 |
14.2.10 DELETE_PARAMETER_DIRECTIVEプロシージャ
このプロシージャは、パラメータ・ディレクティブを削除します。また、パラメータ用の特定のシステム・ディレクティブを削除します。後続のADDMタスクは、このディレクティブの影響を受けません。
構文
DBMS_ADDM.DELETE_PARAMETER_DIRECTIVE ( task_name IN VARCHAR2, dir_name IN VARCHAR2);
パラメータ
表14-11 DELETE_PARAMETER_DIRECTIVEプロシージャのパラメータ
パラメータ | 説明 |
---|---|
|
このディレクティブを適用するタスクの名前。値が |
|
ディレクティブの名前。すべてのディレクティブの名前は一意である必要があります。 |
例
BEGIN DBMS_ADDM.DELETE_PARAMETER_DIRECTIVE (NULL,'my Parameter directive'); END;
14.2.11 DELETE_SEGMENT_DIRECTIVEプロシージャ
このプロシージャは、セグメント・ディレクティブを削除します。
構文
DBMS_ADDM.DELETE_SEGMENT_DIRECTIVE ( task_name IN VARCHAR2, dir_name IN VARCHAR2);
パラメータ
表14-12 DELETE_SEGMENT_DIRECTIVEプロシージャのパラメータ
パラメータ | 説明 |
---|---|
|
このディレクティブを適用するタスクの名前。値が |
|
ディレクティブの名前。すべてのディレクティブの名前は一意である必要があります。 |
14.2.12 DELETE_SQL_DIRECTIVEプロシージャ
このプロシージャは、SQLディレクティブを削除します。
構文
DBMS_ADDM.DELETE_SQL_DIRECTIVE ( task_name IN VARCHAR2, dir_name IN VARCHAR2);
パラメータ
表14-13 DELETE_SQL_DIRECTIVEプロシージャのパラメータ
パラメータ | 説明 |
---|---|
|
このディレクティブを適用するタスクの名前。値が |
|
ディレクティブの名前。すべてのディレクティブの名前は一意である必要があります。 |
14.2.13 GET_ASH_QUERYファンクション
このファンクションは、検索結果に影響するASHの行を特定するASH問合せのSQLテキストを含む文字列を戻します。
ほとんどのタイプの検索結果では、これにより検索結果に対応する正確なASHの行が特定されます。検索結果のタイプによっては、問合せは近似値であるため、検索結果の影響や検索結果の特定のアクティビティを正確に識別するために使用しないでください。
構文
DBMS_ADDM.GET_ASH_QUERY ( task_name IN VARCHAR2, finding_id IN NUMBER) RETURN VARCHAR2;
パラメータ
表14-14 GET_ASH_QUERYファンクションのパラメータ
パラメータ | 説明 |
---|---|
|
タスク名 |
|
タスク内の検索結果のID |
戻り値
検査結果に影響するASHの行を特定するASH問合せを含むVARCHAR
14.2.14 GET_REPORTファンクション
このファンクションは、実行済のADDMタスクのデフォルトのテキスト・レポートを取得します。
構文
DBMS_ADDM.GET_REPORT ( task_name IN VARCHAR2) RETURN CLOB;
パラメータ
表14-15 GET_REPORTファンクションのパラメータ
パラメータ | 説明 |
---|---|
|
タスク名 |
例
Set long 1000000 Set pagesize 50000 SELECT DBMS_ADDM.GET_REPORT('my_partial_analysis_mode_task') FROM DUAL;
14.2.15 INSERT_FINDING_DIRECTIVEプロシージャ
このプロシージャは、特定の検索結果タイプのレポートを制限するディレクティブを作成します。ディレクティブは、特定のタスク用に作成したり(タスクのステータスがINITIAL
の場合のみ)、続いて作成されるすべてのADDMタスク用に作成できます。
構文
DBMS_ADDM.INSERT_FINDING_DIRECTIVE ( task_name IN VARCHAR2, dir_name IN VARCHAR2, finding_name IN VARCHAR2, min_active_sessions IN NUMBER := 0, min_perc_impact IN NUMBER := 0);
パラメータ
表14-16 INSERT_FINDING_DIRECTIVEプロシージャのパラメータ
パラメータ | 説明 |
---|---|
|
このディレクティブを適用するタスクの名前。値が |
|
ディレクティブの名前。すべてのディレクティブの名前は一意である必要があります。 |
|
このディレクティブを適用するADDM検索結果の名前。すべての有効な検索結果の名前は、 |
|
検査結果に対するアクティブなセッションの最小数。検索結果がこの数より少ない場合は、ADDM結果に対してフィルタ処理が実行されています。 |
|
分析期間の合計データベース時間に対する検索結果の影響の割合の最小数。検索結果の影響がこの数より小さい場合は、ADDM結果に対してフィルタ処理が実行されています。 |
例
ローカル・インスタンスを分析するために新しいADDMタスクが作成されます。ただし、'Undersized SGA'検索結果に対して特別な処理が行われます。'Undersized SGA'検索結果は、分析期間中2つ以上の平均アクティブ・セッションに関与し、その分析期間中の10%以上の合計データベース時間を構成する場合にのみ、GET_REPORT
の結果に表示されます。
var tname VARCHAR2(60); BEGIN DBMS_ADDM.INSERT_FINDING_DIRECTIVE( NULL, 'Undersized SGA directive', 'Undersized SGA', 2, 10); :tname := 'my_instance_analysis_mode_task'; DBMS_ADDM.ANALYZE_INST(:tname, 1, 2); END;
ディレクティブに関係なく'Undersized SGA'検索結果が含まれているレポートを表示するには、次のように入力します。
SELECT DBMS_ADVISOR.GET_TASK_REPORT(:tname, 'TEXT', 'ALL') FROM DUAL;
14.2.16 INSERT_PARAMETER_DIRECTIVEプロシージャ
このプロシージャは、特定のシステム・パラメータの値を変更するアクションがADDMによって作成されないようにするディレクティブを作成します。ディレクティブは、特定のタスク用に作成したり(タスクのステータスがINITIAL
の場合のみ)、続いて作成されるすべてのADDMタスク用に作成できます。
構文
DBMS_ADDM.INSERT_PARAMETER_DIRECTIVE ( task_name IN VARCHAR2, dir_name IN VARCHAR2, parameter_name IN VARCHAR2);
パラメータ
表14-17 INSERT_PARAMETER_DIRECTIVEプロシージャのパラメータ
パラメータ | 説明 |
---|---|
|
このディレクティブを適用するタスクの名前。値が |
|
ディレクティブの名前。すべてのディレクティブの名前は一意である必要があります。 |
|
使用するパラメータを指定します。有効なパラメータの名前が |
例
ローカル・インスタンスを分析するために新しいADDMタスクが作成されます。ただし、'sga_target
'パラメータの変更を推奨するすべてのアクションに対して特別な処理が行われます。GET_REPORT
の結果に、これらのアクションは表示されません。
var tname varchar2(60); BEGIN DBMS_ADDM.INSERT_PARAMETER_DIRECTIVE( NULL, 'my Parameter directive', 'sga_target'); :tname := 'my_instance_analysis_mode_task'; DBMS_ADDM.ANALYZE_INST(:tname, 1, 2); END;
ディレクティブに関係なくすべてのアクションが含まれるレポートを表示するには、次のように入力します。
SELECT DBMS_ADVISOR.GET_TASK_REPORT(:tname, 'TEXT', 'ALL') FROM DUAL;
14.2.17 INSERT_SEGMENT_DIRECTIVEプロシージャ
このプロシージャは、特定のセグメントに対してセグメント・アドバイザを実行するアクションがADDMによって作成されないようにするディレクティブを作成します。ディレクティブは、特定のタスク用に作成したり(タスクのステータスがINITIAL
の場合のみ)、続いて作成されるすべてのADDMタスク用に作成できます。
構文
DBMS_ADDM.INSERT_SEGMENT_DIRECTIVE ( task_name IN VARCHAR2, dir_name IN VARCHAR2, owner_name IN VARCHAR2, object_name IN VARCHAR2 := NULL, sub_object_name IN VARCHAR2 := NULL);
DBMS_ADDM.INSERT_SEGMENT_DIRECTIVE ( task_name IN VARCHAR2, dir_name IN VARCHAR2, object_number IN NUMBER);
パラメータ
表14-18 INSERT_SEGMENT_DIRECTIVEプロシージャのパラメータ
パラメータ | 説明 |
---|---|
|
このディレクティブを適用するタスクの名前。値が |
|
ディレクティブの名前。すべてのディレクティブの名前は一意である必要があります。 |
|
フィルタ処理するセグメントの所有者を指定します。LIKE制約に使用される同じ構文でワイルドカードを使用できます。 |
|
フィルタ処理するメイン・オブジェクトの名前。ワイルドカードを使用できます。 |
|
フィルタ処理するメイン・オブジェクトの一部の名前。この名前には、パラメータ名または(.で区切られた)サブパーティション名を指定できます。ワイルドカードを使用できます。 |
|
このディレクティブによってフィルタ処理される |
例
ローカル・インスタンスを分析するために新しいADDMタスクが作成されます。ただし、ユーザーSCOTT
に属するすべてのセグメントに対して特別な処理が行われます。GET_REPORT
の結果に、SCOTT
に属するセグメントに対してセグメント・アドバイザを実行するためのアクションは表示されません。
var tname VARCHAR2(60); BEGIN DBMS_ADDM.INSERT_SEGMENT_DIRECTIVE(NULL, 'my Segment directive', 'SCOTT'); :tname := 'my_instance_analysis_mode_task'; DBMS_ADDM.ANALYZE_INST(:tname, 1, 2); END;
ディレクティブに関係なくすべてのアクションが含まれるレポートを表示するには、次のように入力します。
SELECT DBMS_ADVISOR.GET_TASK_REPORT(:tname, 'TEXT', 'ALL') FROM DUAL;
14.2.18 INSERT_SQL_DIRECTIVEプロシージャ
このプロシージャは、特定のSQLに対するアクションのレポートを制限するディレクティブを作成します。ディレクティブは、特定のタスク用に作成したり(タスクのステータスがINITIAL
の場合のみ)、続いて作成されるすべてのADDMタスク用に作成できます。
構文
DBMS_ADDM.INSERT_SQL_DIRECTIVE ( task_name IN VARCHAR2, dir_name IN VARCHAR2, sql_id IN VARCHAR2, min_active_sessions IN NUMBER := 0, min_response_time IN NUMBER := 0);
パラメータ
表14-19 INSERT_SQL_DIRECTIVEプロシージャのパラメータ
パラメータ | 説明 |
---|---|
|
このディレクティブを適用するタスクの名前。値が |
|
ディレクティブの名前。すべてのディレクティブの名前は一意である必要があります。 |
|
フィルタ処理するSQL文を識別します。有効な値には、0から9およびaからzまでの13文字が含まれています。 |
|
SQLに対するアクティブなセッションの最小数。SQLアクションがこの数より少ない場合は、ADDM結果に対してフィルタ処理が実行されています。 |
|
SQLの応答時間の最小値(マイクロ秒)。SQLの応答時間がこの値より小さい場合は、ADDM結果に対してフィルタ処理が実行されています。 |
例
ローカル・インスタンスを分析するために新しいADDMタスクが作成されます。ただし、IDがabcd123456789のSQLに対して特別な処理が行われます。そのSQLのアクション(SQLをチューニングするアクション、またはSQLを使用してアプリケーションを調査するアクション)は、そのSQLが分析期間中2つ以上の平均アクティブ・セッションに関与し、平均応答時間が1秒以上だった場合にのみ、GET_REPORT
の結果に表示されます。
var tname VARCHAR2(60); BEGIN DBMS_ADDM.INSERT_SQL_DIRECTIVE( NULL, 'my SQL directive', 'abcd123456789', 2, 1000000); :tname := 'my_instance_analysis_mode_task'; DBMS_ADDM.ANALYZE_INST(:tname, 1, 2); END;
ディレクティブに関係なくすべてのアクションが含まれるレポートを表示するには、次のように入力します。
SELECT DBMS_ADVISOR.GET_TASK_REPORT(:tname, 'TEXT', 'ALL') FROM DUAL;