Oracle Grid Infrastructureのユーザー環境構成のチェックリスト

このチェックリストを使用して、Oracle Grid Infrastructureインストールでのオペレーティング・システムのユーザー、グループおよび環境を計画します。

表1-5 Oracle Grid Infrastructureのユーザー環境構成

チェック内容 タスク
Oracleインベントリ(oraInventory)およびOINSTALLグループの要件を確認します。

Oracleインベントリ・ディレクトリは、システムにインストールされているOracleソフトウェアの中央インベントリです。これは、Oracleソフトウェアのすべてのインストール所有者のプライマリ・グループである必要があります。プライマリ・グループがOracle Inventoryグループであるユーザーは、中央インベントリに対して読書きできるOINSTALL権限が付与されます。

  • 既存のインストールがある場合、OUIは既存のoraInventoryディレクトリを/etc/oraInst.locファイルから検出し、この場所を使用します。

  • Oracleソフトウェアを初めてインストールする場合、OUIは、Oracleベースおよび中央インベントリを作成し、次の優先度で情報を使用してOracleインベントリを作成します。
    • インストール所有者ユーザー・アカウントに設定されたORACLE_BASE環境変数で指定されたパス

    • Optimal Flexible Architecture (OFA)パス(u[01–99]/app/ownerownerは、インストールを実行するユーザー・アカウントの名前)。(そのユーザー・アカウントに、そのパスへの書込み権限がある場合)

    • ユーザー・ホーム・ディレクトリ(パス/app/owner内。ownerは、インストールを実行するユーザー・アカウントの名前)

使用するOracleソフトウェア・インストール所有者のすべてが、OINSTALLグループとして指定されたグループをプライマリ・グループとして利用できることを確認します。

標準またはロール割当てのシステム権限のオペレーティング・システム・グループおよびユーザーを作成します

このインストール・ガイドでの説明に従って、セキュリティ要件に応じてオペレーティング・システム・グループとユーザーを作成します。

Oracleソフトウェア・インストール所有者のリソース制限の設定およびその他の要件を設定します。

グループおよびユーザーの名前には、ASCII文字のみを使用する必要があります。

ノート:

既存のデーモン・ユーザーを削除しないでください。デーモン・ユーザーが削除されている場合は、それを追加しなおす必要があります。
Oracleソフトウェアの環境変数の設定を解除します。

既存のOracleソフトウェア・インストール環境があり、同じユーザーを使用して今回のインストールを行う場合、次の環境変数$ORACLE_HOME$ORA_NLS10$TNS_ADMINの設定を削除します。

環境変数に$ORA_CRS_HOMEを設定した場合は、インストールまたはアップグレードを開始する前に、その設定を削除します。Oracleサポートによって指示されないかぎり、$ORA_CRS_HOMEをユーザー環境変数として使用しないでください。

Oracleソフトウェア所有者環境を構成します。

次の作業を実行して、oracleまたはgridユーザーの環境を構成します。

  • シェル起動ファイルで、デフォルトのファイル・モード作成マスク(umask)を022に設定します。

  • DISPLAY環境変数を設定します。

インストールのroot権限の委任オプションを確認します。

インストール中に、rootユーザーとして構成スクリプトを実行する必要があります。プロンプトに従ってrootとしてこれらのスクリプトを手動で実行するか、インストール時にroot権限の委任オプションを使用して構成情報およびパスワードを指定できます。

rootスクリプトを自動的に実行するには、インストール時に「構成スクリプトを自動的に実行」を選択します。自動構成オプションを使用するには、すべてのクラスタ・メンバー・ノードのrootユーザーの資格証明で同じパスワードを使用する必要があります。

  • rootユーザーの資格証明を使用

    クラスタ・メンバー・ノード・サーバーのスーパーユーザー・パスワードを指定します。

  • sudoを使用

    sudoはUNIXおよびLinuxのユーティリティで、sudoersリスト権限のメンバーは、個々のコマンドをrootとして実行できます。sudoersのメンバーであり、各クラスタ・メンバー・ノードでsudoを実行する権限を持つオペレーティング・システム・ユーザーのユーザー名およびパスワードを指定します。

    sudoを有効にするには、適切な権限を持つシステム管理者がsudoersリストのメンバーであるユーザーを構成し、インストール時の求めに応じてユーザー名とパスワードを指定します。