多くのEnterprise Managerコンポーネントでは、エラー、通知、警告およびトレースを記録するメッセージが記載されたログ・ファイルが生成されます。
表28-1に、「ログ・メッセージ」表の列を示します。コンポーネントによっては、メッセージでオプションの列は移入されない場合があります。
表28-1 メッセージの列
列名 | 説明 |
---|---|
時間 |
メッセージが生成された日時。ローカル・タイムゾーンが反映されます。 |
メッセージ・タイプ |
メッセージのタイプ。使用可能な値は、Incident Error Warning、NotificationおよびTraceです。さらに、タイプが不明な場合は、値「不明」が使用されることもあります。 |
メッセージID |
コンポーネント内でメッセージを一意に識別するID。IDは、コンポーネントを示す接頭辞、およびそれに続くダッシュと5桁の数値で構成されます。次に例を示します。 OHS-51009 |
メッセージ |
エラー・メッセージのテキスト |
ターゲット(拡張) |
拡張ターゲットの名前。 |
ターゲット |
ターゲット名 |
ターゲット・タイプ |
ターゲット・タイプ |
実行コンテキスト |
実行コンテキストID (ECID)。生成コンポーネントが関与する特定のリクエストの実行のグローバル一意識別子。ECIDは、別のコンポーネントで発生したエラー・メッセージの関連付けに使用できます。 関係ID。同じリクエストについて、1つのプロセスの1つのスレッドで実行された作業を、同じまたは別のプロセスの別のスレッドで実行された作業と識別します。 |
コンポーネント |
メッセージの生成元のコンポーネント。 |
モジュール |
メッセージの生成元のモジュールの識別子。 |
インシデントID |
このメッセージが対応しているインシデントの識別子。 |
インスタンス |
メッセージを生成したコンポーネントが属するOracleインスタンスの名前。 |
メッセージ・グループ |
このメッセージが属しているグループの名前。 |
メッセージ・レベル |
メッセージ・レベル。メッセージ・タイプを限定する整数値で示されます。指定できる値は、1 (最高の重大度)から32 (最低の重大度)までです。 |
ホストするクライアント |
このメッセージが関係するクライアントまたはセキュリティ・グループの識別子。 |
組織 |
作成元のコンポーネントの組織ID。このIDは、すべてのOracleコンポーネントで |
ホスト |
メッセージを生成したホストの名前。 |
ホストIPアドレス |
メッセージを生成したホストのネットワーク・アドレス。 |
ユーザー |
メッセージを生成した実行コンテキストを所有するユーザーの名前。 |
プロセスID |
メッセージを生成したプロセスまたは実行ユニットのID。 |
スレッドID |
メッセージを生成したスレッドのID。 |
アップストリーム・コンポーネント |
クライアント(アップストリーム)側で、アップストリーム元のコンポーネントが処理しているコンポーネント。 |
ダウンストリーム・コンポーネント |
サーバー(ダウンストリーム)側で、ダウンストリーム元のコンポーネントが処理しているコンポーネント。 |
詳細な位置 |
メッセージに関連する追加情報にリンクするURL。 |
追加詳細 |
イベントの追加情報で、メッセージ・テキストより詳細な情報が含まれます。 |
アーカイブ |
値は「はい」または「いいえ」です。チェックボックスが選択されている場合、メッセージはアーカイブの場所から収集されます。それ以外の場合は、メッセージはライブ・システムから収集されます。 |
ターゲット・ログ・ファイル |
このターゲットのログ・ファイル・ページへのリンク。 |
ログ・ファイル |
このメッセージを含むログ・ファイル。 |
ログ・ビューアを使用して、次のことを実行できます。
Enterprise Manager Cloud Controlを使用して、ログ・ファイル全体のメッセージを表示できます。
特に、ファームまたはドメインのコンテキスト内で移動する場合、表示および検索できるログは、そのファームまたはドメインに関連付けられたもののみに絞り込まれます。「エンタープライズ」メニューを経由して「ログ」に移動した場合、ログを表示および検索するターゲットを正確に選択できます。ドメインまたはファーム全体にわたる複数のWebLogic Serverターゲットなどを選択することもできます。
たとえば、ログ・ファイルとそのメッセージを表示するには、次の手順に従います。
ログ・メッセージの表示を試行したときに次のエラーが表示されることがあります。
ロギング構成が設定されていないか、ターゲットに無効な値が設定されています()。また、これらのターゲットが稼働しており、EMユーザーに該当するドメインでのCONFIGURE_TARGET権限があることを確認してください。
問題解決のためにどの方法を使用するかを確認するには、次の3つから選択します。
ドメインの管理サーバーが停止しています。問題を解決するには、管理サーバーを起動してログ・メッセージの表示を再試行します。
ログ・メッセージの表示を試行した管理対象サーバーが停止しています。問題を解決するには、管理対象サーバーを起動してログ・メッセージの表示を再試行します。
Enterprise Manager Cloud Control管理者がログ・メッセージへのアクセスを試行しましたが、必要なターゲット権限がありません。ログ・メッセージを表示するには、管理者に、該当するWebLogicドメイン・ターゲットに対するターゲット権限「ターゲットの構成」が付与されている必要があります。Oracle Enterprise Managerサイト管理者またはスーパー管理者に、この権限がユーザー自身に付与されているかどうかを問い合せてください。
Oracle Enterprise Manager Cloud Controlで、「ログ・メッセージの表示」メニュー項目、および該当する機能へのアクセス権を持つ管理者を制限できます。ターゲット権限「Fusion Middlewareのログを表示する権限」は管理者またはロール(あるいはその両方)に付与できます。このターゲット権限は、すべてのOracle Fusion Applications関連およびOracle Fusion Middleware関連のターゲット・タイプに適用できます。このターゲット権限は、自動的に他のターゲット権限(「Fusion Middlewareのオペレータ」、「オペレータ」および「完全」)の一部として含まれます。したがって、管理者に次のいずれかの権限を付与し、その管理者はOracle Fusion Applications関連およびOracle Fusion Middleware関連のログ・ファイルに対するログ・メッセージを表示できるようになります。
Fusion Middlewareのログを表示する権限ターゲット権限
「Fusion Middlewareのオペレータ」ターゲット権限
「オペレータ」ターゲット権限
「完全」ターゲット権限
Fusion Middlewareログ表示を可能にするターゲット権限を管理者に付与するには、次の手順に従います。
WebLogic Serverのカスタム・ログ・ファイルを追加して、これらのログ・ファイルおよびメッセージがEnterprise Managerログ・ビューアに表示されるようにすることが必要になる場合があります。Enterprise Managerでは、ログ・ビューアのユーザー・インタフェースを使用したカスタム・ログ・ファイルの追加はサポートされていませんが、Enterprise Managerの外部で追加する方法があります。
通常は、ODL LogQueryMBeanによって、Weblogic ServerログおよびWeblogic Serverに関連付けられたlogging.xmlファイルに定義されているODLログ・ファイルが自動的に検出されます。ただし、追加のログ・ファイルをODL LogQueryMBeanに登録すると、Enterprise Managerログ・ビューアから表示またはダウンロードできるようになります。
新しいログ・ファイルを登録する場合は、2つの方法があります。
ファイルのコンテンツの解析に使用できる、関連付けられているLogReaderにログ・ファイルを登録できます。この場合、ファイルのコンテンツは、メインの「ログ・メッセージ」ページから表示および検索できます。
ログ・ファイルへのパスを登録できます(ただし、ファイルのコンテンツを解析するLogReaderは指定しないでください)。この場合、ファイルのコンテンツは、メインの「ログ・メッセージ」ページから表示および検索できませんが、「ターゲット・ログ・ファイル」ページからファイルのRAWコンテンツを表示したり、そのコンテンツをダウンロードできます。
1つ以上の追加のログ・ファイルを登録するために、次のディレクトリの下にファイルを作成できます。
DOMAIN_HOME/config/fmwconfig/servers/SERVER_NAME/diagnostics-registration
ファイルには.xml接尾辞と次のようなコンテンツが必要です。
<?xml version='1.0' encoding='UTF-8'?> <logs xmlns='http://www.oracle.com/iAS/EMComponent/ojdl'> <log path="/home/oracle/mylogs/my-odl-diagnostic.log"> <logreader class="oracle.core.ojdl.reader.ODLLogReaderFactory"> </logreader> </log> </logs>
この場合、ファイルはODLファイルで、LogReaderに登録されます。ODL LogReader以外に、他の形式の読取りに使用できるいくつかの既存のログ・リーダーがあります。
次に示すように、ログ・リーダーがなくてもログを登録できます。
<?xml version='1.0' encoding='UTF-8'?> <logs xmlns='http://www.oracle.com/iAS/EMComponent/ojdl'> <log path="/home/oracle/mylogs/my-other-diagnostic.log"/> </logs>
ログ・パスで変数またはワイルドカードを使用できます。ワイルドカードは「%*%」で示し、変数は「%NAME%」の形式です。パスで同じ変数を複数回使用する場合は、まったく同じ値にする必要があります。変数を1回のみ使用する場合は、ワイルドカードのように動作します。
この方法で登録されたすべてのログ・ファイルは、Enterprise Managerでサーバー・ターゲットに関連付けられます。
ログ・メッセージ・ページを使用して、診断メッセージを検索できます。デフォルトでは、このページには、最後の10分間に記録された問題のサマリーが表示されます。
検索基準は、適合度の高いメッセージが特定されるように変更できます。検索結果を別のモードで表示すると、大量のデータを簡単にナビゲーションできます。
次の各項では、ログ・ファイルの検索方法を説明します。
特定のドメイン、Oracle WebLogic Server、コンポーネントまたはアプリケーションのすべてのエンティティのすべてのメッセージを検索できます。
たとえば、特定のドメインのメッセージを検索する手順は次のとおりです。
検索基準は、「ログ・メッセージ」ページの次のコントロールを使用して絞り込むことができます。
メッセージ: 「次を含む」などの演算子を選択し、比較する値を入力できます。
フィールドの追加: クリックすると、ホストなどの追加の基準を指定して、検索範囲を特定のホストに絞り込むことができます。次に、「追加」をクリックします。
追加したフィールドのそれぞれに、「次を含む」などの演算子を選択し、比較する値を入力します。
選択したターゲット: これを開くと、検索に関与するターゲットが表示されます。ターゲットを追加するには、「追加」をクリックして、ダイアログ・ボックスに情報を入力します。ターゲットを削除するには、ターゲットを選択して「削除」をクリックします。
アーカイブ・ログの検索: このチェック・ボックスからログ・ビューアへのアクセスを可能にします。これらは「アーカイブの場所の構成」ページで構成した、複数のターゲットに対するアーカイブ・ログ・ファイルの場所です。
注意:
「アーカイブ・ログの検索」チェック・ボックスは、スタンドアロンのOracle HTTP Serversには適用されません。
ログ・メッセージをファイルにダウンロードできます。検索で一致したメッセージまたは特定のログ・ファイル内のメッセージをダウンロードできます。
検索で一致したメッセージをファイルにダウンロードするには:
「エンタープライズ」メニューから、「モニタリング、「ログ」の順に選択します。
または
「ターゲット」メニューから、「ミドルウェア」を選択し、ドメインを選択します。「ファーム」メニューから、「ログ」を選択し、「ログ・メッセージの表示」を選択します。
「ログ・メッセージ」ページが表示されます。
「ログ・ファイルの検索: 基本検索」の説明に従って、特定のメッセージ・タイプを検索します。
「メッセージをファイルにエクスポート」をクリックしてファイル・タイプを選択し、次のいずれかを選択します。
Oracle診断ログ・テキスト(.txt)として
Oracle診断ログXML (.xml)として
カンマ区切りリスト(.csv)として
「オープン中」ダイアログ・ボックスが表示されます。
次を使用してオープンまたはディスクに保存を選択します。「OK」をクリックします。
特定のタイプのメッセージ、または特定のメッセージIDのメッセージをファイルにエクスポートする手順は次のとおりです。
「エンタープライズ」メニューから、「モニタリング、「ログ」の順に選択します。
または
「ターゲット」メニューから、「ミドルウェア」を選択し、ドメインを選択します。「ファーム」メニューから、「ログ」を選択し、「ログ・メッセージの表示」を選択します。
「ログ・メッセージ」ページが表示されます。
「ログ・ファイルの検索: 基本検索」の説明に従って、特定のメッセージ・タイプを検索します。
「表示」で「メッセージ・タイプ別グループ」または「メッセージID別グループ」を選択します。
メッセージをファイルにダウンロードするには、「メッセージ・タイプ別グループ」を選択した場合、列のいずれか(「エラー」列など)で、メッセージ数をリスト表示するリンクを選択します。「メッセージID別グループ」を選択した場合、「発生」列のリンクのいずれかを選択します。
「メッセージ、タイプ別」ページまたはメッセージID別のメッセージが表示されます。
「メッセージをファイルにエクスポート」の近くにある矢印をクリックし、ファイル・タイプを選択します。
次のいずれかを選択できます。
Oracle診断ログ・テキスト(.txt)として
Oracle診断ログXML (.xml)として
カンマ区切りリスト(.csv)として
「オープン中」ダイアログ・ボックスが表示されます。
次を使用してオープンまたはディスクに保存を選択します。「OK」をクリックします。
特定のコンポーネントのログ・ファイルをダウンロードするには: