『Oracle Spatial and Graphプロパティ・グラフ開発者ガイド』のこのリリースでの変更点
この項の内容は次のとおりです。
プロパティ・グラフのサポートためのOracle Databaseリリース18.1での変更点
Oracle Databaseリリース18.1の『Oracle Spatial and Graphプロパティ・グラフ開発者ガイド』での変更点は次のとおりです。
Oracle Databaseに対して直接PGQL問合せを実行するためのサポート
oracle.pg.rdbms
Javaパッケージを使用して、Oracle Databaseに格納されたグラフ・データを直接問い合せることができます。詳細は、「Oracle Databaseに対して直接PGQL問合せを実行」を参照してください。
PGQLの機能拡張:サブグラフ・インスタンスの検索
PGQLグラフ問合せエンジンにより、グラフ・データ内の指定した問合せパターンに一致するすべてのサブグラフ・インスタンスを検出できます。たとえば、次は、「Mario (頂点)とLuigi (頂点)の両方が好き(エッジ)だが、Marioより3歳以上年上(プロパティ)のすべての人物(頂点)を検出し、名前と年齢(プロパティ)を表示する」ことを依頼します。
SELECE person.name, person.age
WHERE
(m WITH name = 'Mario') -[WITH label = 'likes']-> (person),
(l WITH name = 'Luigi') -[WITH label = 'likes']-> (person),
person.age < m.age - 2
ORDER BY person.name
SQLベース・プロパティ・グラフ分析を使用した協調フィルタリングのサポート
SQLベース・プロパティ・グラフ分析を使用して協調フィルタリングを実行できます。詳細は、「SQLベースのプロパティ・グラフ分析」、特に「協調フィルタリングの概要および例」を参照してください。
リリース18.1の新規アルゴリズム
次の新規アルゴリズムを使用できます。
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近似Pagerank - 低精度が受け入れ可能な場合に使用できるPagerankの高速バリアント。
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重み付きPagerank -エッジの重みを考慮するPagerank。
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パーソナライズされたSALSA -指定されたハブ・ノードのセットに関してノードの相対的重要性を評価します。
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Kコア-グラフのKコア分解を計算します。特定のプロパティを持つサブグラフを表示してグラフ内の階層構造を分析するために使用できます。また、Kコアで提供されている「レイヤー」を使用して、大きなグラフを2Dで視覚化するのにも役立ちます。
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直径、半径、および偏心-グラフ内の距離を理解するのに役立つ基本的な構造グラフ・プロパティ。
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PRIM -無向グラフの最小の全域木を検出する、よく知られたアルゴリズム。
アルゴリズムの詳細は、Oracle Spatial and Graphプロパティ・グラフJava APIリファレンスを参照してください。
Node.jsクライアント
Node.js
でのPGXクライアント実装により、Node.js
内のPGX上でグラフ・アプリケーションを開発できます。
詳細は、PGX Node.js
クライアントAPIリファレンス(JSDoc) (https://docs.oracle.com/cd/E56133_01/2.5.0/jsdocs/index.html)を参照してください。
Apache Zeppelin統合
PGXクライアントおよびシェルはApache Zeppelinに統合されています。詳細は、「Oracle Databaseでのインメモリー・アナリストZeppelin Interpreterの使用」を参照してください。
新規エンタープライズ・スケジューラ
PGXへの新しい実行およびスケジューラのバックエンドにより次のことが可能です。
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複数セッションからのタスクの同時実行
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プールの重み、優先順位、および最大スレッド数を使用した、より詳細なスレッド・プールの構成
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動的にサイズ設定されるIOスレッド・プール
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各スレッド・プールの、タスクごとの詳細な設定
実行環境を使用した高度なタスク・スケジューリングに関するチュートリアルについては、https://docs.oracle.com/cd/E56133_01/latest/tutorials/execution_environment.htmlを参照してください。