3 SAP SuccessFactorsコネクタの構成

アプリケーションの作成時に、Oracle Identity Governanceをターゲット・システムに接続し、コネクタ操作を実行するのにコネクタで使用される接続関連のパラメータを構成する必要があります。また、Oracle Identity Governanceのプロセス・フォーム・フィールドとターゲット・システムの列間の属性マッピング、事前定義済の相関ルール、状況とレスポンス、リコンシリエーション・ジョブを表示および編集できます。

この項では、次の項目について説明します。

3.1 基本構成パラメータ

ここでは、SAP SuccessFactorターゲット・アプリケーションへの接続にOracle Identity Governanceで必要となる接続関連のパラメータについて説明します。

ノート:

  • 指定がないかぎり、表中のパラメータはターゲット・アプリケーションと認可アプリケーションの両方に適用できます。

  • 次の表では、必須とマークされている属性は、Basic authenticationにのみ適用できます。oauth_saml認証の場合、passwordportおよびConnector Server Name属性を除いたすべての属性が必須です。

  • プロキシ・サーバーを使用するには、個別パッチSuccessFactors-12.2.1.3.0A以降を適用してください。

表3-1 基本構成のパラメータ

パラメータ 必須? 説明

authenticationType

はい

ターゲット・システムにより使用される認証のタイプ。このコネクタは、ターゲット・システムOAuth2.0クライアント資格証明をサポートします。

デフォルト値oauth_saml

ノート: 要件に基づいて、デフォルト値をBasic authenticationに変更できます。

companyId

はい

ユーザー・プロビジョニングに使用する会社IDを入力します。SuccessFactorsソリューションのライセンス発行時には、一意の会社IDを指定します。OData APIは、会社ID属性を使用してアクセス・トークンを検証します。

Host

はい

ターゲット・システムをホストしているコンピュータのホスト名を入力します。

サンプル値apisalesdemo4.successfactors.com

sslEnabled

はい

ターゲット・システムでSSL接続が必要な場合、このパラメータの値をtrueに設定します。 そうではない場合、値をfalseに設定します。

デフォルト値true

username

はい

APIを使用してアイデンティティ管理機能をすべて実行できる権限を持つユーザーの名前を入力します

サンドボックスを購入すると、SAP SuccessFactors組織によってこのユーザー名が提供されます。

サンプル値: johnsmith

authenticationServerUrl

いいえ

ターゲット・システムのクライアントIDおよびクライアント・シークレットを検証する認証サーバーのURLを入力します。

サンプル値https://apisalesdemo4.successfactors.com/oauth/token?

authorizationUrl

いいえ

認可URLは、アクセス・トークンを返すURLです。アクセス・トークンを受け取るには、正しいパラメータとその値を指定していることを確認してください。

サンプル値: https://apisalesdemo4.successfactors.com/oauth/idp

clientId

いいえ

登録処理中に認証サーバーによってクライアント・アプリケーションに対して発行されるクライアント識別子(一意の文字列)を入力します。クライアントIDは実行中に取得しています。

clientUrl

いいえ

これは、サンドボックスURLを提供する属性です。このサンドボックスURLは、ターゲット・リソースに登録されている必要があります。

サンプル値https://apisalesdemo4.successfactors.com

privateKeyLocation

いいえ

証明書の場所を入力します。

クライアント・アプリケーションの作成プロセスで、証明書が格納されます。

Connector Server Name

いいえ

コネクタ・サーバーにSuccessFactorsコネクタをデプロイしている場合、コネクタ・サーバーのITリソースの名前を入力します。

grantType

いいえ

OAuthフローでアプリケーションに最も重要なステップは、アプリケーションがアクセス・トークン(およびオプションでリフレッシュ・トークン)を受け取る方法です。権限タイプは、トークンの受取りに使用されるメカニズムです。OAuthは、それぞれ異なる異なる認可メカニズムを表すアクセス権限タイプをいくつか定義します。

デフォルト値: urn:ietf:params:oauth:grant-type:saml2-bearer

Password はい ターゲット・システムをホストしているコンピュータのパスワードを入力します。

Port

いいえ

ターゲット・システムがリスニングしているポート番号を入力します。

サンプル値443

proxyHost

いいえ

外部ターゲットへの接続に使用されるプロキシ・ホストの名前を入力します。

proxyPassword

いいえ

ターゲット・システムに接続するために、Oracle Identity Governanceにより使用されるターゲット・システム・ユーザー・アカウントのプロキシ・ユーザーIDのパスワードを入力します。

proxyPort

いいえ

プロキシのポート番号を入力します。

proxyUser

いいえ

ターゲット・システムに接続するために、Oracle Identity Governanceにより使用されるターゲット・システム・ユーザー・アカウントのプロキシ・ユーザー名を入力します。

サンプル値: 80

3.2 拡張設定パラメータ

SAP SuccessFactors構成の拡張設定パラメータは、ターゲット・アプリケーションと認可アプリケーションのどちらを作成するかによって異なります。ここでは、リコンシリエーションおよびプロビジョニングの操作時にコネクタで使用される構成関連のエントリについて説明します。

ノート:

  • 指定がないかぎり、表中のパラメータはターゲット・アプリケーションと認可アプリケーションの両方に適用できます。

  • 次の表のパラメータはすべて必須です。

表3-2 SAP SuccessFactorsの拡張設定パラメータ

パラメータ 説明

lookupUrl

これは、ターゲット・システムから参照データをリコンサイルする目的で使用されるエンドポイントURLです。

デフォルト値: "jobLevel=/odata/v2/FOJobCode?$select=externalCode,name,jobFunction,jobLevel","groupName=/odata/v2/DynamicGroup?&$filter=staticGroup+eq+true"

ノート:ターゲット・システムから動的グループをリコンサイルする場合にも、次を変更してください:

  1. lookupUrlの値を"jobLevel=/odata/v2/FOJobCode?$select=externalCode,name,jobFunction,jobLevel","groupName=/odata/v2/DynamicGroup?$format=json"に変更します。
  2. 前述の値を変更した後、グループ・スケジュール・ジョブを再実行します。

ただし、動的グループに対してユーザーを追加または削除することはできません。動的グループがユーザーに対してプロビジョニングまたは削除されると、エラーが自動的に表示されます。

upsertUrl

このエントリは、ユーザー・アカウントにおける任意の更新挿入操作を実行する目的で使用されるエンドポイントURLの値を保持します。

デフォルト値: User=/odata/v2/upsert","addGroup=/odata/v2/updateStaticGroup?groupId=groupNameL&action='add'&userIds=Username","removeGroup=/odata/v2/updateStaticGroup?groupId=groupNameL&action='remove'&userIds=Username

reconUrl

このエントリは、ターゲット・リソースからユーザーをリコンサイルする目的で使用されるエンドポイントURLの値を保持します。

デフォルト値:

/odata/v2/User?$format=JSON&$filter=status%20ne%20'p'

リリース12.2.1.3.0Jからサポートされるデフォルト値:

/odata/v2/User?$format=json&$expand=empInfo,empInfo/jobInfoNav,empInfo/personNav/personalInfoNav&$filter=status+ne+'p'

詳細は、"one-off README.txt"ファイルを参照してください。

userUrl

このエントリは、ユーザー作成操作を実行する目的で使用されるエンドポイントURLの値を保持します。

デフォルト値: /odata/v2/User

Bundle Name

このエントリは、コネクタ・バンドルの名前を保持します。

デフォルト値: org.identityconnectors.successfactors

Bundle Version

このエントリは、コネクタ・バンドルのバージョンを保持します。

デフォルト値: 12.3.0

Connector Name

このエントリは、コネクタの名前を含みます。

デフォルト値:

org.identityconnectors.successfactors.SuccessFactorsConnector

customURIs

このエントリは、コネクタのcustomURIを保持します。

デフォルト値: "EmpJob=/odata/v2/EmpJob?$filter=userId+eq+'(Username)'","PerPersonal=/odata/v2/PerPersonal?$filter=personIdExternal+eq+'(Username)'","UserEntity=/odata/v2/User?$filter=status+ne+'p'+and+userId+eq+'(Username)'","EmpEmployment=/odata/v2/EmpEmployment?$filter=userId+eq+'(Username)'","PerPerson=/odata/v2/PerPerson?$filter=personIdExternal+eq+'(Username)'","groupId=/odata/v2/getDynamicGroupsByUser?userId='(Username)'&groupSubType='permission'"

リリース12.2.1.3.0Jからサポートされるデフォルト値:

"groupId=/odata/v2/getDynamicGroupsByUser?userId='(Username)'&groupSubType='permission'"

objectMetadatas

このエントリは、オブジェクトのメタデータ情報のカンマ区切りリストを保持します。プロビジョニング中には、オブジェクトごとにペイロードにメタデータ・エントリが必要です。メタデータの値は、オブジェクト・エンティティごとに一意です。

デフォルト値:

"UserEntity={\"uri\": \"User('Username')\"}","PerPerson={\"uri\": \"PerPerson('Username')\"}","EmpEmployment={\"uri\":\"EmpEmployment(personIdExternal='Username',userId='Username')\"}","EmpJob={\"uri\":\"EmpJob(userId='Username',startDate=datetime'DateTime')\"}","PerPersonal={\"uri\":\"PerPersonal(personIdExternal='Username',startDate=datetime'DateTime')\"}"

childFields

この属性は、子データのマッピングを保持します。

デフォルト値:

"groupId=groupId"

リリース12.2.1.3.0Jからサポートされるデフォルト値:

"futureDatedHire=true"

PII (個人識別可能情報)になりうるユーザー情報やログ内のセキュリティ・データ出力をマスキングするには、新しい属性を追加します:

maskedAttributeList="empInfo/personNav/nationalIdNav/nationalId","empInfo/jobInfoNav"

詳細は、"one-off README.txt"ファイルを参照してください。

3.3 属性マッピング

「スキーマ」ページの属性マッピングは、ターゲット・アプリケーションと信頼できるアプリケーションのどちらを作成するかによって異なります。

3.3.1 ターゲット・アプリケーションの属性マッピング

ターゲット・アプリケーションの「スキーマ」ページには、Oracle Identity Governanceの属性をターゲット・システムの列にマップするデフォルトのスキーマ(コネクタに付属)が表示されます。コネクタは、リコンシリエーションおよびプロビジョニングの操作時にこれらのマッピングを使用します。

SAP SuccessFactorsターゲット・アプリケーションのデフォルトの属性

表3-3に、Oracle Identity Governanceのプロセス・フォーム・フィールドとSAP SuccessFactorsターゲット・アプリケーションの列間のユーザー固有の属性マッピングを示します。

必要な場合は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Identity Governanceでのセルフ・サービス・タスクの実行』ターゲット・アプリケーションの作成に関する項の説明に従って新しい属性を追加したり既存の属性を削除することで、デフォルトの属性マッピングを編集できます。

表3-3 SAP SuccessFactorsターゲット・アプリケーションのデフォルトの属性

表示名 ターゲット属性 データ型 必須プロビジョニング・プロパティ? プロビジョニング・フィールド? リコンシリエーション・フィールド? キー・フィールド? 大/小文字を区別しない?
ユーザー名 __NAME__

文字列

はい

はい

はい

はい

はい

パスワード UserEntity.password 文字列

いいえ

はい

いいえ

いいえ

N/A

サーバー   Long

はい

いいえ

はい

はい

N/A

PerPersonal.firstName

文字列

はい

はい

はい

いいえ

N/A

PerPersonal.lastName

文字列

はい

はい

はい

いいえ

N/A

電子メール UserEntity.email 文字列

いいえ

はい

はい

いいえ

N/A

UserEntity.country

文字列

いいえ

はい

はい

いいえ

N/A

都道府県 UserEntity.state 文字列

いいえ

はい

はい

いいえ

N/A

市区町村 UserEntity.city 文字列

いいえ

はい

はい

いいえ

N/A

市民権 UserEntity.citizenship 文字列

いいえ

はい

はい

いいえ

N/A

従業員ID UserEntity.empId

文字列

いいえ

はい

はい

いいえ

N/A

HR UserEntity.hr 文字列

いいえ

はい

はい

いいえ

N/A

ジョブ・レベル UserEntity.jobLevel 文字列

いいえ

はい

はい

いいえ

N/A

性別 PerPersonal.gender 文字列

いいえ

はい

はい

いいえ

N/A

会社 EmpJob.company

文字列

はい

はい

はい

いいえ

N/A

部門 EmpJob.department

文字列

いいえ

はい

はい

いいえ

N/A

ジョブ分類 EmpJob.jobCode

文字列

はい

はい

はい

いいえ

N/A

部署 EmpJob.division

文字列

いいえ

はい

はい

いいえ

N/A

場所 EmpJob.location

文字列

いいえ

はい

はい

いいえ

N/A

イベント理由 EmpJob.eventReason 文字列

はい

はい

はい

いいえ

N/A

ビジネス単位 EmpJob.businessUnit

文字列

はい

はい

はい

いいえ

N/A

スーパーバイザ EmpJob.managerId

文字列

はい

はい

はい

いいえ

N/A

入社日 EmpEmployment.startDate

文字列

はい

はい

はい

いいえ

N/A

退職日 EmpEmployment.endDate

文字列

いいえ

いいえ

はい

いいえ

N/A

個人ID __UID__ 文字列

いいえ

はい

はい

いいえ

N/A

既婚 UserEntity.married 文字列

いいえ

はい

はい

いいえ

N/A

ステータス __ENABLE__ 文字列

いいえ

いいえ

はい

いいえ

N/A

図3-1に、デフォルトのユーザー・アカウント属性マッピングを示します。

図3-1 SAP SuccessFactorsターゲット・ユーザー・アカウントのデフォルトの属性マッピング

図3-1の説明が続きます
「図3-1 SAP SuccessFactorsターゲット・ユーザー・アカウントのデフォルトの属性マッピング」の説明

表3-4 SAP SuccessFactorsグループ管理子フォームのデフォルト属性

表示名 ターゲット属性 データ型 必須プロビジョニング・プロパティ? リコンシリエーション・フィールド キー・フィールド 大/小文字を区別しない

グループ名

gropId~groupId~groupId

文字列

いいえ

はい

はい

いいえ

図3-2に、「グループ」子フォームの属性マッピングを示します。

図3-2 「グループ」子フォームの属性マッピング

このスクリーンショットは、「グループ」子フォームの属性マッピングを示しています。

3.3.2 認可アプリケーションの属性マッピング

認可アプリケーションの「スキーマ」ページには、Oracle Identity Governanceの属性をターゲット・システムの列にマップするデフォルトのスキーマ(コネクタに付属)が表示されます。コネクタは、リコンシリエーション操作時にこれらのマッピングを使用します。

表3-5に、Oracle Identity Governanceのリコンシリエーション・フィールドとSAP SuccessFactorsの列間のユーザー固有の属性マッピングを示します。また、特定の属性のデータ型と、リコンシリエーションの必須属性であるかどうかも示します。

必要な場合は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Identity Governanceでのセルフ・サービス・タスクの実行』認可アプリケーションの作成に関する項の説明に従って新しい属性を追加したり既存の属性を削除することで、デフォルトの属性マッピングを編集できます。

事前に設定されているデフォルト・スキーマを使用することも、次のステップに進む前にデフォルト・スキーマを更新および変更することもできます。

「組織名」、「Xellerateタイプ」および「ロール」アイデンティティ属性は、OIGユーザー・フォームの必須フィールドです。これらは、リコンシリエーション時に空白にしておくことはできません。これらのアイデンティティ属性のターゲット属性マッピングは、ターゲット・システムに対応する列がないため、デフォルトでは空です。

表3-5 SAP SuccessFactors認可アプリケーションのデフォルトの属性

アイデンティティ表示名 ターゲット属性 データ型 必須リコンシリエーション・プロパティ? リコンシリエーション・フィールド? アイデンティティ表示名のデフォルト値
終了日

EmpEmployment.endDate

Date

いいえ

はい

N/A

入社日

EmpEmployment.startDate

Date

いいえ

はい

N/A

ロール  

文字列

いいえ

はい

フルタイム

組織名  

文字列

いいえ

はい

Xellerateユーザー

Xellerateタイプ  

文字列

いいえ

はい

エンドユーザー

PerPersonal.firstName

文字列

いいえ

はい

N/A

PerPersonal.lastName

文字列

いいえ

はい

N/A

ユーザー・ログイン

__NAME__

文字列

いいえ

はい

N/A

表示名

__UID__

文字列

いいえ

はい

N/A

ステータス

__ENABLE__

文字列

いいえ

はい

N/A

電子メール

UserEntity.email

文字列

いいえ

はい

N/A

図3-3に、デフォルトのユーザー・アカウント属性マッピングを示します。

図3-3 SAP SuccessFactors認可アプリケーションのデフォルト属性

図3-3の説明が続きます
「図3-3 SAP SuccessFactors認可アプリケーションのデフォルト属性」の説明

3.4 相関ルール

ターゲット・アプリケーションと信頼できるアプリケーションの事前定義済のルール、レスポンスおよび状況について学習します。コネクタは、リコンシリエーションの実行にこれらのルールおよびレスポンスを使用します。

3.4.1 ターゲット・アプリケーションの相関ルール

ターゲット・アプリケーションを作成する際、コネクタは相関ルールを使用してOracle Identity Governanceでリソースを割り当てる必要があるアイデンティティを特定します。

事前定義済のアイデンティティ相関ルール

デフォルトでは、SAP SuccessFactorsコネクタにより、ターゲット・アプリケーションの作成時に単純相関ルールが提示されます。コネクタはこの相関ルールを使用して、Oracle Identity Governanceリポジトリとターゲット・システム・リポジトリのエントリを比較し、2つのリポジトリの相違を判断し、最新の変更内容をOracle Identity Governanceに適用します。

表3-6に、SAP SuccessFactorsコネクタのデフォルトの単純相関ルールを示します。必要に応じて、デフォルトの相関ルールを編集することも、新しいルールを追加することもできます。また、複合相関ルールも作成できます。単純または複合相関ルールの追加または編集の詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Identity Governanceでのセルフ・サービス・タスクの実行』ターゲット・アプリケーションの作成に関する項を参照してください。

表3-6 SAP SuccessFactorsコネクタの事前定義済アイデンティティ相関ルール

ターゲット属性 要素の演算子 アイデンティティ属性 大/小文字を区別する?

__NAME__

Equals

User Login

いいえ

このアイデンティティ・ルールの意味は次のとおりです。
  • __NAME__は、ユーザー・アカウントを識別するターゲット・システムの単一値属性です。

  • User Loginは、OIMユーザー・フォームのフィールドです。

  • ルールの演算子: AND

図3-4に、SAP SuccessFactorsターゲット・アプリケーションの単純相関ルールを示します。

図3-4 SAP SuccessFactorsアプリケーションの単純相関ルール

図3-4の説明が続きます
「図3-4 SAP SuccessFactorsアプリケーションの単純相関ルール」の説明

事前定義済の状況およびレスポンス

SAP SuccessFactorsコネクタにより、ターゲット・アプリケーションの作成時にデフォルトの一連の状況およびレスポンスが提示されます。これらの状況およびレスポンスは、Oracle Identity Governanceがリコンシリエーション・イベントの結果に基づいて実行する必要がある処理を指定します。

表3-7に、SAP SuccessFactorsターゲット・アプリケーションのデフォルトの状況およびレスポンスを示します。必要に応じて、これらのデフォルトの状況およびレスポンスを編集することも、新しい状況およびレスポンスを追加することもできます。状況およびレスポンスの追加または編集の詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Identity Governanceでのセルフ・サービス・タスクの実行』ターゲット・アプリケーションの作成に関する項を参照してください。

表3-7 SAP SuccessFactorsターゲット・アプリケーションの事前定義済の状況およびレスポンス

状況 レスポンス

一致が見つからなかった場合

なし

1つのエンティティ一致が見つかった場合

リンクの確立

1つのプロセス一致が見つかった場合

リンクの確立

図3-5に、コネクタによってデフォルトで提示されるSAP SuccessFactorsの状況およびレスポンスを示します。

図3-5 SAP SuccessFactorsターゲット・アプリケーションの事前定義済の状況およびレスポンス

図3-5の説明が続きます
「図3-5 SAP SuccessFactorsターゲット・アプリケーションの事前定義済の状況およびレスポンス」の説明

3.4.2 認可アプリケーションの相関ルール

認可アプリケーションを作成する際、コネクタは相関ルールを使用してOracle Identity Governanceでリソースを割り当てる必要があるアイデンティティを特定します。

事前定義済のアイデンティティ相関ルール

デフォルトでは、SAP SuccessFactorsコネクタにより、認可アプリケーションの作成時に単純相関ルールが提示されます。コネクタはこの相関ルールを使用して、Oracle Identity Governanceリポジトリと認可アプリケーション・リポジトリのエントリを比較し、2つのリポジトリの相違を判断し、最新の変更内容をOracle Identity Governanceに適用します。

表3-8に、SAP SuccessFactorsコネクタのデフォルトの単純相関ルールを示します。必要に応じて、デフォルトの相関ルールを編集することも、新しいルールを追加することもできます。また、複合相関ルールも作成できます。単純または複合相関ルールの追加または編集の詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Identity Governanceでのセルフ・サービス・タスクの実行』ターゲット・アプリケーションの作成に関する項を参照してください。

表3-8 SAP SuccessFactors認可アプリケーションの事前定義済アイデンティティ相関ルール

認可属性 要素の演算子 アイデンティティ属性 大/小文字を区別する?
_Name_ Equals

User Login

いいえ
この相関ルール要素の意味は次のとおりです。
  • __Name__は、ユーザー・アカウントを一意に識別するターゲット・システムの属性です。

  • User Loginは、OIMユーザー・フォームのフィールドです。

  • ルールの演算子: AND

図3-6に、SAP SuccessFactors認可アプリケーションの単純相関ルールを示します。

図3-6 SAP SuccessFactors認可アプリケーションの単純相関ルール

図3-6の説明が続きます
「図3-6 SAP SuccessFactors認可アプリケーションの単純相関ルール」の説明

事前定義済の状況およびレスポンス

SAP SuccessFactorsコネクタにより、認可アプリケーションの作成時にデフォルトの一連の状況およびレスポンスが提示されます。これらの状況およびレスポンスは、Oracle Identity Governanceがリコンシリエーション・イベントの結果に基づいて実行する必要がある処理を指定します。

表3-9に、SAP SuccessFactors認可アプリケーションのデフォルトの状況およびレスポンスを示します。必要に応じて、これらのデフォルトの状況およびレスポンスを編集することも、新しい状況およびレスポンスを追加することもできます。状況およびレスポンスの追加または編集の詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Identity Governanceでのセルフ・サービス・タスクの実行』ターゲット・アプリケーションの作成に関する項を参照してください。

表3-9 SAP SuccessFactors認可アプリケーションの事前定義済の状況およびレスポンス

状況 レスポンス

一致が見つからなかった場合

ユーザーの作成

1つのエンティティ一致が見つかった場合

リンクの確立

1つのプロセス一致が見つかった場合

リンクの確立

図3-7に、コネクタによってデフォルトで提示されるSAP SuccessFactorsの状況およびレスポンスを示します。

図3-7 SAP SuccessFactors認可アプリケーションの事前定義済の状況およびレスポンス

図3-7の説明が続きます
「図3-7 SAP SuccessFactors認可アプリケーションの事前定義済の状況およびレスポンス」の説明

3.5 リコンシリエーション・ジョブ

ここでは、アプリケーションを作成するとOracle Identity Governanceで自動的に作成されるリコンシリエーション・ジョブについて説明します。

認可ソースとターゲット・リソースのどちらのリコンシリエーションを実装するかによって、次のいずれかのユーザー・リコンシリエーション・スケジュール済ジョブの属性に値を指定する必要があります。

  • SAP SuccessFactors Target Resource User Reconciliation

    このスケジュール済ジョブは、コネクタのターゲット・リソース(アカウント管理)モードでユーザー・データをリコンサイルするために使用されます。

  • SAP SuccessFactors Authoritative User Reconciliation

    このスケジュール済ジョブは、コネクタの認可ソース(アイデンティティ管理)モードでユーザー・データをリコンサイルするために使用します。

ユーザー・リコンシリエーション・ジョブ

表3-11に、Target Resource User Reconciliationジョブのパラメータの説明を示します。

表3-10 Target Resource User Reconciliationのスケジュール済ジョブのパラメータ

属性 説明

Application Name

ターゲット・システム用に作成されたアプリケーションの名前。この値は、ターゲット・アプリケーションの作成時に「アプリケーション名」フィールドに指定した値と同じです。

この値は修正しないでください。

Object Type

リコンサイルするオブジェクトのタイプ。

デフォルト値: User

Filter Suffix

リコンシリエーションの実行時にターゲット・システムからフェッチされるユーザー・レコードの検索フィルタを入力します。

サンプル値: userId eq 'personId'

ノート: このサンプル値は必須ではなく、制限付きリコンシリエーションに使用されます。

Scheduled Task Name

スケジュールされたジョブの名前。

ノート: このコネクタに組み込まれているスケジュール済ジョブについては、この属性の値を変更することはできません。ただし、新しいジョブを作成したりジョブのコピーを作成する場合は、この属性の値として、そのスケジュール済ジョブに一意の名前を入力します。

Incremental Recon Attribute

ユーザー・レコードが変更された時点のタイムスタンプを保持するターゲット・システム列の名前。

デフォルト値: lastModifiedDateTime

Latest Token

このパラメータは、Incremental Recon Attributeパラメータの値として指定されたターゲット・システム属性の値を保持します。Latest Tokenパラメータは内部目的で使用されます。デフォルトでは、この値は空です。

表3-11に、Authoritative User Reconciliationジョブのパラメータの説明を示します。

表3-11 Authoritative User Reconciliationのスケジュール済ジョブのパラメータ

属性 説明

Application Name

信頼できるアプリケーション用に作成されたアプリケーションの名前。この値は、信頼できるアプリケーションの作成時に「アプリケーション名」フィールドに指定した値と同じです。

この値は修正しないでください。

Scheduled Task Name

このパラメータは、スケジュール済タスクの名前を保持します。

デフォルト値: <Application Name> Trusted User Reconciliation

Filter Suffix

リコンシリエーションの実行時にターゲット・システムからフェッチされるユーザー・レコードの検索フィルタを入力します。

サンプル値: 0

Object Type

リコンサイルするオブジェクトのタイプ。

デフォルト値: User

Incremental Recon Attribute

ユーザー・レコードが変更された時点のタイムスタンプを保持するターゲット・システム列の名前。

デフォルト値: lastModifiedDateTime

Latest Token

このパラメータは、Incremental Recon Attributeの値として指定されたターゲット・システム属性の値を保持します。Latest Tokenパラメータは内部目的で使用されます。デフォルトでは、この値は空です。

参照フィールド同期のリコンシリエーション・ジョブ

これらの参照定義は、Oracle Identity Governanceの参照フィールドの入力ソースとして使用されます。

参照フィールド同期には、次のスケジュール済ジョブが使用されます。
  • SuccessFactors HR Lookup Reconciliationスケジュール済ジョブ

  • SuccessFactors JobLevel Lookup Reconciliationスケジュール済ジョブ

  • SuccessFactors Supervisor Lookup Reconciliationスケジュール済ジョブ

  • SuccessFactors Group Lookup Reconciliationスケジュール済ジョブ

これらのリコンシリエーション・ジョブは、ターゲット・アプリケーションにのみ使用できます。パラメータは、すべてのリコンシリエーション・ジョブで共通です。

パラメータは、参照フィールド同期のすべてのスケジュール済ジョブで共通です。表3-12 に、スケジュール済ジョブのパラメータの説明を示します。

表3-12 参照フィールド同期のスケジュール済ジョブのパラメータ

属性 説明

Application Name

ターゲット・システム用に作成されたアプリケーションの名前。この値は、ターゲット・アプリケーションの作成時に「アプリケーション名」フィールドに指定した値と同じです。

この値は変更しないでください

Lookup Name

ターゲット・システムからフェッチした値を移入する必要があるOracle Identity Governanceの参照定義の名前を入力します。

Object Type

リコンサイルするオブジェクトのタイプ。

サンプル値: HR, JobLevel, Supervisor, groupName

Code Key Attribute コネクタの属性の名前。参照定義(Lookup Name属性の値として指定される)のコード・キー列に値を移入するために使用されます。

デフォルト値: __UID__

Decode Attribute コネクタの属性の名前。参照定義(Lookup Name属性の値として指定される)のデコード列に値を移入するために使用されます。

デフォルト値: __NAME__