5 sqlnet.oraファイルのパラメータ
この章では、sqlnet.ora
ファイルの構成パラメータの完全なリストを提供します。この章の内容は次のとおりです。
5.1 プロファイル構成ファイルの概要
sqlnet.ora
ファイルはプロファイル構成ファイルです。これはクライアント・マシンおよびデータベース・サーバー上に存在します。プロファイルは、このファイルを使用して保存および実装されます。データベース・サーバーは、sqlnet.ora
ファイルのアクセス制御パラメータで構成できます。これらのパラメータは、プロトコルに基づいて、クライアントがアクセスを許可されるかまたは拒否されるかを指定します。
sqlnet.ora
ファイルでは次を実行できます。
-
クライアントのドメインを指定して未修飾名に追加
-
ネーミング・メソッドの優先順位
-
ロギング機能およびトレース機能の有効化
-
特定のプロセスを通じてのルート接続
-
外部ネーミングのパラメータの構成
-
Oracle Advanced Securityの構成
-
プロトコル固有パラメータを使用したデータベースへのアクセスの制限
デフォルトで、sqlnet.ora
ファイルはORACLE_HOME/network/admin
ディレクトリに配置されます。sqlnet.ora
ファイルは、環境変数TNS_ADMIN
で指定されたディレクトリに配置される場合もあります。
ノート:
-
sqlnet.ora
ファイル内の設定は、マルチテナント・コンテナ・データベース環境のすべてのプラガブル・データベース(PDB)に適用されます。 -
Oracle Net Servicesでは、
sqlnet.ora
のIFILEパラメータを、3段階までのネスト・レベルでサポートします。パラメータは、手動でファイルに追加されます。この構文の例を次に示します。IFILE=/tmp/listener_em.ora IFILE=/tmp/listener_cust1.ora IFILE=/tmp/listener_cust2.ora
詳細は、『Oracle Databaseリファレンス』を参照してください。
-
読取り専用Oracleホーム・モードでは、
sqlnet.ora
ファイルのデフォルトの場所は、ORACLE_BASE_HOME/network/admin
です。 -
読取り専用のOracleホーム・モードでは、
ORACLE_HOME
の場所にデフォルト設定されるパラメータがORACLE_BASE_HOME
の場所にデフォルト設定されるように変更されます。
5.2 プロファイル・パラメータ(sqlnet.ora)
この項では、次のsqlnet.ora
ファイルのパラメータをリストして説明します。
5.2.1 ACCEPT_MD5_CERTS
用途
MD5署名付き証明書を受け入れるには、sqlnet.ora
に加えて、このパラメータもlistener.ora
に設定する必要があります。
デフォルト
FALSE
値
-
TRUE
MD5署名付き証明書を受け入れる場合 -
FALSE
MD5署名付き証明書を受け入れない場合
5.2.2 ACCEPT_SHA1_CERTS
用途
SHA1署名付き証明書を受け入れないようにするには、sqlnet.ora
に加えて、このパラメータもlistener.ora
に設定する必要があります。
デフォルト
TRUE
値
-
TRUE
SHA1署名付き証明書を受け入れる場合 -
FALSE
SHA1署名付き証明書を受け入れない場合
5.2.3 ADD_SSLV3_TO_DEFAULT
用途
SSL_VERSION
のデフォルト・リストでサーバーがSSL_VERSION=3.0
を受け入れる場合、sqlnet.ora
に加え、このパラメータもlistener.ora
に設定する必要があります。
デフォルト
FALSE
値
-
TRUE
に設定され、SSL_VERSION
が指定されていない、または「不明」に設定されている場合、SSL_VERSION
には1.2
、1.1
、1.0
および3.0
のバージョンが含まれます。 -
FALSE
に設定され、SSL_VERSION
が指定されていない、または「不明」に設定されている場合、SSL_VERSION
には1.2
、1.1
および1.0
のバージョンが含まれます。
5.2.4 BEQUEATH_DETACH
用途
LinuxおよびUNIXシステムのシグナル処理をオンまたはオフに切り替えます。
デフォルト
no
値
-
yes
: シグナル処理をオフに切り替えます。 -
no
: シグナル処理をオン状態にします。
例
BEQUEATH_DETACH=yes
5.2.5 EXADIRECT_FLOW_CONTROL
用途
Exadirectフロー制御を有効または無効にします。
使用上のノート
このパラメータをオンにすると、Oracle Netが使用可能な受信ウィンドウを送信側にブロードキャストできるようになります。送信側は受信側のブロードキャスト・ウィンドウに基づいて送信を制限します。
デフォルト
off
例
EXADIRECT_FLOW_CONTROL=on
5.2.6 EXADIRECT_RECVPOLL
用途
受信側が受信データをポーリングする時間を指定します。
使用上のノート
パラメータは、固定値またはポーリング値を自動でチューニングするにはAUTO
に設定します。
デフォルト
0
例
EXADIRECT_RECVPOLL = 10
EXADIRECT_RECVPOLL = AUTO
5.2.7 DEFAULT_SDU_SIZE
用途
各接続に使用されるセッション・データ・ユニット(SDU)サイズをバイト数で指定します。
使用上のノート
接続全体を通して同じSDUサイズが使用されるように、このパラメータはクライアント側とサーバー側の両方のsqlnet.ora
ファイルに設定することをお薦めします。各セッションのクライアントとデータベース・サーバーの構成値が一致しない場合、2つの値の低いほうが使用されます。
特定のクライアント接続に対してこのパラメータを上書きするには、クライアントの接続記述子にSDUパラメータを指定します。
関連項目:
SDUの使用方法と構成情報の詳細は、『Oracle Database Net Services管理者ガイド』を参照してください。
デフォルト
8192バイト(8KB)
値
512から2097152バイト
例
DEFAULT_SDU_SIZE=4096
5.2.8 DISABLE_OOB
用途
下層プロトコルから渡された緊急データを使用した、アウト・オブ・バンド・ブレーク・メッセージの送受信をOracle Netで有効または無効にします。
使用上のノート
off
に設定した場合、Oracle Netでブレーク・メッセージの送受信が可能になります。on
に設定した場合、ブレーク・メッセージの送受信ができなくなります。これは、一度使用可能にすると、このクライアントが使用するすべてのプロトコルに適用されます。
デフォルト
off
例
DISABLE_OOB=on
関連項目:
使用しているプロトコルが緊急データ・リクエストをサポートするかどうかを判断するには、オペレーティング・システム固有のドキュメントを参照してください。TCP/IPは、この機能をサポートするプロトコルの一例です。
5.2.9 HTTPS_SSL_VERSION
用途
XDB HTTPS接続で個別に使用されるSecure Sockets Layer (SSL)バージョンを制御します。
使用上のノート
特にSSL_VERSION
パラメータは、HTTPSで使用されるSSLバージョンを制御しなくなりました。このパラメータは、有効な任意のSSL_VERSION
の値に設定できます。
デフォルト
1.1
または1.2
で、TLSv1.1
またはTLSv1.2
を意味します。
値
有効な任意のSSL_VERSION
の値
5.2.10 IPC.KEYPATH
用途
UNIXドメイン・ソケット用の内部ファイルが作成される宛先ディレクトリを指定します。
使用上のノート
このパラメータは、UNIXドメイン・ソケットのOracle Netの使用にのみ適用され、クラスタウェアなどのデータベース内の他のUNIXドメイン・ソケットの使用には適用されません。 keypath
を使用する場合、クライアント側およびリスナー側の両方で、バージョン18以上の同じ値を使用してください。
デフォルト
ディレクトリ・パスは、Oracle Linux、Oracle Solarisの場合は/var/tmp/.oracle
、他のUNIX変数の場合/tmp/.oracle
です。
例
ipc.keypath=/home/oracleuser
。
5.2.11 NAMES.DEFAULT_DOMAIN
用途
クライアントが最も頻繁に名前解決リクエストを参照するドメインを設定します。
使用上のノート
このパラメータが設定されると、デフォルトのドメイン名が未修飾のネット・サービス名またはサービス名に自動的に追加されます。
たとえば、デフォルト・ドメインがus.example.com
に設定されている場合、接続文字列CONNECT scott@sales
は、sales.us.example.com
として検索されます。接続文字列にCONNECT scott@sales.us.example.com
などのドメイン拡張が含まれている場合、そのドメインは接続文字列に追加されません。
デフォルト
なし
例
NAMES.DEFAULT_DOMAIN=example.com
5.2.12 NAMES.DIRECTORY_PATH
用途
クライアントの名前解決参照に使用するネーミング・メソッドの順序を指定します。
デフォルト
NAMES.DIRECTORY_PATH=(tnsnames, ldap, ezconnect)
値
次の表は、ネーミング・メソッドのNAMES.DIRECTORY_PATH値を示しています。
ネーミング・メソッドの値 | 説明 |
---|---|
|
クライアント上の |
|
データベース・サービス名、ネット・サービス名またはネットワーク・サービス別名をディレクトリ・サーバーにより解決する場合に設定します。 |
ホスト名、オプションのポートおよびサービス名で構成されるTCP/IP接続識別子をクライアントで使用できるようにする場合に選択します。 |
|
|
既存のNetwork Information Service (NIS)でサービス情報を解決する場合に設定します。 |
例
NAMES.DIRECTORY_PATH=(tnsnames)
5.2.13 NAMES.LDAP_AUTHENTICATE_BIND
用途
接続文字列内の名前を解決するためにLDAPディレクトリに接続したときに、LDAPネーミング・アダプタで、指定したウォレットを使用して認証を試行するかどうかを指定します。
使用上のノート
パラメータ値はブールです。
このパラメータをTRUE
に設定した場合、LDAP接続はウォレットを使用して認証されます。このウォレットの位置はWALLET_LOCATION パラメータで指定されている必要があります。
パラメータをFALSE
に設定した場合、LDAP接続は匿名バインドを使用して確立されます。
デフォルト
false
例
NAMES.LDAP_AUTHENTICATE_BIND=true
5.2.14 NAMES.LDAP_CONN_TIMEOUT
用途
LDAPサーバーへの非ブロック接続のタイムアウトの秒数を指定します。
使用上のノート
パラメータ値-1は無限のタイムアウトです。
デフォルト
15秒
値
値は秒単位です。範囲は、-1
からご使用の環境で許容される秒数までです。上限値はありません。
例
names.ldap_conn_timeout = -1
5.2.15 NAMES.LDAP_PERSISTENT_SESSION
用途
名前参照の完了後もLDAPネーミング・アダプタによりLDAPサーバーのセッションをオープンのままにするかどうかを指定します。
使用上のノート
パラメータ値はブールです。
パラメータがTRUE
に設定されている場合、LDAPサーバーへの接続は、名前検索後もオープンのままです。接続は、プロセスの継続期間中、事実上オープンのままになります。接続が失われた場合は、必要に応じて再確立されます。
パラメータをFALSE
に設定した場合、LDAP接続は名前参照の完了後ただちに終了します。以降参照のたびに接続がオープンされ、参照を実行してからクローズされます。このオプションを使用することで、LDAPサーバーに多数のクライアントが一度に接続することを防ぐことができます。
デフォルト
false
例
NAMES.LDAP_PERSISTENT_SESSION=true
5.2.16 NAMES.NIS.META_MAP
用途
ネットワーク・インフォメーション・サービス(NIS)属性をNISマップ名にマップするために使用するmapファイルを指定します。
デフォルト
sqlnet.maps
例
NAMES.NIS.META_MAP=sqlnet.maps
5.2.17 RECV_BUF_SIZE
用途
セッションの受信操作に使用するバッファ領域の制限を指定します。
使用上のノート
特定のクライアント接続に対してこのパラメータを上書きするには、クライアントの接続記述子にRECV_BUF_SIZEパラメータを指定します。
このパラメータは、TCP/IP、SSL付きTCP/IP、SDPの各プロトコルでサポートされます。
ノート:
オペレーティング・システムによっては、他のプロトコルもこのパラメータをサポートしている場合があります。このパラメータをサポートしている他のプロトコルの詳細は、オペレーティング・システムのマニュアルを参照してください。
関連項目:
このパラメータの構成方法の詳細は、『Oracle Database Net Services管理者ガイド』を参照してください。
デフォルト
このパラメータのデフォルト値は、オペレーティング・システムによって異なります。Linux 2.6オペレーティング・システムのデフォルト値は87380バイトです。
例
RECV_BUF_SIZE=11784
5.2.21 SEND_BUF_SIZE
用途
セッションの送信操作に使用するバッファ領域の制限を指定します。
使用上のノート
特定のクライアント接続に対してこのパラメータを上書きするには、クライアントの接続記述子にSEND_BUF_SIZEパラメータを指定します。
このパラメータは、TCP/IP、SSL付きTCP/IP、SDPの各プロトコルでサポートされます。
ノート:
オペレーティング・システムによっては、他のプロトコルもこのパラメータをサポートしている場合があります。このパラメータをサポートしている他のプロトコルの詳細は、オペレーティング・システムのマニュアルを参照してください。
関連項目:
このパラメータの構成方法の詳細は、『Oracle Database Net Services管理者ガイド』を参照してください。
デフォルト
このパラメータのデフォルト値は、オペレーティング・システムによって異なります。Linux 2.6オペレーティング・システムのデフォルト値は16KBです。
例
SEND_BUF_SIZE=11784
5.2.22 SQLNET.ALLOW_WEAK_CRYPTO
指定されている暗号化アルゴリズムおよび暗号チェックサム・アルゴリズムを確認することで、sqlnet.ora
互換性パラメータSQLNET.ALLOW_WEAK_CRYPTO
を使用してクライアント側のネットワーク接続を構成します。
用途
クライアントおよびサーバーで有効になっている暗号化アルゴリズムおよび暗号チェックサム・アルゴリズムを確認することで、クライアント側のネットワーク接続を構成します。これにより、接続で互換性の問題が発生せず、サポートされている強力なアルゴリズムが構成で使用されるようになります。
使用上のノート
-
DES
、DES40
、3DES112
、3DES168
、RC4_40
、RC4_56
、RC4_128
、RC4_256
およびMD5
アルゴリズムは、このリリースでは非推奨です。この非推奨化に伴い、ネットワーク暗号化および整合性の構成を確認して、非推奨になった脆弱なアルゴリズムのいずれかを使用するように指定されているかどうかを確認することをお薦めします。
より強力なアルゴリズムを使用するようにOracle Database環境を移行するには、My Oracle Supportノート2118136.2で説明されているパッチをダウンロードしてインストールします。
-
このパラメータを
TRUE
に設定すると、下位互換性のために、非推奨アルゴリズムを指定できます。この構成では、パッチ適用済のクライアントがパッチ未適用のサーバーに接続できますが、そのような接続は安全性が低くなります。 -
このパラメータを
FALSE
に設定した場合は、クライアントとサーバーがすべてのパッチが適用された環境で通信できるように、サポートされているアルゴリズムのみを指定できます。サーバーは、すべてのKerberosおよびJDBCシン・クライアントに対してキー・フォールドインを強制します。この構成では、強力なネイティブ・ネットワーク暗号化および整合性の機能の使用によって、クライアントとサーバーとの接続が強化されます。この設定を使用した場合、ネイティブのネットワーク暗号化またはチェックサムが有効になっているときに、パッチ適用済のサーバーまたはクライアントがパッチ未適用の古いクライアントまたはサーバーと通信しようとすると、接続が失敗し、エラー・メッセージが表示されます。
値
TRUE
FALSE
デフォルト値
TRUE
推奨値
FALSE
ノート:
このパラメータをFALSE
に設定する前に、サーバーおよびクライアントのsqlnet.ora
ファイルにリストされているすべての非推奨アルゴリズムを削除する必要があります。
例
SQLNET.ALLOW_WEAK_CRYPTO = FALSE
5.2.23 SQLNET.ALLOW_WEAK_CRYPTO_CLIENTS
指定されている暗号化アルゴリズムおよび暗号チェックサム・アルゴリズムを確認することで、sqlnet.ora
互換性パラメータSQLNET.ALLOW_WEAK_CRYPTO_CLIENTS
を使用してサーバー側のネットワーク接続を構成します。
用途
クライアントおよびサーバーで有効になっている暗号化アルゴリズムおよび暗号チェックサム・アルゴリズムを確認することで、サーバー側のネットワーク接続を構成します。これにより、接続で互換性の問題が発生せず、サポートされている強力なアルゴリズムが構成で使用されるようになります。
使用上のノート
-
DES
、DES40
、3DES112
、3DES168
、RC4_40
、RC4_56
、RC4_128
、RC4_256
およびMD5
アルゴリズムは、このリリースでは非推奨です。この非推奨化に伴い、ネットワーク暗号化および整合性の構成を確認して、非推奨になった脆弱なアルゴリズムのいずれかを使用するように指定されているかどうかを確認することをお薦めします。
より強力なアルゴリズムを使用するようにOracle Database環境を移行するには、My Oracle Supportノート2118136.2で説明されているパッチをダウンロードしてインストールします。
-
このパラメータを
TRUE
に設定すると、下位互換性のために、非推奨アルゴリズムを指定できます。この構成では、パッチ適用済のサーバーがパッチ未適用のクライアントに接続できますが、そのような接続は安全性が低くなります。 -
このパラメータを
FALSE
に設定した場合は、クライアントとサーバーがすべてのパッチが適用された環境で通信できるように、サポートされているアルゴリズムのみを指定できます。サーバーは、すべてのKerberosおよびJDBCシン・クライアントに対してキー・フォールドインを強制します。この構成では、強力なネイティブ・ネットワーク暗号化および整合性の機能の使用によって、クライアントとサーバーとの接続が強化されます。この設定を使用した場合、ネイティブのネットワーク暗号化またはチェックサムが有効になっているときに、パッチ適用済のサーバーまたはクライアントがパッチ未適用の古いクライアントまたはサーバーと通信しようとすると、接続が失敗し、エラー・メッセージが表示されます。
値
TRUE
FALSE
デフォルト値
TRUE
推奨値
FALSE
ノート:
このパラメータをFALSE
に設定する前に、サーバーおよびクライアントのsqlnet.ora
ファイルにリストされているすべての非推奨アルゴリズムを削除する必要があります。
例
SQLNET.ALLOW_WEAK_CRYPTO_CLIENTS = FALSE
5.2.24 SQLNET.ALLOWED_LOGON_VERSION_CLIENT
用途
Oracle Databaseインスタンスへの接続時に、サーバーがクライアントの役割を果している場合(データベース・リンクでの接続など)に、クライアントに認められる最低限の認証プロトコルを設定します。
使用上のノート
パラメータ名のVERSION
は、Oracle Databaseのリリースではなく、認証プロトコルのバージョンを指します。
バージョンがこのパラメータで定義された値以上でない場合、認証は「ORA-28040: 一致する認証プロトコルがありません
」エラーが発生して失敗します。
値
-
12a
: Oracle Database 12cリリース1 (12.1.0.2)以降(最も強力な保護)ノート:
この設定を使用すると、クライアントでは、最適化を解除したパスワード・バージョンを使用した認証のみが可能です。たとえば、12C
パスワード・バージョンはその例です。 -
12
: クリティカル・パッチ・アップデートCPUOct2012以降のOracle Database 11g認証プロトコル(より強力な保護)ノート:
この設定を使用すると、クライアントでは、ソルトを使用するパスワード・ハッシュ値を使用した認証のみが可能です。たとえば、11G
または12C
のパスワード・バージョンはその例です。 -
11
(Oracle Database 11gの認証プロトコル) -
10
(Oracle Database 10gの認証プロトコル) -
8
(Oracle8iの認証プロトコル)
デフォルト
11
例
Oracle Database 12cデータベースが、Oracle Database 10gデータベースへのデータベース・リンクのホストである場合、SQLNET.ALLOWED_LOGON_VERSION_CLIENT
パラメータは、次のように、そのデータベース・リンク接続が進む順に設定する必要があります。
SQLNET.ALLOWED_LOGON_VERSION_CLIENT=10
5.2.25 SQLNET.ALLOWED_LOGON_VERSION_SERVER
用途
Oracle Databaseインスタンスへの接続時に認められる最低限の認証プロトコルを設定します。
使用上のノート
パラメータ名のVERSION
は、Oracle Databaseのリリースではなく、認証プロトコルのバージョンを指します。
表1のSQLNET.ALLOWED_LOGON_VERSION_SERVERパラメータの値と一致する行に対応する「クライアントに必要な機能」列の機能がクライアントにない場合は、ORA-28040:一致する認証プロトコルがありません
というエラーまたはORA-03134: このバージョンのサーバーへの接続は、サポートされていません。
というエラーで認証に失敗します。
8
を設定すると、すべてのパスワード・バージョンが認められ、DBA_USERS.PASSWORD_VERSIONS
値10G
、11G
および12C
のどの組合せも可能です。
12a
に設定すると、12C
パスワード・バージョンのみ使用できます。
高い値を設定すればするほど、認証のためにクライアントで理解する必要のあるプロトコルに関しては、互換性が低くなります。任意の特定アカウントを認証するために必要なパスワードのバージョンという点では、サーバーも制限が厳しくなります。クライアントが特定のアカウントに認証されるかどうかは、そのSQLNET.ALLOWED_LOGON_VERSION_SERVER
パラメータのサーバー設定、および指定したアカウント用のパスワード・バージョンの両方によって決まります。パスワード・バージョンのリストはDBA_USERS.PASSWORD_VERSIONS
にあります。
値を12
または12a
に設定することには、次のような意味があることに注意してください。
-
パスワードの大文字/小文字を区別しない場合は、
10G
パスワード・バージョンを使用する必要があるため、SEC_CASE_SENSITIVE_LOGON
Oracleインスタンス初期化パラメータにFALSE
の値は使用できません。SEC_CASE_SENSITIVE_LOGON
Oracleインスタンス初期化パラメータがFALSE
に設定されている場合、排他モードによって10G
パスワード・バージョンの使用が除外されるため、ユーザー・アカウントとセキュア・ロールが使用できなくなります。SEC_CASE_SENSITIVE_LOGON
Oracleインスタンス初期化パラメータでは、パスワードの大文字/小文字の区別を有効化または無効化します。ただし、このリリースでは排他モードがデフォルトで有効になっているため、パスワードの大文字/小文字の区別の無効化はサポートされません。ノート:
-
SQLNET.ALLOWED_LOGON_VERSION_SERVER
パラメータを12
に設定して、パスワードが大文字と小文字を区別して扱われるようにするために、Oracleインスタンス初期化パラメータSEC_CASE_SENSITIVE_LOGON
の使用は非推奨です。 -
パスワードの大文字/小文字の区別の無効化は、排他モードではサポートされません(
SQLNET.ALLOWED_LOGON_VERSION_SERVER
が12
または12a
に設定されている場合)。
-
-
Oracle Database 10gより前のOCIクライアントの各リリースでは、パスワードベース認証を使用してOracle Databaseに対して認証することができません。
-
クライアントがOracle Database 10gを使用している場合、クライアントに
「ORA-03134: このバージョンのサーバーへの接続は、サポートされていません。」
というエラー・メッセージが表示されます。接続を認めるには、SQLNET.ALLOWED_LOGON_VERSION_SERVER
値を8
に設定します。アカウントのDBA_USERS.PASSWORD_VERSIONS
値に10G
の値が含まれていることを確認します。そのアカウントのパスワードは、再設定が必要になる可能性があります。
値を12a
に設定することには、次のような意味があることに注意してください。
-
Oracle Databaseリリース12.2で導入された新しい
12C
パスワード・バージョンを活用するため、ユーザー・パスワードには期限が設定されており、ユーザーによるパスワード変更を促し、パスワードを変更し、新しい12C
パスワード・バージョンがそのアカウントに生成されるようにします。このリリースでは、新しいパスワードはデフォルトで大文字/小文字を区別して扱われます。アカウント・パスワードが変更されると、大文字/小文字が区別されない以前の10G
パスワード・バージョンが自動的に削除され、新しい12C
パスワード・バージョンが生成されます。 -
アカウント・パスワードが変更されると、大/小文字が区別されない
10G
パスワード・バージョンおよび11G
パスワード・バージョンが自動的に削除されます。 -
JDBCシン・クライアント・サポート:
Oracle Databaseリリース12.1.0.2以降、
sqlnet.ora
パラメータSQLNET.ALLOWED_LOGON_VERSION_SERVER
を12a
に設定し、新しいアカウントを作成、または既存のアカウントのパスワードを変更すると、新しい12C
パスワード・バージョンのみが生成されます。12C
パスワード・バージョンは、PBKDF2
(パスワードベースのキー導出関数2)アルゴリズムを使用して最適化を解除したSHA-2 (Secure Hash Algorithm) SHA-512
のソルト付き暗号化ハッシュに基づいています。ALLOWED_LOGON_VERSION_SERVER
を12a
に設定してデータベース・サーバーが稼働している場合は、排他モードで稼働しています。このモードでJDBCクライアントを使用してログインするには、JREバージョンがバージョン8以上である必要があります。JDBCクライアントがJREバージョン8以上で稼働中の場合は、O7L_MR
機能フラグのみが有効になります。ノート:
DBA_USERS
カタログ・ビューのPASSWORD_VERSIONS
列をチェックして、指定のアカウントのパスワード・バージョンのリストを確認します。sqlnet.ora
パラメータSQLNET.ALLOWED_LOGON_VERSION_SERVER
を12
に設定した場合、サーバーは排他モードで稼働し、11G
および12C
パスワード・バージョン(それぞれSHA-1
およびPBKDF2 SHA-2
ベースのパスワードのハッシュ)のみが生成され、使用できるようになります。このような場合、CPUOct2012パッチが完全に適用されたJDBCクライアントは、これらのJDBCクライアントからO5L_NP
クライアント機能が提供されるために接続が可能です。以前のJDBCクライアントには、ステルス・パスワード・クラッキングの脆弱性CVE-2012-3132に対するフィックスを含むCPUOct2012がないため、
O5L_NP
クライアント機能は提供されません。このため、すべてのJDBCクライアントに必ずパッチを正しく適用してください。
サーバーによる認証を行うには、クライアントで認証プロトコルの特定の機能がサポートされている必要があります。指定された認証機能がクライアントでサポートされていない場合は、「ORA-28040: 一致する認証プロトコルがありません
」というエラー・メッセージが表示され、サーバーへの接続が拒否されます。
次に、すべてのクライアント機能のリストを示します。すべての機能が備わっていないクライアントもあります。より新しいクライアントには古いクライアントの機能がすべて備わっていますが、クライアントが古いほど、備わっている機能は新しいクライアントより少ない傾向があります。
-
O7L_MR
:12C
のパスワード・バージョンを使用して、Oracle Database 10gの認証プロトコルを実行する機能。JDBCクライアントの場合は、JREバージョン8以上で稼働中の場合にのみO7L_MR機能が提供されます。 -
O5L_NP
:11G
のパスワード・バージョンを使用し、クリティカル・パッチ更新CPUOct2012用に暗号化されたセッション・キーを生成して、Oracle Database 10gの認証プロトコルを実行する機能。 -
O5L
:10G
のパスワード・バージョンを使用して、Oracle Database 10gの認証プロトコルを実行する機能。 -
O4L
:10G
のパスワード・バージョンを使用して、Oracle9i Databaseの認証プロトコルを実行する機能。 -
O3L
:10G
のパスワード・バージョンを使用して、Oracle8i Databaseの認証プロトコルを実行する機能。
上のリストの上部に示されている機能ほど新しく、リストの下部に示されている機能よりも安全です。より新しいクライアントには古いクライアントの機能がすべて備わっています。
-
SQLNET.ALLOWED_LOGON_VERSION_SERVERパラメータで許可される設定
-
アカウントの作成時またはパスワードの変更時に生成されるパスワード・バージョンに与える影響
-
サーバーにこの設定がある場合にクライアントが認証するために必要な機能フラグ
-
設定が排他モードと見なされるかどうか
表5-1 SQLNET.ALLOWED_LOGON_VERSION_SERVERの設定
ALLOWED_LOGON_VERSION_SERVERパラメータの値 | 生成されるパスワード・バージョン | クライアントに必要な機能 | クライアントに対する意味 | サーバーを排他モードで実行しているか |
---|---|---|---|---|
|
|
|
Oracle Database 12cリリース1 (12.1.0.2以上)のクライアントのみがサーバーに接続できます。 |
はい。これは |
|
|
|
Oracle Database 11gリリース2 (11.2.0.3以上)のクライアントがサーバーに接続できます。 古いクライアントでO5L_NP機能を使用するには、クリティカル・パッチ・アップデートCPUOct2012以上が必要です。 クリティカル・パッチ・アップデートCPUOct2012以上が適用されている古いクライアントのみがサーバーに接続できます。 |
はい。これは |
|
|
|
Oracle Database 10g以上を使用しているクライアントがサーバーに接続できます。 クリティカル・パッチ更新CPUOct2012以上のパッチが適用されていない、Oracle Databaseリリース11.2.0.3未満のリリースを使用しているクライアントは、 |
いいえ |
|
|
|
前の行と同じ意味です。 |
いいえ |
|
|
|
前の行と同じ意味です。 |
いいえ |
|
|
|
前の行と同じ意味です。 |
いいえ |
値
-
12a
: Oracle Database 12cリリース12.1.0.2以上の認証プロトコル(最も強力な保護) -
12
: Oracle Database 12c リリース12.1の認証プロトコル(デフォルトおよび推奨値) -
11
(Oracle Database 11gの認証プロトコル) -
10
(Oracle Database 10gの認証プロトコル) -
9
: Oracle9i Databaseの認証プロトコルの場合 -
8
: Oracle8i Databaseの認証プロトコルの場合
ノート:
-
Oracle Database 12cリリース2 (12.2)以上では、デフォルト値は12です。
-
以前のリリースでは、クリティカル・パッチ・アップデートCPUOct2012以上を適用した後に値12を使用できます。
デフォルト
12
例
SQLNET.ALLOWED_LOGON_VERSION_SERVER=12
5.2.26 SQLNET.AUTHENTICATION_SERVICES
用途
1つ以上の認証サービスを使用可能にします。認証がインストールされている場合は、このパラメータをnone
またはリストされている認証方式の1つに設定することをお薦めします。
使用上のノート
SQLNET.AUTHENTICATION_SERVICES
値all
を使用すると、サーバーは次のそれぞれの方法を使用して認証を試行します。リストの上位の方法が成功しなかった場合、サーバーはリストの下位の方法を試行します。
-
ネットワーク層上のサービス、KerberosまたはRADIUSなどの、データベース外部のサービスに基づく認証。
-
管理オペレーティング・システム・グループ内のオペレーティング・システム・ユーザーのメンバーシップに基づく認証。グループ名はプラットフォーム固有です。この認証は、管理接続のみに適用可能です。
-
データベースによって実行される認証。
-
ディレクトリ・サーバー内に保管された資格証明に基づく認証。
オペレーティング・システム認証では、SQL*Plusを使用した接続時にAS SYSDBA
句を使用するなど、管理接続の試行時に任意のユーザー名およびパスワードを使用してデータベースにアクセスできます。接続例を次に示します。
sqlplus ignored_username/ignored_password AS SYSDBA
先行するコマンドを発行したオペレーティング・システム・ユーザーがすでに適切な管理オペレーティング・システム・グループのメンバーである場合、接続は成功します。これは、グループ・メンバーシップが最初に確認されることで、ユーザー名およびパスワードがサーバーによって無視されるためです。
関連項目:
認証方法の詳細は、『Oracle Databaseセキュリティ・ガイド』を参照してください。
デフォルト
all
ノート:
Database Configuration Assistant(DBCA)とともにデータベースをインストールすると、このパラメータがsqlnet.ora
ファイルでnts
に設定されます。
値
Oracle Net Servicesで使用可能な認証方式:
-
none
: Microsoft Windowsオペレーティング・システム固有の認証を含め、認証方式を使用しません。SQLNET.AUTHENTICATION_SERVICES
をnone
に設定しているときは、有効なユーザー名とパスワードを使用するとデータベースにアクセスできます。 -
all
: すべての認証方式を採用します。 -
beq
: Microsoft Windows以外のオペレーティング・システムに対する固有のオペレーティング・システム認証を採用します -
kerberos5
: Kerberos認証を採用します -
nts
: Microsoft Windowsオペレーティング・システム固有の認証を採用します -
radius
: リモート認証ダイアルイン・ユーザー・サービス(RADIUS)認証を採用します -
tcps
: SSL認証を採用します
例
SQLNET.AUTHENTICATION_SERVICES=(kerberos5)
5.2.27 SQLNET.CLIENT_REGISTRATION
用途
クライアント・コンピュータに一意の識別子を設定します。
使用上のノート
この識別子は、接続リクエストとともにリスナーに渡され、監査証跡に組み込まれます。識別子は、128文字までの長さの英数文字列にできます。
デフォルト
なし
例
SQLNET.CLIENT_REGISTRATION=1432
5.2.28 SQLNET.COMPRESSION
用途
データ圧縮を有効または無効にします。サーバー、クライアントの両方ともこのパラメータをON
に設定している場合、接続に圧縮が使用されます。
ノート:
SQLNET.COMPRESSION
パラメータは、Oracle Data GuardストリーミングREDOとSecureFilesラージ・オブジェクト(LOB)を除く、すべてのデータベース接続に適用されます。
デフォルト
off
値
-
on
: データ圧縮を有効にします。 -
off
: データ圧縮を無効にします。
例
SQLNET.COMPRESSION=on
5.2.29 SQLNET.COMPRESSION_ACCELERATION
用途
プラットフォームで使用可能な場合に、このパラメータを使用して、ハードウェア・アクセラレータを使用した圧縮の使用を指定します。
使用上のノート
このパラメータはOracle Connection Managerの別名の説明に指定できます。
デフォルト
on
値
-
on
-
off
-
0
-
1
例5-1
compression_acceleration = on
5.2.30 SQLNET.COMPRESSION_LEVELS
用途
圧縮レベルを指定します。
使用上のノート
圧縮レベルは、両端でどのレベルを使用するかを確認し、1つのレベルを選択するためのネゴシエーション時に使用されます。
データベース常駐接続プーリング(DRCP)の場合、圧縮レベルlow
のみがサポートされます。
デフォルト
low
値
-
low
: 低CPU使用率と低圧縮率を使用します。 -
high
: 高CPU使用率および高圧縮率を使用します。
例
SQLNET.COMPRESSION_LEVELS=(high)
5.2.31 SQLNET.COMPRESSION_THRESHOLD
用途
圧縮が必要なデータの最小サイズをバイト数で指定します。
使用上のノート
送信されるデータのサイズがこの値より小さい場合、圧縮は行われません。
デフォルト
1024バイト
例
SQLNET.COMPRESSION_THRESHOLD=1024
5.2.32 SQLNET.CRYPTO_CHECKSUM_CLIENT
用途
クライアントのチェックサム動作を指定します。
デフォルト
accepted
値
-
accepted
: 相手側にセキュリティ・サービスが必要な場合または相手側からリクエストされた場合は、セキュリティ・サービスを使用可能にします。 -
rejected
: 相手側からセキュリティ・サービスを要求されても、セキュリティ・サービスを使用禁止にします。 -
requested
: 相手側がセキュリティ・サービスを許可している場合は、セキュリティ・サービスを使用可能にします。 -
required
: 相手側がセキュリティ・サービスに対応できない場合は、セキュリティ・サービスを使用可能にし、接続を禁止します。
例
SQLNET.CRYPTO_CHECKSUM_CLIENT=accepted
5.2.33 SQLNET.CRYPTO_CHECKSUM_SERVER
用途
データベース・サーバーのチェックサム動作を指定します。
デフォルト
accepted
値
-
accepted
: 相手側にセキュリティ・サービスが必要な場合または相手側からリクエストされた場合は、セキュリティ・サービスを使用可能にします。 -
rejected
: 相手側からセキュリティ・サービスを要求されても、セキュリティ・サービスを使用禁止にします。 -
requested
: 相手側がセキュリティ・サービスを許可している場合は、セキュリティ・サービスを使用可能にします。 -
required
: 相手側がセキュリティ・サービスに対応できない場合は、セキュリティ・サービスを使用可能にし、接続を禁止します。
例
SQLNET.CRYPTO_CHECKSUM_SERVER=accepted
5.2.34 SQLNET.CRYPTO_CHECKSUM_TYPES_CLIENT
用途
クライアントが使用する暗号チェックサム・アルゴリズムのリストを指定します。
デフォルト
使用可能なすべてのアルゴリズム
値
-
MD5
: RSA Data SecurityのMD5アルゴリズム。MD5
アルゴリズムは、このリリースでは非推奨です。より強力なアルゴリズムを使用するようにOracle Database環境を移行するには、My Oracle Supportノート2118136.2で説明されているパッチをダウンロードしてインストールします。 -
SHA1
: Secure Hashアルゴリズム。 -
SHA256
: ハッシュ・アルゴリズムで256ビットを使用するSHA-2。 -
SHA384
: ハッシュ・アルゴリズムで384ビットを使用するSHA-2。 -
SHA512
: ハッシュ・アルゴリズムで512ビットを使用するSHA-2。
例
SQLNET.CRYPTO_CHECKSUM_TYPES_CLIENT=(SHA256, MD5)
5.2.35 SQLNET.CRYPTO_CHECKSUM_TYPES_SERVER
用途
データベース・サーバーが使用する暗号チェックサム・アルゴリズムのリストを指定します。
デフォルト
使用可能なすべてのアルゴリズム
値
-
MD5
: RSA Data SecurityのMD5アルゴリズム。MD5
アルゴリズムは、このリリースでは非推奨です。より強力なアルゴリズムを使用するようにOracle Database環境を移行するには、My Oracle Supportノート2118136.2で説明されているパッチをダウンロードしてインストールします。 -
SHA1
: Secure Hashアルゴリズム。 -
SHA256
: ハッシュ・アルゴリズムで256ビットを使用するSHA-2。 -
SHA384
: ハッシュ・アルゴリズムで384ビットを使用するSHA-2。 -
SHA512
: ハッシュ・アルゴリズムで512ビットを使用するSHA-2。
例
SQLNET.CRYPTO_CHECKSUM_TYPES_SERVER=(SHA256, MD5)
5.2.36 SQLNET.DBFW_PUBLIC_KEY
用途
Oracle Database Firewall公開キーが格納されているファイルを指定することにより、アドバンスト・セキュリティ・オプション(ASO)にOracle Database Firewall公開キーを提供します。
デフォルト
なし
値
公開キーを持つオペレーティング・システム・ファイルのフルパス名。
例
SQLNET.DBFW_PUBLIC_KEY="/path_to_file
/dbfw_public_key_file.txt
"
5.2.37 SQLNET.DOWN_HOSTS_TIMEOUT
用途
サーバー・ホストのdown
状態に関する情報がクライアント・プロセス・キャッシュ内に保持される時間を秒単位で指定します。
使用上のノート
クライアントは接続の試行時にサーバー・ホストのdown
状態を検出します。接続の試行が失敗すると、サーバー・ホストのdown
状態に関する情報がクライアント・プロセス・キャッシュに追加されます。同じクライアント・プロセスによって次に接続が試行されると、down
ホストはアドレス・リストの最後に移動されるため、そのホストの優先度が下がります。SQLNET.DOWN_HOSTS_TIMEOUT
パラメータで指定された時間が過ぎると、ホストがプロセス・キャッシュからパージされ、そのアドレス・リスト内の優先度が復元されます。
デフォルト
600秒(10分)
値
任意の正の整数
例
SQLNET.DOWN_HOSTS_TIMEOUT=60
5.2.38 SQLNET.ENCRYPTION_CLIENT
用途
クライアントの暗号化をオンにします。
デフォルト
accepted
値
-
accepted
: 相手側にセキュリティ・サービスが必要な場合または相手側からリクエストされた場合は、セキュリティ・サービスを使用可能にします。 -
rejected
: 相手側からセキュリティ・サービスを要求されても、セキュリティ・サービスを使用禁止にします。 -
requested
: 相手側がセキュリティ・サービスを許可している場合は、セキュリティ・サービスを使用可能にします。 -
required
: 相手側がセキュリティ・サービスに対応できない場合は、セキュリティ・サービスを使用可能にし、接続を禁止します。
例
SQLNET.ENCRYPTION_CLIENT=accepted
5.2.39 SQLNET.ENCRYPTION_SERVER
用途
データベース・サーバーの暗号化をオンにします。
デフォルト
accepted
値
-
accepted
: 相手側にセキュリティ・サービスが必要な場合または相手側からリクエストされた場合は、セキュリティ・サービスを使用可能にします。 -
rejected
: 相手側からセキュリティ・サービスを要求されても、セキュリティ・サービスを使用禁止にします。 -
requested
: 相手側がセキュリティ・サービスを許可している場合は、セキュリティ・サービスを使用可能にします。 -
required
: 相手側がセキュリティ・サービスに対応できない場合は、セキュリティ・サービスを使用可能にし、接続を禁止します。
例
SQLNET.ENCRYPTION_SERVER=accepted
5.2.40 SQLNET.ENCRYPTION_TYPES_CLIENT
用途
クライアントが使用する暗号化アルゴリズムのリストを指定します。
デフォルト
使用可能なすべてのアルゴリズム。
値
次の1つ以上を指定します。
-
3des112
: 2キー(112ビット)オプション付きTriple-DES -
3des168
: 3キー(168ビット)オプション付きTriple-DES -
aes128
: AES (128ビット・キー・サイズ) -
aes192
: AES (192ビット・キー・サイズ) -
aes256
: AES (256ビット・キー・サイズ) -
des
: 標準DES (56ビット・キー・サイズ) -
des40
: DES (40ビット・キー・サイズ) -
rc4_40
: RSA RC4 (40ビット・キー・サイズ) -
rc4_56
: RSA RC4 (56ビット・キー・サイズ) -
rc4_128
: RSA RC4 (128ビット・キー・サイズ) -
rc4_256
: RSA RC4 (256ビット・キー・サイズ)
DES
、DES40
、3DES112
、3DES168
、RC4_40
、RC4_56
、RC4_128
およびRC4_256
アルゴリズムは、このリリースでは非推奨です。
より強力なアルゴリズムを使用するようにOracle Database環境を移行するには、My Oracle Supportノート2118136.2で説明されているパッチをダウンロードしてインストールします。
例
SQLNET.ENCRYPTION_TYPES_CLIENT=(rc4_56)
5.2.41 SQLNET.ENCRYPTION_TYPES_SERVER
用途
データベース・サーバーが使用する暗号化アルゴリズムのリストを指定します。
デフォルト
使用可能なすべてのアルゴリズム。
値
次の1つ以上を指定します。
-
3des112
: 2キー(112ビット)オプション付きTriple-DES -
3des168
: 3キー(168ビット)オプション付きTriple-DES -
aes128
: AES (128ビット・キー・サイズ) -
aes192
: AES (192ビット・キー・サイズ) -
aes256
: AES (256ビット・キー・サイズ) -
des
: 標準DES (56ビット・キー・サイズ) -
des40
: DES40 (40ビット・キー・サイズ) -
rc4_40
: RSA RC4 (40ビット・キー・サイズ) -
rc4_56
: RSA RC4 (56ビット・キー・サイズ) -
rc4_128
: RSA RC4 (128ビット・キー・サイズ) -
rc4_256
: RSA RC4 (256ビット・キー・サイズ)
DES
、DES40
、3DES112
、3DES168
、RC4_40
、RC4_56
、RC4_128
およびRC4_256
アルゴリズムは、このリリースでは非推奨です。
より強力なアルゴリズムを使用するようにOracle Database環境を移行するには、My Oracle Supportノート2118136.2で説明されているパッチをダウンロードしてインストールします。
例
SQLNET.ENCRYPTION_TYPES_SERVER=(rc4_56, des, ...)
5.2.42 SQLNET.EXPIRE_TIME
用途
クライアント/サーバー接続がアクティブであることを確認するための確認を送信する間隔(分単位)を指定します。
使用上のノート
0より大きい値を設定すると、クライアントが異常終了したときに接続が無期限に開かれたままにならないようにします。システムでTCPのキープアライブ設定のチューニングがサポートされている場合、Oracle Net Servicesでは自動的に強化された検出モデルを使用して、TCPのキープアライブ設定のパラメータをチューニングします。
終了済接続や使用されなくなった接続を検出したプローブは、エラーを返し、それによってサーバー・プロセスが終了します。
このパラメータは、主にデータベース・サーバー向けです。データベース・サーバーでは、通常、同時に複数の接続を処理します。
-
この機能はBequeathed接続では機能しません。
-
プローブ・パケットはわずかながら通信量が増加するため、ネットワーク・パフォーマンスが低下する可能性があります。
-
使用しているオペレーティング・システムによっては、接続プローブ・イベントを他の発生イベントと区別するために、サーバーで追加の処理を行う必要がある場合があります。これも、ネットワーク・パフォーマンスの低下につながる可能性があります。
デフォルト
0
最小値
0
推奨値
10
例
SQLNET.EXPIRE_TIME=10
5.2.43 SQLNET.INBOUND_CONNECT_TIMEOUT
用途
クライアントがデータベース・サーバーに接続して必要な認証情報を提供する時間をms
、sec
またはmin
で指定します。
使用上のノート
クライアントが指定した時間内での接続の確立と認証の完了に失敗した場合、データベース・サーバーは接続を終了します。また、データベース・サーバーがクライアントのIPアドレスおよびエラー・メッセージ「ORA-12170: TNS: 接続タイムアウトが発生しました。」
をsqlnet.log
ファイルにロギングします。クライアントは、「ORA-12547: TNS: 接続を失いました。」
または「ORA-12637: パケット受信に失敗しました。」
エラー・メッセージのいずれかを受信します。
標準的な使用方法の場合、このパラメータはデフォルト値が適切です。ただし、明示的に異なる値を設定する必要がある場合、オラクル社では、このパラメータをlistener.ora
ファイルのINBOUND_CONNECT_TIMEOUT_listener_nameパラメータと組み合せて設定することをお薦めします。これらのパラメータに値を指定する場合、次の推奨事項に注意してください。
-
両方のパラメータの初期値を低く設定してください。
-
INBOUND_CONNECT_TIMEOUT_
listener_name
パラメータの値を、SQLNET.INBOUND_CONNECT_TIMEOUT
パラメータよりも低い値に設定してください。
値とユニットの間のスペースあり、なしにかかわらず、様々なタイムアウトを受け入れます。単位が指定されない場合、デフォルトの単位はsec
です。たとえば、INBOUND_CONNECT_TIMEOUT_
listener_name
パラメータを2秒に設定し、SQLNET.INBOUND_CONNECT_TIMEOUT
パラメータを3秒に設定します。特定の環境におけるシステムあるいはネットワークの通常の遅延により、クライアントが指定の時間内に接続を完了できない場合は、必要なだけ時間を増やします。
デフォルト
60秒
例
SQLNET.INBOUND_CONNECT_TIMEOUT=3ms
関連項目:
-
INBOUND_CONNECT_TIMEOUT_
listener_name
の詳細は、「制御パラメータ」を参照してください -
これらのパラメータの構成方法の詳細は、『Oracle Database Net Services管理者ガイド』を参照してください。
5.2.44 SQLNET.FALLBACK_AUTHENTICATION
用途
Kerberos認証が失敗した場合に、パスワード・ベースの認証を試みるかどうか指定します。これは、直接リンクの接続およびデータベース・リンク接続にあてはまります。
デフォルト
FALSE
例
SQLNET.FALLBACK_AUTHENTICATION=TRUE
5.2.45 SQLNET.KERBEROS5_CC_NAME
用途
Kerberos資格証明キャッシュ・ファイルへの完全パス名を指定します。
使用上のノート
MSLSA
オプションは、Microsoft Windows上にあり、Microsoft KDCを実行中のファイルを指定します。
OS_MEMORY
オプションは、オペレーティング・システム管理対象のメモリー資格証明が資格証明キャッシュ・ファイル用に使用されることを指定します。このオプションは、そのような機能を持つすべてのオペレーティング・システム用にサポートされています。
デフォルト
LinuxおよびUNIXオペレーティング・システムでは、/usr/tmp/krbcache
Microsoft Windowsオペレーティング・システムでは、c:\tmp\krbcache
例
SQLNET.KERBEROS5_CC_NAME=/usr/tmp/krbcache SQLNET.KERBEROS5_CC_NAME=MSLSA SQLNET.KERBEROS5_CC_NAME=OS_MEMORY
5.2.46 SQLNET.KERBEROS5_CLOCKSKEW
用途
Kerberos資格証明を期限切れとみなすまでの秒数を指定します。
デフォルト
300
例
SQLNET.KERBEROS5_CLOCKSKEW=1200
5.2.47 SQLNET.KERBEROS5_CONF
用途
Kerberos構成ファイルへの完全パス名を指定します。このファイルには、デフォルトのKey Distribution Center (KDC)のレルムが含まれており、レルムをKDCホストにマッピングします。
使用上のノート
KDCではユーザー・プリンシパルのリストが保持され、ユーザーの初期チケットについてはkinit
プログラムを介して接続されます。
AUTO_DISCOVER
オプションにより、KDCおよびレルムの自動検出が可能になります。これはKerberosクライアントのデフォルト構成です。指定するレルムが複数ある場合、AUTO_DISCOVER
オプションを使用するかわりに、構成ファイルを作成することをお薦めします。このオプションは、そのような機能を持つすべてのオペレーティング・システム用にサポートされています。
デフォルト
LinuxおよびUNIXオペレーティング・システムでは、/krb5/krb.conf
Microsoft Windowsオペレーティング・システムでは、c:\krb5\krb.conf
値
-
krb.conf
ファイルへのディレクトリ・パス -
AUTO_DISCOVER
例
SQLNET.KERBEROS5_CONF=/krb5/krb.conf
5.2.48 SQLNET.KERBEROS5_CONF_LOCATION
用途
Kerberos構成ファイルのディレクトリを指定します。このパラメータで、ファイルが、クライアントではなく、システムによって作成されることも指定します。
使用上のノート
構成ファイルでは、DNS参照を使用して、デフォルトのKDCのレルムを取得し、レルムをKDCのホストにマップします。このオプションは、そのような機能を持つすべてのオペレーティング・システム用にサポートされています。
デフォルト
LinuxおよびUNIXオペレーティング・システムでは、/krb5
Microsoft Windowsオペレーティング・システムでは、c:\krb5
例
SQLNET.KERBEROS5_CONF_LOCATION=/krb5
5.2.49 SQLNET.KERBEROS5_KEYTAB
用途
Kerberosプリンシパル/シークレット・キー・マッピング・ファイルへの完全パス名を指定します。このファイルは、キーを抽出して着信認証情報を復号化するために使用されます。
デフォルト
LinuxおよびUNIXオペレーティング・システムでは、/etc/v5srvtab
Microsoft Windowsオペレーティング・システムでは、c:\krb5\v5srvtab
例
SQLNET.KERBEROS5_KEYTAB=/etc/v5srvtab
5.2.50 SQLNET.KERBEROS5_REALMS
用途
Kerberosレルム変換ファイルへの完全パス名を指定します。このファイルは、ホスト名またはドメイン名からレルムへのマッピングを提供します。
デフォルト
LinuxおよびUNIXオペレーティング・システムでは、/krb5/krb.realms
Microsoft Windowsオペレーティング・システムでは、c:\krb5\krb.realms
例
SQLNET.KERBEROS5_REALMS=/krb5/krb.realms
5.2.51 SQLNET.KERBEROS5_REPLAY_CACHE
用途
リプレイ・キャッシュが、サーバーのオペレーティング・システム管理対象メモリーに格納され、ファイルベースのリプレイ・キャッシュが使用されないことを指定します。
使用上のノート
OS_MEMORY
オプションは、リプレイ・キャッシュがサーバーのオペレーティング・システム管理対象メモリーに格納され、ファイルベースのリプレイ・キャッシュが使用されないことを指定します。
例
SQLNET_KERBEROS5_REPLAY_CACHE=OS_MEMORY
5.2.52 SQLNET.OUTBOUND_CONNECT_TIMEOUT
用途
クライアントがデータベース・インスタンスへのOracle Net接続を確立する時間をms
、sec
またはmin
で指定します。
使用上のノート
Oracle Net接続が指定した時間内で確立しなかった場合、接続の試行は終了します。クライアントは「ORA-12170: TNS: 接続タイムアウトが発生しました。」
エラーを受信します。
発信接続のタイムアウト間隔は、TCP接続の確立に要する時間の制限を指定する、TCP接続のタイムアウト間隔のスーパーセットです。また、発信接続のタイムアウト間隔には、リクエストされたサービスを提供するOracleインスタンスへの接続に要する時間も含まれます。値とユニットの間のスペースあり、なしにかかわらず、様々なタイムアウトを受け入れます。
このパラメータが指定されていない場合、データベース・サーバーへのクライアント接続リクエストは、データベース・サーバーのホスト・システムが到達不能のとき、デフォルトのTCP接続タイムアウト期間(60 seconds
)ブロックする可能性があります。単位が指定されない場合、デフォルトの単位はsec
です。
発信接続タイムアウト間隔は、TCP、SSL付きTCPおよびIPCトランスポート接続にのみ適用できます。
このパラメータは、アドレス記述内のCONNECT_TIMEOUTパラメータによって上書きされます。
デフォルト
なし
例
SQLNET.OUTBOUND_CONNECT_TIMEOUT=10 ms
5.2.53 SQLNET.RADIUS_ALTERNATE
用途
プライマリ・サーバーが使用できない場合の代替RADIUSサーバーを指定します。
使用上のノート
値は、IPアドレスまたはサーバーのホスト名のいずれかです。
デフォルト
なし
例
SQLNET.RADIUS_ALTERNATE=radius2
5.2.54 SQLNET.RADIUS_ALTERNATE_PORT
用途
代替RADIUSサーバーのリスニング・ポートを指定します。
デフォルト
1645
例
SQLNET.RADIUS_ALTERNATE_PORT=1667
5.2.55 SQLNET.RADIUS_ALTERNATE_RETRIES
用途
データベース・サーバーがメッセージを代替RADIUSサーバーに再送する回数を指定します。
デフォルト
3
例
SQLNET.RADIUS_ALTERNATE_RETRIES=4
5.2.56 SQLNET.RADIUS_AUTHENTICATION
用途
プライマリRADIUSサーバーの位置をそのサーバーのホスト名またはIPアドレスで指定します。
デフォルト
Local host
例
SQLNET.RADIUS_AUTHENETICATION=officeacct
5.2.57 SQLNET.RADIUS_AUTHENTICATION_INTERFACE
用途
ユーザーとの対話に使用するユーザー・インタフェースが含まれているクラスを指定します。
デフォルト
DefaultRadiusInterface
例
SQLNET.RADIUS_AUTHENTICATION_INTERFACE=DefaultRadiusInterface
5.2.58 SQLNET.RADIUS_AUTHENTICATION_PORT
用途
プライマリRADIUSサーバーのリスニング・ポートを指定します。
デフォルト
1645
例
SQLNET.RADIUS_AUTHENTICATION_PORT=1667
5.2.59 SQLNET.RADIUS_AUTHENTICATION_RETRIES
用途
データベース・サーバーがメッセージをプライマリRADIUSサーバーに再送する回数を指定します。
デフォルト
3
例
SQLNET.RADIUS_AUTHENTICATION_RETRIES=4
5.2.60 SQLNET.RADIUS_AUTHENTICATION_TIMEOUT
用途
データベース・サーバーがプライマリRADIUSサーバーからの応答を待機する秒数を指定します。
デフォルト
5
例
SQLNET.RADIUS_AUTHENTICATION_TIMEOUT=10
5.2.61 SQLNET.RADIUS_CHALLENGE_RESPONSE
用途
チャレンジ・レスポンスのオンとオフを切り替えます。
デフォルト
off
値
on | off
例
SQLNET.RADIUS_CHALLENGE_RESPONSE=on
5.2.62 SQLNET.RADIUS_SECRET
用途:
RADIUSシークレット・キーの位置を指定します。
デフォルト
ORACLE_HOME
/network/security/radius.key
ファイル。
例
SQLNET.RADIUS_SECRET=oracle/bin/admin/radiuskey
5.2.63 SQLNET.RADIUS_SEND_ACCOUNTING
用途
アカウント機能をon
またはoff
に切り替えます。使用可能に設定された場合、パケットは、1を加えたリスニング・ポートでアクティブなRADIUSサーバーに送信されます。
使用上のノート
デフォルト
off
値
on | off
例
SQLNET.RADIUS_SEND_ACCOUNTING=on
5.2.64 SQLNET.RECV_TIMEOUT
用途
接続が確立した後でデータベース・サーバーがクライアント・データを待機する時間をms
、sec
またはmin
で指定します。値とユニットの間のスペースあり、なしにかかわらず、様々なタイムアウトを受け入れます。クライアントは、時間間隔内にデータを送信する必要があります。
使用上のノート
クライアントが稀にシャットダウンしたり、異常終了する環境では、このパラメータを設定することをお薦めします。指定した時間内にクライアントがデータを何も送信しない場合、データベース・サーバーでは、「ORA-12535:ORA-12535: TNS: 操作はタイムアウトしました。」
および「ORA-12609: TNS: 受信タイムアウトが発生しました」
というメッセージがsqlnet.log
ファイルにロギングされます。このパラメータを使用しない場合、データベース・サーバーは、ダウンしているか、または障害が発生している可能性のあるクライアントから、データを待ち続けることがあります。
また、このパラメータをクライアント側に設定すると、接続が確立した後にクライアントがデータベース・サーバーからの応答データを待機する時間をms
、sec
またはmin
で指定できます。このパラメータをクライアントに設定しない場合、クライアントは、リクエストで飽和状態になっているデータベース・サーバーからの応答を長時間待機し続けます。値を設定する場合、最初は低い値を設定し、システムやネットワーク容量に応じて調整するようにしてください。必要に応じて、SQLNET.SEND_TIMEOUT パラメータとともに使用します。単位が指定されない場合、デフォルトの単位はsec
です。
デフォルト
なし
例
SQLNET.RECV_TIMEOUT=10ms
または
SQLNET.RECV_TIMEOUT=10 ms
関連項目:
これらのパラメータの構成方法の詳細は、『Oracle Database Net Services管理者ガイド』を参照してください。
5.2.65 SQLNET.SEND_TIMEOUT
用途
接続が確立した後でデータベース・サーバーがクライアントに対する送信操作を完了するまでの時間をms
、sec
またはmin
で指定します。
使用上のノート
クライアントが稀に停止したり、異常終了する環境では、このパラメータを設定することをお薦めします。
指定した時間内に送信操作を完了できない場合、データベース・サーバーでは、「ORA-12535TNS: 操作はタイムアウトしました。」
および「ORA-12608: TNS: 送信タイムアウトが発生しました」
というメッセージがsqlnet.log
ファイルにロギングされます。このパラメータを指定しない場合、データベース・サーバーはコンピュータの停止またはビジー状態が原因でデータを受信できないクライアントに対し、応答を送信し続けることがあります。
また、このパラメータをクライアント側に設定すると、接続が確立した後にクライアントがデータベース・サーバーに対する送信操作を完了するまでの時間をms
、sec
またはmin
で指定できます。値とユニットの間のスペースあり、なしにかかわらず、様々なタイムアウトを受け入れます。単位が指定されない場合、デフォルトの単位はsec
です。このパラメータを指定しない場合、クライアントは、リクエストですでに飽和状態になっているデータベース・サーバーに対してリクエストを送信し続ける可能性があります。値を設定する場合、最初は低い値を設定し、システムやネットワーク容量に応じて調整するようにしてください。必要に応じて、SQLNET.RECV_TIMEOUT パラメータとともに使用します。
デフォルト
なし
例
SQLNET.SEND_TIMEOUT=3 ms
関連項目:
このパラメータの構成方法の詳細は、『Oracle Database Net Services管理者ガイド』を参照してください。
5.2.66 SQLNET.USE_HTTPS_PROXY
用途
フォワードHTTPプロキシ・トンネリング・クライアント接続を有効にします。
使用上のノート
on
にすると、クライアントがHTTP CONNECTメソッドを使用して、フォワードHTTPプロキシ上にセキュアな接続をトンネリングできます。これにより、クライアント側のファイアウォールにアウトバウンド・ポートをオープンする必要がなくなるため、パブリック・クラウド・データベースにアクセスしやすくなります。
このパラメータはサーバー側のOracle Connection Managerに適用可能です。
デフォルト
off
例
SQLNET.USE_HTTPS_PROXY=on
5.2.67 SQLNET.WALLET_OVERRIDE
OracleMetaLinkノート340559.1.
用途
クライアントがデータベースにログインするために、格納されているウォレットにあるパスワード資格証明を、厳密な認証資格証明より優先させるかどうかを決定します。
使用上のノート
認証にウォレットを使用する場合、ユーザー名およびパスワードのデータベース資格証明がOracleウォレットに安全に格納されます。ウォレットの自動ログイン機能がオンになるため、データベースからウォレットを開くのにパスワードは必要ありません。ウォレットから資格証明を取得して、データベースにアクセスします。
ウォレットの使用方法により、データベースに接続する際にパスワード資格証明に依存する大規模なデプロイメントを簡素化できます。この機能が構成されている場合、アプリケーション・コード、バッチ・ジョブおよびスクリプトにユーザー名およびパスワードを埋め込む必要がありません。このようなパスワードが危険にさらされることがなくなるため、リスクが軽減します。また、ユーザー名またはパスワードが変更されるたびにアプリケーション・コードを変更する必要がなくなるため、パスワード管理ポリシーの適用が容易になります。
ユーザーはユーザー名およびパスワードを明示的に指定するかわりに、connect /@
database_name
コマンドを使用して接続します。これにより、スクリプトのメンテナンスが簡単になり、アプリケーションのパスワード管理の安全性が確保されます。
中間層アプリケーションにより、インストール時にOracle Applicationsウォレットが作成され、アプリケーションに固有なIDが格納されます。パスワードは、ハードコードではなく、ランダムに生成できます。Oracleアプリケーションがデータベースにアクセスすると、SQLNET.AUTHENTICATION_SERVICES
とWALLET_LOCATION
に、適切な値が設定されます。新しいウォレット・ベースのパスワード認証コードでは、Oracle Applicationsウォレットのパスワード資格証明を使用してデータベースにログインします。
値
true | false
例
SQLNET.WALLET_OVERRIDE=true
関連項目:
ウォレットを使用するには、クライアントでウォレットを構成する必要があります。クライアントの構成の詳細は、『Oracle Databaseセキュリティ・ガイド』を参照してください。
5.2.68 SSL_CERT_REVOCATION
用途
証明書の失効確認を構成します。
デフォルト
none
値
-
none
にすると、証明書失効ステータスのチェックが無効になります。これはデフォルト値です。ノート:
SSL_CERT_REVOCATION
パラメータをnone
に設定した場合は証明書ベースの認証において重要なコンポーネントが削除されるため、そのように設定しないことをお薦めします。証明書失効ステータスのチェックを行わないと、盗まれた証明書が認証に使用されるのを防ぐことができません。none
値を設定するのは、制御を緩和して認証用の証明書の使用を保護する場合のみです(ネットワーク・アクセス制御リストや、信頼できるクライアントのみにデータベース接続を限定するOracle Database Vaultポリシーなど)。 -
requested
: 証明書失効リスト(Certificate Revocation List: CRL)が使用可能な場合に、証明書の取消しを行います。証明書が取り消された場合は、SSL接続を拒否してください。証明書の失効状態を判断できる適切なCRLが見つからず証明書が取り消されない場合は、SSL接続を受け入れてください。 -
required
: 証明書が使用可能な場合は証明書の取消しを行います。証明書が取り消され、適切なCRLが見つからない場合はSSL接続を拒否してください。証明書の失効状態を判断できる適切なCRLが見つからず証明書が取り消されない場合は、SSL接続を受け入れてください。
例
SSL_CERT_REVOCATION=required
5.2.69 SSL_CRL_FILE
用途
クライアント認証用のCRLを格納できるファイルの名前を指定します。
使用上のノート
このファイルには、PEMで暗号化されたCRLファイルが優先順に格納されています。このファイルは、SSL_CERT_PATH パラメータの代替または補助用に使用できます。このパラメータは、SSL_CERT_REVOCATION がrequested
またはrequired
に設定されている場合のみ有効です。
デフォルト
なし
例
SSL_CRL_FILE=
5.2.70 SSL_CRL_PATH
用途
CAのCRLの宛先ディレクトリを指定します。
使用上のノート
このディレクトリに含まれるファイルは、Oracle Wallet Managerで作成されたハッシュ・シンボリック・リンクです。
このパラメータは、SSL_CERT_REVOCATION がrequested
またはrequired
に設定されている場合のみ有効です。
デフォルト
なし
例
SSL_CRL_PATH=
5.2.71 SSL_CIPHER_SUITES
用途
Secure Sockets Layer(SSL)で使用される暗号化とデータの整合性の組合せを制御します。Advanced Encryption Standard(AES)を使用する暗号スイートは、Transport Layer Security(TLS 1.0)でのみ使用できます。
デフォルト
なし
値
暗号化はBug 19139199に基づいて更新されています。
-
SSL_ECDHE_ECDSA_WITH_AES_128_GCM_SHA256
-
SSL_ECDHE_ECDSA_WITH_AES_128_CBC_SHA
-
SSL_ECDHE_ECDSA_WITH_AES_128_CBC_SHA256
-
SSL_ECDHE_ECDSA_WITH_AES_256_CBC_SHA
-
SSL_ECDHE_ECDSA_WITH_AES_256_CBC_SHA384
-
SSL_ECDHE_ECDSA_WITH_AES_256_GCM_SHA384
-
SSL_RSA_WITH_AES_128_CBC_SHA256
-
SSL_RSA_WITH_AES_128_GCM_SHA256
-
SSL_RSA_WITH_AES_128_CBC_SHA
-
SSL_RSA_WITH_AES_256_CBC_SHA
-
SSL_RSA_WITH_AES_256_CBC_SHA256
-
SSL_RSA_WITH_AES_256_GCM_SHA384
-
SSL_RSA_WITH_RC4_128_MD5
-
SSL_RSA_WITH_RC4_128_SHA
-
SSL_RSA_WITH_3DES_EDE_CBC_SHA
-
SSL_DH_anon_WITH_3DES_EDE_CBC_SHA
-
SSL_DH_anon_WITH_RC4_128_MD5
ノート:
SSL_DH_anon_WITH_3DES_EDE_CBC_SHA
およびSSL_DH_anon_WITH_RC4_128_MD5
は通信者の認証を提供しないため、介在者攻撃に対して無防備になる可能性があることに注意してください。機密データを保護する場合は、これらの暗号スイートを使用しないことをお薦めします。ただし、これらは、通信者が匿名を維持する場合や、相互認証によって発生するオーバーヘッドを望まない場合に有効です。
例
SSL_CIPHER_SUITES=(ssl_rsa_with_aes_128_cbc_sha256)
関連項目:
暗号スイート値の詳細は、『Oracle Databaseセキュリティ・ガイド』を参照してください。
5.2.72 SSL_EXTENDED_KEY_USAGE
用途
証明書のキーの用途を指定します。
使用上のノート
このパラメータを指定すると、一致する拡張キーを持つ証明書が使用されます。
値
client authentication
例
SSL_EXTENDED_KEY_USAGE="client authentication"
5.2.73 SSL_SERVER_DN_MATCH
用途
データベース・サーバーの識別名(DN)がそのサービス名と一致していることを規定します。
使用上のノート
認証一致を規定している場合は、SSLによって証明書がサーバーからのものであることが保証されます。認証一致を規定していない場合、SSLによるチェックは行われますが、一致しているかどうかに関係なく接続は許可されます。一致を規定しないと、サーバーの存在が不明になる場合があります。
サーバーDNの一致を使用可能にするには、sqlnet.ora
ファイルに加えて、tnsnames.ora
のパラメータSSL_SERVER_CERT_DNも構成してください。
デフォルト
no
値
-
yes
|on
|true
: 一致を規定します。DNがサービス名と一致している場合、接続は成功します。DNがサービス名と一致していない場合、接続は失敗します。 -
no
|off
|false
: 一致を規定しません。DNがサービス名と一致していない場合、接続は成功しますが、エラーがsqlnet.log
ファイルに記録されます。
例
SSL_SERVER_DN_MATCH=yes
5.2.74 SSL_VERSION
用途
接続に使用できるSSLまたはTLSバージョンを制限します。
使用上のノート
クライアントとデータベース・サーバーは、互換性のあるバージョンを使用する必要があります。このパラメータは、下位互換性が絶対に必要な場合にのみ使用します。現在のデフォルトでは、複数のセキュリティ・コンプライアンスの要件に必要なバージョンである、TLSバージョン1.2を使用しています。
SSL_VERSION
をundetermined
に設定するとデフォルトで3.0
が使用されます。
デフォルト
1.2
値
ノート:
sqlnet.ora parameter ADD_SSLV3_TO_DEFAULT
はこのパラメータには影響を与えません。
undetermined | 3.0 | 1.0| 1.1 | 1.2
あるバージョンまたは別のバージョンを指定する場合は、"or"を使用します。次の値を使用できます。
1.0 or 3.0 | 1.2 or 3.0 | 1.1 or 1.0 | 1.2 or 1.0 | 1.2 or 1.1 | 1.1 or 1.0 or 3.0 | 1.2 or 1.0 or 3.0 | 1.2 or 1.1 or 1.0 | 1.2 or 1.1 or 3.0 |1.2 or 1.1 or 1.0 or 3.0
例
SSL_VERSION=1.2
残りのバージョン番号は、TLSv1.0、TLSv1.1およびTLSv1.2などのTLSバージョンに対応します。
5.2.75 TCP.CONNECT_TIMEOUT
用途
クライアントがデータベース・サーバーへのTCP接続(TNS接続アドレスのPROTOCOL=tcp
)を確立する時間をms
、sec
またはmin
で指定します。
使用上のノート
データベース・ホストへのTCP接続が指定した時間内で確立しなかった場合、接続の試行は終了します。クライアントは「ORA-12170: TNS: 接続タイムアウトが発生しました。」
エラーを受信します。
ホスト名に解決される各IPアドレスにタイムアウトが適用されます。値とユニットの間のスペースあり、なしにかかわらず、様々なタイムアウトを受け入れます。たとえば、ホスト名がIPv6およびIPv4アドレスに解決される場合、そしてホストにネットワークを介して到達できない場合、IPアドレスが2つあるため、接続リクエストは2倍の時間でタイムアウトになります。デフォルトのタイムアウトの設定は60なので、この場合、120 seconds
でタイムアウトになります。単位が指定されない場合、デフォルトの単位はsec
です。
デフォルト
60
例
TCP.CONNECT_TIMEOUT=10 ms
5.2.76 TCP.EXCLUDED_NODES
用途
データベースへのアクセスを許可しないクライアントを指定します。
使用上のノート
このパラメータは、TCP.VALIDNODE_CHECKINGパラメータがyes
に設定されている場合にのみ有効です。
このパラメータは、IPv4アドレスにワイルドカードを使用でき、IPv4およびIPv6アドレスにはCIDR表記を使用できます。
構文
TCP.EXCLUDED_NODES=(hostname | ip_address, hostname | ip_address, ...)
例
TCP.EXCLUDED_NODES=(finance.us.example.com, mktg.us.example.com, 192.0.2.25, 172.30.*, 2001:DB8:200C:417A/32)
5.2.77 TCP.INVITED_NODES
用途
データベースへのアクセスを許可するクライアントを指定します。両方のリストが存在する場合は、このリストがTCP.EXCLUDED_NODES
パラメータよりも優先されます。
構文
TCP.INVITED_NODES=(hostname | ip_address, hostname | ip_address, ...)
使用上のノート
-
このパラメータは、TCP.VALIDNODE_CHECKINGパラメータが
yes
に設定されている場合にのみ有効です。 -
このパラメータは、IPv4アドレスにワイルドカードを使用でき、IPv4およびIPv6アドレスにはCIDR表記を使用できます。
例
TCP.INVITED_NODES=(sales.us.example.com, hr.us.example.com, 192.0.*, 2001:DB8:200C:433B/32)
5.2.78 TCP.NODELAY
用途
TCP/IPプロトコル・スタック内でバッファ・フラッシングの遅延を回避します。
デフォルト
yes
値
yes | no
例
TCP.NODELAY=yes
5.2.80 TCP.VALIDNODE_CHECKING
用途
使用上のノート
このパラメータがyes
に設定されていると、着信接続がTCP.INVITED_NODESまたはTCP.EXCLUDED_NODESパラメータで指定されているリストに適合しているノードから発信されている場合にのみ、着信接続が許可されます。
TCP.INVITED_NODESおよびTCP.EXCLUDED_NODESパラメータは、TCP.VALIDNODE_CHECKINGパラメータがyes
に設定されている場合にのみ有効です。
このパラメータおよびそれに依存するパラメータである、TCP.INVITED_NODESおよびTCP.EXCLUDED_NODESは、リスナーのsqlnet.ora
ファイルに設定する必要があります。これは、Oracle Grid Infrastructureホームからリスナーが実行されるOracle RAC環境において重要です。データベース・ホームにパラメータを設定してもOracle RAC環境には影響しません。そのような環境では、すべてのSingle Client Access Name (SCAN)、仮想IP (VIP)、ローカルIPのアドレスをTCP.INVITED_NODESリストに含める必要があります。
VLAN環境では、Oracle Grid Infrastructureホームにあるsqlnet.ora
ファイルに、すべてのVLANのすべてのアドレスを含める必要があります。VLANはネットワークの分離を実行し、INVITED_NODESはVLAN内のデータベースへのアクセスを許可または制限します。
同じVLAN内の複数のデータベースに異なるINVITED_NODEリストが必要な場合は、個別のリスナーが必要になります。
デフォルト
no
値
yes | no
例
TCP.VALIDNODE_CHECKING=yes
5.2.81 TNSPING.TRACE_DIRECTORY
用途
TNSPINGユーティリティのトレース・ファイル(tnsping.trc
)の宛先ディレクトリを指定します。
デフォルト
ORACLE_HOME/network/trace
ディレクトリ
例
TNSPING.TRACE_DIRECTORY=/oracle/traces
5.2.82 TNSPING.TRACE_LEVEL
用途
TNSPINGユーティリティのトレースをオン(指定されたレベルで)またはオフに切り替えます。
デフォルト
off
値
-
off
: トレースを出力しません。 -
user
: ユーザー用のトレース情報を出力します。 -
admin
: 管理用のトレース情報を出力します。 -
support
: Oracleサポート・サービス用のトレース情報を出力します。
例
TNSPING.TRACE_LEVEL=admin
5.2.83 USE_CMAN
用途
クライアントのOracle Connection Managerへの経路指定に使用します。
使用上のノート
true
に設定すると、クライアントはOracle Connection Managerのプロトコル・アドレスに経路指定されます。
false
に設定した場合、クライアントはアドレス・リストの1つを無作為に選択し、選択したADDRESS_LIST
に障害がある場合、もう一方のアドレス・リストにフェイルオーバーします。USE_CMAN
=true
の場合、クライアントは、常に最初のアドレス・リストを使用します。
Oracle Connection Managerのアドレスが使用可能でない場合、接続は使用可能なリスナー・アドレスを介して経路指定されます。
デフォルト
false
値
true | false
例
USE_CMAN=true
5.2.84 USE_DEDICATED_SERVER
用途
クライアントが使用する接続記述子のCONNECT_DATA
セクションに(SERVER=dedicated)
を追加します。
使用上のノート
tnsnames.ora
ファイルにあるSERVERパラメータの現在の値を上書きします。
on
に設定すると、USE_DEDICATED_SERVER
パラメータによって(SERVER=dedicated)
が接続記述子の接続データに自動的に追加されます。この方法によって、このクライアントからの接続では、共有サーバーが構成されている場合でも、専用サーバー・プロセスが使用されます。
デフォルト
off
値
-
on
:(SERVER=dedicated)
が追加されます。 -
off
: リクエストを既存のサーバー・プロセスに送ります。
例
USE_DEDICATED_SERVER=on
関連項目:
構成情報の詳細は、『Oracle Database Net Services管理者ガイド』を参照してください。
5.2.85 WALLET_LOCATION
用途
ウォレットの位置を指定します。ウォレットは、SSLによって処理される証明書、キーおよびトラストポイントです。
使用上のノート
Microsoft Certificate Store(MCS)はウォレットを使用しないため、MCSのキー/値ペアにはMETHOD_DATA
パラメータがありません。かわりに、Oracle PKI(公開キー・インフラストラクチャ)アプリケーションは、証明書、トラストポイントおよび秘密キーをユーザーのプロファイルから直接取得します。
OracleウォレットがMicrosoft Windowsレジストリに格納されており、そのウォレットのキー(KEY
)がSALESAPP
の場合、暗号化されたウォレットの格納場所は、HKEY_CURRENT_USER\SOFTWARE\ORACLE\WALLETS\SALESAPP\EWALLET.P12
です。復号化されたウォレットの格納場所は、HKEY_CURRENT_USER\SOFTWARE\ORACLE\WALLETS\SALESAPP\CWALLET.SSO
です。
構文
構文は、次のとおり、ウォレットによって異なります。
-
ファイル・システムでのOracleウォレット:
WALLET_LOCATION= (SOURCE= (METHOD=file) (METHOD_DATA= (DIRECTORY=directory) [(PKCS11=TRUE/FALSE)]))
-
Microsoft証明ストア
WALLET_LOCATION= (SOURCE= (METHOD=mcs))
-
Microsoft Windowsレジストリ内のOracleウォレット:
WALLET_LOCATION= (SOURCE= (METHOD=reg) (METHOD_DATA= (KEY=registry_key)))
-
Entrustウォレット:
WALLET_LOCATION= (SOURCE= (METHOD=entr) (METHOD_DATA= (PROFILE=file.epf) (INIFILE=file.ini)))
追加のパラメータ
WALLET_LOCATION
は、次のパラメータをサポートします。
-
SOURCE
: ウォレットの格納タイプと格納場所 -
METHOD
: 格納タイプ -
METHOD_DATA
: 格納場所 -
DIRECTORY
: ファイル・システムでのOracleウォレットの位置 -
KEY
: ウォレット・タイプとMicrosoft Windowsレジストリ内の位置 -
PROFILE
: Entrustプロファイル・ファイル(.epf
) -
INIFILE
: Entrust初期化ファイル(.ini
)
デフォルト
なし
値
true | false
例
ファイル・システムでのOracleウォレット:
WALLET_LOCATION= (SOURCE= (METHOD=file) (METHOD_DATA= (DIRECTORY=/etc/oracle/wallets/databases)))
Microsoft証明ストア
WALLET_LOCATION= (SOURCE= (METHOD=mcs))
Microsoft Windowsレジストリ内のOracleウォレット:
WALLET_LOCATION= (SOURCE= (METHOD=REG) (METHOD_DATA= (KEY=SALESAPP)))
Entrustウォレット:
WALLET_LOCATION= (SOURCE= (METHOD=entr) (METHOD_DATA= (PROFILE=/etc/oracle/wallets/test.epf) (INIFILE=/etc/oracle/wallets/test.ini)))
5.3 sqlnet.oraファイルのADR診断パラメータ
Oracle Database 11gより、Oracle Databaseには、問題の回避、検出、診断および解決のため詳細な障害診断可能インフラストラクチャが組み込まれています。対象となる問題は、データベース・コードの不具合、メタデータの破損およびカスタマ・データの破損が原因で発生したエラーなどのクリティカル・エラーです。
クリティカル・エラーが発生すると、そのエラーにはインシデント番号が割り当てられ、トレースやダンプなどのエラーの診断データが即座に取得され、インシデント番号でタグ付けされます。データは、自動診断リポジトリ(ADR)(データベースの外にあるファイルベースのリポジトリ)に格納されます。
この項では、ADRが有効な場合に使用されるパラメータについて説明します。ADRが有効な場合、sqlnet.ora
ファイルにリストされているADR以外のパラメータは無視されます。「sqlnet.oraファイルのADR以外の診断パラメータ」 「sqlnet.oraファイルのADR以外の診断パラメータ」では、ADRが無効な場合に使用されるパラメータについて説明します。ADRはデフォルトで有効になります。
ADRが有効な場合(DIAG_ADR_ENABLED
がon
に設定されている場合)、次のsqlnet.ora
パラメータが使用されます。
5.3.1 ADR_BASE
sqlnet.ora
ファイル内の診断パラメータであり、ADRファイルのベースの場所を指定します。
用途
ADRが有効な場合に、トレース中およびロギング中のインシデントが格納されるベース・ディレクトリを指定します。
使用上のノート
このパラメータは、クライアントにのみ適用されます。サーバー側では、ADRベースの場所は、init.ora
ファイルのDIAGNOSTIC_DEST
初期化パラメータによって定義されます。Oracle DatabaseリファレンスのDIAGNOSTIC_DESTを参照してください。
デフォルト
ORACLE_BASE
またはORACLE_HOME/log
(ORACLE_BASE
が定義されていない場合)
値
書込み権限を持つディレクトリへの任意の有効なディレクトリ・パス
例
ADR_BASE=/oracle/network/trace
5.3.2 DIAG_ADR_ENABLED
用途
ADRトレースが有効かどうかを指定します。
使用上のノート
DIAG_ADR_ENABLED
パラメータがOFF
に設定されている場合は、ADR以外のファイル・トレースが使用されます。
デフォルト
on
値
on
| off
例
DIAG_ADR_ENABLED=on
5.3.3 TRACE_LEVEL_CLIENT
用途
クライアントのトレースをオン(指定されたレベルで)またはオフに切り替えます。
使用上のノート
このパラメータは、ADR以外のトレースを使用している場合にも適用できます。
デフォルト
offまたは0
値
-
off
または0
: トレースを出力しません。 -
user
または4
: ユーザー用のトレース情報を出力します。 -
admin
または10
: 管理用のトレース情報を出力します。 -
support
または16
: Oracleサポート・サービス用のトレース情報を出力します。
例
TRACE_LEVEL_CLIENT=user
5.3.4 TRACE_LEVEL_SERVER
用途
サーバーのトレースをオン(指定されたレベルで)またはオフに切り替えます。
使用上のノート
このパラメータは、ADR以外のトレースを使用している場合にも適用できます。
デフォルト
offまたは0
値
-
off
または0
: トレースを出力しません。 -
user
または4
: ユーザー用のトレース情報を出力します。 -
admin
または10
: 管理用のトレース情報を出力します。 -
support
または16
: Oracleサポート・サービス用のトレース情報を出力します。
例
TRACE_LEVEL_SERVER=admin
5.3.5 TRACE_TIMESTAMP_CLIENT
用途
dd-mmm-yyyy hh:mm:ss:mil
形式のタイムスタンプをクライアント・トレース・ファイル内の各トレース・イベントに追加します。このトレース・ファイルのデフォルトの名前はsqlnet.trc
です。
使用上のノート
このパラメータは、ADR以外のトレースを使用している場合にも適用できます。
デフォルト
on
値
on
またはtrue
| off
またはfalse
例
TRACE_TIMESTAMP_CLIENT=true
5.4 sqlnet.oraファイルのADR以外の診断パラメータ
この項では、ADRが無効な場合に使用されるsqlnet.ora
パラメータについて説明します。
ノート:
DIAG_ADR_ENABLEDのデフォルト値はon
です。したがって、ADR以外のトレースを使用するためには、DIAG_ADR_ENABLED
パラメータを明示的にoff
に設定する必要があります。
5.4.1 LOG_DIRECTORY_CLIENT
用途
クライアントのログ・ファイルの宛先ディレクトリを指定します。
使用上のノート
このパラメータは、ADRが有効でない場合に使用します。
デフォルト
ORACLE_HOME
/network/log
値
任意の有効ディレクトリ・パス
例
LOG_DIRECTORY_CLIENT=/oracle/network/log
5.4.2 LOG_DIRECTORY_SERVER
用途
データベース・サーバーのログ・ファイルの宛先ディレクトリを指定します。
使用上のノート
このパラメータは、ADRが有効でない場合に使用します。
デフォルト
ORACLE_HOME
/network/trace
値
書込み権限を持つディレクトリへの任意の有効なディレクトリ・パス
例
LOG_DIRECTORY_SERVER=/oracle/network/trace
5.4.3 LOG_FILE_CLIENT
用途
クライアントのログ・ファイル名を指定します。
使用上のノート
このパラメータは、ADRが有効でない場合に使用します。
デフォルト
ORACLE_HOME/network/log/sqlnet.log
値
デフォルト値は変更できません。
5.4.4 LOG_FILE_SERVER
用途
データベース・サーバーのログ・ファイル名を指定します。
使用上のノート
このパラメータは、ADRが有効でない場合に使用します。
デフォルト
sqlnet.log
値
書込み権限を持つディレクトリへの任意の有効なディレクトリ・パス
例
LOG_FILE_SERVER=svr.log
5.4.5 TRACE_DIRECTORY_CLIENT
用途
クライアントのトレース・ファイルの宛先ディレクトリを指定します。
使用上のノート
このパラメータは、ADRが有効でない場合に使用します。
デフォルト
ORACLE_HOME
/network/trace
値
書込み権限を持つディレクトリへの任意の有効なディレクトリ・パス
例
TRACE_DIRECTORY_CLIENT=/oracle/traces
5.4.6 TRACE_DIRECTORY_SERVER
用途
データベース・サーバーのトレース・ファイルの宛先ディレクトリを指定します。このパラメータは、ADRが有効でない場合に使用します。
デフォルト
ORACLE_HOME
/network/trace
値
書込み権限を持つディレクトリへの任意の有効なディレクトリ・パス
例
TRACE_DIRECTORY_SERVER=/oracle/traces
5.4.7 TRACE_FILE_CLIENT
用途
クライアントのトレース・ファイル名を指定します。
使用上のノート
このパラメータは、ADRが有効でない場合に使用します。
デフォルト
ORACLE_HOME/network/trace/cli.trc
値
任意の有効ファイル名
例
TRACE_FILE_CLIENT=clientsqlnet.trc
5.4.8 TRACE_FILE_SERVER
用途
データベース・サーバー・トレース出力の出力先ディレクトリを指定します。
使用上のノート
このパラメータは、ADRが有効でない場合に使用します。
デフォルト
ORACLE_HOME/network/trace/svr_pid.trc
値
任意の有効ファイル名プロセス識別子(pid)が名前に自動的に付加されます。
例
TRACE_FILE_SERVER=svrsqlnet.trc
5.4.9 TRACE_FILEAGE_CLIENT
用途
クライアント・トレース・ファイルの最大経過期間を分数で指定します。
使用上のノート
保持期間制限に達すると、トレース情報は次のファイルに書き込まれます。ファイルの数は、TRACE_FILENO_CLIENTパラメータで指定します。このパラメータは、ADRが有効でない場合に使用します。
デフォルト
無制限
これはパラメータを0
に設定するのと同じです。
例5-2
TRACE_FILEAGE_CLIENT=60
5.4.10 TRACE_FILEAGE_SERVER
用途
データベース・サーバー・トレース・ファイルの最大経過期間を分数で指定します。
使用上のノート
保持期間制限に達すると、トレース情報は次のファイルに書き込まれます。ファイルの数は、TRACE_FILENO_SERVERパラメータで指定します。このパラメータは、ADRが有効でない場合に使用します。
デフォルト
無制限
これはパラメータを0
に設定するのと同じです。
例5-3
TRACE_FILEAGE_SERVER=60
5.4.11 TRACE_FILELEN_CLIENT
用途
クライアントのトレース・ファイルのサイズをキロバイト(KB)で指定します。
使用上のノート
このサイズに達すると、トレース情報は次のファイルに書き込まれます。ファイルの数は、TRACE_FILENO_CLIENTパラメータで指定します。このパラメータは、ADRが有効でない場合に使用します。
例
TRACE_FILELEN_CLIENT=100
5.4.12 TRACE_FILELEN_SERVER
用途
データベース・サーバーのトレース・ファイルのサイズをキロバイト(KB)で指定します。
使用上のノート
このサイズに達すると、トレース情報は次のファイルに書き込まれます。ファイルの数は、TRACE_FILENO_SERVERパラメータで指定します。このパラメータは、ADRが有効でない場合に使用します。
例
TRACE_FILELEN_SERVER=100
5.4.13 TRACE_FILENO_CLIENT
用途
クライアント・トレースのためのトレース・ファイルの数を指定します。
使用上のノート
このパラメータがTRACE_FILELEN_CLIENTパラメータとともに設定されている場合、トレース・ファイルは循環方式で使用されます。最初のファイルが満杯になると、2番目のファイルを使用します(その後、同様に続きます)。最後のファイルが満杯になると、最初のファイルが再利用されます(その後、同様に続きます)。
このパラメータがTRACE_FILEAGE_CLIENTパラメータとともに設定されている場合、トレース・ファイルは経過期間に基づいて循環使用されます。最初のファイルが経過期間制限に達するまで使用されてから、2番目のファイルが使用され、その後、同様に続きます。最後のファイルの保持期間制限に達すると、最初のファイルが再利用され、以降、同様に繰り返されます。
このパラメータがTRACE_FILELEN_CLIENTとTRACE_FILEAGE_CLIENTの両方のパラメータとともに設定されている場合、サイズ制限または経過期間制限のいずれかに達したときにトレース・ファイルが循環使用されます。
トレース・ファイル名は、順序番号によって識別されます。たとえば、デフォルトのトレース・ファイルsqlnet.trc
が使用されている場合に、このパラメータを3に設定すると、トレース・ファイル名はsqlnet1.trc
、sqlnet2.trc
およびsqlnet3.trc
となります。
また、トレース・ファイル内のトレース・イベントの前には、そのファイルの順序番号が付きます。このパラメータは、ADRが有効でない場合に使用します。
デフォルト
なし
例
TRACE_FILENO_CLIENT=3
5.4.14 TRACE_FILENO_SERVER
用途
データベース・サーバー・トレースのためのトレース・ファイルの数を指定します。
使用上のノート
このパラメータがTRACE_FILELEN_SERVERパラメータとともに設定されている場合、トレース・ファイルは循環方式で使用されます。最初のファイルが満杯になると、2番目のファイルを使用します(その後、同様に続きます)。最後のファイルが満杯になると、最初のファイルが再利用されます(その後、同様に続きます)。
このパラメータがTRACE_FILEAGE_SERVERパラメータとともに設定されている場合、トレース・ファイルはトレース・ファイルの経過期間に基づいて循環使用されます。最初のファイルが経過期間制限に達するまで使用されてから、2番目のファイルが使用され、その後、同様に続きます。最後のファイルの保持期間制限に達すると、最初のファイルが再利用され、以降、同様に繰り返されます。
このパラメータがTRACE_FILELEN_SERVERとTRACE_FILEAGE_SERVERの両方のパラメータとともに設定されている場合、サイズ制限または経過期間制限のいずれかに達したときにトレース・ファイルが循環使用されます。
トレース・ファイル名は、順序番号によって識別されます。たとえば、デフォルトのトレース・ファイルsvr_
pid
.trc
を使用し、このパラメータを3に設定すると、トレース・ファイル名はsvr1_
pid
.trc
、svr2_
pid
.trc
およびsvr3_
pid
.trc
になります。
また、トレース・ファイル内のトレース・イベントの前には、そのファイルの順序番号が付きます。このパラメータは、ADRが有効でない場合に使用します。
デフォルト
なし
例
TRACE_FILENO_SERVER=3
5.4.15 TRACE_UNIQUE_CLIENT
用途
各クライアント・トレース・セッションに対して一意のトレース・ファイルを作成するかどうかを指定します。
使用上のノート
値をon
に設定すると、プロセス識別子が各トレース・ファイルの名前に追加され、複数のファイルの共存が可能になります。たとえば、デフォルトのトレース・ファイル名sqlnet.trc
を使用すると、トレース・ファイルsqlnet
pid
.trc
が作成されます。値をoff
に設定すると、新規クライアント・トレース・セッションからのデータによって、既存のファイルが上書きされます。このパラメータは、ADRが有効でない場合に使用します。
デフォルト
on
値
on
またはoff
例
TRACE_UNIQUE_CLIENT=on