第I部 概念および使用方法
このマニュアルは、次のように構成されています。
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第I部では、Oracle Spatial and Graphの概念および使用方法について説明します。
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「空間Webサービス」では、Oracle Spatial and GraphのWebサービスの概念および使用方法について説明します。
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「リファレンス情報」では、Oracle Spatial and Graphの演算子、ファンクションおよびプロシージャに関するリファレンス情報について説明します。
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「補足情報」では、補足情報(付録および用語集)を示します。
第I部は、Oracle Spatial and Graphを効率的に理解することを目的としています。まず、基本的な概念および方法について説明し、次に、より高度な内容(座標系、線形参照システム、ジオコーディング、拡張空間索引付けなど)について説明します。
- Spatialの概念
Oracle Spatial and Graphは、空間分析およびグラフ分析をサポートするファンクション、プロシージャ、データ型およびデータ・モデルを統合したものです。空間フィーチャを使用すると、Oracle Databaseでの空間データの格納、アクセスおよび分析を短時間で効率的に処理することができます。 - 空間データ型およびメタデータ
Oracle Spatial and Graphの空間フィーチャは、一連のオブジェクト・データ型、タイプ・メソッド、およびこれらのタイプを使用する演算子、ファンクションおよびプロシージャで構成されます。ジオメトリは、オブジェクトとしてSDO_GEOMETRY型の列の1行に格納されています。空間索引は、基本的なデータ定義言語(DDL)文(CREATE、ALTER、DROP)およびデータ操作言語(DML)文(INSERT、UPDATE、DELETE)を使用して作成およびメンテナンスされます。 - SQL Multimedia型のサポート
Oracle Spatial and Graphでは、『ISO 13249-3, Information technology - Database languages - SQL Multimedia and Application Packages - Part 3: Spatial』で指定されたST_xxx型の使用がサポートされています。 - 空間データのロード
この章では、データベースに空間データをロードする方法(SDO_GEOMETRY型の列を使用した表へのデータの格納を含む)を説明します。 - 空間データの索引付けおよび問合せ
空間データを使用した問合せのパフォーマンスを向上させるには、空間データのロードが完了した後で、データに対して空間索引を作成する必要があります。 - 座標系(空間参照システム)
この章では、Oracle Spatial and Graphの座標系のサポートの詳細を示します。 - 線形参照システム
線形参照は、属性またはイベントと線形フィーチャの位置または一部分の関連付けを自然かつ有効に実現します。線形参照は、高速道路、鉄道、公共輸送路などの輸送アプリケーション、およびガソリンや石油の流通ルートなどの公共事業アプリケーションで広く使用されています。 - 位置追跡サーバー
Oracle Spatial and Graphの位置追跡サーバーを使用すると、地域を定義し、オブジェクトのその地域への移動またはその地域からの移動を追跡して、特定の移動があると通知を受信できます。 - 空間分析およびマイニング
この章では、データ・マイニング・アプリケーションにおける空間データの使用を可能にするOracle Spatial and Graph機能について説明します。 - 空間索引付け機能の拡張
この章では、ジオメトリ列以外のオブジェクトに対して空間索引を作成および使用する方法を説明します。他の章では、SDO_GEOMETRY型の単一列に格納された空間データの索引付けおよび問合せについて説明しています。