用語集

匿名ドキュメント (anonymity document)

匿名化する一連の属性、およびそれらの属性を匿名化するために必要なアクションを定義するXML文書。

アプリケーション準拠(application conformance)

アプリケーション固有の制約ルールに関するDICOMコンテンツのセマンティックの一貫性。DICOM標準規格の規定より強くすることも弱くすることもできます。管理者は、制約ドキュメントを定義して、特定の組織に固有のユーザー定義のルールを含めることができます。

アプリケーション・エンティティ・タイトル(Application Entity title)

ネットワーク上で実行される各DICOMクライアントの一意の識別子。

構成ドキュメント(configuration document)

データベースに格納されているすべてのDICOMコンテンツに適用可能な、各データベース・インスタンスの一意のドキュメント。構成ドキュメントはリポジトリによって管理されます。たとえば、プライベートおよび標準ディクショナリ・ドキュメント、マッピング・ドキュメント、制約ドキュメントおよびプリファレンス・ドキュメントなどがあります。

準拠の検証(conformance validation)

準拠を検証するためのルールを定義する一連の制約ドキュメントに対して、DICOMコンテンツの準拠をチェックするプロセス。DICOMメタデータ・ドキュメントへの準拠の検証も可能です。

制約ドキュメント(constraint document)

DICOM標準規格およびその他の全組織的なガイドラインと照合してDICOMコンテンツを検証するルールのコレクションを定義するXML文書。制約ドキュメントでは、DICOMメタデータ・スキーマでは表現できない属性間の関係およびセマンティックの制約を指定します。制約ドキュメントは、DICOM標準規格のPart 3に定義されているSOPクラスの仕様に基づいています。管理者は、制約ドキュメントを定義して、特定の組織に固有のユーザー定義のルールを含めることができます。

制約マクロ(constraint macro)

複雑な制約ルールの、単純化された定義。制約マクロはグローバル・マクロとして定義でき、制約ルールと同じ条件定義構文に従います。制約マクロには条件オペランドを含めることができます。条件オペランドには、マクロがコールされたときにパラメータの値で置換されるマクロ・パラメータを含めることができます。制約マクロでは再帰も可能です。再帰は、階層構造や再帰構造になったDICOMコンテンツの検証要件を指定する場合に便利です。

制約条件(constraint predicate)

DICOMコンテンツの個々の属性または一連の属性に対して実行する条件の定義。制約条件には、論理文、値を比較する関係文、ブール型を戻すファンクション・コール評価、または他の条件定義への参照を指定できます。条件定義は再帰的です。

制約ルール(constraint rule)

DICOM標準規格にDICOMコンテンツが準拠しているかどうかを検証するためのルールのコレクション。これらのルールは、DICOMメタデータ・スキーマでは表現できない属性間の関係およびセマンティックのルールを指定する制約ドキュメントで定義されます。管理者は、制約ドキュメントを定義して、特定の組織に固有のユーザー定義のルールを含めることができます。

データ・モデル・リポジトリ(data model repository)

Oracle Multimedia DICOMの実行時の動作を定義する、集中管理され、ユーザーによる構成が可能な一連の文書。管理者は、リポジトリを更新して、特定のデータベース・インスタンスのOracle Multimedia DICOMを構成できます。

DICOM

医用デジタル画像と通信米国放射線学会(American College of Radiology: ACR)と米国電機工業会(National Electrical Manufacturers Association: NEMA)が、放射線デバイス間の接続性の向上を目的に策定した医用画像の標準規格。DICOM標準規格は、医用画像の領域で使用するように設計された画像ファイル形式とネットワーク・プロトコルを規定しています。これは、医用画像処理および通信のための最も有力な規格です。

DICOM属性タグ(DICOM attribute tag)

XMLスキーマとともに使用できるDICOMコンテンツ内のメタデータのエンコード表現。DICOM属性タグは標準タグを含みます。標準タグは、DICOM標準規格およびユーザー定義のプライベート・タグによってサポートされます。DICOM属性タグには、グループ番号および要素番号が含まれます。

DICOMクライアント(DICOM client)

DICOMネットワーク・プロトコルを使用して通信するアプリケーションまたはシステム。PACSやDICOMビューアがDICOMクライアントの例です。

DICOM準拠バリデータ(DICOM conformance validator)

DICOMコンテンツの構文およびセマンティックの一貫性を、データ・モデル・リポジトリに指定された制約ルールに照らしてチェックするユーティリティ。

DICOMコンテンツ(DICOM content)

DICOM標準規格のPart 10での定義に従って構造化およひエンコードされる、複数の単体のDICOM情報オブジェクト(一般にDICOM Part 10ファイルと呼ばれます)。詳細は、次のNEMA WebサイトにあるDICOM標準規格を参照してください。

http://medical.nema.org/

DICOMデータ型(DICOM data type)

「値表現」を参照。

DICOMデータ型定義のスキーマ

DICOM標準規格のPart 5で規定されている値表現(DICOMデータ型)を定義するXMLスキーマ。このデータ型定義のスキーマは、DICOMパーサーと強く連動しています。このスキーマはオラクル社によって設計されており、コンテンツが固定された状態でOracle Multimediaに付属しています。

DICOMのエンコーディング・ルール(DICOM encoding rules)

「転送構文」を参照。

DICOM画像(DICOM image)

2次元のピクセル配列に分解可能なDICOMコンテンツ。たとえば、ビデオ映像、ボリューム・スキャン、および単一フレームの歯科用画像などがあります。

DICOMメタデータ・ドキュメント(DICOM metadata document)

DICOMコンテンツから抽出されたエンコード済属性としてのメタデータを含むXML文書。Oracleには、DICOMコンテンツからメタデータ・ドキュメントを作成するメソッドが用意されています。各メタデータ・スキーマには、DICOMコンテンツの属性をスキーマ準拠のXML文書にマップする方法が定義されたマッピング・ドキュメントが必要です。また、各メタデータ・スキーマはDICOMデータ型定義のスキーマを参照します。

DICOMパーサー(DICOM parser)

DICOMコンテンツのメタデータをメモリーの構造に抽出するユーティリティ。

DICOM Part 10ファイル(DICOM Part 10 file)

DICOM標準規格のPart 10で規定されるデータ構造およびエンコーディングの定義に従って構成された単体のDICOM情報オブジェクト。詳細は、次のNEMA WebサイトにあるDICOM標準規格を参照してください。

http://medical.nema.org/

DICOM標準規格(DICOM standard)

すべての主要メーカーが準拠している、放射線画像処理および通信のための最も有力な規格。DICOM標準規格は、主に専門家の作業部会によって策定および保守されます。通常、新しいバージョンが年1回公開されます。この標準規格は、次の米国電機工業会(NEMA)のWebサイトから世界に公開されています。

http://medical.nema.org/

DICOM値ロケータ(DICOM value locator)

ルート・レベルまたはルート・レベルより下の、DICOMコンテンツ内の属性を識別するDICOMタイプ。ツリー階層内の各レベルはサブロケータで表されます。

DICOMビューア(DICOM viewer)

医師が分析して診断に使用できるDICOM画像の問合せ、取得および調査を行うために設計された特別なソフトウェア・アプリケーション。

DICOMボリューム・スキャン(DICOM volume scan)

1つの画像操作で収集される一連の画像。これらの画像は、複数のORDDicomオブジェクトの個別の断面図として格納できます。または、1つのORDDicom複数フレーム・オブジェクトとして格納することもできます。

DICOM XMLエンコーダ(DICOM XML encoder)

抽出されたDICOM属性のメモリー内の構造をXML文書に変換するユーティリティ。

Digital Imaging and Communications in Medicine (DICOM)

「DICOM」を参照。

画像プロセッサ(image processor)

サムネイル・サイズ画像の作成や、DICOMと他のサポートされている画像形式の間における変換などの操作をサポートするユーティリティ。Oracle Multimedia DICOMメソッドとともに使用すると、このユーティリティでは、データベースとオペレーティング・システム・ファイル(外部に保存されたファイル)間でのインポート操作およびエクスポート操作がサポートされます。

情報オブジェクト(information object)

DICOMの実世界のエンティティのオブジェクト指向表現。たとえば、イメージング・デバイスから取得した画像および波形図などです。

マップ済属性(mapped attribute)

マッピング・ドキュメントでXMLパスが明示的に定義されるDICOMデータ要素の一部。

「アンマップ属性」も参照。

マッピング・ドキュメント(mapping document)

DICOM XMLメタデータ・ドキュメントの特定の要素に各属性をマップする方法を定義するXML文書。このドキュメントによって、DICOMメタデータの抽出後のXML表現の構造が決定されます。

メタデータのエンコーディング(metadata encoding)

抽出されたDICOM属性をDICOMメタデータ・ドキュメントにエンコードするプロセス。

メタデータの抽出(metadata extraction)

DICOMコンテンツから属性を抽出するプロセス。

メタデータ・スキーマ(metadata schema)

DICOMメタデータ・ドキュメントを制約するXMLスキーマ・ドキュメント。このスキーマは、DICOMデータ型定義のスキーマを参照します。Oracleでは、データベースの各インスタンスに対してメタデータ・スキーマのカスタマイズがサポートされています。Oracle Multimediaにはデフォルトのメタデータ・スキーマが用意されています。管理者は、デフォルトのメタデータ・スキーマおよび対応するマッピング・ドキュメントを更新して、データベース・インスタンスに固有のスキーマを定義できます。

非スカラー属性(nonscalar attribute)

配列内の最後の属性タグがDICOMタイプSQ、OW、OB、OFまたはUNと指定されている場合に存在するDICOM値ロケータのプロパティ。

「スカラー属性」も参照。

Oracle interMedia

Oracle Database 11gリリース1 (11.1)で、Oracle interMediaという名前がOracle Multimediaに変更されました。

PACS

Picture Archiving and Communication Systems。DICOMネットワーク・プロトコルを使用して、DICOM形式で格納された医用画像を保存および転送するために設計されたシステム。医用画像デバイスは、1つ以上のPACSと通信して、研究手順から得られた画像を格納します。

Picture Archiving and Communication Systems (PACS)

「PACS」を参照。

プリファレンス・ドキュメント(preference document)

DICOMコンテンツのコピーを行うときにOracle Multimedia DICOMがDICOMコンテンツのバイナリ出力で無効な属性とその値をスキップするかどうかを指定するパラメータなど、一連の実行時パラメータを定義するXML文書。Oracle Multimediaにはデフォルトのプリファレンス・ドキュメントが用意されています。管理者は、デフォルトのプリファレンス・ドキュメントを更新して実行時の動作を変更できます。たとえば、DICOMの関数およびプロシージャで使用するXML文書を検証するかどうかや、属性をXMLにエンコードする際に指定のサイズより大きい属性を省略するかどうかを管理者が指定できます。

プライベート属性(private attributes)

組織によって定義され、それらの属性に対してその組織によって設定されたエンコーディング・ルールに従ってDICOMコンテンツでエンコードされる一連の属性。プライベート属性は、DICOMコンテンツにモダリティ固有、メーカー固有またはサイト固有の情報を追加できます。プライベート属性は、DICOM標準規格によって管理されず、一般には、そのプライベート属性を定義した組織以外の組織が認識することも使用することもありません。

プライベート・ディクショナリ・ドキュメント(private dictionary document)

データ・ディクショナリのプライベート属性を記述するドキュメント。データ・ディクショナリには、1つ以上のプライベート・ディクショナリ・ドキュメントを含めることができます。各プライベート・ディクショナリ・ドキュメントには、一連のプライベート属性の定義、およびプライベート属性を定義した組織のUIDが含まれます。プライベート・ディクショナリ・ドキュメントは、オラクル社またはサード・パーティによって公開されます。DICOM管理者は、新しいプライベート・ディクショナリ・ドキュメントが使用可能になった時点で、データ・ディクショナリに追加できます。プライベート・ディクショナリ・ドキュメントによって、ユーザーはメーカー固有または企業固有の属性をDICOMコンテンツに追加して、標準ディクショナリ・ドキュメントの定義を拡張できるようになります。プライベート・ディクショナリ・ドキュメントは、プライベート・ディクショナリ・スキーマによって制約されます。

リポジトリ(repository)

データベース・インスタンスに格納されているすべてのORDDicomオブジェクトに適用可能なドキュメントの格納に使用するライブラリ。管理者は、リポジトリにアクセスして、その中に格納されているドキュメントを更新できます。これらのドキュメントを変更すると、影響を受けるOracle Multimedia DICOMのメソッドおよびプロシージャの結果が変わります。リポジトリに格納されているドキュメントの例には、マッピング・ドキュメント、データ・ディクショナリ・ドキュメントおよび制約ドキュメントなどがあります。実行時には、指定されたメソッドを使用してリポジトリの問合せが行われ、これらのドキュメントの最新のコピーが取得されます。たとえば、DICOM管理者は、データ・ディクショナリ・ドキュメントの属性定義を更新して、そのデータ型をDA(日付)からDT(日時)に変更できます。その時点から、新しいデータ・モデルを設定すると、パーサーは属性をDTデータ型のインスタンスとして解釈し、メタデータ・エンコーダは、それ以降のすべてのメタデータ・ドキュメントにおいて属性をDTとしてエンコードします。

スカラー属性(scalar attribute)

サポートされるDICOMタイプの属性タグの配列におけるDICOM値ロケータのプロパティ。

「非スカラー属性」も参照。

スキーマ検証(schema validation)

XMLスキーマ定義を使用して、スキーマによって制約されるXML文書を検証するプロセス。スキーマの検証によって、データ型、データ形式およびデータ階層の正確性を確認できます。スキーマの検証はXML文書にのみ適用されます。DICOMコンテンツには適用されません。

サービス・オブジェクト・ペア(SOP)

「SOP」を参照。

SOP

サービス・オブジェクト・ペア。サービスと情報オブジェクトの組合せ。

SOPクラス(SOP class)

サービス・オブジェクト・ペア(SOP)クラス。このクラスは、情報オブジェクトのカテゴリと、その情報オブジェクトに関連付けられる一連の操作のモデル化に使用します。

標準属性(standard attributes)

DICOM標準規格委員会によって定義された一連の属性。DICOM標準規格のPart 6で公開されています。標準属性は、今後DICOM標準規格委員会によって変更されたり非推奨になったりする可能性があります。DICOM標準規格が新しい技術領域を取り込んで拡張されるに従って、標準属性の数は毎年増加しています。

標準ディクショナリ・ドキュメント(standard dictionary document)

DICOM標準規格によって定義されている属性を記述するドキュメント。DICOMの標準ディクショナリ・ドキュメントは、DICOM標準規格のPart 6から変換されます。DICOM標準規格委員会では、将来、このドキュメントをXML形式で公開する予定です。Oracleソフトウェア・リリースには、DICOM標準規格の特定のリリースに関連する標準ディクショナリ・ドキュメントのコピーが含まれています。管理者は、この標準ディクショナリ・ドキュメントを更新して、DICOM標準規格委員会による最新の変更を反映できます。

標準への準拠(standards conformance)

DICOM標準規格に対するDICOMコンテンツの構文およびセマンティックの整合性。Oracle Multimediaに付属しているデフォルトの制約ドキュメントでは、DICOM規格の一部への準拠を適用するルールが定義されています。

ストアド・タグ・リスト・ドキュメント(stored tag list document)

setProperties()メソッドがコールされたときに埋込みDICOMコンテンツから抽出され、ORDDicomオブジェクトのXMLメタデータ属性に格納されるDICOM属性を指定するオプションのXML文書。一般に、ストアド・タグ・リスト・ドキュメントは、マッピング・ドキュメントおよび制約ドキュメントで使用される属性タグを含みます。

転送構文(transfer syntax)

DICOMコンテンツをバイナリ・ストリームにエンコードする方法を指定する、医用画像のエンコーディング・ルール。また、これらのルールでは、データ・コンテンツの圧縮方法も指定します。サポートされているDICOM圧縮スキーマ(コーデック)には、RLE、JPEGおよびJPEG2000があります。

UID

一意識別子。ドットで連結された64バイトの数字列(IPアドレスに類似)。UIDはISOオブジェクト識別子(OID)に基づいています。通常、DICOMコンテンツを作成する組織を一意に識別するルートと、組織内のDICOMコンテンツを一意に識別する接尾辞で構成されます。

UID定義ドキュメント

DICOM標準規格または民間組織によって定義された一意識別子(UID)をリストしたXML文書。DICOMコンテンツUIDを定義するのではなく、UID定義ドキュメントには、DICOMコンテンツを分類し標準的セマンティクスを表す標準UIDのレジストリが格納されます。

「UID」も参照。

一意識別子(UID) (unique identifier (UID))

「UID」を参照。

アンマップ属性(unmapped attribute)

マッピング・ドキュメントでXMLパスが明示的に定義されないDICOMデータ要素の一部。

「マップ済属性」も参照。

値の多重度(value multiplicity)

属性値を繰り返すことのできる回数を指定する制約ルール。DICOM標準規格のPart 6で定義されている標準属性の仕様の一部です。

値表現(value representation)

DICOM標準規格で定義されているデータ型。DICOM標準規格では、Part 5に標準データ型が定義されています。Oracle Multimedia DICOMでサポートされているデータ型の詳細は、XMLスキーマordcmrdt.xsdを参照してください(<ORACLE_HOME>の下のord/dicom/xml/xsdディレクトリにあります)。

WADO

DICOMオブジェクトへのWebアクセス。DICOM標準規格の一部(Part 18)として定義されるHTTPベースのプロトコル。これにより、標準的なHTTPクライアントが、WADO形式のHTTP URLを介してDICOM画像を取得できます。

DICOMオブジェクトへのWebアクセス(WADO) (Web Access to DICOM Objects (WADO))

「WADO」を参照。

XMLマッピング・ドキュメント(XML mapping document)

DICOM属性をDICOMメタデータ・ドキュメントの要素にマップする方法を定義するXML文書。XMLマッピング・ドキュメントは、DICOMメタデータ・ドキュメントを作成するために、メタデータ・エンコーダによって使用されます。メタデータ・ドキュメントはメタデータ・スキーマによって制約されるため、XMLマッピング・ドキュメントはメタデータ・スキーマに一致する必要があります。Oracle Multimediaは、DICOMメタデータ・スキーマと一致するデフォルトのマッピング・ドキュメントを定義します。管理者は、マッピング・ドキュメントおよび対応するメタデータ・スキーマを更新して、各データベース・インスタンスに固有のスキーマを定義できます。