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Oracle® Database管理者リファレンス
18c for Microsoft Windows
E99714-01
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NTFSファイル・システムとWindowsレジストリの権限の概要

認可されたデータベース管理者(DBA)に完全な制御権を与えるように、Oracle Databaseファイル、ディレクトリおよびレジストリの設定を構成することをお薦めします。

Oracle Database Configuration Assistantを使用してデータベースを作成した場合、またはOracle Database Upgrade Assistantを使用してデータベースをアップグレードした場合は、それ以上の処理は不要です。

Oracle Universal Installer、Oracle Database Configuration AssistantおよびOracle Database Upgrade Assistantで自動的に設定される権限と、これらの権限を手動で設定する手順について説明します。

示されている様々なグループに加えて、Oracle Databaseソフトウェアのインストールでは、Oracleソフトウェアが適正に機能するように、Oracle内部利用のために次のグループが作成され、それらのグループのファイルおよびレジストリ・エントリに権限が設定されます。次のグループのグループ・メンバーシップおよび権限セットは変更または削除できません。

  • ORA_INSTALL

  • ORA_GRID_LISTENERS

  • ORA_CLIENT_LISTENERS

  • ORA_HOMENAME_SVCSIDS

関連項目:

  • NTFSファイル・システムおよびWindowsレジストリの設定の変更の詳細は、オペレーティング・システムのドキュメントを参照

  • 『Oracle Databaseインストレーション・ガイドfor Microsoft Windows』

ファイル権限の設定

Oracle Universal Installer、Oracle Database Configuration AssistantおよびOracle Database Upgrade AssistantはOracle Databaseソフトウェアがインストールまたはアップグレードされるときに、ファイル権限を設定します。

Oracle Universal Installerによって設定されるデフォルトのファイル権限について

Oracle Databaseのインストール中に、デフォルトでOracle Universal InstallerはソフトウェアをORACLE_HOMEディレクトリにインストールします。

Oracle Universal Installerにより、このディレクトリ、およびこのディレクトリの下のすべてのファイルとディレクトリに対して次のアクセス権が設定されます。

Oracle Grid Infrastructureホーム:

  • フル・コントロール - AdministratorsSYSTEMORA_GRID_LISTENERS、Oracleインストール・ユーザー、Oracleホーム・ユーザー

  • 読取り、実行、内容の一覧 - Authenticated Users

データベースのORACLE_HOME:

  • フル・コントロール - AdministratorsSYSTEM、Oracleインストール・ユーザー、Oracleホーム・ユーザー、または仮想アカウント・ホームのORA_<HomeName>_SVCACCTSグループ。

  • 読取り、実行、内容の一覧 - Authenticated Users

クライアントのORACLE_HOME:

  • フル・コントロール - AdministratorsSYSTEM、Oracleインストール・ユーザー、ORA_HOMENAME_SVCSIDSまたはOracleホーム・ユーザー

  • 読取り、実行、内容の一覧 - Authenticated Users

Oracle Universal Installerにより、ORACLE_BASEディレクトリ、およびこのディレクトリの下のすべてのファイルとディレクトリ(データベース・ファイル、ウォレットなどを除く)に対して次のアクセス権が設定されます。

  • フル・コントロール - AdministratorsSYSTEM、Oracleインストール・ユーザー、Oracleホーム・ユーザー、または仮想アカウント・ホームのORA_<HomeName>_SVCACCTSグループ。

  • フル・コントロール - ORA_GRID_LISTENERS(ORACLE_BASEがOracle Grid Infrastructure ORACLE_HOME用である場合)

  • フル・コントロール - ORA_HOMENAME_SVCSIDSまたはOracleホーム・ユーザー(ORACLE_BASEがクライアントのORACLE_HOME用である場合)

注意:

これらのアカウントがすでに存在し、より制限された権限を持つ場合は、最も制限された権限が保持されます。AdministratorsSYSTEMAuthenticated Usersおよび指定したOracleグループ以外のアカウントがすでに存在する場合、これらのアカウントの権限は削除されます。

関連項目:

  • 『Oracle Grid Infrastructureインストレーション・ガイドfor Microsoft Windows x64(64-Bit)』

  • 『Oracle Databaseインストレーション・ガイドfor Microsoft Windows』

Oracle Database Configuration Assistantによって設定されるファイル権限について

Oracle Databaseの構成時に、Oracle Database Configuration Assistantによって、ファイルとディレクトリが次のデフォルトの場所にインストールされます(database_nameは、データベース名またはSIDです)。

  • ORACLE_BASE\admin\database_name(管理ファイル・ディレクトリ)

  • ORACLE_BASE\oradata\database_name(データベース・ファイル・ディレクトリ)

  • ORACLE_BASE\oradata\database_name(REDOログ・ファイルおよび制御ファイル)

  • ORACLE_HOME\database (SPFILESID.ORA)

Oracle Database Configuration Assistantにより、これらのディレクトリ、およびこれらのディレクトリの下のすべてのファイルとディレクトリに対して次のアクセス権が設定されます。

  • フル・コントロール AdministratorsSYSTEM、Oracleホーム・ユーザー、または仮想アカウント・ホームのORA_<HomeName>_SVCACCTSグループ

    注意:

    これらのアカウントがすでに存在し、より制限された権限を持つ場合は、最も制限された権限が保持されます。AdministratorsSYSTEMおよびOracleホーム・ユーザー以外のアカウントがすでに存在する場合、これらのアカウントの権限は削除されます。

Oracle Database Upgrade Assistantによって設定されるファイル権限について

旧バージョンのデータベースがOracle Database 18cにアップグレードされるときに、Oracle Database Upgrade Assistantにより、ソフトウェアが次のディレクトリにインストールされます。database_nameは、データベース名またはSIDです。

旧バージョンのデータベースがOracle Database 18cにアップグレードされるときに、Oracle Database Upgrade Assistantにより、ソフトウェアが次のディレクトリにインストールされます。database_nameは、データベース名またはSIDです。

  • ORACLE_BASE\admin\database_name(管理ファイル)

  • ORACLE_BASE\oradata\database_name(データベース・ファイル・ディレクトリ)

  • ORACLE_BASE\oradata\database_name(REDOログ・ファイルおよび制御ファイル)

  • ORACLE_BASE\ORACLE_HOME\database (SPFILESID.ORA)

Oracle Database Upgrade Assistantにより、これらのディレクトリ、およびこれらのディレクトリの下のすべてのファイルとディレクトリに対して次のアクセス権が設定されます。

  • フル・コントロール AdministratorsSYSTEM、Oracleホーム・ユーザー、または仮想アカウント・ホームのORA_<HomeName>_SVCACCTSグループ

    注意:

    これらのアカウントがすでに存在し、より制限された権限を持つ場合は、最も制限された権限が保持されます。AdministratorsSYSTEMおよびOracleホーム・ユーザー以外のアカウントがすでに存在する場合、これらのアカウントの権限は削除されます。

Oracle Database Upgrade Assistantでは、Oracle Enterprise Managerを構成することもできます。Oracle Enterprise Managerの構成時に「日次バックアップ有効化」オプションを選択している場合は、別画面が表示されて、高速リカバリ領域の指定を要求されます。指定したファイル・システムの場所に、Oracle Database Upgrade Assistantによって、ディレクトリ構造の作成が試みられます(存在しない場合)。この場所に同じファイル権限のセットも付与されます。Oracle Database Upgrade Assistantによって表示される、高速リカバリ領域のデフォルトの場所は次のとおりです。

  • ORACLE_BASE\recovery_area

Oracleウォレットの権限の設定について

Oracleウォレットがファイル・システムに作成される場合、ウォレットを作成しているユーザーにはウォレット作成ツールによりウォレットへのアクセス権が付与されます。

Oracle DatabaseのWindowsサービスは、標準のWindowsユーザー・アカウントまたは仮想アカウントで実行されることがあり、ウォレットにアクセスできない可能性があります。データベース・サービスおよびリスナー・サービスへのアクセス権限を付与するには、ウォレット・ファイルのファイル・システムACLを手動で変更する必要がある場合があります。

ファイル・システムACLの手動での設定について

Oracle Databaseサービスが標準のWindowsユーザー・アカウントで実行するようになったので、ファイル・システムのアクセス制御リスト(ACL)でファイルへのアクセス権を付与していない限り、ファイルがOracle Databaseサービスによりアクセスできない可能性があります。

Oracleインストールでは、一般的な用途で手動で変更する必要がないようにACLが構成されますが、たとえば、データベースの手動でのアップグレードで、データベース・ファイルがOracleベースにない場合、またはファイル・システムのウォレットにアクセス権を付与するには、ACLを手動で変更する必要がある場合があります。

ファイル・システムACLの手動での設定のルールは次のとおりです。

  • Oracle Databaseサービスがファイルにアクセスできるようにするには: Windowsユーザー・アカウントがOracleホーム・ユーザーとして使用されている場合、ファイルに対するアクセス権をOracleホーム・ユーザーに付与します。Windowsの組込みアカウントをOracleホーム・ユーザーとして使用する場合、Oracle Databaseサービスは管理アカウントで実行されるので、このような権限は必要ありません。

  • Oracle Grid Listenersサービスがファイルにアクセスできるようにするには: ファイルに対するアクセス権をORA_GRID_LISTENERSグループに付与します。

  • OracleサービスがクライアントORACLE_HOMEからファイルにアクセスできるようにするには: Windowsユーザー・アカウントがクライアント・ホームのOracleホーム・ユーザーとして使用されている場合、ファイルに対するアクセス権をOracleホーム・ユーザーに付与します。Windowsの組込みアカウントをOracleホーム・ユーザーとして使用する場合、ファイルに対するアクセス権をORA_HOMENAME_SVCSIDSグループに付与します。

Windowsレジストリ・エントリの権限の設定

Oracle Universal Installerにより、Oracle Databaseソフトウェアに関連するWindowsレジストリ・エントリに対してアクセス権が設定されます。

Windowsレジストリ・エントリの権限を設定する場合は、次のガイドラインに従います。

  • すべてのユーザーは読取り権限を持ちます。

  • ローカル管理者およびOracleインストール・ユーザーはフル・コントロールを持ちます。

Windowsサービス・エントリの権限の設定

Oracle Universal Installerにより、Oracle DatabaseサービスのWindowsサービス・エントリに対して次のアクセス権がユーザーおよびユーザー・グループに設定されます。

Oracle DatabaseサービスのWindowsサービス・エントリに対するアクセス権をユーザーおよびユーザー・グループに設定するためのガイドラインを次に示します。

  • ORA_DBAおよびORA_HOMENAME_DBAグループ・ユーザーは、Windowsサービス・エントリに対し、開始および停止権限を持ちます。

  • ローカル・システム・アカウントおよびローカル管理者は、Windowsサービス・エントリのフル・コントロールを持ちます。

NTFSファイル・システムのセキュリティの設定

NTFSファイル・システムのセキュリティを設定するには、この手順を使用します。

認可されたユーザーのみが完全なファイル・システムの権限を持つようにするには、次のようにします。

  1. Windowsエクスプローラに移動します。
  2. 前述の項目の情報に基づき、各ディレクトリまたはファイルに、次の権限が設定されます。

関連項目:

NTFSファイル・システムおよびレジストリの設定の変更方法の詳細は、オペレーティング・システムのオンライン・ヘルプを参照してください。

Windowsレジストリのセキュリティの設定

Oracle Database DBAとシステム管理者以外のユーザーからは、WindowsレジストリのHKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\ORACLEディレクトリにある書込み権限を削除することをお薦めします。

書込み権限を削除するには、次のようにします。

  1. レジストリ エディタを開きます。
  2. \HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\ORACLEに移動します。
  3. 「編集」メニューから「アクセス許可」を選択します。

    「Oracleのアクセス許可」ダイアログ・ボックスが表示されます。

  4. Oracle Database DBAまたはシステム管理者ではないユーザーから書込み権限を削除します。SYSTEMアカウントにはフル・コントロールが必要です。SYSTEMとして実行するOracle Databaseサービスもあるからです。
  5. Oracleアプリケーションを実行する必要のあるユーザー・アカウントに読取り権限があることを確認します。
  6. 「OK」を選択します。
  7. レジストリ エディタを終了します。