5.4.2 制限付きリコンシリエーションの実行

デフォルトでは、前回のリコンシリエーションの実行後に追加または変更されたすべてのターゲット・システム・レコードが、現在のリコンシリエーションの実行中にリコンサイルされます。リコンサイルする必要のある追加または変更されたターゲット・システム・レコードのサブセットを指定して、このプロセスをカスタマイズできます。これは、リコンシリエーション・モジュールのフィルタを作成して行います。

このコネクタの場合、ユーザー・レコード・リコンシリエーションのスケジュール済ジョブのCustom Recon Query属性の値を指定してフィルタを作成します。

次に、問合せ条件の例を示します。

  • First Name=John&Last Name=Doe

    この問合せ条件では、名前がJohnで姓がDoeであるユーザーのレコードがリコンサイルされます。

  • First Name=John|First Name=Jane

    この問合せ条件では、名前がJohnおよびJaneであるユーザーのレコードがリコンサイルされます。

Custom Recon Query属性の値を指定しない場合は、リコンシリエーション中に、ターゲット・システムのすべてのレコードが既存のOracle Identity Managerレコードと比較されます。

Custom Recon Query属性の値を指定する際に従う必要のあるガイドラインを次に示します。

  • ターゲット・システムの属性では、この項に示した表と同様に大文字または小文字を使用する必要があります。属性名は大/小文字が区別されるためです。

  • 問合せ条件の演算子と値の間に不要な空白を入れないでください。

    値と演算子が空白で区切られている問合せ条件と、値と演算子の間に空白が含まれていない問合せ条件を比較した場合、異なる結果が生じます。たとえば、次の問合せ条件による出力は異なります。

    First Name=John&Last Name=Doe

    First Name= John&Last Name= Doe

    2つ目の問合せ条件では、リコンシリエーション・エンジンは冒頭に空白が含まれた名および姓の値を検索します。

  • 問合せ条件には、等号記号(=)、アンパサンド(&)および縦線(|)以外の特殊文字を使用しないでください。

    注意:

    等号記号(=)、アンパサンド(&)および縦線(|)以外の特殊文字を使用すると、例外がスローされます。

  • 問合せ条件の式にはカッコを使用しないでください。

  • 複数値のロールやグループに基づくユーザーの検索はサポートされていません。ロールやプロファイルについては一度に1つの値の問合せしかできません。たとえば、問合せ条件がUsergroup=a,b,cの問合せはエラーになります。

  • 4つ以上のユーザー属性に基づくユーザー検索はサポートされていません。たとえば、問合せ条件がuserid=JOHN&firstname=John&lastname=Doe&country=USの問合せはエラーになります。

ユーザー・レコード・リコンシリエーションのスケジュール済ジョブの構成中に、Custom Recon Query属性に値を指定します。

問合せ条件のサンプル

Custom Recon Query属性の値として次のタイプの問合せ条件を指定し、ユーザー・レコード・リコンシリエーションのスケジュール済ジョブを実行することができます。

  • ユーザー属性を含む単純な問合せ。たとえば:

    • Custom Recon Query属性に割り当てる値: First Name=John

      名がJohnのユーザーがリコンサイルされます。

    • Custom Recon Query属性に割り当てる値: Login Name=JOHN

      ログイン名がJOHNのユーザーがリコンサイルされます。

    • Custom Recon Query属性に割り当てる値: First Name=John|First Name=Jane

      名がJohnのユーザーとJaneのユーザーがリコンサイルされます。

    • Custom Recon Query属性に割り当てる値: First Name=John&Last Name=Doe

      名がJohnで、姓がDoeのユーザーがリコンサイルされます。

  • 担当と職責に基づく問合せ。たとえば:

    • Custom Recon Query属性に割り当てる値: Position=Proxy Employee|Position=ERM AnonUser

      担当がProxy EmployeeまたはERM AnonUserのすべてのユーザーがリコンサイルされます。

    • Custom Recon Query属性に割り当てる値: Responsibility=CEO&Responsibility=Consultant

      職責がCEOかつConsultantのすべてのユーザーがリコンサイルされます。

    • Custom Recon Query属性に割り当てる値: Responsibility=CEO&Position=ERM AnonUser

      職責がCEOで、担当がERM AnonUserのすべてのユーザーがリコンサイルされます。

  • 複雑な問合せ。たとえば:

    • Custom Recon Query属性に割り当てる値: First Name=John&Position=Proxy Employee|Position=ERM AnonUser

      名がJohnで担当がProxy Employeeのすべてのユーザーと、担当がERM AnonUserのすべてのユーザーがリコンサイルされます。

    • Custom Recon Query属性に割り当てる値: Last Name=Doe|Position=Proxy Employee&Responsibility=CEO

      姓がDoeのすべてのユーザーと、担当がProxy Employeeで職責がCEOのすべてのユーザーがリコンサイルされます。

注意:

&と|が組み合された問合せでは、&演算子の前後の名前/値ペアはカッコ内に指定されているようにSiebelによって処理されます。