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Oracle® Enterprise Manager Cloud Control基本インストレーション・ガイド
13c リリース3
E98537-01
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3 Enterprise Manager Cloud Control用のオペレーティング・システム・グループおよびユーザーの作成

この章では、Enterprise Manager Cloud Controlをインストールするために必要なオペレーティング・システムのグループとユーザーを作成する方法を説明します。 この章の具体的な内容は次のとおりです。

3.1 Enterprise Manager Cloud Controlのインストールに必要なオペレーティング・システム・グループおよびユーザーについて

すべてのインストール・タイプには、次のオペレーティング・システム・グループおよびユーザーが必要です。

  • Oracleインベントリ・グループ(通常はoinstall)

    システムに初めてOracleソフトウェアをインストールする際に、このグループを作成する必要があります。このグループに対して選択されるデフォルト名は、oinstallです。このグループは、システムにインストールされたすべてのOracleソフトウェアのカタログであるOracleインベントリを所有します。

    注意:

    システムにOracleソフトウェアがすでにインストールされている場合、既存のOracleインベントリ・グループは、他のOracleソフトウェアのインストールに使用するオペレーティング・システム・ユーザーのプライマリ・グループである必要があります。

  • Oracleソフトウェア所有者ユーザー(通常はoracle)

    Oracleソフトウェアをシステムに初めてインストールする場合は、このユーザーを作成する必要があります。このユーザーはインストール時にインストールされる全ソフトウェアの所有者となります。このユーザーには、プライマリ・グループとしてOracleインベントリ・グループを指定する必要があります。

    注意:

    Oracleドキュメントでは、このユーザーのことをoracleユーザーと呼びます。

システム上のOracleソフトウェアの全インストールに対して、単一のOracleインベントリ・グループが必要です。初回インストール後は、そのシステムへの以降のすべてのOracleソフトウェア・インストールに、同一のOracleインベントリ・グループを使用する必要があります。

注意:

ご使用のオペレーティング・システムがMicrosoft Windowsの場合、次が順守されていることを確認します。
  1. OMSユーザー・アカウントに、オペレーティング・システムの一部として動作し、プロセスのメモリー割当て制限を調整し、プロセス・レベル・トークンを置換し、バッチ・ジョブとしてログオンする権限があること。OMSユーザー・アカウントにこれらの権限があるかどうかを確認するには、ローカル・セキュリティ・ポリシーを起動します。「スタート」 メニューから「設定」をクリックし、「コントロール パネル」を選択します。「コントロール パネル」ウィンドウから「管理ツール」を選択し、「管理ツール」ウィンドウから「ローカル セキュリティ ポリシー」を選択します。「ローカル セキュリティ ポリシー」ウィンドウで、ツリー構造から「ローカル ポリシー」を開き、「ユーザー権利の割り当て」を開きます。

  2. OMSユーザー・アカウントに、バッチ・ジョブを実行するための読取りおよび実行権限があること。これはMicrosoftからの制約事項です。この制約事項およびこれらの権限を付与する方法の詳細は、次のURLにあるMicrosoft Webサイトにアクセスしてください。

    http://support.microsoft.com/kb/867466/en-us

3.2 Enterprise Manager Cloud Controlのインストールに必要なオペレーティング・システム・グループおよびユーザーの作成

次の各項では、ローカル・ユーザーおよびグループの作成方法について説明します。

注意:

ローカル・ユーザーおよびグループを作成するかわりに、ネットワーク情報サービス(NIS)などのディレクトリ・サービスで適切なユーザーおよびグループを作成できます。ディレクトリ・サービスの使用方法の詳細は、システム管理者に問い合せるか、オペレーティング・システムのドキュメントを参照してください。

3.2.1 Enterprise Manager Cloud Control用のOracleインベントリ・グループの作成

Oracleインベントリ・グループが存在しない場合は、作成する必要があります。次の各項で、Oracleインベントリ・グループが存在する場合にその名前を判別する方法と、必要に応じてOracleインベントリ・グループを作成する方法について説明します。

3.2.1.1 Enterprise Manager Cloud Control用のOracleインベントリ・グループの存在の確認

システムに最初にOracleソフトウェアをインストールすると、oraInst.locファイルが作成されます。このファイルにより、Oracleインベントリ・グループの名前とOracleインベントリ・ディレクトリへのパスが識別されます。

Oracleインベントリ・グループが存在するかどうかを確認するには、次のコマンドを入力します。

$ more /etc/oraInst.loc

注意:

oraInst.locファイルは、Linuxおよびその他のプラットフォームの/etcディレクトリにあります。Solarisプラットフォームでは、/var/opt/oracle/にあります。

oraInst.locファイルが存在する場合、このコマンドによる出力は次のようになります。

inventory_loc=/u01/app/oracle/oraInventory
inst_group=oinstall

inst_groupパラメータは、Oracleインベントリ・グループの名前oinstallを示します。

3.2.1.2 Enterprise Manager Cloud Control用のOracleインベントリ・グループの作成

oraInst.locファイルが存在しない場合、またはOracleインベントリ・グループが異なる場合、次のコマンドを使用してOracleインベントリ・グループoinstallを作成します。

# /usr/sbin/groupadd oinstall

3.2.2 Enterprise Manager Cloud Control用のOracleソフトウェア所有者ユーザーの作成

次の場合、Oracleソフトウェア所有者ユーザーを作成する必要があります。

  • Oracleソフトウェア所有者ユーザーが存在しない場合。たとえば、システムにOracleソフトウェアを初めてインストールする場合です。

  • Oracleソフトウェア所有者ユーザーが存在するが、新しいOracle Database環境では、別のオペレーティング・システム・ユーザー(異なるグループ・メンバーシップを持つ)を使用して、このグループにデータベースの管理権限を付与する場合

Oracleソフトウェア所有者を作成するには、次の各項に示す手順に従います。

3.2.2.1 Enterprise Manager Cloud Control用のOracleソフトウェア所有者ユーザーの存在の確認

oracleというOracleソフトウェア所有者ユーザーが存在するかどうかを確認するには、次のコマンドを実行します。

$ id oracle

oracleユーザーが存在する場合、このコマンドによる出力は次のようになります。

uid=440(oracle) gid=200(oinstall) groups=201(dba),202(oper)

ユーザーが存在する場合、既存のユーザーを使用するか、または他のoracleユーザーを作成するかを決定します。

注意:

既存ユーザーを使用または変更する前に、必要に応じて、システム管理者に連絡してください。

3.2.2.2 Enterprise Manager Cloud Control用のOracleソフトウェア所有者ユーザーの作成

Oracleソフトウェア所有者ユーザーが存在しないか、Oracleソフトウェア所有者ユーザーが新規に必要な場合、次の手順を使用して作成します。次の手順では、同じ名前のユーザーが存在する場合以外は、oracleというユーザー名を使用してください。

  1. oracleユーザーを作成するには、次のようなコマンドを入力します。

    # /usr/sbin/useradd -g oinstall oracle

    このコマンドで、-gオプションは、プライマリ・グループを定義します。プライマリ・グループは、oinstallなどのOracleインベントリ・グループである必要があります。

  2. oracleユーザーのパスワードを設定します。

    # passwd oracle

注意:

特にOracleソフトウェア・ライブラリを使用している場合は、すべてのOMSインスタンスで同じUIDを使用することをお薦めします。UIDが異なる場合、あるOMSで作成されたファイルは、別のOMSで変更できません。

3.2.2.3 Enterprise Manager Cloud Control用のOracleソフトウェア所有者ユーザーの変更

oracleユーザーは存在するが、そのプライマリ・グループがoinstallでない場合は、次のようなコマンドを入力してプライマリ・グループを変更します。-gオプションを使用してプライマリ・グループを指定します。

# /usr/sbin/usermod -g oinstall oracle