11.5.3 Oracle ASMパスワード・ファイルの作成

特定の状況では、Oracle Grid Infrastructure 18cにアップグレードする前に、Oracle ASMパスワード・ファイルを作成する必要があります。

Windowsプラットフォームでは、Oracle Grid Infrastructureをリリース11.2.0.4からリリース12.1.0.2にアップグレードしてからOracle Grid Infrastructure 18cにアップグレードする場合は、Oracle Grid Infrastructure 18cへのアップグレードを開始する前に、Oracle ASMパスワード・ファイルを作成する必要があります。

ただし、Oracle Grid Infrastructure 11.2.0.4からOracle Grid Infrastructure 18cに直接アップグレードする場合、またはOracle Grid Infrastructure 12.1.0.2からOracle Grid Infrastructure 18cに直接アップグレードする場合、このタスクを行う必要はありません。

アップグレード・プロセスを開始する前にこのタスクを実行しなかった場合は、インストール中にチェックが失敗します。そのエラーを無視してアップグレードを続行した場合は、rootcrsスクリプトが完了せず、次のエラーが生成されます。

2016-06-28 20:20:33: Command output: 
   CLSRSC-661: The Oracle ASM password file does not exist at location  
  C:\app\12.1.0\grid\database\PWD+ASM.ora. 

Oracle Grid Infrastructureをリリース11.2.0.4からリリース12.1.0.2にアップグレードした後、Oracle Grid Infrastructure 18cへのアップグレードを続行する前に、次の手順を実行してこのエラーを解決します。

  1. アップグレードしたOracle Grid Infrastructureのホーム・ディレクトリからASMCMDユーティリティを起動します。
    Grid_home_12102\bin\asmcmd.bat
  2. Oracle Cluster Registry (OCR)を格納するディスク・グループのOracle ASMディスク・グループの互換性に12.1.0.0.0以上を設定します。
    ASMCMD> setattr -G disk_group_name compatible.asm 12.1.0.0.0
  3. Oracle ASMパスワード・ファイルを作成します。
    ASMCMD> pwcreate --asm +disk_group_name/orapwASM sys_password
  4. パスワード・ファイルが作成されていることを確認します。
    ASMCMD> pwget --asm 
    +disk_group_name/orapwasm