1 Oracle Stream Analyticsの管理

必要な結果を得るには、Oracle Stream Analyticsを管理することが不可欠です。

この章にリストされているタスクを実行できるのは、管理者権限を持つユーザーのみです。

Oracle Stream Analyticsでのユーザーの管理

Oracle Stream Analyticsをインストールした後、アプリケーションを使用できるユーザーを設定および管理することが重要です。

Oracle Stream Analyticsのこのリリースでは、ユーザーの詳細はデータベースに格納されます。インストール時にOracle Stream Analyticsスキーマを作成すると、次のデータベース表の表ごとに1つのレコードが移入されます。

  • osa_users — ユーザーを格納した表

  • osa_user_roles — ユーザー名とその関連ロールを格納した表

osa_users表からすべてのデータを取得する問合せを実行すると、次の内容が表示されます。

select * from osa_users;
+----+----------+--------------------------------------+ 
| id | username | pwd                                  | 
+----+----------+--------------------------------------+ 
|  1 | osaadmin | MD5:201f00b5ca5d65a1c118e5e32431514c | 
+----+----------+--------------------------------------+ 

ここで、osaadminは、暗号化されたパスワードを持つ事前構成済ユーザーです。

osa_user_roles表からすべてのデータを取得する問合せを実行すると、次の内容が表示されます。

select * from osa_user_roles;
+---------+---------+
| user_id | role_id |
+---------+---------+
|       1 |       1 |
+---------+---------+

ここで、値1role_idは、そのユーザーが管理者であることを示します。

ユーザーの追加

事前構成済ユーザーでOracle Stream Analyticsを使用し続けることはできますが、独自のユーザーを作成してデフォルトの事前構成済ユーザーを削除するのがベスト・プラクティスです。

ユーザーを追加する場合、必須ではありませんが、パスワードを不明瞭化または暗号化することを強くお薦めします。アプリケーション・サーバー(Jetty)に付属するユーティリティを使用して、パスワードを暗号化できます。

ユーザー・インタフェースを使用したユーザーの追加

Oracle Stream Analyticsのアプリケーション・ユーザー・インタフェースを使用して、ユーザーを追加または作成できます。

新規ユーザーを追加する手順は、次のとおりです。

  1. 「システム設定」に移動します。

  2. 「ユーザー管理」タブで、「ユーザーの追加」をクリックします。

  3. 「ユーザー名」「パスワード」および「パスワードの確認」フィールドに詳細を入力し、「作成」をクリックします。「パスワード」フィールドと「パスワードの確認」フィールドの両方に必ず同じ値を入力してください。

    使用可能なユーザーのリストに、事前定義されたユーザーと一緒に新しいユーザーが表示されます。

要件に基づいて必要なユーザーの数だけこれらのステップを繰り返します。既存のユーザーと同じ名前のユーザーを追加しようとすると、「ユーザー名が<username>のユーザー・プロファイルはすでに存在します。別のユーザー名を指定してください。」というエラーが表示されます。

コードを使用したユーザーの追加

新規ユーザーを追加する手順は、次のとおりです。

  1. ターミナルを開いて、OSA-18.1.0.0.1に移動します。
    これは、zipインストーラを抽出したフォルダのトップレベル・フォルダです。
  2. 次のコマンドを実行します。
    java -cp ./lib/jetty-util-9.4.7.v20170914.jar org.eclipse.jetty.util.security.Password NewUser <password>

    ここで、NewUserは名前です(ユーザーの<password>が、不明瞭化または暗号化するパスワードの場合)。

    ターミナルに、次のような結果が表示されます。

    2018-02-22 17:26:31.259:INFO::main: Logging initialized @100ms to org.eclipse.jetty.util.log.StdErrLog <password> 
    OBF:1pbi1vn61unn1z7e1vu91ytc1o4u1o5s1yta1vv11z7o1uob1vnw1pcg 
    MD5:58d613129c5e71de57ee3f44c5ce16bc 
    CRYPT:NegJERR2H/a1M
    

    パスワード・ユーティリティの実行の詳細は、「Configuring Secure Password」を参照してください。

  3. OSA-18.1.0.0.0/osa-base/etc/jetty-osa-datasource.xmlで構成したデータベース・ユーザー資格証明を使用して、データベースに接続します。
  4. 次のいずれかのコマンドを使用して、osa_users表にレコードを挿入します。
    insert into osa_users (id,username,pwd) values (2,'NewUser','OBF:1pbi1vn61unn1z7e1vu91ytc1o4u1o5s1yta1vv11z7o1uob1vnw1pcg');

    または

    insert into osa_users (id,username,pwd) values (2,'NewUser','MD5:58d613129c5e71de57ee3f44c5ce16bc');

    または

    insert into osa_users (id,username,pwd) values (2,'NewUser','CRYPT:NegJERR2H/a1M');
  5. 次のいずれかのコマンドを使用して、osa_user_roles表にレコードを挿入します。
    insert into osa_user_roles (user_id, role_id) values (2,1);

    重要:

    現在のところ、Oracle Stream Analyticsでは、1つのユーザー・ロール(管理者ロール)のみがサポートされます。そのため、role_idの値は、常に1である必要があります。
これで、<password>を使用してNewUserとしてOracle Stream Analyticsにログインできます。必要なユーザーの数だけこれらの作成ステップを繰り返します。

パスワードの変更

ユーザー・インタフェースを使用したパスワードの変更

ユーザーのパスワードを変更するには:

  1. 「システム設定」に移動します。

  2. 「ユーザー管理」タブをクリックします。

  3. 使用可能なユーザーのリスト内で適切なユーザーの横にある「パスワードの変更」をクリックし、新しいパスワードの値を入力して「保存」をクリックします。

    パスワードは、MD5ハッシュ形式で格納されます。

コードを使用したパスワードの変更

ユーザーのパスワードを変更するには:

  1. アプリケーション・サーバー(Jetty)に付属するユーティリティを使用して、ユーザーの新しいパスワードを不明瞭化または暗号化します。
  2. osa_users表で関連するレコードを更新します。次に例を示します。
    update osa_users set pwd='CRYPT:NesIZC3VkNGN2' where username='NewUser';
    このコマンドにより、NewUserのパスワードが更新されます。
次回NewUserでログインしたときは、必ず更新したパスワードを使用してください。

ユーザーの削除

不要になったユーザーは、削除できます。

ユーザーの削除操作を進める前に、次のことに留意してください。

  • ドラフト・パイプラインを所有するユーザーが削除されると、そのパイプラインは、削除時の選択に基づいて現在のユーザーに移行されるか、削除されます。

  • 自分自身を削除しようとすると、確認後に自分のドラフト・パイプラインはすべて削除されます。現在のユーザー・セッションは無効化され、アプリケーションから即座にサインアウトされます。

ユーザー・インタフェースを使用したユーザーの削除

ユーザーを削除するには:

  1. 「システム設定」に移動します。

  2. 「ユーザー管理」タブをクリックします。

  3. 使用可能なユーザーのリスト内で適切なユーザーの横にある「削除」をクリックし、確認ダイアログで「OK」をクリックします。

コードを使用したユーザーの削除

ユーザーを削除するには:

  1. 次のコマンドを実行してユーザーを削除します。
    delete from osa_users where id=2;
    このコマンドにより、ID値が2のユーザー(データベース内の2番目のユーザー)が削除されます。
  2. 次のコマンドを実行して、前述のステップのユーザーに対応するユーザー・ロールを削除します。
    delete from osa_user_roles where user_id=2;

Oracle Stream Analyticsのシステム設定の構成

Oracleユーザー管理サービスのみ このトピックは、Oracleユーザー管理サービスにのみ適用されます。

管理者ロールを持つユーザーのみが、Oracle Stream Analyticsでシステム設定を設定できます。
システム設定を設定または更新するには:
  1. 画面の右上隅のユーザー名をクリックします。
  2. 「システム設定」をクリックします。
    「システム設定」ページが開きます。
  3. 「環境」をクリックします。
  4. Kafka Zookeeper、Yarnリソース・マネージャまたはSparkスタンドアロン、パス、HAネームノードがデプロイされて実行されるサーバー名およびURLを指定します。Hadoop認証は、オプションの設定です。

    system_settings_environment.pngの説明が続きます
    図system_settings_environment.pngの説明

    • Kafka Zookeeper接続 — 1つ以上のZookeeperサーバーが構成されるURL (カンマ区切り)。Kafkaは、内部トランスポートとして使用されます。

    • ランタイム・サーバーOracle Stream Analyticsインスタンスを実行するランタイム・サーバー

    • YARNリソース・マネージャURLYARN Resource Manager URL — YARNリソース・マネージャが構成されているURL (ランタイム・サーバーがYarnの場合)

    • Spark REST URL — SparkスタンドアロンのREST URL (ランタイム・サーバーがSparkスタンドアロンの場合)。Oracle Stream AnalyticsパイプラインをSparkに送信するには、すべてのSparkノードからアクセスできるストレージの場所にパイプラインをコピーする必要があります。

    • ストレージ — パイプラインのストレージのタイプ

    • パス — ストレージが存在する場所へのパス。このフォルダにアクセスするユーザーは、それに対する書込み権限を持っている必要があります。このパスのフォルダは、管理者が作成するか、実行時にOracle Stream Analyticsによって作成されます。

    • HAネームノード — 前述のURLのホスト名が論理HAクラスタを参照している場合、hostname1<port>, hostname2<port>などの形式でここに実際のネームノードを指定します。

    • Hadoop認証 — Hadoopクラスタで構成されている認証のタイプ。Oracle Stream Analyticsでは、簡易認証のみがサポートされます。

  5. 「パイプライン」をクリックします。Oracle Stream Analytics内でパイプラインの様々な設定を指定します。
    • バッチ期間 — 各パイプラインのバッチのデフォルト期間

    • エグゼキュータ数 — 各パイプラインのエグゼキュータのデフォルト数

    • エグゼキュータ当たりのコア — コアのデフォルト数。2以上の値が必要です。

    • エグゼキュータ・メモリー — 各エグゼキュータ・インスタンスのデフォルトの割当てメモリー(MB)

    • ドライバ当たりのコア — コアのデフォルト数

    • ドライバ・メモリー — 各ドライバ・インスタンスのデフォルトの割当てメモリー(MB)

    • 高可用性 — 各パイプラインのデフォルトのHA値をオンとオフで切り替えます

  6. 「プロキシ」をクリックします。適切なプロキシを設定すると、バックエンド・システムによってそれらの設定がRESTターゲットにアクセスするために使用されます。プロキシ設定は、ジオコード関連の空間パターンにも必要です。
  7. 「ユーザー管理」をクリックします。ここに、使用可能なユーザーのリストが表示されます。この画面でユーザーを追加または削除できます。
  8. 「保存」をクリックします。

    注意:

    Yarnクラスタでは、yarn.nm.liveness-monitor.expiry-interval-msに対して大きい値を設定しないようにしてください(10分のかわりに3000ミリ秒など)。このプロパティにより、ノード・マネージャが停止しているとみなされるまでの待機時間のデフォルト値が決定されます。このプロパティに大きい値を使用すると、イベントは処理されずに失われます。

ユーザー・プリファレンスの構成

Oracleユーザー管理サービスのみ このトピックは、Oracleユーザー管理サービスにのみ適用されます。

Oracle Stream Analyticsの特性は、ユーザーがこのページで設定するプリファレンスによって異なります。

一般

ユーザー・プリファレンスを設定または更新するには:

  1. 画面の右上隅のユーザー名をクリックします。

  2. 「プリファレンス」をクリックします。「プリファレンス」ページが開きます。

要件に応じて表示および設定できる一般プリファレンスのセットを指定します。

general_pref.pngの説明が続きます
図general_pref.pngの説明

開始ページ

「ホーム」ページ、「カタログ」ページまたは「パターン」ページをスタート・ページとして表示するかどうかを選択します。

通知

要件に応じて表示および設定できる通知プリファレンスのセットを指定します。

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図notifications_pref.pngの説明

情報通知の表示

情報通知がパイプラインに表示されるようにするには、このオプションを選択します。このオプションはデフォルトで選択されます。

情報通知期間(単位は秒)

通知が表示される秒数を選択します。デフォルト値は5です。

カタログ

要件に応じて表示および設定できるカタログ・プリファレンスのセットを指定します。

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図catalog_pref.pngの説明

デフォルト・ソート列

列がソートされる基準となる列を選択します。この値は、再び値を変更するまで、すべての列のデフォルトとして使用されます。

デフォルトのソート順

列がソートされる基準となる順序を選択します。この値は、再び値を変更するまで、すべての列のデフォルト値として使用されます。

デフォルト・ページ・サイズ

デフォルト・ページサイズとして使用される値を選択します。ページ上に表示されるレコードの数は、選択された値に基づいて異なります。この値は、再び値を変更するまで、すべてのページのデフォルトとして使用されます。

パイプライン

要件に応じて表示および設定できるパイプライン・プリファレンスのセットを指定します。

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図application_ua_pref.pngの説明

パイプライン・エディタでパイプラインのユーザー支援テキストを表示するには、「はい」を選択します。

ライブ出力ストリーム

要件に応じて表示および設定できるパイプライン・ライブ出力ストリーム・プリファレンスのセットを指定します。

パイプラインのライブ出力ストリームで、データのためのデフォルト表サイズとして適用する値を選択します。

タイムスタンプ

要件に応じて表示および設定できるパイプライン・タイムスタンプ・プリファレンスのセットを指定します。

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図preferences_timestamp.pngの説明

マップ

要件に応じて表示および設定できるマップ・プリファレンスのセットを指定します。

ジオ・フェンスのデフォルトのタイル層プリファレンスとして使用する値を選択します。

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図map_preferences.pngの説明