Oracle® Fusion Middleware Oracle Business Intelligence Enterprise Editionメタデータ・リポジトリ作成者ガイド 12c (12.2.1.4.0) E96106-04 |
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この章のトピックは、次のとおりです:
適切な権限がある場合は、組織のライセンスされたOracle Scorecard and Strategy Managementリポジトリを使用できます。
Oracle Scorecard and Strategy Managementリポジトリはデフォルト・インストールの一部であり、追加の構成変更は必要ありません。コメントやステータスのオーバーライドなど、一部の機能が正常に動作するためには、リポジトリ構成が必要です。
ノート:
『Oracle Business Intelligence Enterprise Editionシステム管理者ガイド』を参照してください。
コメントについて
ステータスのオーバーライドについて
Oracle Scorecard and Strategy Managementでは、コメント(注釈とも呼ばれます)を追加する機能、またはキー・パフォーマンス・インディケータ(KPI)、目標、およびイニシアティブに関する特定のディメンション値と関連付けられたステータスを上書きする機能が提供されます。
KPI監視リストでは、コメントを追加する機能またはKPIに関するステータスを上書きする機能が提供されます。コメントおよびステータス上書き情報の格納のためのデータベース・オブジェクトが含まれるようにリポジトリを構成する必要があります。
Oracle Business Intelligenceとともに使用するためにインストールしたデータベースには、Business Intelligence Platformスキーマが含まれています。このスキーマには、必須のOracle Scorecard and Strategy Managementスキーマ表が含まれています。Oracle Business Intelligenceのためのデータベースのインストールおよびリポジトリ作成アシスタント(RCU)を実行して必要なスキーマを作成する方法の詳細は、Oracle Business Intelligenceのインストールと構成を参照してください。
ノート:
データ・アクセス・セキュリティのタスクを実行するには、Oracle BI管理ツールをオンライン・モードで開く必要があります。
オフライン編集では、ときどきリポジトリを保存することを忘れないでください。
ビジネス・モデル間で一貫性がない場合でも、オフライン・モードでリポジトリを保存できます。
ビジネス・モデルに整合性があることを確認するには、「整合性のチェック」コマンドを使用して、コンパイル・エラーを確認します。リポジトリ全体でまたは特定の論理ビジネス・モデルでエラーの有無を確認するには、ビジネス・モデルを選択し、右クリック・メニューから「整合性のチェック」を選択します。
整合性チェックでは、リポジトリにある種のエラーがないかどうかおよび整合性があるかどうかが分析されます。たとえば、整合性チェックは、論理ソースが構成されていない論理表や物理ソースにマップされていない論理列を検出し、定義されていない論理結合条件を確認し、ビジネス・モデルで参照されている物理表がビジネス・モデル内で参照されている他の表に結合されていないかどうか確認し、各ビジネス・モデルのサブジェクト・エリアの存在を確認します。
ノート:
整合性チェックに合格しても、ビジネス・モデルが正しく作成されていることは保証されませんが、多くの一般的な問題が除去されます。
整合性をチェックするとき、発生したエラーまたは警告がダイアログに表示されます。エラーをすべて修正し、整合性を再確認し、エラーがなくなるまでこのプロセスを繰り返します。エラー・メッセージは、修正する必要のある問題を示します。警告メッセージは、問題の可能性を特定します。「リポジトリまたはビジネス・モデルの整合性のチェック」を参照してください。
以前のバージョンのソフトウェアからアップグレードし、リポジトリの整合性をチェックした後、以前の整合性チェックを受けていないというメッセージが表示される場合があります。多くの場合、これはアップグレード前は検出できなかった不整合を示すもので、エラーが新たに発生したわけではありません。
リポジトリが完全になったら、このリポジトリに対してサンプル問合せを実行して、これが正しく作成されているかどうかテストできます。
検出された問題をすべて修正して再度テストします。満足のいく結果が得られるまでこのプロセスを繰り返します。
Oracle BIサーバー・ユーティリティnqcmd
を使用して、リポジトリに対してテスト問合せを実行できます。このユーティリティは、Oracle BIサーバーのODBC DSNを使用して接続します。nqcmd
を使用するには、Oracle BIサーバーが稼働中である必要があります。
nqcmd
ユーティリティは、WindowsシステムとUNIXシステムで使用できます。
このユーティリティは、健全性のテスト用です。大きな負荷がかかるテストには、「アンサー」または別のクライアントを使用してください。数千行の問合せはnqcmd
では動作しません。
nqcmd
を使用して他のODBCデータ・ソースに対して問合せを実行することは可能ですが、この項では、このユーティリティを使用してOracle BIサーバーに問合せを行う方法のみを説明します。
ヒント:
Windowsでは、管理ツールで使用できるデータ・ソース(ODBC)で、使用可能なローカルODBCデータ・ソース名を表示できます。システムDSNタブには、使用可能なDSN、たとえばAnalyticsWeb_coreapplicationsのリストが表示されます。
SQL文を含むテキスト・ファイルをユーティリティに渡すことができます(スクリプト・モード)。または、コマンドラインにSQLを入力できます(対話モード)。問合せは、問合せで使用されているオブジェクト名が完全修飾名でない場合、デフォルトのサブジェクト・エリアに対して実行されます。
「nqcmdコマンドライン引数」を参照してください。
表を確認して、nqcmd
の有効なコマンドライン引数について学習してください。
nqcmd
をスクリプト・モードではなく対話モードで実行した場合、つまりSQL入力ファイルを渡さない場合、データ・ソース名およびユーザー資格証明を入力した後で、nqcmd
によってオプションのメニューが表示されます。多くのオプションが表示されますが、Oracle BIサーバーに対しては、Q、TおよびCのみを使用します。
コマンドラインに問合せを入力するには、Q
を使用します。問合せは1行に入力する必要があります。また、デリミタとしてセミコロンは使用できません。[Enter]を押すとSQLがOracle BIサーバーに送信されます。
プレゼンテーション表を参照するにはT
を、プレゼンテーション列を参照するにはC
を使用します。カタログ・パターン、ユーザー・パターン、表パターンおよび表タイプ・パターンの入力を求めるプロンプトがユーティリティによって表示され、それから結果が返されます。
カタログ・パターンに、表示する表を含むサブジェクト・エリアを入力します。表パターンに、特定の表を入力します。パーセント(%)を入力して、すべてのサブジェクト領域またはすべての表を表示できます。%
を他の文字とともに使用して、一連の文字と置き換えることができます。アンダースコア(_
)を他の文字とともに使用して、1文字と置き換えることができます。
ユーザー・パターンおよび表タイプ・パターンは、Oracle BIサーバーに対する問合せには使用しません。これらのオプションには%
を使用してください。
D
を使用して、Oracle BIサーバーがサポートしているデータ型の静的リストを表示できます。
引数-C
、-R
、-f
、-H
、-q
および-NoFetch
は、使用可能な引数としてユーティリティにリストされていますが、これらのオプションは使用されません。
引数 | 説明 |
---|---|
-? |
使用可能なコマンドライン引数をリストします。 |
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ターゲットOracle BIサーバーのODBCデータ・ソース名を指定します。 このパラメータを省略すると、コマンドラインにデータ・ソース名(DSN)を入力するように求めるプロンプトが表示されます。 |
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有効なOracle Business Intelligenceのユーザー名を指定します。 |
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対応するOracle Business Intelligenceのユーザー・パスワードを指定します。 パスワード引数はオプションです。パスワード引数を指定しない場合は、コマンド実行時にパスワードを入力するように求められます。セキュリティ侵害のリスクを最小限にとどめるために、パスワード引数をコマンドラインやスクリプトで指定しないことをお薦めします。パスワード引数は下位互換性のためにのみサポートされています。スクリプト上の理由から、標準入力によってパスワードを指定できます。 |
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テストSQL問合せを含むテキスト・ファイルの名前およびパス。 |
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ユーティリティが問合せの結果を書き込むファイルの名前およびパス。このオプションは、必ず |
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SQL入力ファイルで使用されるデリミタ(セミコロン(;)やコロン(:)など)。このオプションは、必ず |
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非同期処理を可能にします。 複数のSQL文を含むSQL入力ファイルを渡す場合、一般的にこのオプションは、 |
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出力結果ファイルでANSIコード・ページ(ACP)のかわりにUTF8出力を使用できるようにします。 このオプションを含めて問合せ結果に国際文字を表示する必要がある場合があります。 |
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このオプションを含めて問合せ結果に国際文字を表示する必要がある場合があります。 |
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ODBCの順方向専用カーソルを無効にします。 この引数が含まれていると、ODBC DSNで指定された設定は上書きされます。 |
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指定したセッション変数を含み、これを指定した値に設定します。 |
uploadrpd
コマンドを使用して、リポジトリをOracle BIサーバーにアップロードします。
リポジトリをOracle BIサーバーにアップロードすると、起動時にBIサーバーでリポジトリをメモリーにロードでき、リポジトリを問合せで使用可能にできます。
ノート:
リポジトリを特定のサービス・インスタンスにのみアップロードできますが、ファイル・サイズが300MBを超えない場合に限ります。
テストなどのオフライン・リポジトリ診断および開発目的にのみ、downloadrpd
およびuploadrpd
コマンドが用意されています。その他すべてのリポジトリ開発および保守の状況で、BARを使用してBARのリポジトリ・アップグレードおよびパッチ機能と利点を利用します。
このコマンドを使用して、RPD形式でOracle BIリポジトリをアップロードできます。このコマンドを使用してMDS XMLドキュメントで構成されたリポジトリはアップロードできません。
ランチャ・スクリプト(UNIXの場合はdatamodel.sh
、Windowsの場合はdatamodel.cmd
)を介して、ユーティリティを実行します。ドメインがデフォルトのフォルダにインストールされている場合、ランチャ・スクリプトの場所は次のようになります。
Oracle_Home/user_projects/domains/Domain_Name/bitools/bin/datamodel.sh or datamodel.cmd on Windows
クライアント・インストールにドメイン名がない場合、ランチャ・スクリプトの場所は次のようになります。
Oracle_Home\bi\bitools\bin\datamodel.sh
またはWindowsの場合はdatamodel.cmd
「コマンドを使用する前の必知事項」を参照してください。
構文
uploadrpd
コマンドは、次のパラメータをとります。
uploadrpd -I <RPD filename> [-W <RPD password>] [-D] [KG <groups>] [-RG <groups>] -U <cred_username> [-P <cred_password>][SI <service_instance>] [-S <host>] [-N <port>] [-SSL] [-H]
説明
I
は、アップロードするリポジトリの名前を指定します。
W
は、リポジトリのパスワードです。パスワードを指定していないと、コマンドの実行時にパスワードの入力を求められます。自動化されたスクリプティングを使用してコマンドを実行する場合にのみ、コマンドにパスワードを含めることをお薦めします。
SI
は、コンポーネント・インスタンスの名前を指定します。
U
は、Oracle BI EE認証に使用する有効なユーザー名を指定します。
P
は、U
に指定したユーザーの名前に対応するパスワードを指定します。パスワードを指定していないと、コマンドの実行時にパスワードの入力を求められます。自動化されたスクリプティングを使用してコマンドを実行する場合にのみ、コマンドにパスワードを含めることをお薦めします。
S
は、Oracle BI EEホスト名を指定します。クライアント・インストールからコマンドを実行している場合のみ、このオプションを含めます。
N
は、Oracle BI EEポート番号を指定します。クライアント・インストールからコマンドを実行している場合のみ、このオプションを含めます。
SSL
は、SSLを使用して Oracle WebLogic Serverに接続してコマンドを実行することを指定します。クライアント・インストールからコマンドを実行している場合のみ、このオプションを含めます。
H
は、使用方法の情報を表示し、コマンドを終了します。-H
を使用するか、パラメータを指定しないで.sh
を実行すると、ヘルプ・コメントが表示されます。
-D
は、サーバー上の既存のカスタマイズ・グループすべてを削除します。次に例を示します。
datamodel.sh uploadrpd -I orders.rpd -SI ssi -U weblogic -D
-D -KG
を使用すると、既存のグループの一部およびその他すべてのグループを保持することを選択できます。次に例を示します。
datamodel.sh uploadrpd -I orders.rpd -SI ssi -U weblogic -D -KG "group1, group2"
では、リポジトリのアップロード・コマンドにより、group1とgroup2は保持され、その他すべての既存のグループは削除されます。
-D -RG
を使用すると、既存のグループの一部を削除する一方で、その他すべてのグループを保持できます。次に例を示します。
datamodel.sh uploadrpd -I orders.rpd -SI ssi -U weblogic -D -RG "group1, group2"
リポジトリのアップロード・コマンドにより、group1とgroup2は削除され、その他すべての既存のグループは保持されます。
例
datamodel.sh uploadrpd -I repository.rpd -SI bi -U weblogic -S server1.example.com -N 7777 -SSL
リポジトリのアップロード・コマンドを使用して、リポジトリを問合せに使用できるようにします。
リポジトリを作成し、これに整合性がある場合、すべてのOracle BIサーバー・インスタンスがこれにアクセスできるように、リポジトリのアップロード・コマンドを使用してリポジトリをアップロードする必要があります。リポジトリをアップロードすると、起動時にOracle BIサーバーでリポジトリをメモリーにロードでき、リポジトリを問合せで使用可能にできます。
リポジトリがアップロードされ、これに接続できたら、このリポジトリに対してサンプル問合せを実行して、これが正しく作成されているかどうかテストします。検出された問題をすべて修正して再度テストします。満足のいく結果が得られるまでこのプロセスを繰り返します。
ノート:
Oracle BIリポジトリはRPD形式でアップロードする必要があります。MDS XMLドキュメントで構成されたリポジトリはアップロードできません。
エンド・ユーザーのクライアント・アプリケーションを新しいリポジトリに接続できるようにする場合、各アプリケーション用Oracle BIサーバーへのODBCデータソース接続を定義する必要があります。
ノート:
Oracle BIプレゼンテーション・サービスとOracle BIサーバーの関係は、他のクライアント・アプリケーションとOracle BIサーバーの関係と同じです。
Oracle BIサーバー用のODBCデータ・ソース接続の作成について学習するには、『Oracle Business Intelligence Enterprise Editionインテグレーターズ・ガイド』の「Oracle Business Intelligenceへの他のクライアントの統合」を参照してください。
テストが完了した後、問合せにデータソースを使用できることをユーザー・コミュニティに通知します。
プレゼンテーション・サービスのユーザーが知っている必要があるのは、ブラウザに入力するURLのみです。クライアント/サーバー・ユーザー、たとえば、問合せツールまたはレポート・ライター・クライアント・アプリケーションを使用してOracle BIサーバーにアクセスするユーザーは、サブジェクト領域名、サーバーが稼働しているコンピュータ、これらのユーザーIDおよびパスワードを知っている必要があります。クライアント/サーバー・ユーザーは、コンピュータにインストールしたOracle BIサーバーのODBC DSNを持っている必要もあります。また、複数のリポジトリが使用され、作成されたデータ・ソース名(DSN)がデフォルトのリポジトリを指していない場合、リポジトリの論理名を知っている必要があります。