11.5.1 Oracle Grid Infrastructureのアップグレードのチェックリスト

既存のOracle Grid Infrastructureをアップグレードする前に、このチェックリストを確認します。クラスタは、すべてのクラスタ・メンバー・ノードで新しいインストールが実行されて、新しいクラスタウェアがアクティブなバージョンになるまでアップグレードされます。

Oracle RACをインストールまたはアップグレードする場合は、Oracle Database 18cリリースのOracle RACをインストールする前に、まず、すべてのクラスタ・ノードでOracle Grid Infrastructure 18cへのアップグレードを完了する必要があります。

チェック内容 タスク

アップグレードの計画に影響する可能性がある非推奨およびサポート終了の情報をOracle Databaseアップグレード・ガイドで確認

Oracle Databaseアップグレード・ガイド

現在のオペレーティング・システムが新しいリリースでサポートされることの確認

サポート対象のオペレーティング・システム、パッチ・リリースおよび新しいOracle Grid Infrastructureインストールに必要なすべてのオペレーティング・システム・パッケージを使用していることを確認します。

より新しいOracleリリースへのアップグレード(必要な場合)

Windowsプラットフォームで、Oracle Clusterwareをリリース10.2.0.5および11.1.0.7からリリース12.1にアップグレードするには、Oracle Clusterwareで11.2.0.4への中間アップグレードを実行する必要があります。

パッチ・セット(推奨)

既存のインストールに最新のパッチ・セット・リリースをインストールします。以前の一部のパッチセット・リリースからのアップグレードは、サポートされていない場合があります。

サポートされている記憶域メカニズムへのWindowsのOCFSまたはRAWデバイスに格納されているファイルの移行

RAWデバイスからOracle ASMにOCRファイルを移行します。RAWデバイスの直接の使用はサポートされていません。WindowsではOCFSはサポートされなくなりました。

Oracle Cluster Registry (OCR)ファイルの整合性を確認します。このチェックに失敗した場合は、続行する前にOCRを修復します。

インストール・ユーザー・アカウント

使用するインストール・ユーザーがアップグレードするインストール環境のインストールの実行に使用されたインストール・ユーザーと同じであることを確認します。

Oracleホーム・ユーザー

データベース・アップグレードを実行するOracleホームでWindowsドメイン・ユーザーをOracleホーム・ユーザーとして使用している場合は、ターゲット・バージョンのOracleホーム・ユーザーに同じWindowsドメイン・ユーザーを使用する必要があります。

Gridホームの作成

イメージ・ファイルを展開可能な場所に新規Oracle Grid Infrastructure Oracleホーム(Gridホーム)を作成します。Oracle Grid Infrastructureのアップグレード(Oracle ClusterwareおよびOracle ASMの既存のインストール環境のアップグレード)は、すべてアウトオブプレース・アップグレードです。

Oracle ASMのインスタンス名

Oracle Automatic Storage Management (Oracle ASM)インスタンスで、標準のOracle ASMインスタンス名が使用されていることを確認します

単一インスタンス・データベース用のデフォルトASM SIDは+ASM、Oracle Real Application ClustersノードのASMのデフォルトSIDは+ASMnode#です(node#はノードの番号)。Oracle Grid Infrastructure 11.2.0.1以上では、デフォルト以外のOracle ASMインスタンス名はサポートされません。

デフォルト以外のOracle ASMインスタンス名がある場合は、クラスタをアップグレードする前に既存のリリースのsrvctlを使用して、デフォルト以外の名前を持つ個々のOracle ASMインスタンスを削除し、デフォルト名を持つOracle ASMインスタンスを追加します。

標準のOracle Grid Infrastructureデプロイメントのネットワーク・アドレス

標準のOracle Grid Infrastructureインストールで、次のネットワーク構成を確認します。

  • プライベートIPアドレスおよびパブリックIPアドレスがそれぞれ関連性のない別々のサブネット内にある。プライベート・サブネットは、専用のプライベート・サブネットにある必要があります。

  • パブリックIPアドレスおよび仮想IPアドレス(SCANアドレスを含む)が同じサブネット内にある(サブネット・ネットワークのサブネット・マスクで許可されるアドレスの範囲)。

  • プライベートIPアドレスでもパブリックIPアドレスでもリンク・ローカル・サブネット(169.254.*.*)が使用されていない。

CVUアップグレード検証

クラスタ検証ユーティリティ(CVU)を使用すると、アップグレードを開始する前準備として、システムをチェックできます。

環境変数の設定解除

アップグレードを実行するユーザーとして、環境変数%ORACLE_HOME%および%ORACLE_SID%を次のように設定解除します。

C:\> set ORACLE_BASE=
C:\> set ORACLE_HOME=
C:\> set ORACLE_SID=

ORA_CRS_HOME環境変数が設定されていないことを確認します。Oracle Supportからの指示がないかぎり、ORA_CRS_HOMEを環境変数に使用しないでください。

RACcheckアップグレード準備状況評価

Oracle Grid Infrastructureへのアップグレードのためのアップグレード固有の自動ヘルス・チェックを行うために、RACcheckアップグレード準備状況評価をダウンロードして実行します。My Oracle Supportノート1457357.1(次のURLからアクセス可能)を参照してください。

https://support.oracle.com/rs?type=doc&id=1457357.1

アップグレード前のOracleソフトウェアのバックアップ

Oracleソフトウェアを変更する前に、Oracleソフトウェアおよびデータベースのバックアップを作成することをお薦めします。

Windowsオペレーティング・システム上で動作するOracleソフトウェアでは、Windowsレジストリもバックアップする必要があります。

レジストリのバックアップがないと、Oracle Grid InfrastructureまたはOracle Databaseのアップグレードに失敗し、以前のソフトウェア・インストール環境に戻すことを試みても、Oracleソフトウェアを動作する状態にリストアできません。