第3章 インストールと可用性
Unbreakable Enterprise Kernelリリース3 (UEK R3)は、x86-64アーキテクチャでのみサポートされています。
Oracle Linux 7
UEK R3は、Oracle Linux 7のフレッシュ・インストール時のデフォルトのブート・カーネルです。
Oracle Linux 6
UEK R3は、Red Hat互換カーネルまたは以前のバージョンのUnbreakable Enterprise Kernelで実行されている、Oracle Linux 6 Update 4以上にインストールできます。 まだそれらより古いバージョンのOracle Linuxを実行している場合は、最初にシステムを入手可能な最新の更新リリースに更新します。
Oracle Linux 6 Update 5 for x86-64以降、UEK R3はOracle Linux 6のフレッシュ・インストール時のデフォルトのブート・カーネルです。
前のバージョンのUnbreakable Enterprise Kernel (UEK R2)またはRed Hat互換カーネル(RHCK)を実行しているシステムは、いつでもUEK R3に切り替えることができます。 詳細は、次を参照してください:
カーネル・ソース・コード
カーネルのソース・コードは、公開されているgitソース・コード・リポジトリから入手できます。
https://oss.oracle.com/git/?p=linux-uek3-3.8.git
3.1 最新のUEKリリースへのアップグレード
現在UEK R3が実行されているシステムで最新のUEKリリースにアップグレードするには、次の手順を実行します。
正しいチャネルまたはリポジトリから更新を受け取るようにシステムが構成されていることを確認します。
Oracle Linux 7の場合は、ULNの
ol7_x86_64_UEKR3
チャネルまたはOracle Public Yumサーバーのol7_UEKR3
リポジトリにサブスクライブします。Oracle Linux 6の場合は、ULNの
ol6_x86_64_UEKR3_latest
チャネルまたはOracle Yum Serverのol6_UEKR3_latest
リポジトリのいずれかにサブスクライブします。カーネル・パッケージを含む、システム上のすべてのパッケージをアップグレードします。
#
yum update
デフォルトでは、ブート・マネージャにより最新のカーネル・バージョンが有効化されるため、GRUBまたはGRUB 2構成を変更する必要はありません。
システムを再起動します。
Oracle Linux 7:
#
systemctl reboot
Oracle Linux 6:
#
shutdown -r now
3.2 UEK R3 (ULN)へのOracle Linux 6システムの切替え
Oracle Unbreakable Linuxサポートのサブスクリプションがある場合、システムをUnbreakable Linux Network (ULN)に登録して追加のチャネルをサブスクライブすることによって、Unbreakable Enterprise Kernel (UEK R3)リリース3のパッケージを入手できます。
始める前に:
システムがULNに登録されていることを確認します。
ULNへの登録の詳細は、『Oracle® Linux: Unbreakable Linuxネットワーク・ユーザー・ガイドfor Oracle Linux 6およびOracle Linux 7』を参照してください。
システムがUEK R3をインストールするための要件を満たしていることを確認します。
詳細は、第3章「インストールと可用性」を参照してください。
次のステップには、UEK R3用のOpenFabrics Enterprise Distribution (OFED)ツールを使用するためにシステムを更新するステップも含まれてます。
ブラウザを使用して、https://linux.oracle.comで、システムの登録に使用したULNユーザー名とパスワードを使用してログインします。
「システム」タブで、登録されているマシンのリストで使用しているシステムのリンク名をクリックします。
「システム詳細」ページで、「サブスクリプションの管理」をクリックします。
「システム・サマリー」ページで、「使用可能なチャネル」リストから必要なチャネルを選択し、右矢印をクリックして「サブスクライブ済チャネル」リストに移動します。
カーネル・イメージとユーザー・スペースのパッケージは、次のULNチャネルで入手できます。
チャネル名とラベル
説明
Oracle Linux 6の最新版(x86_64)
ol6_x86_64_latest
最新の正誤表パッケージを含む、Oracle Linux 6 (x86_64)用にリリースされたすべてのパッケージ。(x86_64)。
Unbreakable Enterprise Kernel Release 3 for Oracle Linux 6 (x86_64) - 最新版
ol6_x86_64_UEKR3_latest
Oracle Linux 6 (x86_64)用Unbreakable Enterprise Kernelリリース3の最新パッケージ。
kernel-uek*
パッケージ、dtrace-modules-*
パッケージ、libdtrace-*
パッケージ、およびuname26
パッケージが含まれます。Oracle Linux 6 Dtrace Userspace Tools (x86_64) - 最新版
ol6_x86_64_Dtrace_userspace_latest
Oracle Linux 6 (x86_64)用DTraceユーザー・スペース・ツールの最新版。
dtrace-utils*
パッケージが含まれます。Oracle Linux 6 (x86_64)上のUnbreakable Enterprise Kernel用OFEDサポート・ツール・パッケージ
ol6_x86_64_ofed_UEK
Oracle Linux 6 (x86_64)上のUnbreakable Enterprise Kernel (UEK)用OpenFabrics Enterprise Distribution (OFED)サポート・ツール
MySQLおよびOracle Linux 6 (x86_64)用HA Utilities
ol6_x86_64_mysql-ha-utils
Oracle Linux 6上のMySQL HA用管理ユーティリティ。
drbd84-utils
パッケージが含まれます。少なくとも、
ol6_x86_64_latest
チャネルとol6_x86_64_UEKR3_latest
チャネルをサブスクライブする必要があります。 これらのチャネルは、Oracle Linux 6をULNに登録すると、デフォルトで有効化されます。注意ol6_x86_64_UEK_BETA
を選択しないように注意してください。最新のUEKカーネルに切り替える場合は、以前のUEK R2 (
ol6_x86_64_UEK_latest
)チャネルをサブスクライブする必要はありません。チャネルの選択を完了したら、「サブスクリプションの保存」をクリックし、ULNをログアウトします。
root
としてシステムにログインします。(オプション) UEK R3用Oracle OFEDパッケージをインストールします。
Oracle OFEDパッケージのインストールまたは更新を行う場合、あるいはOracle Linux 6の完全インストールDVDイメージから、またはULN上の
_base
や_latest
チャネルからインストールしたOFEDパッケージを置き換える場合にのみ、次のステップを実行します。Oracle OFEDパッケージは、x86_64プラットフォームでのみ使用できます。
システムがULNの
ol6_x86_64_ofed_UEK
チャネルをサブスクライブしていることを確認します。/etc/yum/pluginconf.d/rhnplugin.conf
を編集し、ファイルの末尾に次の行を追加します。[ol6_x86_64_ofed_UEK] priority=20
ol6_x86_64_UEKR3_latest
チャネルからyum-plugin-priorities
パッケージをインストールします。#
yum install yum-plugin-priorities
インストールされたパッケージよりも
ol6_x86_64_ofed_UEK
チャネル内のパッケージ・バージョン番号が低い場合は、すでにシステム上に存在する任意のOFEDパッケージをダウングレードします。次のように、yum --showduplicates listコマンドを使用してパッケージ・バージョン番号を確認できます。
#
yum yum --showduplicates list rdma
... Installed Packages rdma.noarch 6.6_3.15-1.0.1.el6 @ol6_u6_x86_64_base Available Packages rdma.noarch 3.6-1.0.5.el6 ol6_x86_64_ofed_UEK次のように、yum downgradeコマンドでパッケージをダウングレードします。
#
yum downgrade rdma
... Removed: rdma.noarch 6.6_3.15-1.0.1.el6 Installed: rdma.noarch 3.6-1.0.5.el6 Complete!ibutils-libs
パッケージを削除します(存在する場合)。#
yum remove ibutils-libs
次のように、必要に応じて
ol6_x86_64_ofed_UEK
チャネルからOracle OFEDパッケージをインストールします。#
yum install ibutils
カーネル・パッケージを含む、システム上のすべてのパッケージをアップグレードします。
#
yum update
デフォルトでは、ブート・マネージャにより最新のカーネル・バージョンが有効化されるため、GRUB構成を変更する必要はありません。
システムを再起動します。
#
shutdown -r now
3.3 Oracle Linux 6システムをUEK R3 (Oracle Yum Server)に切り替える
システムがULNに登録されていない場合は、追加のリポジトリにサブスクライブすることにより、Oracle Yum ServerからUnbreakable Enterprise Kernelリリース3(UEK R3)のパッケージのほとんどを入手できます。
開始する前に、システムがUEK R3をインストールするための要件を満たしていることを確認します(第3章「インストールと可用性」を参照してください)。
次のステップには、UEK R3用のOpenFabrics Enterprise Distribution (OFED)ツールを使用するためにシステムを更新するステップも含まれてます。
root
としてシステムにログインします。/etc/yum.repos.d
ディレクトリに移動します。#
cd /etc/yum.repos.d
注意この手順では、システム上のyumがデフォルトの
/etc/yum.repos.d
ディレクトリでリポジトリファイルを検索するように構成されていることを前提としています。次のように、既存のyumリポジトリ・ファイルをバックアップ・ファイルに移動します。
#
mv /etc/yum.repos.d/public-yum-ol6.repo /etc/yum.repos.d/public-yum-ol6.repo.bck
最新のOracle Linux 6リポジトリ構成ファイル(https://yum.oracle.com/public-yum-ol6.repoなど)をダウンロードします:
#
wget -O /etc/yum.repos.d/public-yum-ol6.repo https://yum.oracle.com/public-yum-ol6.repo
public-yum-ol6.repo
ファイルを編集して必要なリポジトリを有効化します。必要に応じて
enabled
ディレクティブの値を1または0に設定することで、ファイルのリポジトリを有効化または無効化します。カーネル・イメージ・パッケージとユーザー・スペース・パッケージは、次のOracle Yum Serverリポジトリで使用できます:
リポジトリ
説明
ol6_latest
最新の正誤表パッケージを含む、Oracle Linux 6(x86_64)用にリリースされたすべてのパッケージ。
ol6_UEKR3_latest
Oracle Linux 6用Unbreakable Enterprise Kernelリリース3の最新パッケージ。
kernel-uek*
パッケージ、dtrace-modules-*
パッケージ、libdtrace-*
パッケージ、およびuname26
パッケージが含まれます。ol6_ofed_UEK
Oracle Linux 6 (x86_64)上のUnbreakable Enterprise Kernel (UEK)用の最新のOFEDサポート・ツール。
少なくとも、
ol6_latest
リポジトリとol6_UEKR3_latest
リポジトリを有効にする必要があります。注意DTraceおよびDRBDユーティリティ・パッケージは、Oracle Yum Serverでは使用できません。
最新のUEKカーネルに切り替える場合は、以前のUEK R2 (
ol6_UEK_latest
)リポジトリを無効にできます。次の例では、
ol6_UEKR3_latest
リポジトリが有効化され、ol6_UEK_latest
リポジトリが無効化されます。[ol6_UEKR3_latest] name=Latest Unbreakable Enterprise Kernel for Oracle Linux $releasever ($basearch) baseurl=https://yum.oracle.com/repo/OracleLinux/OL6/UEKR3/latest/$basearch/ gpgkey=file:///etc/pki/rpm-gpg/RPM-GPG-KEY-oracle gpgcheck=1 enabled=1 [ol6_UEK_latest] name=Latest Unbreakable Enterprise Kernel for Oracle Linux $releasever ($basearch) baseurl=https://yum.oracle.com/repo/OracleLinux/OL6/UEK/latest/$basearch/ gpgkey=file:///etc/pki/rpm-gpg/RPM-GPG-KEY-oracle gpgcheck=1 enabled=0
(オプション) UEK R3用Oracle OFEDパッケージをインストールします。
Oracle OFEDパッケージのインストールまたは更新を行う場合、あるいはOracle Linux 6の完全インストールDVDイメージから、またはpublic yum上の
_base
や_latest
のリポジトリからインストールしたOFEDパッケージを置き換える場合にのみ、次のステップを実行します。Oracle OFEDパッケージは、x86_64プラットフォームでのみ使用できます。
システム上で
ol6_ofed_UEK
リポジトリが有効であることを確認します。ol6_latest
リポジトリからyum-plugin-priorities
パッケージをインストールします。#
yum install yum-plugin-priorities
インストールされたパッケージよりも
ol6_ofed_UEK
リポジトリ内のパッケージ・バージョン番号が低い場合は、すでにシステム上に存在する任意のOFEDパッケージをダウングレードします。次のように、yum --showduplicates listコマンドを使用してパッケージ・バージョン番号を確認できます。
#
yum yum --showduplicates list rdma
... Installed Packages rdma.noarch 6.6_3.15-1.0.1.el6 @ol6_u6_base Available Packages rdma.noarch 3.6-1.0.5.el6 ol6_ofed_UEK次のように、yum downgradeコマンドでパッケージをダウングレードします。
#
yum downgrade rdma
... Removed: rdma.noarch 6.6_3.15-1.0.1.el6 Installed: rdma.noarch 3.6-1.0.5.el6 Complete!ibutils-libs
パッケージを削除します(存在する場合)。#
yum remove ibutils-libs
次のように、必要に応じて
ol6_ofed_UEK
リポジトリからOracle OFEDパッケージをインストールします。#
yum install ibutils
カーネル・パッケージを含む、システム上のすべてのパッケージをアップグレードします。
#
yum update
デフォルトでは、ブート・マネージャにより最新のカーネル・バージョンが有効化されるため、GRUB構成を変更する必要はありません。
システムを再起動します。
#
shutdown -r now