Oracle Traffic Director (Traffic Director)は、実際のコンテンツをホストするオリジン・サーバー(ホスト:ポートのペア)間の受信HTTP接続のロードバランスに使用されるソフトウェアレベルのロード・バランサです。
Traffic Directorには次の機能があります。
リバース・プロキシ: ロードバランシング・アルゴリズムを使用してサーバー間に受信トラフィックを分散させます。転送メカニズムは、URIと処理セッションに基づきます。
プロキシ・キャッシング: 頻繁にアクセスされるhtmlページを格納します。
Traffic Directorを使用して、仮想サーバー、リスナー、オリジン・サーバーおよびサーバー・プールの定義を含む構成を作成できます。この構成をホストのセットにデプロイします。同じ構成のインスタンスで構成が形成されます。
注意: 高可用性構成(アクティブ-パッシブまたはアクティブ-アクティブ)の場合、特定の構成では、Oracle Traffic Directorは2つのOTDインスタンスのみをサポートします。このため、Enterprise Manager Cloud Control 12.1.0.3以上では、モニタリング機能は、特定のOTD構成に対して最大2つのOTDインスタンスに制限されます。
仮想サーバーは、たとえばトラフィックの分散先のサーバー(オリジン・サーバーとプール)、リクエストをリスニングするIPアドレスとポート(リスナー)などのロードバランシング・プロパティを使用して構成される主要コンポーネントです。
したがって、Traffic Directorデプロイメントの標準的な階層では、Traffic Director構成は、ホストにデプロイされたインスタンスのセットで構成され、各インスタンスには、仮想サーバー、リスナー、プロキシ・キャッシュ、オリジン・サーバー、オリジン・サーバー・プールなどのコンポーネントが含まれます。
ターゲットのリストを次に示します。
Traffic Director構成
Traffic Director構成ターゲットには、構成と、仮想サーバー、プロキシ・キャッシュ、TCPプロキシ、オリジン・サーバー、サーバー・プールなどのコンポーネントに関する構成レベルのパフォーマンス・メトリックが含まれます。
Traffic Directorインスタンス
Traffic Directorインスタンスには同じコンポーネントに対するパフォーマンス・メトリックがありますが、インスタンス・レベルです。
Traffic Directorインスタンス・ターゲットは、ホスト上で実行中のTraffic Director構成のインスタンスのモニターに使用されます。このターゲットは、そのホスト上で実行中のインスタンスのパフォーマンス情報を示します。
この章の次の各項では、Traffic Directorを詳しく説明します。
詳細は、Oracle Traffic Director管理者ガイドを参照してください。
Traffic Directorを検出する前に、Traffic DirectorインスタンスをSNMPのモニタリング用に構成し、SNMPサブエージェントを起動する必要があります。
『Oracle Traffic Director管理者ガイド』のSNMPを使用したモニタリングの章を参照してください。具体的には、次の項で説明している手順を実行します。
注意:
Oracle Traffic Director12cの検出は、Oracle WebLogicドメイン検出の一部として自動的に実行されます。Cloud Controlへのドメインの追加の詳細は、Oracle Enterprise Manager Cloud Control管理者ガイドのWebLogicドメインの検出と追加を参照してください。
Traffic DirectorダッシュボードをExalogicターゲットに手動で追加するには、次の手順を実行します。
これで、「Traffic Director」リージョンが「Exalogic Elastic Cloud」ダッシュボード(「ソフトウェア」タブ)に表示されます。
構成は、同様の機能を持つOracle Traffic Directorインスタンスの構成の作成に使用されます。構成には主に、次の説明が含まれます。
受信トラフィックの転送先サーバー(オリジン・サーバーとサーバー・プール)
受信リクエストをリスニングするIPアドレスとポート(リスナー)
構成の作成時に実行する必要がある手順は次のとおりです。
1つのHTTP仮想サーバーを使用して構成が作成される必要があります。この仮想サーバーは、www.oracle.comのリクエストを受け付けるよう構成されます。
ポートが80に設定されたHTTPリスナーが作成される必要があります。
前述のhost:portの組合せを使用して2つのオリジン・サーバーが作成されます。
次に、この2つのサーバーを使用してサーバー・プールが作成され、仮想サーバーがこのサーバー・プールに関連付けられます。
エンティティが作成されたら、この構成がホストにデプロイされます。
構成ホーム・ページに表示されるパフォーマンス・メトリック、パフォーマンス情報またはパフォーマンス・サマリーは、構成レベルのものであり、つまりこのパフォーマンスは、構成インスタンスが実行されているホスト全体にわたるエンティティ・パフォーマンスの集計です。たとえば、構成ホーム・ページに表示される仮想サーバー・メトリックは、インスタンス・レベルでのメトリックの集計です。
Traffic Director構成ページには、次のリージョンがリストされます。
サマリー: 構成に関する一般的な情報(構成が起動されてから経過した時間、構成の可用性および構成のバージョンなど)が表示されます。また、Traffic Director管理コンソールへのリンクを使用して、Traffic Directorの構成およびモニターを直接実行できます。
さらに、「モニタリングと診断」セクションには、Traffic Directorに関連するインシデントがあるかどうかが示されます。インシデントとは、解決する必要がある問題を表すイベントです。何に注意する必要があるかを特定するには、インシデントをクリックします。
レスポンスと負荷
パフォーマンス
インスタンス
仮想サーバーとオリジン・サーバー
フェイルオーバー・グループ: 構成内のすべてのフェイルオーバー・グループを示します。ただし、インスタンス・ターゲット・ホーム・ページ内のフェイルオーバー・グループには、そのインスタンスが含まれるフェイルオーバー・グループのみが表示されます。
Exalogic: リージョンが追加されているExalogic Elastic Cloudターゲットに関連付けられているTraffic Directorインスタンスの情報が表示されます。
このリージョンに表示されているTraffic Directorインスタンス/構成に関する詳細情報を参照するには、リンクをクリックして、各ターゲット・ホーム・ページに移動します。
注意: Traffic Director構成の詳細を表示するには、「ターゲット」メニューから「構成」を選択し、次に「最新収集」を選択します。
Traffic Director構成をEnterprise Managerに手動で追加するには、次の手順を実行します。
次に示すページに入力します。
Traffic Directorの追加: 構成とインスタンスの検索ページを使用して、次の管理サーバーのプロパティを指定します。
管理サーバー・ホスト
Traffic Director管理サーバーが実行されているホストの名前。フィールドの端にある検索アイコンをクリックして、ホストを検索します。
注意:
ホストを選択すると、「エージェントURL」フィールドに値が自動的に移入されます。
管理サーバーSSLポート
管理サーバーのSSLポート。
ユーザー名
Traffic Director管理サーバーへのアクセスが許可されている管理者の名前。
パスワード
Traffic Director管理サーバーへのアクセスが許可されている管理者のパスワード。
SNMPポート
SNMPエージェントがリスニングを行うポート。すべてのTraffic Directorインスタンス・ホストのすべてのSNMPエージェントが、同じポートで実行中である必要があります。
Oracleホーム
Traffic Directorバイナリがインストールされているディレクトリ。
エージェントURL
管理サーバー・ホスト上で実行中の管理エージェントのURLを入力します。
接頭辞の設定
この設定の一意の識別子。このIDは、検出中のターゲットの名前に接頭辞として付加されます。
情報を指定し、「続行」をクリックすると、「確認」ポップアップが表示されます。
「確認」ポップアップで「閉じる」をクリックし、「続行」をクリックします。
表示される可能性のあるエラー・メッセージ
次は、入力した情報に誤りがある場合に表示される一般的なメッセージです。
原因: 通常、これは、入力したホストまたはポートが正しくないことを意味します。
「Traffic Directorの追加: 検出されたターゲット」画面には、検出されたTraffic Director構成およびインスタンスが、そのモニタリングに使用する管理エージェントとともに表示されます。
注意: この時点では、ターゲットは保存されていません。
「ターゲットの追加」をクリックして保存するか、「戻る」をクリックして、前の画面に戻り入力した詳細を確認します。
ページの表には、ターゲットとエージェントの割当てがリストされます。表には次のフィールドが含まれています。
名前: Traffic Director構成/インスタンスのターゲットの名前。
タイプ: 検出するターゲットのタイプ。検出されたターゲットのタイプには、Traffic Director構成およびTraffic Directorインスタンスが含まれます。
エージェントURL: ターゲットをモニタリングする管理エージェント。検出されるすべてのターゲットは、管理サーバーに配置された管理エージェントによってモニターされます。
検出後、仮想サーバー、オリジン・サーバー、インスタンスなどのエンティティのパフォーマンスをインスタンス・ホームページに表示できます。
インスタンス・ホームページに表示されるパフォーマンス(メトリックを示す表/チャート)はインスタンス・レベルで、メトリックは、そのインスタンスへ/からのデータ/トラフィックに基づいて計算されます。
このページには、Traffic Director構成ページの「インスタンス」リージョンでインスタンスをクリックしてアクセスします。
インスタンス・ホーム・ページに表示されるパフォーマンス・メトリック、パフォーマンス情報またはパフォーマンス・サマリーは、インスタンス・レベルです。
Traffic Directorインスタンス・ページには、次のリージョンがリストされます。
サマリー: インスタンスに関する一般的な情報(インスタンスが起動されてから経過した時間、インスタンスの可用性およびインスタンスのバージョンなど)が表示されます。また、Traffic Director管理コンソールへのリンクを使用して、Traffic Directorインスタンスの構成および管理を直接実行できます。
さらに、「モニタリングと診断」セクションには、Traffic Directorインスタンスに関連するインシデントがあるかどうかが示されます。インシデントとは、解決する必要がある問題を表すイベントです。何に注意する必要があるかを特定するには、インシデントをクリックします。
「サマリー」リージョンには、インスタンス、リソース使用率およびプロキシ・キャッシュの統計も含まれます。
レスポンスと負荷
CPU使用率およびメモリー使用量
仮想サーバーとオリジン・サーバー
フェイルオーバー・グループ: インスタンスが所属するフェイルオーバー・グループのみを表示します。
Exalogic: リージョンが追加されているExalogic Elastic Cloudターゲットに関連付けられているTraffic Directorインスタンスの情報が表示されます。「Exalogic」リージョンは、Exalogic Elastic Cloudターゲット・ホーム・ページを使用して追加できるリージョンです。
このリージョンに表示されているTraffic Directorインスタンス/構成に関する詳細情報を参照するには、リンクをクリックして、各ターゲット・ホーム・ページに移動します。
注意: Traffic Director構成の詳細を表示するには、「ターゲット」メニューから「構成」を選択し、次に「最新収集」を選択します。
構成作成後に、Traffic Director管理サーバーで新しく追加した構成またはインスタンスの新しいターゲットを追加することも、Traffic Director管理サーバーにすでに存在しない構成またはインスタンスに対応するターゲットを削除することもできます。
子の追加や削除を反映するようにターゲット・プロパティを変更することもできます。「構成」ターゲット・プロパティのみが、インスタンスの追加や削除を反映するよう変更されます。
このフローにアクセスするには、「Traffic Director構成」ターゲット・メニューから、「構成のリフレッシュ」を選択します。
注意: このフローでは、構成およびインスタンスが異なる設定接頭辞の下で検出された、すべてのTraffic Director管理サーバーに対応するターゲットを追加および削除します。
新規ターゲットを新しく追加した構成に追加するには、次の手順を実行します。
これで、新しい構成およびそのインスタンスのすべてのターゲットがリポジトリに保存され、モニターされるようになります。
新しく追加された構成のインスタンスの新規ターゲットを追加するには、次の手順を実行します。
これで、新しいインスタンスのすべてのターゲットがリポジトリに保存され、モニターされるようになります。
削除された構成のターゲットを削除するには、次の手順を実行します。
これで、削除された構成およびインスタンスのすべてのターゲットが、リポジトリから削除されました。
削除されたインスタンスのターゲットを削除するには、次の手順を実行します。
これで、すべての削除されたインスタンスに対応するすべてのターゲットが、リポジトリから削除されました。