3 Database Application Tablesコネクタの構成

アプリケーションの作成時に、Oracle Identity Governanceとターゲット・システムの接続およびコネクタ操作の実行のために、コネクタで使用される接続関連のパラメータを構成する必要があります。また、Oracle Identity Governanceのプロセス・フォーム・フィールドとターゲット・システムの列間の属性マッピング、事前定義済の相関ルール、状況とレスポンス、リコンシリエーション・ジョブを表示および編集できます。

3.1 基本構成パラメータ

ここでは、ターゲットに接続するためにOracle Identity Governanceで必要となる接続関連のパラメータについて説明します。これらのパラメータは、ターゲット・アプリケーションと認可アプリケーションの両方で共通です。

表3-1 「基本構成」セクションのパラメータ

パラメータ データ型 必須 JDBCドライバ構成に必要か データソース構成に必要か デフォルト値 説明
host String はい はい、%hの場合 いいえ NA ターゲット・システムのホストであるコンピュータのホスト名またはIPアドレス。

サンプル値: HOST_IP_ADDRESS

port String はい はい、%pの場合 いいえ NA ターゲット・システム・データベースがリスニングしているポート番号を入力します。

サンプル値: PORT_NUMBER

database String はい はい、%dの場合 いいえ NA ターゲット・データベースの名前。

サンプル値: DB_NAME

jdbcDriver String いいえ はい いいえ NA JDBCドライバのクラス名。

Oracle Databaseのサンプル値: oracle.jdbc.driver.OracleDriver

MySQLのサンプル値: com.mysql.jdbc.Driver

MS SQLのサンプル値: com.microsoft.sqlserver.jdbc.SQLServerDriver

DB2のサンプル値: com.ibm.db2.jcc.DB2Driver

jdbcUrlTemplate String いいえ はい(%h、%pおよび%d) はい

データソースが構成されている場合、値をNAに指定します。

NA ターゲット・データベースのJDBC URLテンプレート。指定する値は、使用しているデータベース製品によって異なります。

SIDを使用したOracleデータベースのサンプル値: jdbc:oracle:thin:@mydb.com:PORT:oim

サービス名を使用したOracleデータベースのサンプル値: jdbc:oracle:thin:@mydb.com:PORT/oim

MySQLのサンプル値: jdbc:mysql://mydb.com:PORT/mysql

MS SQLのサンプル値: jdbc:sqlserver://mydb.com:PORT;Database=acmedb

DB2のサンプル値: jdbc:db2://mydb.com:PORT/mydb

user String はい はい Oracle Databaseの場合は「はい」

他のデータベースの場合は「いいえ」

NA ターゲット・システムに接続するために、Oracle Identity Governanceにより使用されるデータベース・ユーザー・アカウントのユーザーID。

サンプル値: DB_USERNAME

password String はい はい いいえ NA ターゲット・システムに接続するために、Oracle Identity Governanceにより使用されるデータベース・ユーザー・アカウントのパスワード。

サンプル値: DB_PASSWORD

table String はい はい はい NA ユーザー・レコードを含む親表またはビューの名前。

サンプル値: DB_TABLE_NAME

keyColumn String はい はい はい NA 親表の各行を一意に識別する列の名前。

サンプル値: PRIMARY_KEY_OF_DB_PARENT_TABLE

passwordColumn String いいえ いいえ いいえ NA ターゲット・システムのレコードのパスワードを含む親表の列の名前。これはオプションのパラメータです。

ノート: このパラメータの値は、ConfigエントリのpasswordColumnプロパティに指定した値と同じです。ITリソースの値は変更できません。

サンプル値: PASSWORD

statusColumn Boolean いいえ いいえ いいえ NA ユーザー・レコードのステータスを含むターゲット・システムの列の名前。次の条件の両方がtrueの場合、この属性に値を指定する必要があります。
  • ユーザー・アカウントの有効化またはユーザー・アカウントのプロビジョニング操作の無効化を実行する必要がある。
  • ユーザー・レコードのステータスを含むターゲット・システムの列が存在する。

サンプル値: ACTIVE

enableValue String いいえ いいえ いいえ NA ユーザー・レコードが有効状態であることを示すターゲット・システムで使用される値

サンプル値: enable

disableValue String いいえ いいえ いいえ NA ユーザー・レコードが無効状態であることを示すターゲット・システムで使用される値

サンプル値: disable

relationTables String いいえ いいえ いいえ NA ユーザー・データが、親表および子表に分散している場合の子表の名前のカンマ区切りリスト。

サンプル値: CHILD_DB_TABLE_NAME

Connector Server Name String いいえ いいえ いいえ NA コネクタ・サーバーのITリソースの名前。

サンプル値: CONNECTOR_SERVER_NAME

validConnectionQuery String いいえ いいえ いいえ NA このプロパティに値を指定しない場合、接続は自動コミット・モードに切り替わることにより検証されます。たとえば、次のような問合せは、一部のデータベースに対しより効率的になる可能性があります。
SELECT 1 FROM DUMMY
changeLogColumn String いいえ いいえ いいえ NA 直前の更新に関連する(減少しない)値が保存される列の名前。数値またはタイムスタンプです。

この列のデータ型は、ターゲット・システムでサポートされるいずれかのデータ型です。ただし、Oracle Databaseを使用している場合は、BLOB、CLOBおよびLONGなどのデータ型はサポートされません。ターゲット・システムでサポートされるデータ型の詳細は、「サポートされるデータ型」を参照してください。

この列の値は、ターゲット・システムからリコンサイルされた最新のレコードを判別するために増分リコンシリエーションで使用されます。

ノート: 増分リコンシエーションを実行する場合、このプロパティに値を指定する必要があります。

customizedQuery String いいえ いいえ いいえ NA リコンサイルする必要のある、新しく追加または変更されたレコードのサブセットを指定するSQL問合せ内のWHERE句。WHERE句には他の表またはビューへの関係を含めることができます。
allNative Boolean いいえ いいえ いいえ false このプロパティの値をfalseに設定した場合、属性データはJDBCドライバを使用して文字列に変換されます。

このプロパティの値をtrueに設定し、適切なJDBCタイプを使用して、強制的にコネクタに変換を実行させます。

新しい日付形式およびタイムスタンプ形式はこの設定を無効化します。

dateformat String いいえ いいえ いいえ dd/MM/yyyy ユーザーが日付データの文字列への変換を書式設定できるようにします。
  • 日付データを日付エディタとして処理する場合、このパラメータの値を入力しないでください。
  • 日付データをテキストとして処理する場合、日付形式を入力する必要があります。

このパラメータの値を指定するとallNativeパラメータが無効化されます。

timestampFormat String いいえ いいえ いいえ dd/MM/yyyy HH:mm:ss:SSS ユーザーがタイムスタンプデータの文字列への変換を書式設定できるようにします。このプロパティを指定するとnativeTimestampsおよびallNativeプロパティが無効化されます。
nativeTimestamps Boolean いいえ いいえ いいえ false このプロパティの値をfalseに設定した場合、タイムスタンプ・データは文字列として読み取られ、これはミリ秒単位の時間の損失となる可能性があります。

このプロパティの値をtrueに設定した場合、タイムスタンプ・データはjava.sql.Timestampタイプとして取得され、コネクタにより変換が実行されます。

enableEmptyString Boolean いいえ いいえ いいえ false NULL値のかわりに空の文字列の書込みをサポートさせる場合、trueに設定します。

NULL値として空の文字列が書き込まれる必要がある場合、falseに設定します。

ノート: このプロパティは必須の文字列属性にのみ適用できます

quoting String いいえ いいえ いいえ なし ターゲット・システム・データベースに最適な列の引用プロパティ(None、Single、Double、BackまたはBracketsなど)。

データベースのアクセス時に生成されたSQLで、列名は一重引用符、二重引用符、バッククォートまたは大カッコなどの間に表示されます。

jdbcDriver String いいえ はい いいえ NA JDBCドライバのクラス名。

SAP HANA DBのサンプル値: 'jdbcDriver': ‘com.sap.db.jdbc.Driver',

jdbcUrlTemplate String いいえ はい いいえ NA ターゲット・データベースのJDBC URLテンプレート。

SAP HANA DBのサンプル値: 'jdbc:sap://acmedb.com:30015',

rethrowAllSQLExceptions Boolean いいえ いいえ いいえ false ゼロ(0x00)エラー・コードでのSQL例外を成功とみなす必要がある場合、falseに設定します。つまり、ゼロ・エラー・コードでのSQL例外は検出され、SQL文により抑制されます。それ以外の場合は、trueに設定します

3.2 拡張設定パラメータ

これらは、リコンシリエーション操作およびプロビジョニング操作の際にコネクタで使用される構成関連のエントリです。

ノート:

明記されていない場合、この表のパラメータはターゲット・アプリケーションと認可アプリケーションの両方に適用できます。

表3-2 拡張設定パラメータ

パラメータ 必須 JDBCドライバ構成に必要か データソース構成に必要か デフォルト値 説明
コネクタ名 はい はい はい org.identityconnectors.databasetable.DatabaseTableConnector このパラメータは、コネクタ・クラスの名前を保持します。
コネクタ・バンドル はい はい はい org.identityconnectors.databasetable このパラメータは、コネクタ・バンドル・パッケージの名前を保持します。
コネクタ・バージョン はい はい はい 12.3.0 このパッケージには、コネクタ・バンドル・クラスのバージョンが保持されます。
プールの最大アイドル数 いいえ いいえ いいえ 10 プール内のアイドル状態のオブジェクトの最大数。
プールの最大サイズ いいえ いいえ いいえ 10 プールで作成できる接続の最大数。
プールの最大待機時間 いいえ いいえ いいえ 150000 プールが空きオブジェクトを操作に使用できるようになるまで待機する必要のある最大時間(ミリ秒)。
プールの最小削除アイドル時間 いいえ いいえ いいえ 120000 コネクタがアイドル状態のオブジェクトを削除するまで待機する必要のある最小時間(ミリ秒)。
プールの最小アイドル数 いいえ いいえ いいえ 1 プール内のアイドル状態のオブジェクトの最小数。
datasource いいえ いいえ はい NA データ・ソース・ネーミング・プロパティのデータ・ソース名。

サンプル値: jdbc/operationsDB

jndiProperties いいえ いいえ はい NA JDBCドライバを使用してターゲット・システムとの接続を確立し、追加の接続プロパティを有効にする、またはJNDIを使用してデータソースを検索するために使用するプロパティ。
サンプル値:
"java.naming.factory.initial=weblogic.jndi.WLInitialContextFactory","java.naming.provider.url=t3://example.com:15000","java.naming.security.principal=weblogic","java.naming.security.credentials=WEBLOGIC_PASSWORD"
createScript いいえ いいえ いいえ なし

このプロパティは、ターゲット・リソース構成のセクションにのみ存在します。

プロビジョニング操作を実行するために、デフォルトのSQL文ではなく、カスタム・ストアド・プロシージャまたはSQL文を使用するようにコネクタを構成する場合にのみ、このプロパティに値を指定します。

ユーザー・アカウントの作成プロビジョニング操作用に作成されたGroovyスクリプトまたはGroovyスクリプトのファイルのURLを入力します。このスクリプトが呼び出されると、親フォームのデータが追加されます。

ファイルのURLは次の書式で入力する必要があります。

file:///URL

サンプル値: file:///home/jdoe/dbat/scripts/create_user.groovy

updateSript いいえ いいえ いいえ なし

このプロパティは、ターゲット・リソース構成のセクションにのみ存在します。

プロビジョニング操作を実行するために、デフォルトのSQL文ではなく、カスタム・ストアド・プロシージャまたはSQL文を使用するようにコネクタを構成する場合にのみ、このプロパティに値を指定します。

ユーザー・アカウントの更新プロビジョニング操作用に作成されたGroovyスクリプトまたはGroovyスクリプトのファイルのURLを入力します。このスクリプトは、親フォームを更新した場合、またはユーザー・アカウントを有効化/無効化した場合に呼び出されます。

ファイルのURLは次の書式で入力する必要があります。

file:///URL

サンプル値: file:///home/jdoe/dbat/scripts/update_user.groovy

deleteScript いいえ いいえ いいえ なし

このプロパティは、ターゲット・リソース構成のセクションにのみ存在します。

プロビジョニング操作を実行するために、デフォルトのSQL文ではなく、カスタム・ストアド・プロシージャまたはSQL文を使用するようにコネクタを構成する場合にのみ、このプロパティに値を指定します。

ユーザー・アカウントの削除プロビジョニング操作用に作成されたGroovyスクリプトまたはGroovyスクリプトのファイルのURLを入力します。このスクリプトは、子データのないアカウントを除外または削除した場合に呼び出されます。

ファイルのURLは次の書式で入力する必要があります。

file:///URL

サンプル値: file:///home/jdoe/dbat/scripts/delete_user.groovy

executeQueryScript いいえ いいえ いいえ なし

リコンシリエーションを実行するために、デフォルトのSQL問合せではなく、カスタム・ストアド・プロシージャまたはSQL問合せを使用するようにコネクタを構成する場合にのみ、このプロパティに値を指定します。

リコンシリエーション用に作成されたGroovyスクリプトまたはGroovyスクリプトのファイルのURLを入力します。コネクタによりリコンシリエーション操作はGroovyスクリプトに委任され、情報(コネクタ・オブジェクト)をコールバック・ハンドラに渡す責任を負います。このスクリプトは、アカウント検索(完全リコンシリエーションやフィルタ・リコンシリエーションなどの操作)を実行した場合に呼び出されます。

ファイルのURLは次の書式で入力する必要があります。

file:///URL

サンプル値: file:///home/jdoe/dbat/scripts/recon_user.groovy

lookupScript いいえ いいえ いいえ なし

このプロパティは、ターゲット・リソース構成のセクションにのみ存在します。

参照フィールド同期を実行するために、デフォルトのSQL問合せではなく、カスタム・ストアド・プロシージャまたはSQL問合せを使用するようにコネクタを構成する場合にのみ、このプロパティに値を指定します。

参照フィールド同期用に作成されたGroovyスクリプトまたはGroovyスクリプトのファイルのURLを入力します。

ファイルのURLは次の書式で入力する必要があります。

file:///URL

サンプル値: file:///home/jdoe/dbat/scripts/lookup_field_sync.groovy

syncScript いいえ いいえ いいえ なし

増分リコンシリエーションを実行するために、デフォルトのSQL問合せではなく、カスタム・ストアド・プロシージャまたはSQL問合せを使用するようにコネクタを構成する場合にのみ、このプロパティに値を指定します。

増分リコンシリエーション用に作成されたGroovyスクリプトまたはGroovyスクリプトのファイルのURLを入力します。

ファイルのURLは次の書式で入力する必要があります。

file:///URL

サンプル値: file:///home/jdoe/dbat/scripts/increm_recon_user.groovy

addMultiValuedAttributeScript いいえ いいえ いいえ なし

このプロパティは、ターゲット・リソース構成のセクションにのみ存在します。

プロビジョニング操作を実行するために、デフォルトのSQL文ではなく、カスタム・ストアド・プロシージャまたはSQL文を使用するようにコネクタを構成する場合にのみ、このプロパティに値を指定します。

複数値属性の追加プロビジョニング操作用に作成されたGroovyスクリプトまたはGroovyスクリプトのファイルのURLを入力します。このスクリプトは、複数値の子属性を追加した場合に呼び出されます。

ファイルのURLは次の書式で入力する必要があります。

file:///URL

サンプル値:

file:///home/jdoe/dbat/scripts/add_mulval_attr.groovy
removeMultiValuedAttributeScript いいえ いいえ いいえ なし

このプロパティは、ターゲット・リソース構成のセクションにのみ存在します。

プロビジョニング操作を実行するために、デフォルトのSQL文ではなく、カスタム・ストアド・プロシージャまたはSQL文を使用するようにコネクタを構成する場合にのみ、このプロパティに値を指定します。

参照フィールド同期用に作成されたGroovyスクリプトまたはGroovyスクリプトのファイルのURLを入力します。このスクリプトは、複数値の子属性を削除した場合に呼び出されます。

ファイルのURLは次の書式で入力する必要があります。

file:///URL

サンプル値: file:///home/jdoe/dbat/scripts/remove_mulval_attr.groovy

sapHanaDb はい いいえ いいえ NA sapHanaDbのみで使用する場合、このプロパティはsapHanaDbパラメータのサポートを提案します。

サンプル値: True

3.3 Oracle Databaseターゲット・アプリケーションの属性マッピング

ターゲット・アプリケーションの「スキーマ」ページには、Oracle Identity Governanceの属性をターゲット・システムの列にマップする(コネクタによって提供される)デフォルトのスキーマが表示されます。これらのマッピングは、リコンシリエーション操作およびプロビジョニング操作中にコネクタによって使用されます。

表3-3に、Oracle Identity Governanceのプロセス・フォーム・フィールドとOracle Databaseの列の間のユーザー固有属性マッピングを示します。また、この表には、特定の属性がプロビジョニングまたはリコンシリエーション時に使用されるかどうかと、リコンシリエーション時にレコードをフェッチするための照合キー・フィールドであるかどうかも示します。デフォルトでは、2つのスキーマ属性があります。

DBATコネクタの場合、ターゲット・アプリケーションのデータベース表に基づいて属性を手動で追加する必要があります。属性マッピングの追加の詳細は、『Oracle Identity Governanceでのセルフ・サービス・タスクの実行』ターゲット・アプリケーションの作成に関する項を参照してください。

表3-3 Oracle DBユーザー・アカウントのデフォルトの属性マッピング

表示名 ターゲット属性 データ型 必須プロビジョニング・プロパティ プロビジョニング・フィールド リコンシリエーション・フィールド キー・フィールド 大/小文字を区別しない
一意のID _UID_ String いいえ いいえ はい はい いいえ
パスワード _PASSWORD_ String いいえ はい いいえ いいえ いいえ

3.4 ルール、状況およびレスポンス

ターゲット・アプリケーションおよび認可アプリケーションの事前定義済ルール、レスポンスおよび状況について学習します。

これらのルールおよびレスポンスは、リコンシリエーションを実行するためにコネクタによって使用されます。

3.4.1 ターゲット・アプリケーションのルール、状況およびレスポンス

コネクタは、ターゲット・アプリケーションに対してリコンシリエーションを実行するために、事前定義済のルール、レスポンスおよび状況を使用します。

3.4.1.1 ターゲット・アプリケーションの事前定義済アイデンティティ相関ルール

デフォルトでは、Database Application Tablesコネクタにより、ターゲット・アプリケーションの作成時に単純相関ルールが提示されます。コネクタは、この相関ルールを使用して、Oracle Identity Governanceリポジトリとターゲット・システム・リポジトリのエントリを比較して、2つのリポジトリの相違を判断し、最新の変更内容をOracle Identity Governanceに適用します。

表3-4に、Database Application Tablesコネクタのデフォルトの単純相関ルールを示します。必要に応じて、デフォルト相関ルールを編集するか、新しいルールを追加できます。複合相関ルールを作成することもできます。単純または複合相関ルールの追加または編集の詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Identity Governanceでのセルフ・サービス・タスクの実行』ターゲット・アプリケーションの作成に関する項を参照してください。

表3-4 Database Application Tablesターゲット・アプリケーションの事前定義済アイデンティティ相関ルール

ターゲット属性 要素演算子 アイデンティティ属性 大/小文字の区別
_NAME_ 次と等しい ユーザー・ログイン いいえ

このアイデンティティ・ルールの意味は次のとおりです。

  • __NAME__は、ユーザー・アカウントを識別するターゲット・システムの単一値属性です。
  • 「ユーザー・ログイン」は、OIGユーザー・フォームのフィールドです。

図3-1に、Database Application Tablesターゲット・アプリケーション用の単純相関ルールを示します。

図3-1 Database Application Tablesターゲット・アプリケーション用の単純相関ルール

図3-1の説明が続きます
「図3-1 Database Application Tablesターゲット・アプリケーション用の単純相関ルール」の説明
3.4.1.2 ターゲット・アプリケーションの事前定義済の状況とレスポンス

Database Application Tablesコネクタにより、ターゲット・アプリケーションの作成時にデフォルトの一連の状況およびレスポンスが提示されます。これらの状況とレスポンスによって、リコンシリエーション・イベントの結果に基づいてOracle Identity Governanceが実行する必要があるアクションが指定されます。

表3-5に、Database Application Tablesターゲット・アプリケーションのデフォルトの状況およびレスポンスを示します。必要に応じて、これらのデフォルトの状況とレスポンスを編集するか、新しい状況とレスポンスを追加できます。状況とレスポンスの追加または編集の詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Identity Governanceでのセルフ・サービス・タスクの実行』ターゲット・アプリケーションの作成に関する項を参照してください

表3-5 Database Application Tablesターゲット・アプリケーションの事前定義済の状況とレスポンス

状況 レスポンス
一致が見つからなかった場合 最小ロードの管理者への割当て
1つのエンティティ一致が見つかった場合 リンクの確立
1つのプロセス一致が見つかった場合 リンクの確立

図3-2に、コネクタによってデフォルトで提供されるDatabase Application Tablesの状況およびレスポンスを示します。

表3-2 Database Application Tablesターゲット・アプリケーションの事前定義済の状況とレスポンス

図3-2の説明が続きます
「表3-2 Database Application Tablesターゲット・アプリケーションの事前定義済の状況とレスポンス」の説明

3.4.2 認可アプリケーションのルール、状況およびレスポンス

認可アプリケーションの事前定義済ルール、レスポンスおよび状況について学習します。

これらのルールおよびレスポンスは、リコンシリエーションを実行するためにコネクタによって使用されます。

3.4.2.1 認可アプリケーション用の事前定義済アイデンティティ相関ルール

デフォルトでは、Database Application Tablesコネクタにより、認可アプリケーションの作成時に単純相関ルールが提示されます。コネクタはこの相関ルールを使用して、Oracle Identity Governanceリポジトリと認可アプリケーション・リポジトリのエントリを比較し、2つのリポジトリの相違を判断し、最新の変更内容をOracle Identity Governanceに適用します。

表3-6に、Database Application Tablesコネクタのデフォルトの単純相関ルールを示します。必要に応じて、デフォルト相関ルールを編集するか、新しいルールを追加できます。複合相関ルールを作成することもできます。単純または複合相関ルールの追加または編集の詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Identity Governanceでのセルフ・サービス・タスクの実行』ターゲット・アプリケーションの作成に関する項を参照してください。

表3-6 Database Application Tables認可アプリケーションの事前定義済アイデンティティ相関ルール

認可属性 要素演算子 アイデンティティ属性 大/小文字の区別
_UID_ 次と等しい ユーザー・ログイン いいえ
このアイデンティティ・ルールの意味は次のとおりです。
  • __UID__は、ユーザー・アカウントを一意に識別するターゲット・システムの属性です。
  • 「ユーザー・ログイン」は、OIGユーザー・フォームのフィールドです。

図3-3に、Database Application Tables認可アプリケーションの単純相関ルールを示します。

図3-3 Database Application Tables認可アプリケーションの単純相関ルール

図3-3の説明が続きます
「図3-3 Database Application Tables認可アプリケーションの単純相関ルール」の説明
3.4.2.2 認可アプリケーションの事前定義済の状況とレスポンス

Database Application Tablesコネクタにより、認可アプリケーションの作成時にデフォルトの一連の状況およびレスポンスが提示されます。これらの状況とレスポンスによって、リコンシリエーション・イベントの結果に基づいてOracle Identity Governanceが実行する必要があるアクションが指定されます。

表3-7に、Database Application Tables認可アプリケーションのデフォルトの状況およびレスポンスを示します。必要に応じて、これらのデフォルトの状況とレスポンスを編集するか、新しい状況とレスポンスを追加できます。状況とレスポンスの追加または編集の詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Identity Governanceでのセルフ・サービス・タスクの実行』ターゲット・アプリケーションの作成に関する項を参照してください

表3-7 Database Application Tables認可アプリケーションの事前定義済の状況とレスポンス

状況 レスポンス
一致が見つからなかった場合 ユーザーの作成
1つのエンティティ一致が見つかった場合 リンクの確立

図3-4に、コネクタによってデフォルトで提供されるDatabase Application Tablesの状況およびレスポンスを示します。

表3-4 Database Application Tables認可アプリケーションの事前定義済の状況とレスポンス

図3-4の説明が続きます
「表3-4 Database Application Tables認可アプリケーションの事前定義済の状況とレスポンス」の説明

3.5 リコンシリエーション・スケジュール済ジョブ

コネクタ・インストーラを実行すると、Oracle Identity Governanceにスケジュール済ジョブが自動的に作成されます。

この項では、次の項目について説明します。

3.5.1 参照フィールド同期のためのスケジュール済ジョブ

RESOURCE Lookup Reconciliationスケジュール済ジョブは、参照フィールドの同期に使用されます。このスケジュール済ジョブの属性に値を指定する必要があります。

表3-8に、RESOURCE Lookup Reconciliationスケジュール済ジョブの属性の説明を示します。

ノート:

  • 属性値はインポートしたコネクタのXMLファイルで事前定義されています。変更する属性にのみ値を指定してください。

  • すべての属性に値(デフォルトまたはデフォルト以外)を割り当てる必要があります。属性値を1つでも空白のままにした場合、リコンシリエーションは実行されません。

表3-8 RESOURCE Lookup Reconciliationスケジュール済ジョブの属性

属性 説明

Code Key Attribute

参照定義のコード・キー列に移入するために使用する属性の名前を入力します(Lookup Name属性の値として指定)。値は次の形式で指定する必要があります。

  • スクリプトが使用されていない場合:

    TABLE_NAME.COLUMN_NAME

    サンプル値: ROLES.ROLE_ID

  • スクリプトが使用されている場合、groovyファイルに記載されているスクリプトに従います。

    サンプル値: Code Key Attribute-roleId

    ここで、roleIdは、参照が実行される表の列です。

Decode Attribute

参照定義のデコード列に移入するために使用する属性の名前を入力します(Lookup Name属性の値として指定)。値は次の形式で指定する必要があります。

  • スクリプトが使用されていない場合:

    TABLE_NAME.COLUMN_NAME

    サンプル値: ROLES.ROLE_NAME

  • スクリプトが使用されている場合、groovyファイルに記載されているスクリプトに従います。

    サンプル値: Decode Attribute-roleName

    ここで、roleNameは、参照が実行される表の列です。

IT Resource Name

レコードをリコンサイルするターゲット・システム・インストールのITリソースの名前を入力します。

デフォルト値: DBAT Lookup

Lookup Name

ターゲット・システムからフェッチした値を移入するOracle Identity Governanceの参照定義の名前を入力します。

デフォルト値: Lookup.DBAT.Example

ノート: 参照フィールド同期を実行する前に、指定する参照定義の名前がOracle Identity Governanceに存在する必要があります。

Object Type

リコンサイルするオブジェクトのタイプを入力します。

デフォルト値: Other

ノート: 参照フィールド同期では、オブジェクト・タイプは、"User"以外の任意のオブジェクトである必要があります。

3.5.2 スケジュール済ジョブの属性

この項では、次のスケジュール済ジョブの属性について説明します。

3.5.2.1 ユーザー・レコードのリコンシリエーションのためのスケジュール済ジョブ

コネクタを生成した後、ユーザー・データ・リコンシリエーション用のスケジュール済タスクがOracle Identity Governanceに自動的に作成されます。スケジュール済ジョブは、このスケジュール済タスクのインスタンスで、ターゲット・システムからのユーザー・データをリコンサイルする目的で使用されます。次に、ユーザー・データのリコンシリエーションに使用されるスケジュール済ジョブを示します。

  • RESOURCE Target Resource User Reconciliation

    このスケジュール済ジョブは、コネクタのターゲット・リソース(アカウント管理)モードでユーザー・データをリコンサイルするために使用されます。

  • RESOURCE Trusted Resource User Reconciliation

    このスケジュール済ジョブは、コネクタの信頼できるソース(アイデンティティ管理)モードでユーザー・データをリコンサイルするために使用します。

ユーザー・リコンシリエーションのスケジュール済ジョブの属性値を指定する必要があります。表3-9に、この2つのスケジュール済ジョブの属性の説明を示します。

表3-9 ユーザー・リコンシリエーションのスケジュール済ジョブの属性

属性 説明

Filter

リコンシリエーションの実行時にターゲット・システムからフェッチされるレコードの検索フィルタを入力します。

詳細は、「制限付きリコンシリエーションの実行」を参照してください。

ITResource Name

ユーザー・レコードのリコンサイル元のターゲット・システム・インストールの、ITリソース名を入力します。

サンプル値: DBAT

Object Type

リコンサイルするオブジェクトのタイプを入力します。

サンプル値: User

ノート: ユーザーはサポートされる唯一のオブジェクトです。そのため、属性の値は変更しないでください。

Resource Object Name

リコンシリエーションに使用されるリソース・オブジェクトの名前を入力します。

サンプル値: DBAT User

Scheduled Task Name

リコンシリエーションに使用されるスケジュール済タスクの名前。

RESOURCE Target Resource User Reconciliationスケジュール済ジョブのこの属性のデフォルト値は、RESOURCE Target Resource User Reconciliationです。

RESOURCE Trusted User Reconciliationスケジュール済ジョブのこの属性のデフォルト値は、RESOURCETrusted Resource User Reconciliationです。

3.5.2.2 削除されたユーザー・レコードのリコンシリエーションのスケジュール済ジョブ

コネクタを生成した後、削除されたユーザー・レコードに関するデータのリコンシリエーション用のスケジュール済タスクがOracle Identity Governanceに自動的に作成されます。スケジュール済ジョブは、このスケジュール済タスクのインスタンスで、ターゲット・システムからのユーザー・データをリコンサイルする目的で使用されます。次に、削除されたユーザー・レコード・データのリコンシリエーションに使用されるスケジュール済ジョブを示します。

  • RESOURCE Target Resource User Delete Reconciliation

    このスケジュール済ジョブは、コネクタのターゲット・リソース(アカウント管理)モードで削除されたユーザー・レコードに関するデータをリコンサイルするために使用します。

  • RESOURCE Trusted User Delete Reconciliation

    このスケジュール済ジョブは、コネクタの信頼できるリソース(アイデンティティ管理)モードで削除されたユーザー・レコードに関するデータをリコンサイルするために使用します。

ユーザー・リコンシリエーションのスケジュール済ジョブの属性値を指定する必要があります。表3-10に、この2つのスケジュール済ジョブの属性の説明を示します。

表3-10 Delete User Reconciliationスケジュール済ジョブの属性

属性 説明

Filter

フィルタには値を入力しないでください。

ITResource Name

ユーザー・レコードのリコンサイル元のターゲット・システム・インストールの、ITリソース名を入力します。

サンプル値: DBAT

Object Type

リコンサイルするオブジェクトのタイプを入力します。

サンプル値: User

ノート: ユーザーはサポートされる唯一のオブジェクトです。そのため、属性の値は変更しないでください。

Resource Object Name

リコンシリエーションに使用されるリソース・オブジェクトの名前を入力します。

サンプル値: DBAT User

3.5.2.3 増分リコンシリエーションのためのスケジュール済ジョブ

DBATアプリケーションを作成すると、増分リコンシリエーション用のスケジュール済ジョブがOracle Identity Governanceに自動的に作成されます。増分リコンシリエーションを構成するには、アプリケーションの「基本構成」セクションにあるchangeLogColumnプロパティの値を指定する必要があります。

次に、増分リコンシリエーションに使用されるスケジュール済ジョブを示します。

  • RESOURCE Target Incremental Resource User Reconciliation

    このスケジュール済ジョブは、コネクタのターゲット・リソース(アカウント管理)モードで増分リコンシリエーションを実行するために使用します。

  • RESOURCE Trusted Incremental Resource User Reconciliation

    このスケジュール済ジョブは、コネクタの信頼できるソース(アイデンティティ管理)モードで増分リコンシリエーションを実行するために使用します。

表3-9に、この2つのスケジュール済ジョブの属性の説明を示します。

表3-11 増分リコンシリエーションのためのスケジュール済ジョブの属性

属性 説明

ITResource Name

ユーザー・レコードのリコンサイル元のターゲット・システム・インストールの、ITリソース名を入力します。

サンプル値: DBAT

Object Type

リコンサイルするオブジェクトのタイプを入力します。

デフォルト値: User

ノート: ユーザーはサポートされる唯一のオブジェクトです。そのため、属性の値は変更しないでください。

Resource Object Name

リコンシリエーションに使用されるリソース・オブジェクトの名前を入力します。

サンプル値: DBAT User

Scheduled Task Name

リコンシリエーションに使用されるスケジュール済タスクの名前。

デフォルト値: RESOURCE Target Incremental Resource User Reconciliation

Sync Token

DBATConfiguration.groovyファイルのConfigエントリのchangeLogColumnプロパティに指定した値に応じて、この属性には次の値のいずれかが含まれます。

  • 日付またはタイムスタンプ・ベースの列の場合:

    この属性は、前回のリコンシリエーションの実行が開始したときの日付またはタイムスタンプを保持します。

  • 日付またはタイムスタンプ・ベース以外の列(数値や文字列など)の場合:

    この属性は、前回リコンサイルされたレコードのchangeLog列の最新または直近の値を保持します。

サンプル値: <String>3</String>

ノート:

- この属性には値を入力しないでください。リコンシリエーション・エンジンにより、値はこの属性に自動的に入力されます。

- この属性にはXMLシリアル化形式で格納されます。