高速ホーム・プロビジョニングおよびメンテナンスを使用したOracle Grid Infrastructureのデプロイについて

高速ホーム・プロビジョニングおよびメンテナンス(RHP)は、Oracleホームのプロビジョニングとメンテナンスのためのソフトウェア・ライフサイクル管理方法です。RHPを使用すると、データベース、クラスタおよびユーザー定義のソフトウェア・タイプについて、標準的な動作環境の一括でのデプロイメントおよびメンテナンスが可能です。

高速ホーム・プロビジョニングおよびメンテナンスでは、クラスタのインストールと、Oracle Grid Infrastructure、Oracle RestartおよびOracle Databaseのホームのプロビジョニング、パッチ適用、スケーリングおよびアップグレードができます。サポートされているバージョンは、11.2、12.1、12.2および18cです。アプリケーションおよびミドルウェアも高速ホーム・プロビジョニングを使用してプロビジョニングできます。

高速ホーム・プロビジョニングおよびメンテナンスは、次のいずれかのモードで使用可能な、Oracle Grid Infrastructure内のサービスです。

  • 中央高速ホーム・プロビジョニング・サーバー

    高速ホーム・プロビジョニング・サーバーは、ゴールド・イメージと呼ばれる、標準化されたイメージを格納および管理します。ゴールド・イメージは、データ・センター全体の任意の数のノードにデプロイできます。デプロイされたホームに新しいクラスタおよびデータベースを作成し、それらを使用して既存のインストールをパッチ適用、アップグレードおよびスケーリングできます。

    高速ホーム・プロビジョニング・サーバーは、次のタイプのインストールを管理できます。
    • 高速ホーム・プロビジョニング・サーバー自体をホストするクラスタ上のソフトウェア・ホーム。

    • Oracle Grid Infrastructure 12cリリース2 (12.2)および18cを実行している高速ホーム・プロビジョニング・クライアント。

    • Oracle Grid Infrastructure 11gリリース2 (11.2)および12cリリース1 (12.1)を実行しているインストール。

    • Oracle Grid Infrastructureなしで実行されるインストール。

    高速ホーム・プロビジョニング・サーバーは、新規インストールをプロビジョニングすることや、既存のインストールを、変更を加える必要なく管理することができます。高速ホーム・プロビジョニング・サーバーは、地理的に分散しているデータ・センターを持つ企業をサポートするために、自動的にピア・サーバー間でゴールド・イメージを共有できます。

  • 高速ホーム・プロビジョニング・クライアント

    高速ホーム・プロビジョニング・クライアントは、高速ホーム・プロビジョニング・サーバーから管理することや、クライアント自体でコマンドを実行することで直接管理することができます。高速ホーム・プロビジョニング・クライアントは、Oracle Grid Infrastructureに組み込まれているサービスであり、Oracle Grid Infrastructure 12cリリース2 (12.2)以降で使用できます。高速ホーム・プロビジョニング・クライアントは、高速ホーム・プロビジョニング・サーバーからゴールド・イメージを取得し、ポリシーに基づいて新しいイメージをアップロードし、それ自体にメンテナンス操作を適用できます。

高速ホーム・プロビジョニングおよびメンテナンス

高速ホーム・プロビジョニングを使用したOracleソフトウェアのデプロイには、次の利点があります。

  • デプロイされるソフトウェアのゴールド・イメージおよび系統の管理により、標準化および高レベルの自動化が可能になります。

  • 新しいホームをイメージ(ゴールド・イメージと呼ばれる)としてアウトオブプレースでデプロイすることで、アクティブなデータベースまたはクラスタを中断させることなく、停止時間を最小限に抑えられます。

  • データベース・バージョン間やデプロイメント・モデル間で一貫性のある単純なAPIによって起動される、オートマトンが提供されることで、メンテナンスが簡単になります。

  • 組込みの検証、および操作をテストするためのテスト実行モードにより、メンテナンス・リスクが軽減されます。

  • 予期せぬ問題が発生した場合にコマンドを再開または再起動でき、メンテナンス操作のリスクが軽減されます。

  • 次の機能により、パッチ適用およびアップグレードの影響が最小化、また多くの場合は解消されます。

    • 十分に自動化されたアップグレードによる、停止時間のないデータベース・アップグレード。追加のノードや外部記憶域を必要とせずに、デプロイメント内ですべてに実行されます。

    • 繰返し行われるパッチ適用の間のデータベース・セッションおよびOJVMの適応管理。

    • 統合されたデプロイメントを管理するためのオプション。

  • デプロイメントおよびメンテナンスの操作では、自動化されたワークフローに環境固有のアクションを含めるようにカスタマイズできます。

関連項目:

高速ホーム・プロビジョニングのサーバーおよびクライアントの設定、Oracle Grid InfrastructureホームおよびOracle Databaseホームのプロビジョニングおよびパッチ適用のためのゴールド・イメージの作成および使用の詳細は、『Oracle Clusterware管理およびデプロイメント・ガイド』を参照してください。