1.2.4 Oracle Cluster Health Advisorの概要

Oracle Cluster Health Advisorは、クラスタ・ノードおよびOracle RACデータベースでパフォーマンスおよび可用性の問題の前兆がないか継続的に監視し、問題が重大になる前に早期に警告を発行します。

Oracle Cluster Health Advisorは、Oracle Enterprise Manager Cloud Control (EMCC)インシデント・マネージャに組み込まれています。

Oracle Cluster Health Advisorは、次のことを行います。

  • ノードおよびデータベースのパフォーマンスの問題を検出します。

  • 早期警告アラートと修正処理を提供します。

  • 感度を高めるためのオンサイト測定をサポートします。

Oracle Database 12c リリース2 (12.2.0.1)では、Oracle Cluster Health AdvisorはOracle Real Application Clusters (Oracle RAC)の2つの重要なサブシステム(データベース・インスタンスおよびホスト・システム)の監視をサポートします。Oracle Cluster Health Advisorは、監視対象システムの状態ステータスを判別および追跡します。様々なキー測定値を監視対象システムから定期的にサンプリングします。

100以上のデータベースおよびクラスタ・ノードの問題がモデル化されており、これらの問題の進行や存在を示す固有のオペレーティング・システム・メトリックおよびOracle Databaseメトリックが特定されています。この情報を使用して、ターゲット・システムの通常操作期間に基づいた、調整された測定モデルを構築します。

Oracle Cluster Health Advisorは、分析を1分に複数回実行します。Oracle Cluster Health Advisorは、デフォルト・モデルに基づいて、測定入力の予測値を推定します。Oracle Cluster Health Advisorは次に、測定値と予測値の差異に基づいて、各入力に関する異常検出を実行します。特定の問題に関連付けられている十分な量の入力が異常になると、Oracle Cluster Health Advisorは警告を発行し、対象を絞った直接の診断および修正処理を生成します。

Oracle Cluster Health Advisorモデルは、不適切な警告通知を出すことがないよう保守的なものとなっています。ただし、デフォルトの構成は、重要な本番システムにとって感度が不十分な場合があります。そのため、Oracle Cluster Health Advisorは、実際の本番ワークロード・データをデフォルト設定の基礎として使用し、ノード・モデルとデータベース・モデルの精度と感度を向上させるオンサイト・モデル測定機能を備えています。

Oracle Cluster Health Advisorは、分析結果に加えて、診断情報、修正処理および将来のトリアージのためのメトリックの兆候をグリッド・インフラストラクチャ管理リポジトリ(GIMR)に格納します。また、Oracle Cluster Health Advisorは、Oracle Clusterwareイベント通知プロトコルを使用して、警告メッセージをEnterprise Manager Cloud Controlに送信します。

Oracle Cluster Health Advisorを使用して、過去の問題を診断およびトリアージすることもできます。過去の日付を指定するには、Oracle Enterprise Manager Cloud Control (EMCC)インシデント・マネージャまたはコマンドライン・インタフェースCHACTLを使用します。過去の問題を確認するOracle Cluster Health Advisorの機能を、グリッド・インフラストラクチャ管理リポジトリ(GIMR)でのOracle Cluster Health Advisorの表領域の保存設定の構成によって管理します。デフォルトの保存期間は72時間です。