この章では、TimesTen構成ファイルの属性について説明します。構成ファイルには、TimesTenインスタンスの属性と、それらの値が含まれています。
timesten.confファイルは、timesten_home/conf/timesten.confにあります。
構成ファイルの各行は、1つのname=valueペアで構成されています。
TimesTen Classicでは、これらの値は、インスタンスを作成するときに、様々なTimesTenユーティリティまたは接続属性を使用して、またはこのファイルを編集することによって変更できます。このファイルを編集して値を変更する方法の詳細は、『Oracle TimesTen In-Memory Databaseオペレーション・ガイド』のTimesTenデーモンの処理に関する項を参照してください。
TimesTen Scaleoutでこのファイルの値を変更するには、ttGridAdmin instanceConfigImportコマンドを使用します。詳細は、「インスタンス構成属性のインポート(instanceConfigImport)」を参照してください。構成ファイルを手動で編集しないでください。
構成ファイルの一部の属性は必須です。その他の属性はオプションです。
構成ファイルには、次の必須の属性が含まれています。
| 属性名 | 説明 | 属性値と型 | デフォルト値 |
|---|---|---|---|
instance_name |
TimesTenインスタンスの名前。
この属性は、クライアントのみのインスタンスの場合にはオプションです。 |
1から255文字のASCII名。 |
instance1 |
daemon_port |
このインスタンスのTimesTenデーモンがリスニングするポート番号。
TimesTenは、クライアントのみのインスタンスの場合にはこの属性を無視します。 |
有効なTCPポート番号。 | 6624 |
admin_user |
インスタンス・ホーム・ディレクトリのOS所有者と一致するインスタンス管理者のOSユーザー名。
このエントリは |
文字列 | なし |
admin_uid |
インスタンス管理者のOS uid番号。
このエントリは |
整数 | なし |
hostname |
インスタンスのOSホスト名。
このエントリは |
文字列 | なし |
instance_guid |
グローバル一意IDで、世界の他のどのインスタンスのIDとも異なることが保証されます。
このIDは、インスタンスの作成中に、TimesTenによって追加されます。 |
文字列 | なし |
構成ファイルには、次のオプションの属性を含めることができます。
| 属性名 | 説明 | 属性値と型 | デフォルト |
|---|---|---|---|
timesten_release |
インスタンス・ホームを作成し、インスタンス・ホームを使用できるリリース。 | TimesTenのリリース番号。 | インストールされたTimesTenのリリース番号。 |
client_only |
インスタンスがクライアント操作のみをサポートするかどうかを示します。
このエントリは |
YesまたはNo |
No |
tns_admin |
TimesTen Cache環境では、TimesTenがOracleデータベースと通信できるようにするためのTNS_ADMIN設定が含まれているディレクトリ。
この属性は、TimesTen Cache環境でのみ必須です。 このエントリは |
ディレクトリ | なし |
listen_addrおよび
|
listen_addrは、TimesTenデーモンおよびサーバーがリスニングするIPv4アドレスを示します。
デフォルトでは、TimesTenはIPv6をサポートしています。 |
文字列 | なし |
enableipv6 |
TimesTenがIPv6をサポートするように構成されているかどうかを示します。 | 1は、IPv6サポートが構成されていることを示します
|
1 |
supportlog |
TimesTenデーモン・ログ・ファイルの場所。 | 文字列 | timesten_home/ diag/ttmesg.log。 |
userlog |
TimesTenデーモンのユーザー・ログ・ファイルの場所。このファイルの場所は、ttDaemonLogユーティリティを使用して変更できます。 |
文字列 | timesten_home/diag/tterrors.log。 |
max_support_log_files |
TimesTenメイン・デーモンは、指定されたサイズに達すると自動的にファイルを入れ替えます。
この属性では、保持するデーモン・ログ・ファイルの最大数を指定します。 |
整数 | 10 |
max_user_log_files |
TimesTenメイン・デーモンは、指定されたサイズに達すると自動的にファイルを入れ替えます。
この属性では、保持するユーザー・ログ・ファイルの最大数を指定します。 |
整数 | 10 |
max_support_log_size_mb |
TimesTenデーモン・ログ・ファイルの最大サイズ。 | 整数 | 100 MB |
max_user_log_size_mb |
TimesTenデーモンのユーザー・ログ・ファイルの最大サイズ。 | 整数 | 10 MB |
daemon_log_snippet_interval_in_mins |
クリティカル・イベントに対するデーモン・ログ収集の期間。期間の粒度は分単位です。最小値は1分です。 | 整数 | 10 |
show_date |
すべてのデーモン・ログ・エントリおよびユーザー・ログ・エントリで日付を付加するかどうかを示します。
1は、ユーザー・ログ・ファイルおよびデーモン・ログ・ファイルのすべてのレコードに日付を付加することを示します。 0は、ユーザー・ログ・ファイルおよびデーモン・ログ・ファイルのすべてのレコードに日付を付加しないことを示します。 |
1または0 |
1 |
server_port |
インスタンスをサーバーに関連付ける場合に、このインスタンスのTimesTenサーバーがリスニングするポート番号。 | 有効なTCPポート番号。 | 6625 |
facility |
デーモン・ログがsyslogに送信される場合、使用する機能。
nameに指定できる値は、 値は、 |
文字列 | なし |
server_stack_size |
クライアント・サーバー・スタック・サイズ。
値は、ServerStackSize接続属性によって設定され、変更できます。 |
整数 | 768KB |
servers_per_dsn |
クライアント・サーバー実装のためのDSNごとのサーバーの数。
値は、ServersPerDSN接続属性によって設定され、変更できます |
整数 | 1 |
max_conns_per_server |
各TimesTenサーバーのクライアント・サーバー接続の最大数。
値は、MaxConnsPerServer接続属性によって設定され、変更できます |
整数 | 1 |
server_pool |
TimesTenサーバーが事前に生成して予約プールに保持するプロセスの数。
指定しない場合、プロセスは事前に生成されません。 値は、MaxConnsPerServer接続属性によって設定されます |
事前に生成するプロセスの数を示す整数 | なし |
allow_network_files |
NFSマウントされたシステムでのデータ・アクセスが許可されているかどうかを示します。
デフォルトでは、TimesTenシステムは、NFSマウントされたシステムを介してデータにアクセスすることはできません。 Linux x86およびSolarisの場合は、NFSマウントされたシステム上のチェックポイントおよびトランザクション・ログ・ファイルにアクセスできます。 1は、NFSマウントされたシステムでのデータ・アクセスが許可されていることを示します。 0は、NFSマウントされたシステムでのデータ・アクセスが許可されていないことを示します。 詳細は、Oracle TimesTen In-Memory Databaseオペレーション・ガイドのチェックポイントおよびトランザクション・ログ・ファイルのためのNFSマウントされたシステムの使用を参照してください。 TimesTenは、Linux x86およびSolaris以外のプラットフォームではこの属性を無視します。 |
1または0 |
0 |
server_shmipc |
TimesTenサーバーが共有メモリーIPCを使用するかどうかを示します。
詳細は、『Oracle TimesTen In-Memory Databaseオペレーション・ガイド』のクライアント/サーバーIPCの共有メモリーの使用に関する説明を参照してください。 |
1または0 |
1 |
server_shmsize |
共有メモリーIPCのサイズ。 | 整数 | 64 MB |
min_subs |
TimesTenが生成するサブデーモンの最小数。
TimesTenメイン・デーモンは、必要に応じてサブデーモンを動的に生成します。 |
整数 | 4 |
max_subs |
TimesTenが生成するサブデーモンの最大数。
TimesTenメイン・デーモンは、必要に応じてサブデーモンを動的に生成します。 |
整数 | 50 |
enable_policy_inactive |
1は、失敗が多すぎてデータベースを自動的にロードできない場合には、TimesTenがデータベースを「policy inactive」モードにすることを示します。これはデフォルトです。
詳細は、『Oracle TimesTen In-Memory Databaseオペレーション・ガイド』のRAMポリシーの指定に関する説明を参照してください。 |
1または0 |
1 |
noserverlog |
クライアント・アプリケーションに対する接続および切断のロギングをオフにします。
|
1または0 |
1 |
replication_cipher_suite |
レプリケーション・エージェントとの間の通信の暗号化に使用される暗号スイート。この設定は、レプリケーションにTLSを使用している場合に必要です。 | 文字列 | なし |
replication_wallet |
ウォレット・ディレクトリ(生成した証明書を配置したディレクトリ)へのパスを指定します。この設定は、レプリケーションにTLSを使用している場合に必要です。TimesTenインスタンスごとに同じ場所とディレクトリ名を使用することをお薦めしますが、必須ではありません。 | パス名 | なし |
replication_ssl_mandatory |
TimesTenインスタンス間で一貫性のあるTLS構成を持つ必要があるかどうか(具体的には、replication_cipher_suiteおよびreplication_wallet設定によりTLSが構成されているかどうか、および指定されている暗号スイート)を指定します。現在のインスタンスとレプリケーションピア間に不一致があると、TimesTenの動作は次のように決定されます。
|
1または0 |
1 |
noserverlog |
クライアント・アプリケーションに対する接続および切断のロギングをオフにします。
|
1または0 |
1 |
client_cipher_suitesおよびserver_cipher_suites |
使用できる暗号スイートがリストされます。
クライアント/サーバー接続にTLSを使用している場合、これらの設定が必要です。両方の設定を行う必要があります。クライアントの TLSを使用するには、サーバーおよびクライアント設定に1つ以上の共通スイートが含まれている必要があります。詳細は、Oracle TimesTen In-Memory Databaseセキュリティ・ガイドのTimesTen Client/ServerのTransport Layer Securityに関する項を参照してください。 |
文字列 | なし |
server_encryption |
クライアント・サーバー接続で暗号化を必須にするかどうかを指定します。詳細は、Oracle TimesTen In-Memory Databaseセキュリティ・ガイドのTimesTen Client/ServerのTransport Layer Securityに関する項を参照してください。 | 文字列 | Accepted |
client_walletおよび |
ウォレット・ディレクトリ(生成した証明書を配置したディレクトリ)へのパスを指定します。
クライアント/サーバー接続にTLSを使用している場合、これらの設定が必要です。どちらの属性も設定する必要があります。 詳細は、Oracle TimesTen In-Memory Databaseセキュリティ・ガイドのTimesTen Client/ServerのTransport Layer Securityに関する項を参照してください。 |
パス名 | なし |
ssl_client_authentication |
TLSクライアント認証が必要(1の設定)であるか不要(デフォルトの0の設定)であるかを指定します。クライアント認証を使用する場合、サーバーはクライアントから提示されたアイデンティティを検証し、クライアント・ウォレット内のアイデンティティ(公開キーまたは秘密キー)を要求します。クライアント認証の設定にかかわらず、サーバー認証が実行され、クライアントがサーバーを検証します。詳細は、Oracle TimesTen In-Memory Databaseセキュリティ・ガイドのTimesTen Client/ServerのTransport Layer Securityに関する項を参照してください。 | 1または0 |
1 |