20 Oracle Trace File Analyzerサービス

Oracle Trace File Analyzerサービスは、ドメイン・サービス・クラスタ(DSC)設定の一部としてデプロイされます。

20.1 Oracle Trace File Analyzerサービスの概要

Oracle Trace File Analyzerサービスにより、DBAおよびシステム管理者は、集中化マシン上の複数のメンバー・クラスタにわたってトレース・ファイルを積極的に監視できます。

Oracle Trace File Analyzerは、DBAおよびシステム管理者がデータに問題がないか分析し、重複する問題を特定して、将来の障害を予測するのに役立ちます。

Oracle Trace File Analyzerサービスは、ドメイン・サービス・クラスタ(DSC)設定の一部として設定されます。Oracle Trace File Analyzerサービスの構成または設定では、コマンドを実行する必要はありません。サービスはクラスタの第1ノードで実行されます。

ドメイン・サービス・クラスタ(DSC)で実行中のOracle Trace File Analyzerサービスに関する詳細を出力するには、Oracle Grid Infrastructureユーザーとして、またはrootとして次のコマンドを実行します。
$ tfactl receiver info
TFA Service URL			:  http://rws1270066:7070/tfa/index.html
TFA Service URL (https)		:  https://rws1270066:7071/tfa/index.html
TFA Service Admin User		:  admin
TFA Service Admin Status	:  active
TFA Service Repository		:  /scratch/app/oragrid/tfa/repository
TFA Service Port		:  7001
TFA Service Members		:

初期設定後、Web管理者アカウントはロックされます。

ロックを解除するには、Oracle Grid Infrastructureユーザーとして、またはrootとして次のコマンドを実行します。
$ tfactl receiver reset webadmin

20.2 クラスタまたはホストのビュー

クラスタまたはホストのビューでは、表のヒート・マップ内にすべてのクラスタが表示されます。これらはホスト・レベルへドリルダウンできます。

クラスタをクリックすると、次の情報が表示されます。

  • そのクラスタの構成

  • ステータス

  • ORACLE_HOME

  • バージョン

  • 各ホームのパッチ・レベル

  • ホームから実行されているデータベースとそのステータス

Y軸はクラスタ名またはホスト名を表し、X軸はクラスタ内の重要なコンポーネントの状態を表します。

メトリック・ビューには、X軸上の各ホストのCPU、メモリー、ディスクの使用率、および重大なイベントが表示されます。

セルをクリックして、選択したホストまたはコンポーネントの詳細をドリルダウンできます。

「使用率」をクリックすると、次の項目別に分類されたシステムの使用率が表示されます。

  • システムのCPU使用率

  • ユーザーのCPU使用率

  • メモリー使用率

  • ディスク使用率

ヒート・マップのセクションにカーソルをおくと、詳細情報が表示されます。

20.3 詳細ビュー

詳細ビューには、タイムラインに表示される上位イベントを示すダッシュボードが表示されます。

イベントをクリックすると、次の内容を含む簡略な分析が表示されます。

  • イベントが検出されたファイル

  • その時刻の前後のイベント

  • その時刻の前後のCPUおよびメモリーの使用率

次の操作を行うには、ファイルをクリックして開きます。

  • ファイル・タイプ、フォルダ、収集別のファイルの参照

  • ファイルの表示

  • 複数のファイルのマージ

20.4 ファイル・ブラウザ

Oracle Trace File Analyzerサービスは、各トレース・ファイルを分類し、様々な分類ごとにファイルを参照するためのインタフェースを提供します。

分類により、様々なコンポーネントによって生成される数千個のトレース・ファイルから、重要なファイルを容易に検索できるようにします。

インタフェースの左側にはツリー・ナビゲーション・メニューが表示されます。このメニューで、タイプ、ホスト名、実際のディレクトリ、またはOracle Trace File Analyzer収集ごとにファイルを参照します。ファイル・リストをクラスタ、ノード、またはOracle Trace File Analyzer収集ごとにフィルタすることもできます。キーワード検索でファイル名を検索するためのsearchオプションがあります。

左側のツリーを使用して、ファイル・タイプ、フォルダ、および収集ごとにファイルを参照します。

ファイルをクリックして開くか、複数のファイルにまたがって結合されたイベントを表示するために複数のファイルをマージします。

20.5 ファイル・ビューア

ファイル・ビューアは各ファイルを新しいタブで開きます。

コンテキストを失うことなく、問題の分析中にファイルを移動できます。

ファイル・ビューアは、ファイル内で重要な行を強調表示し、重要な行を瞬時に識別できるようにします。また、ファイル内を検索して、特定のセクションに移動することもできます。

20.6 マージ済ファイル

複数のコンポーネントの現在の状況を同時に確認するには、複数のトレース・ファイルを参照します。

マージ機能は、複数のタイムライン・トレース・ファイルを時間ごとに結合して、単一のビューを提供します。

このサンプル出力は、システム・メッセージ・ファイルと結合されたデータベース・アラート・ログを示しています。

20.7 TomcatへのCA証明書のインポート

Oracle Trace File Analyzerサービスは、Webリクエストを処理するために、Apache Tomcatインスタンスを開始します。

  • Tomcatは、$TFA_HOME/tomcatで設定されています。

  • Tomcatの構成ファイルは、$TFA_HOME/tomcat/conf/server.xmlです。

注意:

SSLを設定する手順の詳細は、次のTomcatの公式ドキュメントを参照してください。

SSL/TLS Configuration HOW-TO

TomcatにCA証明書をインポートするには:

  1. Webサーバーを停止します。
    $CRS_HOME/bin/tfactl receiver stop
  2. キーストアを作成して、カスタム証明書またはCA証明書をインポートします。
    詳細は、Tomcatの公式ドキュメントを参照してください。
  3. Tomcatの構成を編集します。

    次のようなSSL/TLS構成セクションを検索します。キーストアまたは証明書情報を更新します。

    <!-- Define a SSL/TLS HTTP/1.1 Connector on port 8443
     This connector uses the NIO implementation that requires the JSSE
     style configuration. When using the APR/native implementation, the
     OpenSSL style configuration is required as described in the APR/native
     documentation -->
     <Connector port="7071" protocol="org.apache.coyote.http11.Http11NioProtocol"
     maxThreads="150" SSLEnabled="true" scheme="https" secure="true"
     keystoreFile="<existing file>" keystorePass="<existing keystorePass>"
     clientAuth="false" sslProtocol="TLS" />
    

    他の構成オプションについては、Tomcatのドキュメントを参照してください。

  4. Webサーバーを起動します。
    $CRS_HOME/bin/tfactl receiver start