『Oracle Database概要』のこのリリースでの変更点
この章の内容は次のとおりです。
Oracle Databaseリリース18cバージョン18.1での変更点
Oracle Database 18cバージョン18.1の『Oracle Database概要』には、次の変更点があります。
新機能
今回のリリースの主な新機能は次のとおりです。
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memoptimizeプール
Oracle Databaseでは、
MEMOPTIMIZE FOR READ
句で指定した表の高パフォーマンスの読取りをサポートしています。バッファは、memoptimizeプールと呼ばれる新しいSGA領域にキャッシュされます。memoptimizeプールを参照してください。
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プライベート一時表
プライベート一時表は、トランザクションまたはセッションの終了時に自動的に削除される一時データベース・オブジェクトです。プライベート一時表はメモリー内に格納され、作成したセッションのみがそれを表示できます。プライベート一時表は一時表の有効範囲をセッションまたはトランザクションに制限するため、アプリケーションのコーディングをより柔軟に行えるようになり、コードのメンテナンスが簡単になり、すぐに使用できる機能の性能が向上します。
一時表の概要を参照してください。
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シャドウ消失書込み保護
書込み欠落は、記憶域にブロックが書き込まれたとデータベースで認識されているが、書込みが行われていなかった場合に発生します。シャドウ表領域を使用すると、スタンバイ・データベースを使用する必要なしに、カスケード・エラーが発生することなく、データベースが書込み欠落の大部分を把握できるようになります。
シャドウ表領域を参照してください。
非推奨となった機能
次の機能は、このリリースでは非推奨であり、将来のリリースではサポートされなくなる可能性があります。
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Oracle Multimedia
Oracleデータベース18c以降では、Oracle Multimediaは非推奨になりました。SecureFiles LOBにマルチメディア・コンテンツを格納し、イメージ処理および変換にサード・パーティ製品を使用することをお薦めします。
「SecureFiles」を参照してください。
Oracle Database 12cリリース2 (12.2.0.1)での変更点
Oracle Database 12cリリース2 (12.2.0.1)のOracle Database概要には、次の変更点があります。
新機能
今回のリリースの主な新機能は次のとおりです。
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Oracle Databaseシャーディング
Oracleシャーディングは、適合するOLTPアプリケーションのためのスケーラビリティおよび可用性機能です。Oracleシャーディングでは、ハードウェアやソフトウェアを共有しないシャードと呼ばれる別個のOracle Database間でデータが水平にパーティション化されます。アプリケーションでは、シャードのコレクションが単一の論理Oracle Databaseとして認識されます。シャーディングは、障害分離、多くのライフサイクル管理タスクの自動化、優れた実行時パフォーマンス、およびOracle Databaseをシャードとして使用することで得られる多くの利点(SQLおよびJSONのサポートなど)を含む直線的な拡張性を提供します。
Shardingのアーキテクチャを参照してください。
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アプリケーション・コンテナ
アプリケーション・コンテナは1つのアプリケーション・ルートと、1つ以上のアプリケーションPDBで構成されます。コンテナには特定のアプリケーションのデータが格納され、これには共通データおよびメタデータが含まれます。アプリケーション・ルートで一度アプリケーションをアップグレード、またはパッチを適用してから、アプリケーションPDBをルートと同期化できます。
アプリケーション・コンテナを参照してください。
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圧縮の拡張機能
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拡張索引圧縮の拡張機能
拡張高圧縮(
COMPRESS ADVANCED HIGH
)は、以前のリリースで提供されていた索引圧縮より高い圧縮率を提供します。「拡張索引圧縮」を参照してください。
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従来型挿入に拡張されたハイブリッド列圧縮(HCC)
ヒープ構成表への従来型挿入で、ハイブリッド列圧縮を使用できます。このため、圧縮の利点が、
APPEND
ヒントを使用しないSQL INSERT SELECT
文、およびPL/SQLやOracle Call Interface (OCI)などのプログラム・インタフェースからの配列の挿入に拡張されました。「DMLとハイブリッド列圧縮」を参照してください。
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パーティション化の拡張機能
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外部表を仮想列または通常の列でパーティション化できます。このため、パーティション・プルーニングおよびパーティション・ワイズ結合によって得られるパフォーマンス改善の利点を活用できます。Oracle Databaseには、Hadoop Distributed File System (HDFS)に格納されているデータを抽出するための
ORACLE_HDFS
ドライバと、Apache Hiveデータベースに格納されているデータにアクセスするためのORACLE_HIVE
ドライバも用意されています。「外部表の概要」を参照してください。
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リスト・パーティション化は、複数のパーティション・キー列を許可するように拡張されました。
「リスト・パーティション化」を参照してください。
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非構造化データの拡張機能
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JSONの拡張機能
Oracle Databaseでは、SQLを使用してリレーショナル・データからJSONドキュメントを生成する機能と、JSONドキュメントをPL/SQLオブジェクトとして操作する機能によって、データベースでのJSONドキュメントの格納および問合せのサポートが拡張されます。また、IM列ストアによってJSON列の効率的なバイナリ形式がロードされるようになりました。
「Oracle DatabaseにおけるJSONの概要」を参照してください。
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Oracle Multimedia PL/SQL API
Oracle Multimediaでは、イメージ・サムネイル作成、イメージのウォーターマーク付け、BLOBおよびBFILEに格納されているマルチメディア・データのメタデータ抽出などのマルチメディア機能に対応するPL/SQL APIが提供されます。
「Oracle Multimediaの概要」を参照してください。
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ローカル一時表領域
非共有のローカル一時表領域を作成できます。多数の読取り専用インスタンスが1つのデータベースにアクセスする際、ソート、ハッシュ集計および結合が含まれる問合せのパフォーマンスがローカル一時表領域によって向上します。
注意:
前のリリースで、一時表領域という用語で示されていた対象は現在、共有一時表領域と呼ばれています。
「一時表領域」を参照してください。
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アプリケーション・コンティニュイティの拡張機能
計画済停止に対するアプリケーション・コンティニュイティにより、アプリケーションは確実に排出または移行できるデータベース・セッションの操作を続行できます。アプリケーションに依存しないインフラストラクチャにより、アプリケーションの観点からのサービスの継続を可能にし、データベースに関連する計画済停止をマスクします。
「計画的メンテナンスに対するアプリケーション・コンティニュイティ」を参照してください。
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リアルタイム・データベース操作監視の拡張機能
特定のセッションのセッション識別子とシリアル番号を指定して、データベース内の任意のセッションからデータベース操作を起動および停止できます。
「データベース操作」を参照してください。
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インスタンス・アーキテクチャの拡張機能
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同じデータベースでの読取り/書込みインスタンスと読取り専用インスタンスのサポート
読取り/書込みインスタンスおよび読取り専用インスタンスは同じデータベースをオープンします。読取り専用インスタンスは、データ・ウェアハウスのワークロードに対するパラレル問合せのスケーラビリティを向上させます。たとえば、
INSERT ... SELECT
文で、SELECT
は読取り/書込みインスタンスと読取り専用インスタンスで処理されますが、INSERT
は読取り専用インスタンスでのみ処理されます。「読取り/書込みインスタンスと読取り専用インスタンス」を参照してください。
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事前生成済プロセス
DBMS_PROCESS
PL/SQLパッケージを使用してサーバー・プロセスのプールを事前に作成できます。新しいProcess Manager (PMAN)バックグラウンド・プロセスは、クライアント・リクエストとの関連付けを待機する、事前作成されたプロセスのプールを監視します。接続でサーバー・プロセスが求められる場合、データベースではプロセス作成の手順の一部を省略できます。「Oracle Databaseによるサーバー・プロセスの作成方法」を参照してください。
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プロセス・モニター(PMON)・プロセス・グループ
PMONにのみ属していた作業が、PMON、クリーンアップ・メイン・プロセス(CLMN)およびクリーンアップ・ヘルパー・プロセス(CLnn)を含むPMONプロセス・グループに属するようになりました。PMONプロセス・グループは、プロセスの監視およびクリーンアップを実行します。
「プロセス・モニター・プロセス(PMON)グループ」を参照してください。
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データベース・リソースの隔離
プロセスのクリーンアップでエラーが発生する場合があります。これによって、プロセス・モニター(PMON)またはデータベース・インスタンスが終了することがあります。状況によっては、特定のデータベース・リソースを隔離できるようにすることで、データベース・インスタンスの終了を回避できます。
「データベース・リソースの隔離」を参照してください。
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オプティマイザ統計アドバイザ
このビルトイン診断ソフトウェアは、現在の統計収集の状況、既存の統計収集ジョブの有効性、および収集された統計の品質を分析します。オプティマイザ統計アドバイザは、現在の機能セットに基づくOracleベスト・プラクティスを体現する、ルールを維持します。このように、アドバイザは常に統計収集のための最新の推奨事項を提供します。
「オプティマイザ統計アドバイザ」を参照してください。
Oracle Database 12cリリース1 (12.1.0.2)での変更点
Oracle Database 12cリリース1 (12.1.0.2)のOracle Database概要には、次の変更点があります。
新機能
このリリースの新機能は次のとおりです。
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インメモリー列ストア
インメモリー列ストア(IM列ストア)は、表全体、表パーティション、個々の列を圧縮された列形式で格納するSGA内のオプションの領域です。データベースでは、SIMDベクター処理などの特別な手法を使用して、列データを迅速にスキャンします。IM列ストアはデータベースバッファ・キャッシュに代わるものではなく、補完するものです。
「インメモリー領域」を参照してください。
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大きな表の自動キャッシング
これは、データベース・バッファ・キャッシュの構成可能なオプションで、オブジェクト・タイプと温度に基づいて、大きな表向けのアルゴリズムを使用します。単一インスタンスおよびOracle RACデータベースでは、
DB_BIG_TABLE_CACHE_PERCENT_TARGET
初期化パラメータがゼロ以外の値に設定され、PARALLEL_DEGREE_POLICY
がauto
またはadaptive
に設定されている場合、パラレル問合せでビッグ・テーブル・キャッシュを使用できます。単一インスタンス構成の場合のみ、DB_BIG_TABLE_CACHE_PERCENT_TARGET
が設定されている場合、シリアル問合せでビッグ・テーブル・キャッシュを使用できます。「バッファI/O」および「バッファ・プール」を参照してください。
Oracle Database 12cリリース1 (12.1.0.1)での変更点
Oracle Database 12cリリース1 (12.1.0.1)のOracle Database概要には、次の変更点があります。
新機能
このリリースの新機能は次のとおりです。
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マルチテナント・アーキテクチャ
マルチテナント・アーキテクチャ機能により、Oracle Databaseはマルチテナント・コンテナ・データベース(CDB)として動作できます。CDBは、ユーザーが作成した0以上のプラガブル・データベース(PDB)を含みます。PDBは、Oracle Netクライアントに非CDBとして表示されるスキーマ、スキーマ・オブジェクトおよび非スキーマ・オブジェクトの移植可能な集合です。PDBはCDBから切断して、別のCDBに接続できます。
マルチテナント・アーキテクチャを参照してください。
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マルチプロセスおよびマルチスレッドのOracle Database
このリリースから、Oracle Databaseでオペレーティング・システム・スレッドが使用され、リソースの共有が可能になり、リソース消費が低減されます。