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Oracle® TimesTen In-Memory Databaseイントロダクション
リリース18.1
E98637-03
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9 TimesTenの管理

この章の内容は次のとおりです。

TimesTenのインストール

TimesTen Scaleoutの場合、TimesTenは、最初の管理インスタンスのホストにTimesTenディストリビューションを解凍することで、Linuxシステムにインストールされます。次に、ttGridAdminユーティリティを使用して、グリッドに関係する他のホストにディストリビューションをコピーします。詳細は、Oracle TimesTen In-Memory Database Scaleoutユーザーズ・ガイドの第2章のTimesTen Scaleoutの前提条件とインストールを参照してください。

TimesTen Classicの場合、ディストリビューション・ファイルを解凍するとTimesTenがインストールされます。TimesTen Classicのインストールの詳細は、Oracle TimesTen In-Memory Databaseインストレーション、移行およびアップグレード・ガイドを参照してください。

アクセス制御

TimesTenは、特定の権限を持つユーザーのみが特定のTimesTen機能にアクセスできるように、アクセス制御とともにインストールされます。TimesTenアクセス制御では、標準SQL操作を使用して、特定の権限を持つTimesTenユーザー・アカウントを設定します。TimesTenには、オブジェクト・レベルのアクセス制御およびデータベース・レベルのアクセス制御が備えられています。

詳細は、Oracle TimesTen In-Memory Databaseセキュリティ・ガイドを参照してください。

コマンドラインによる管理

TimesTenのほとんどの管理タスクは、コマンドライン・ユーティリティを使用して実行します。次の表に、一般的なユーティリティの要約を示します。

名前 説明
ttAdmin TimesTen Classicでデータベースを管理するための一般的なユーティリティ。データベースをRAMから自動または手動でロードおよびアンロードするポリシー、およびキャッシュ・エージェントとレプリケーション・エージェントを起動および停止するポリシーを指定するために使用します。
ttBackupおよびttRestore TimesTen Classicでデータベースのバックアップ・コピーを作成し、後でリストアする際に使用します。
ttBulkCp TimesTen表とASCIIファイルとの間でデータを転送します。
ttGridAdmin グリッドの作成、データ・インスタンスまたは管理インスタンスの追加または削除、データベースの作成、新しいデータ・インスタンスへのデータの再分散など、TimesTen Scaleoutの管理に関するあらゆる側面を対象とした一般的なユーティリティ。
ttIsql Oracle SQL*Plusと同様に、コマンドラインからSQLを対話形式で実行するために使用されます。また、データベースの再構成と監視を行うための多数の管理コマンドを提供します。
ttMigrate TimesTenのメジャー・リリース間でデータベースの内容を移行するために使用します。
ttRepAdmin TimesTen Classicのレプリケーション・スキームのレプリケーション・スキームを監視するために使用します。
ttSize データベースの表に割り当てる領域の大きさを見積もります。
ttStats データベース・メトリック(統計、状態、その他の情報)を監視するために使用します。システム・スナップショットを自動的に取得し、メトリックのスナップショットを取得および比較します。
ttStatus TimesTenデータベースの現在の状態を説明する情報を表示するために使用します。
ttTraceMon TimesTenの内部トレース機能を有効または無効にするために使用します。
ttXactAdmin 各接続によって保持されるラッチのみでなく、未処理の各トランザクションの所有権、ステータス、ログおよびロックの情報をリストするために使用します。ttXactAdminユーティリティを使用すると、TimesTen Classicのユーザーは、XAトランザクション・ブランチをコミット、中断、または無視できます。

TimesTenの一般的な管理の詳細は、『Oracle TimesTen In-Memory Databaseオペレーション・ガイド』のTimesTenデータベースの管理に関する説明およびTimesTenデータベースのデータの使用に関する説明を参照してください。これらの章には、ODBC Administratorの使用方法が含まれています。

TimesTenレプリケーションの管理の詳細は、『Oracle TimesTen In-Memory Databaseレプリケーション・ガイド』を参照してください。

TimesTenユーティリティ(汎用とTimesTen Scaleout固有の両方)の詳細は、『Oracle TimesTen In-Memory Databaseリファレンス』を参照してください。

SQLによる管理

TimesTenでは、表、索引、ビュー、マテリアライズド・ビュー、シノニム、順序、ユーザーおよび権限の作成および管理などの管理アクティビティ用のSQL文が用意されています。TimesTen Classicには、レプリケーション・スキームおよびキャッシュ・グループを作成および管理するためのSQL文が用意されています。

管理者は、ttIsqlユーティリティ内でSQL文を実行できます。たとえば、データベース構造の情報を表示する組込みttIsqlコマンドがいくつかあります。


注意:

SQL文の完全なリストは、『Oracle TimesTen In-Memory Database SQLリファレンス』のSQL文に関する項を参照してください。

TimesTenは、ご使用のデータベースにおけるシステム表にメタデータ(ご使用のデータベースの内容に関する情報)を格納します。TimesTenには、SQLを使用して情報を問い合せることができるシステム・ビューも用意されています。

また、TimesTenには、データベースに関するメタデータ情報を取得するために問い合せることができるローカル(V$)またはグローバル(GV$)システム・ビューがいくつかあります。

  • V$ビュー: TimesTen Classicデータベースに関する情報、またはアプリケーションがTimesTen Scaleoutでアプリケーションが接続されている要素に関する情報を返すビュー。

  • GV$ビュー: GV$ビューは、V$ビューと同じタイプの情報を返しますが、返される情報が、TimesTen Scaleoutデータベースの各要素に関するV$ビューの内容が含まれるためにグローバルである、という点が異なります。

詳細は、『Oracle TimesTen In-Memory Databaseシステム表およびビュー・リファレンス』のシステム表およびビューに関する項を参照してください。

SQL Developer

Oracle SQL Developerは、データベース開発タスク用のグラフィカル・ツールです。SQL DeveloperはJavaアプリケーションであり、TimesTenデータベースへの直接リンクとクライアント/サーバー接続をサポートします。複数データベースへの接続がサポートされているため、SQL DeveloperユーザーはTimesTenとOracle Databaseのデータを同時に使用できます。

SQL Developerの詳細は、Oracle SQL Developer Oracle TimesTen In-Memory Databaseサポートのユーザーズ・ガイドを参照してください。

TimesTen Scaleoutの開発および管理の簡素化

SQL Developerを使用すると、TimesTen Scaleoutの開発および管理が容易になります。

  • グリッドおよびそのコンポーネントを作成、管理および探索します。

  • 特定のデータベース・オブジェクトを参照、作成、編集および削除します。

  • SQL文およびスクリプトを実行します。

  • データを操作およびエクスポートします。

  • レポートを表示および作成します。

  • データベース・メトリックを表示します。

詳細は、Oracle TimesTen In-Memory Database Scaleoutユーザーズ・ガイドのSQL Developerの使用によるTimesTen Scaleout使用を参照してください。

TimesTen Classicの開発および管理の簡素化

SQL Developerを使用すると、TimesTen Classicの開発および管理が容易になります。

  • データベース・オブジェクトおよびPL/SQLプログラムを参照、作成および管理します

  • キャッシュ・グループ処理を自動化します。

  • データを操作およびエクスポートします。

  • SQLおよびPL/SQLの文とスクリプトを実行します。

  • レポートを表示および作成します。

  • データベース・メトリックを表示します。

ODBC Administrator

ODBC Administratorは、データ・ソースの定義を作成、構成および削除するための、Windowsクライアントで使用するユーティリティ・プログラムです。これを使用して、データ・ソースの定義と接続属性の構成を行うことができます。

データベースの移行

TimesTen Scaleoutでは、データベースをTimesTen ClassicからTimesTen Scaleoutに移行できます。『Oracle TimesTen In-Memory Database Scaleoutユーザーズ・ガイド』のデータの移行、バックアップおよびリストアに関する説明を参照してください。

TimesTen Classicでは、ttMigrateユーティリティを使用し、古いリリースからデータをエクスポートして新しいリリースにインポートすることで、メジャー・リリース間でデータを移行できます(たとえば、TimesTen 11.2.2から18.1)。ttMigrateユーティリティは、データベース・オブジェクトをバイナリ・ファイルに保存し、バイナリ・ファイルからターゲット・データベースにオブジェクトをリストアすることによって、データベース・オブジェクトをアップグレードまたはダウングレードします。詳細は、Oracle TimesTen In-Memory Databaseインストレーション、移行およびアップグレード・ガイドのデータベースの移行に関する項を参照してください。

TimesTenのアップグレード

次の各項では、新しいリリースのTimesTenへのアップグレードのプロセスについて説明します。

TimesTen Scaleoutでのグリッドのアップグレード

グリッドのアップグレードは、TimesTenの新しいパッチ・リリースで提供されたインストール・ファイルをすべてのインスタンスが処理のために使用するよう徹底することを目的として構成されます。TimesTen Scaleoutのアップグレードの詳細は、『Oracle TimesTen In-Memory Database Scaleoutユーザーズ・ガイド』のグリッドのアップグレードに関する項を参照してください。

TimesTen Classicのオフライン・アップグレード

TimesTen Classicでは、オフライン・アップグレードは、ttInstanceModifyまたはttMigrateユーティリティを使用して実行します。

オフライン・アップグレードは、次の目的で使用できます。

  • パッチ・セットまたはパッチ・セット内のパッチ・レベルを適用し、ttInstanceModifyユーティリティを実行し、インスタンスおよびそのデータベースをアップグレードします。

  • 別のメジャー・リリースに移動する場合は、ttMigrateを実行してデータベースをフラット・ファイルにエクスポートしてから、ttMigrateを再度使用して新しいデータベースにデータをインポートする必要があります。

オフライン・アップグレードの実行中は、アプリケーションではデータベースを使用できません。通常、オフライン・アップグレードでは、アップグレードするデータベースの追加のコピー用として十分なディスク領域が必要になります。

詳細は、『Oracle TimesTen In-Memory Databaseインストレーション、移行およびアップグレード・ガイド』のTimesTen Classicのアップグレードに関する項を参照してください。

TimesTen Classicのオンライン・アップグレード

TimesTen Classicでは、レプリケーションを使用するとオンライン・アップグレードが可能になりますが、データベースとそのアプリケーションはそのまま稼働中でユーザーが使用できます。オンライン・アップグレードは、データベースの連続的な可用性が不可欠なアプリケーションに有効です。

新しいリリースへのデータベースのアップグレードは、データベースのレプリケートされる2つのコピーのいずれかからすべてのアプリケーションを切断して、以前のリリースのttMigrateユーティリティを使用してデータベースのバックアップを作成し、新しいリリースのttMigrateユーティリティを使用して新しいリリースのデータベースにバックアップをロードしてから、すべてのアプリケーションをアップグレード済のインスタンスのデータベースに再接続することで実行されます。

詳細は、『Oracle TimesTen In-Memory Databaseインストレーション、移行およびアップグレード・ガイド』のTimesTen Classicのアップグレードに関する項を参照してください。