5 Oracle Map Builderツール
この章では、マップ視覚化コンポーネントMap Builderツール(Oracle Map Builderとも呼ばれる)について簡単に説明します。ただし、このツールのインタフェースの詳細はここでは説明しないため、これについては、Oracle Map Builderを使用する際に利用可能なオンライン・ヘルプを参照してください。
Oracle Map Builderは、スタンドアロン・アプリケーションで、データベースに格納された(スタイル、テーマおよびベース・マップに関する)マッピング・メタデータを作成および管理できます。たとえば、このツールを使用すると、スタイルを作成したり、スタイルの定義を変更したりできます。メタデータの処理以外に、このツールのインタフェースを使用すると、メタデータ(マップ上での線スタイルの表示方法を見るなど)や空間情報をプレビューすることもできます。
スタイル、テーマおよびマップに関する情報を作成、変更、削除するには、マップ視覚化コンポーネント・メタデータ・ビューを直接変更せずに、可能なかぎりOracle Map Builderを使用する必要があります。SQL文を使用するなどしてOracle Map Builderの外部で変更を実行する場合は、Oracle Map Builder内でデータベース接続をリフレッシュし、最新の項目を取得してください。
Oracle Map Builderを効果的に使用するには、「マップ視覚化の概念」で説明しているマップ視覚化コンポーネントの概念と、「マップ視覚化サーバー」のマップ・リクエストに関する説明を理解しておく必要があります。
- Oracle Map Builderの実行
Oracle Map Builderは、JARファイル(mapbuilder.jar
)として出荷されています。 - Oracle Map Builderのユーザー・インタフェース
Oracle Map Builderでは一般に、画面の左側をオブジェクトの検索や選択を行うナビゲーション用に使用し、右側を選択したオブジェクトに関する情報の表示に使用します。
5.1 Oracle Map Builderの実行
Oracle Map Builderは、JARファイル(mapbuilder.jar
)として出荷されています。
Java Development Kit (J2SE SDK) 1.5以上の環境で、スタンドアロンのJavaアプリケーションとして、次のように実行できます。
% java –jar mapbuilder.jar [Options]
オプションは次のとおりです。
-cache
<cache_size>
では、メモリー内ジオメトリ・キャッシュのサイズを指定します。例: -cache 64M
-config
<config-file>
では、Map Builderの構成およびプリファレンス情報が含まれるファイルの位置を指定します。このオプションを指定しないと、Map Builderはユーザーのホーム・ディレクトリ内でoasmapbuilder.xmlという名前のファイルを探します。構成およびプリファレンス・ファイルの詳細は、「マップ視覚化コンポーネントの構成」を参照してください。
-connect
によって、Map Builderの起動時に、oasmapbuilder.xml
プリファレンス・ファイルまたは-config
オプションで指定されたすべてのデータソースの接続が登録され、最初に利用可能なデータソースに自動的に接続します。このオプションによって、アプリケーションの起動に必要な時間が長くなります。このオプションが定義されていない場合、起動は速くなりますが、「ファイル」メニューまたはアイコンを使用して希望する任意のデータソースに接続する必要があります(「Oracle Map Builderのユーザー・インタフェース」を参照してください)。
-help
を指定すると、利用可能なオプションに関する情報が表示されます。
5.1.1 GDALおよびTeradataでテーマを作成するためのJavaライブラリ
GDAL-OGR (バージョン1.8以降)またはTeradata (バージョン13以降)でMap Builderを使用してテーマを作成するには、それぞれのクラス・パス上のjarファイル、GDAL-OGR (gdal.jar
)またはTeradata (terajdbc4.jar
およびtdgssconfig.jar
)を使用してMap Builderを起動する必要があります。これらのJavaライブラリは、システムにインストールされたGDALやTeradataのWebサイトにあります。(GDALについては、GDALのWebサイトを参照してください。)
次の例のコマンドは、クラス・パスの別のライブラリでMap Builderを起動します。
Windows: java -Xmx512M -cp .\mapbuilder.jar;.\gdal.jar;.\terajdbc4.jar;.\tdgssconfig.jar oracle.mapviewer.builder.MapBuilder
Linux: java -Xmx512M -cp ./mapbuilder.jar:./gdal.jar:./terajdbc4.jar:./tdgssconfig.jar oracle.mapviewer.builder.MapBuilder
5.2 Oracle Map Builderのユーザー・インタフェース
Oracle Map Builderでは一般に、画面の左側をオブジェクトの検索や選択を行うナビゲーション用に使用し、右側を選択したオブジェクトに関する情報の表示に使用します。
図5-1に示すOracle Map Builderのメイン・ウィンドウでは、メタデータのナビゲーション・ツールが画面の左側、選択した領域スタイルのディテール・ペインが右側に表示されています。
最上位のメニューには、標準的なエントリの他に、Oracle Map Builderに固有な機能のエントリも含まれています。
ショートカット・キーを使用して、メニューおよびメニュー項目にアクセスできます。たとえば、[Alt]+[F]を押すと「ファイル」メニュー、[Alt]+[E]を押すと「編集」メニューにアクセスできます。また、[Alt]+[H]、[Alt]+[A]の順に押すと「ヘルプ」、「バージョン情報」の順にアクセスできます。
メニューの下のアイコンは、次のアクションを実行します。
-
「Add new connection」により、Oracle Map Builderで使用する新しいデータベース接続が作成されます。
-
「Load/Add/Remove connection」により、Oracle Map Builderで使用するデータベース接続のロードまたは追加が実行されるか、Oracle Map Builderで使用可能な接続からデータベース接続が削除されます。
-
「Create new metadata」により、新しいベース・マップ、テーマまたはスタイルが作成されます。
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「Open」により、ベース・マップ、テーマまたはスタイルがオープンされます。
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「Save」により、現在選択されているオブジェクトへの変更がすべて保存されます。
-
「Save All」により、オープン状態にある全オブジェクトへの変更がすべて保存されます。
Oracle Map Builderウィンドウの左側に表示されるMetadataナビゲータには、データベース接続セレクタ、アクションを実行するためのアイコン、現在選択されているデータベース接続にアクセス可能なマップ視覚化コンポーネント・メタデータ・オブジェクト(オブジェクト・タイプによって分類)の階層ツリーなどが表示されます。オブジェクトを選択するには、該当するツリー・ノード(複数可)を開いた後、目的のオブジェクトをダブルクリックします。
Oracle Map Builderウィンドウの右側にあるタブおよびペインには、ユーザーが選択またはオープンしたオブジェクトの詳細が表示されます。
他のオブジェクトに切り替えるには、該当するタブをクリックします。タブを閉じるには、該当するタブのXをクリックします。オブジェクトに変更を加えてXをクリックすると、変更を保存するかどうかを尋ねられます。
「Messages」領域には、フィードバック情報(アクションの結果、エラー・メッセージ、警告メッセージなど)が適宜表示されます。
詳細なヘルプ情報は、Oracle Map Builderのインタフェースを使用して利用できます。特定のペインやダイアログ・ボックスに関する情報も含め、Oracle Map Builderの詳細はオンライン・ヘルプを参照してください。