用語集
適用による転送
中間データベースで転送されるメッセージが、適用プロセスにより最初に処理される有向ネットワークです。それらのメッセージは、中間データベースで取得プロセスに再度取得され、転送されます。
「キューによる転送」も参照。
適用ハンドラ
メッセージの処理をカスタマイズするために適用プロセスによって使用される、SQL文のコレクションまたはユーザー定義のプロシージャです。適用ハンドラには、文DMLハンドラ、メッセージ・ハンドラ、プロシージャDMLハンドラ、DDLハンドラ、プリコミット・ハンドラおよびエラー・ハンドラが含まれます。
適用プロセス
オプションのOracleバックグラウンド・プロセス。メッセージを特定のキューからデキューし、各メッセージを直接適用するか、廃棄するか、適用ハンドラにパラメータとして渡すか、または再エンキューします。適用プロセスはOracle Streamsクライアントです。
「論理変更レコード(LCR)」も参照。
適用サーバー
適用プロセスのコンポーネント。LCRをDML文またはDDL文としてデータベース・オブジェクトに適用するか、LCRを適切な適用ハンドラに渡す、1つ以上のプロセスが含まれます。ユーザー・メッセージの場合、メッセージはメッセージ・ハンドラに渡されます。適用サーバーは、DBMS_APPLY_ADM.SET_ENQUEUE_DESTINATION
プロシージャで指定されたl論理変更レコード(LCR)メッセージとLCR以外のメッセージをエンキューすることもできます。適用サーバーにエラーが発生すると、ユーザー指定のエラー・ハンドラを使用してエラーの解決を試行します。エラーを解決できない場合は、すべてのLCRを含めてトランザクション全体をエラー・キューに置きます。
「論理変更レコード(LCR)」も参照。
バリア・トランザクション
行論理変更レコード(行LCR)を含むトランザクションまたはDDLトランザクションです。適用プロセスは、バリア・トランザクションに対して、宛先データベースのデータ・ディクショナリや仮想依存性定義を使用して、表の行またはデータベース・オブジェクトを識別することはできません。
バッファ・ユーザー・メッセージ
アプリケーションによって明示的に作成され、バッファ・キューにエンキューされるユーザー定義型のLCR以外のメッセージ。バッファ・ユーザー・メッセージは、ANYDATAキューまたは型付きキューのバッファ・キュー部分にエンキューできます。
ビルダー・サーバー
取得プロセスのコンポーネント。プリペアラ・サーバーからのREDOレコードをマージするプロセスです。これらのREDOレコードには、部分評価の実行中にTRUE
と評価されたものと、部分評価で結果が生成されていないものがあります。ビルダー・サーバーは、これらのREDOレコードのシステム変更番号(SCN)の順序を保持し、マージされたREDOログ・レコードを取得プロセスに渡します。
取得データベース
ソース・データベースに対して行われた変更を取得する取得プロセスを実行しているデータベース。取得データベースおよびソース・データベースは、取得プロセスがローカル取得プロセスである場合は同じデータベースになります。取得データベースおよびソース・データベースは、取得プロセスがダウンストリーム取得プロセスの場合は異なるデータベースになります。
取得プロセス
オプションのOracleバックグラウンド・プロセス。データベースのREDOログをスキャンして、データベース・オブジェクトに対するDML変更とDDL変更を取得します。取得プロセスはOracle Streamsクライアントです。
変更の循環
変更が発生元のデータベースに再送されることです。通常、タグの使用や、ルール条件におけるLCRメンバー関数のGET_SOURCE_DATABASE_NAME
の使用により情報を共有している環境では、変更の循環は回避する必要があります。
「論理変更レコード(LCR)」も参照。
変更ハンドラ
表の変更を追跡する特殊なタイプの文DMLハンドラで、DBMS_STREAMS_ADM.MAINTAIN_CHANGE_TABLE
プロシージャかDBMS_APPLY_ADM.SET_CHANGE_HANDLER
プロシージャのいずれかによって作成されます。
条件付きログ・グループ
サプリメンタル・ログ・グループで少なくとも1列が変更された場合に、指定されたすべての列のビフォア・イメージのみを記録するサプリメンタル・ログ・グループです。
「無条件ログ・グループ」も参照。
競合
LCRの古い値と表の予期したデータ間の不一致を意味します。競合は、適用プロセスがLCRの適用を試行する際に検出されます。競合は、表のデータを共有している2つの異なるデータベースが、ほぼ同時に表の同じ行を変更する場合に発生します。
「論理変更レコード(LCR)」も参照。
カスタム適用
適用プロセスにより、LCRがユーザー・プロシージャにパラメータとして渡され、処理されます。ユーザー・プロシージャは、カスタマイズした方法でLCRを処理できます。
「論理変更レコード(LCR)」も参照。
エラー・ハンドラ
PL/SQLプロシージャを使用して適用エラーの解決を試行する適用ハンドラです。エラー・ハンドラは、行論理変更レコード(行LCR)で適用プロセスのエラーが発生した場合にのみ起動されます。競合ハンドラが指定されていない場合や、更新の競合ハンドラが競合を解決できない場合に、競合に起因するそのようなエラーが発生する可能性があります。
明示的コンシューム
キューのメッセージが、ユーザーまたはアプリケーションで起動されたメッセージ・クライアントによってデキューされます。あるいは、アプリケーションまたはユーザーによって直接デキューされます。
ファイル
ファイル・グループに関して、ハード・ディスクに格納されているファイルを意味します。ファイルは、ファイル名、ディレクトリ・オブジェクトおよびファイル・タイプで構成されます。ディレクトリ・オブジェクトは、ファイルがハード・ディスク上で格納されているディレクトリです。
インスタンス化
ソース・データベースでインスタンス化するためにデータベース・オブジェクトを準備するプロセス。オプションで、ソース・データベースから宛先データベースへのデータベース・オブジェクトのコピーや、インスタンス化された各データベース・オブジェクトのインスタンス化SCNの設定が可能です。
LOBアセンブリ
DMLハンドラおよびエラー・ハンドラのオプションで、LOB列のある単一の行に対する変更により発生した複数の行LCRを単一の行LCRにアセンブルします。LOBアセンブリにより、DMLハンドラおよびエラー・ハンドラでLOB列のある行LCRの処理が簡略化されます。
LogMinerデータ・ディクショナリ
取得中の変更の詳細を確認するために、取得プロセスにより使用される個別のデータ・ディクショナリです。ソース・データベースのプライマリ・データ・ディクショナリは、取得プロセスによりスキャンされたREDOデータと同期していない可能性があるため、LogMinerデータ・ディクショナリが必要です。
ネガティブ・ルール・セット
Oracle Streamsクライアントのルール・セット。このルール・セットでは、ルールがメッセージをTRUE
と評価すると、Oracle Streamsクライアントがメッセージを破棄します。Oracle Streamsクライアントのネガティブ・ルール・セットは、常にポジティブ・ルール・セットよりも前に評価されます。
非永続キュー
非永続キューは、メッセージをメモリーに格納します。現在接続しているすべてのユーザーに、通知を送信するための非同期メカニズムを実現するために使用されます。非永続キューはOracle Database 10gリリース2で非推奨となりました。バッファ・メッセージを使用することをお薦めします。
最も古いSCN
実行中の適用プロセスの場合は、現在デキューおよび適用されているトランザクションの最も若いシステム変更番号(SCN)です。停止した適用プロセスの場合、最も古いSCNは、適用プロセスが停止した際に適用されていたトランザクションの最も若いSCNです。
Oracle Streamsデータ・ディクショナリ
特定のソース・データベースからのデータベース・オブジェクトを追跡するために、伝播および適用プロセスにより使用される個別のデータ・ディクショナリです。
Oracle Streamsのトポロジ
Oracle Streams環境のデータベース、データベースで構成されるOracle Streamsコンポーネント、およびコンポーネント間のメッセージ・フローの表現。
ポジティブ・ルール・セット
Oracle Streamsクライアントのルール・セット。このルール・セットでは、ルールがメッセージをTRUE
と評価すると、Oracle Streamsクライアントがメッセージのタスクを実行します。Oracle Streamsクライアントのネガティブ・ルール・セットは、常にポジティブ・ルール・セットよりも前に評価されます。
キューによる転送
中間データベースで転送されるメッセージが、中間データベースに受信されるメッセージである有向ネットワークです。そのため、この有向ネットワークでは、メッセージのソース・データベースはメッセージが発生したデータベースです。
「適用による転送」も参照。
リーダー・サーバー
-
取得プロセスのコンポーネント。REDOログを読み取って複数の領域に分割するプロセスです。
-
メッセージをデキューする適用プロセスのコンポーネント。リーダー・サーバーは、LCR間の依存性を計算してメッセージをトランザクションにアセンブルするプロセスです。リーダー・サーバーが、アセンブルしたトランザクションをコーディネータ・プロセスに返すと、コーディネータ・プロセスがアイドル状態の適用サーバーにトランザクションを割り当てます。
「論理変更レコード(LCR)」も参照。
行論理変更レコード(行LCR)
単一行のデータへの変更、または単一のLONG
、LONG
RAW
または行のLOB列への変更を記述する論理変更レコード(LCR)で、データ操作言語(DML)文またはピース単位操作によって発生します。1つのDML文により、複数の行LCRが発生する可能性があります。
保護キュー
このキューに対しては、Oracle Databaseアドバンスト・キューイング(AQ)エージェントが、エンキューやデキューなどのキュー操作を実行できる1人以上のデータベース・ユーザーに明示的に関連付けられている必要があります。
サプリメンタル・ロギング
操作が実行されるたびにREDOログに配置される追加の列データです。取得プロセスはこの追加の情報を取得してLCRに含めます。追加の情報は、適用プロセスが宛先データベースでLCRを適切に適用するために必要です。
「論理変更レコード(LCR)」も参照。
タグ
各REDOエントリおよびLCRに含まれるRAW
データ型のデータ。タグは、Oracle Streamsクライアントの動作の変更やLCRの追跡に使用されます。また、変更の循環の回避にも使用できます。
「論理変更レコード(LCR)」も参照。
無条件ログ・グループ
指定された列に影響する変更かどうかにかかわらず、表が変更された場合に、指定された列のビフォア・イメージを記録するサプリメンタル・ログ・グループです。
「条件付きログ・グループ」も参照。