『Oracle Database Net Services管理者ガイド』のこのリリースでの変更点

Oracle Database 18cのOracle Database Net Services管理者ガイドでの変更点は、次のとおりです。

新機能

Oracle Net Servicesの新機能は次のとおりです。

  • 読取り専用のOracleホームのサポート

    Oracleホームを読取り専用モードで構成すると、Oracleホーム(ORACLE_HOME)ディレクトリ内のファイルの作成または変更を防止できます。読取り専用のOracleホームは、独立した複数のサーバー間で共有可能なソフトウェア・イメージとして使用できます。これにより、1つのOracleホームのイメージを更新するだけで複数のサーバーにパッチを配布できるため、パッチ適用および一括ロールアウトが簡素化されます。読取り専用Oracleホーム・モードでは、ORACLE_BASE_HOMEORACLE_BASE/homes/HOME_NAMEにあるホーム固有のディレクトリです。

  • Traffic DirectorモードのOracle Connection Managerのサポート

    Oracle Databaseリリース18c以降、Traffic DirectorモードのOracle Connection Managerは、データベース・クライアントとデータベース・インスタンスとの間に配置されるプロキシです。この機能と新しいcman.oraパラメータにより、計画済停止と計画外停止の両方で、高可用性とパフォーマンスが改善されます。Traffic DirectorモードのOracle Connection Managerをサポートする既存のパラメータには、inbound_connect_timeout, min_gateway_processes, max_gateway_processesおよびmax_connectionsがあります。Traffic DirectorモードのOracle Connection Managerを構成するには、cman.ora構成ファイルで追加のパラメータを指定する必要があります。

    クライアント・アプリケーションでは、データベース常駐接続プール(DRCP)を認識する必要があります。これは、この接続文字列で、またはtnsnames.ora別名でDRCPを有効にすることを意味します。これらのアプリケーションは、フェイルオーバー、多重化、データ依存型ルーティング、および異なるセッション間のルーティング・コールを伴うオフロード操作において、Traffic DirectorモードのOracle Connection Managerとともに使用できます。

  • サービス登録用の新しい初期化パラメータ

    Oracle Databaseリリース18cでは、サービス登録用に新しい初期化パラメータFORWARD_LISTENERが導入されました。ここで名前を指定したリスナーに向けて、一連の既存のリモート・リスナーから接続が転送されます。

非推奨となった機能

次の機能は、今回のリリースで非推奨であり、将来のリリースでサポートされなくなる可能性があります。

Sockets Direct Protocol (SDP)の非推奨

Oracle Net ServicesによるSockets Direct Protocol (SDP)のサポートは非推奨となりました。かわりにTCPを使用することをお薦めします。

脆弱なネイティブ・ネットワーク暗号化アルゴリズムおよび整合性アルゴリズムの非推奨

DESDES403DES1123DES168RC4_40RC4_56RC4_128RC4_256およびMD5アルゴリズムは、このリリースでは非推奨です。

この非推奨化に伴い、ネットワーク暗号化および整合性の構成を確認して、非推奨になった脆弱なアルゴリズムのいずれかを使用するように指定されているかどうかを確認することをお薦めします。

より強力なアルゴリズムを使用するようにOracle Database環境を移行するには、My Oracle Supportノート2118136.2で説明されているパッチをダウンロードしてインストールします。