4.2 ケース表の準備

ケース表の準備が必要な理由を理解します。

マイニング用のデータを準備する際の最初のステップは、ケース表の作成です。すべてのデータが単一の表内にあり、各ケース(レコード)のすべての情報が単一の行に含まれている場合(単一レコード・ケース)、このプロセスは完了しています。データが複数の表に存在している場合、データソースの作成には、ビューの作成が伴います。ここでは簡易的に、「ケース表」という用語は、表またはビューを指すものとします。

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4.2.1 ネストした列の作成

ネストした列をいつ作成するかについて説明します。

データソースにトランザクショナル・データが含まれる場合(複数レコード・ケース)、ネストした列でトランザクションをケース・レベルに集計する必要があります。トランザクショナル・データでは、各ケースの情報が複数の行に含まれています。例として、本番レベルでのマイニング時のスター・スキーマにおける売上データがあります。売上は、その製品が多数の店舗で多数の顧客に対してある期間にわたって販売されるため、単一の製品(ケース)の多数の行に格納されます。

関連項目:

トランザクショナル・データのネストした列への変換の詳細は、「ネストしたデータの使用」を参照してください。

4.2.2 列のデータ型の変換

列のデータ型は、その型をOracle Data Miningが誤認識する場、変換する必要があります。たとえば、郵便番号は様々な郵便区を識別しますが、順番は示しません。郵便番号を数値列に格納すると、量的属性として解釈されます。この場合、列データがモデルによって質的属性として使用されるように、データ型を変換する必要があります。これには、TO_CHAR関数を使用して1から9の数字を変換し、LPAD関数を使用して先頭の0 (ある場合)を保持します。

LPAD(TO_CHAR(ZIPCODE),5,'0')

4.2.3 テキスト変換

Oracle Data Miningではテキストをマイニングできます。ケース表内のテキスト列は、適切に変換すると、マイニングできるようになります。

テキスト列は、ビューではなく、表内に存在している必要があります。変換プロセスでは、いくつかのOracle Textの機能が使用され、表の各行のテキストがそれぞれ別個のドキュメントとして処理されます。各ドキュメントは、数値およびテキスト・ラベルを持つ用語と呼ばれるテキスト・トークンのセットに変換されます。テキスト列は、DM_NESTED_NUMERICALSのネストした列に変換されます。

4.2.4 ビジネスおよび分野に依存した変換について

ビジネス上の問題に従い、データを変換する必要がある理由を理解します。

一部の変換は、ビジネス上の問題の定義によって決まります。たとえば、高い利益を生む顧客を予測するモデルを作成する場合を考えます。現在の顧客の利益データはドルなどの通貨で表されているため、どの程度が「高い利益」なのかを定義する必要があります。この場合、モデルを作成する前に、これまでの経験から導かれたいくつかの式を使用して、利益属性を「低」、「中」および「高」の範囲に再コード化できます。

その他の一般的なビジネス上の変換には、データ情報の経過時間への変換があります。たとえば、出生日は年齢に変換できます。

専門知識は、データをどのように準備するのかを決める上で非常に重要になることがあります。たとえば、一部のアルゴリズムでは、通常の範囲から遠く外れた値がデータに含まれていると、信頼できない結果が生成されます。ある場合は、これらの値は誤差または異常値を表します。別の場合では、これらの値が意味のある情報を提供することもあります。

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