この章では、SiebelプラグインでSiebel Enterpriseを監視および管理するときに発生する可能性がある次の一般的な問題について説明します。
問題
Siebel Enterpriseの検出に失敗したため、Enterprise Managerで対応するSiebel Enterpriseターゲットが作成されません。
考えられる原因
入力したSiebelゲートウェイの詳細が無効であるか、ゲートウェイ・マシンで構成ファイルを読み込むために必要な権限が管理エージェントにありません。
解決方法
検出事前チェックが正常に終了していることを確認します。エラーがある場合、エンタープライズ名を確認します。構成ファイルを確認し、Siebelターゲットが正しい場所に存在するか確認します。また、Gatewayサーバーの検出が正常に実行されているか確認します。
考えられる原因
(UNIXのみ) - 指定したポート番号が正しくありません。
解決方法
検出ページで指定したポート番号が、ゲートウェイ・サーバー用に構成したポート番号と一致していることを確認します。
問題
Siebel Enterpriseの検出は予想したとおりに機能しますが、一部のメトリックが収集されません。
考えられる原因
この特定のSiebel Enterpriseユーザーに指定したユーザー名とパスワードの資格証明が正しくありません。Siebelパフォーマンス・メトリックの多くは、取得するためにこれらの資格証明が必要であるため、正しくない資格証明を指定すると、それらのメトリックが収集されません。
解決方法
「Siebel」タブに進み、エンタープライズを削除し、検出プロセスを繰り返します。
考えられる原因
エージェントが、Siebelインストール・ディレクトリへのアクセス権またはSiebelユーティリティを実行するための権限を付与しない資格証明を使用しています。
解決方法
Siebelインストール・ディレクトリにアクセスでき、Siebelユーティリティ(srvrmgr
、query
など)を実行するために十分な権限を持っている資格証明をEnterprise Managerエージェントが使用していることを確認します。
考えられる原因
10.2.0.3エージェントの場合、SiebelClasspathFix.bat
またはsiebelClasspathFix.sh
ファイルが実行されていません(前提条件)。
解決方法
これらのファイルを実行して、jmxri.jar
およびempaAgent.jar
エントリを$AGENT_HOME
/sysman/config/classpath.lst
ファイルに追加する必要があります。各スクリプトを実行したら、エージェントを再起動します。
これは、10gR3についてのみ該当します。
問題
ビジネス・メトリックが収集されません。
考えられる原因
データベース・パスワードが定義されていません。
解決方法
対応するSiebel EnterpriseターゲットのSiebelデータベース・リポジトリ・ターゲット・ホームページに進み、そのページの「関連リンク」セクションにある「監視構成」をクリックします。「Siebelデータベース・ユーザー名」フィールドおよび「パスワード」フィールドに適切な値を入力します。
考えられる原因
(UNIXのみ) — Siebelデータベースからビジネス・メトリックを取得するSQL文を実行するために使用されるSiebelサーバーのsiebenv.sh
ファイルに、Oracle環境変数が追加されていません。
解決方法
適切なOracle環境変数をsiebenv.sh
ファイルに追加します。
問題
すべてのSarmQueryメトリックが0(ゼロ)です。
考えられる原因
Siebel 8.0より古いバージョンのSiebelが使用されており、Siebelサーバー・ホストで実行中の各エージェントの$ORACLE_HOME
/bin
ディレクトリにsarmqueryがコピーされませんでした。
解決方法
My Oracle Supportからsarmqueryをダウンロードし、Enterprise Managerエージェントのbinディレクトリに関連ファイルをコピーします。
考えられる原因
SARMパフォーマンス・メトリックを収集できるように、srvrmgr
を使用してSARMを有効にする必要があります。Siebelコンポーネントに対してSARMパラメータが構成されていないと、SARMデータは生成されません。
解決方法
「Enterprise ManagerでのSiebelの設定の前提条件」のステップ7 (SARMの有効化)の手順を実行します。
問題
Siebelファイル・システム・メトリックが収集されません。
考えられる原因
オペレーティング・システム・ユーザーのグループのみアクセスできるようにSiebelファイル・システムが定義され、エージェントがこのユーザー・グループに属さない場合、エージェントはそのファイル・システムに関する情報を取得できません。
解決方法
Enterprise ManagerエージェントがすべてのSiebelファイル・システム(ログ・ディレクトリ、インストール・ディレクトリおよびSiebelファイル・システム・ディレクトリ)にアクセスでき、少なくともSiebelファイル・システムへの読取り権限を持っていることを確認します。
問題
Enterprise Managerで表示されるコンポーネントのステータスが、srvrmgr
で利用できるステータスまたはパフォーマンスの数値と異なります。
考えられる原因
Enterprise Managerはある間隔でのみ(通常のメトリックは15分毎、可用性情報は5分毎) Siebelメトリックを収集します。このため、Enterprise Managerのユーザー・インタフェースに表示される情報は最大15分間srvmgr
と同期しない可能性があります。
回避策
ある期間、リアルタイム・モードで特定のメトリックを監視する場合は、そのSiebelターゲットの「すべてのメトリック」ページに進み、「実行時間」モードに変更します。
このモードでは、収集頻度が高くなるため、より正確な統計情報を追跡できます。
解決方法
個々のメトリックの収集頻度を変更できます。可用性メトリックをさらに頻繁に収集する場合は、Siebelキー・コンポーネントに対する収集頻度を変更できます。
問題
ビーコンがHIアプリケーションのステータスを正しくレポートしません。
トラブルシューティングのヒント
このエラーを上手にトラブルシューティングするには、ログ・エラー・ファイルのエラー・エントリを確認します。エラー・ファイルを生成するように環境が構成されていない場合は、次の変数を定義すると生成するように構成できます。
HISIEBEL_DEBUG_LOG-the log file name including the full path HISIEBEL_LOG_LEVEL-set the log level to DEBUG or ERROR
Siebelバージョンごとに1つ以上のビーコン・システムを使用することをお薦めします。
考えられる原因
1つのビーコンが複数の異なるSiebel環境にアクセスするとき、トランザクションの記録または再生は、最後にアクセスされたSiebel環境に対してのみ実行できます。
たとえば、あるビーコンがSiebel 7.0環境にアクセスし、後でSiebel 7.7環境にアクセスしようとすると、そのビーコンはSiebel 7.0環境に戻って新しいトランザクションを再生したり記録することができません。これは、各Siebelバージョンがクライアント・ホストに異なるCAB (Siebel)ファイルを登録し、最新の登録ファイルのみアクティブになるために発生します。
解決方法
Internet Explorerブラウザで、使用しない環境のCABファイルを削除します。Internet ExplorerでCABファイルを削除するには、次のようにします。
Internet Explorerを開き、「ツール」メニューに移動して、「インターネット オプション」を選択します。
「インターネット オプション」ウィンドウが表示されます。
ウィンドウの「インターネット一時ファイル」セクションに移動し、「設定」をクリックします。
「設定」ウィンドウが表示されます。
「オブジェクトの表示」をクリックします。
「Downloaded Program Files」ウィンドウが表示されます。
必要のないCABファイルを削除します。
考えられる原因
連続する記録セッションまたは再生セッションが進行中の場合、セッションはすでに進行中ページが表示され、記録セッションが終了します。このエラーはSiebel CASレイヤーの制限のために発生します。
解決方法
タイムアウト・パラメータを使用して、任意のサービス・テストが実行できる時間を制限し、長期にわたってプロセスがお互いに干渉しないようにテスト間で時間を配分します。
たとえば、13分毎に1分間実行するテストを設定し、17分ごとに1分間実行する別のテストを設定できます。
考えられる原因
HIアプリケーションのエージェント側のコンポーネントが正しくインストールされていません。
解決方法
次の手順を実行して、これらのコンポーネントが正しくインストールされていることを検証します。
emIEClient.exe
ファイルおよびemIElib.dll
ファイルがエージェントのbinディレクトリにあることを確認します。
regeditと入力してレジストリを開き、emIElib.dll
を検索します。エージェントのbinディレクトリ下の場所を指している必要があります。これは、インストールの一部としてdllが正しく登録されていることを示します。
問題
Siebel Enterpriseの検出で結果が得られません。
考えられる原因
検出プロセスは、vpd.propertiesファイルによって異なります。
Windows:
C:\WINDOWS\vpd.properties
Unix:
\var\adm\siebel\vpd.properties
このファイルが存在しないか破損していると、検出が正しく機能しません。
解決方法
vpd.propertiesが存在しない理由を確認してください。vpd.propertiesファイルのバックアップ・コピーを使用するには、同じディレクトリに配置する必要があります。あるいは、このファイルのダミーを作成します。
考えられる原因
vpd.propertiesファイルが複数のインストーラによって書き込まれています。インストーラに問題がある場合、Siebel Gateway Serverのインストールの配置に必要な情報がファイルからなくなっている可能性があるため、検出プロセスが失敗します。
解決方法
検出プロセスでSiebel Gateway Serverのインストールを検出できるように、エントリを手動で作成します。
考えられる原因
「Siebel Enterpriseの追加」ページで指定したエンタープライズ名が、指定したSiebelゲートウェイ・サーバーによって管理されるSiebel Enterprise名と一致しない場合、検出による結果が得られません。
解決方法
エンタープライズ名を再確認します。
考えられる原因
UNIXシステムの場合、Siebelゲートウェイ・サービスのポート番号の変更は、サポートされる構成オプションです。検出画面で正しくないポート番号を指定すると、検出プロセスでゲートウェイ・サーバーのインストールが認識されません。
解決方法
ゲートウェイのポート番号を再確認します。
考えられる原因
Siebelサーバー名にハイフンが使用される場合、ハイフンが使用されるサーバー名はSiebel製品でサポートされないため、このようなSiebelサーバーは検出プロセスで認識されません。SiebelサポートのWebサイトで命名規則に関するドキュメントを参照してください。
解決方法
Siebelサーバーを再インストールします。
問題
Siebel Enterpriseの検出が失敗し、内部エラーが発生します。
考えられる原因
Siebel Enterpriseの検出が機能するには、指定したSiebel Enterpriseに属するすべてのSiebelサーバーにエージェントをインストールする必要があります。(Siebel Enterpriseの全部分を監視する必要があるという考え方です。これは、各Siebelサーバー・システムにエージェントがある場合のみ可能です。)
解決方法
各Siebelサーバー・システムにエージェントがインストールされていることを確認します。エージェントは、検出を開始するOMSと関連付ける必要があります。
問題
Siebel Enterprise Webサービスの検出で結果が得られないか、Siebel Enterprise Webサービスの検出がエラーにより失敗します。
考えられる原因
検出プロセスは、vpd.propertiesファイルによって異なります。
Windows:
C:\WINDOWS\vpd.properties
Unix:
\var\adm\siebel\vpd.properties
このファイルが存在しないか破損していると、検出が正しく機能しません。
解決方法
vpd.propertiesファイルが存在しない理由を確認します。vpd.propertiesファイルのバックアップ・コピーを使用するには、同じディレクトリに配置する必要があります。あるいは、このファイルのダミーを作成します。
考えられる原因
vpd.propertiesファイルが複数のインストーラによって書き込まれています。インストーラに問題がある場合、Siebel Webサーバーの拡張インストールの配置に必要な情報がファイルからなくなっている可能性があります。そのため、検出プロセスが失敗します。
解決方法
検出プロセスでSiebel Gateway Serverのインストールを検出できるように、エントリを手動で作成します。
問題
Siebel HIサービス/アプリケーション(Call Centerなど)のステータスが停止と表示されます。
考えられる原因
Siebelの高レベル双方向性アプリケーション(Call CenterまたはSalesなど)のサービス・テストでは、キーボードやマウスの特定のイベントをシミュレーションできるSiebelのテスト自動化機能が使用されます。テストの自動化を有効にするには、各コンポーネントに対してパラメータTestAutomationを有効にする必要があります。
解決方法
たとえば、Call Centerアプリケーションを監視できるようにするには、次に示すsrvrmgrコマンドを実行して、パラメータの変更をアクティブにしてから、コンポーネントまたはSiebelサーバーを再起動する必要があります。詳細は「自動化の有効化」を参照してください。
考えられる原因
「エンタープライズの追加」ページで指定したSiebelユーザー/パスワードの組合せに誤りがある場合、検出は予想したとおりに機能しますが、srvrmgrによるメトリックの収集が行われません。
解決方法
サービス・コントロール・アプリケーションを開始し、Enterprise Managerエージェント・サービスを参照します。通常、このエージェントはOracleagent10gagentです。
サービス・エントリをダブルクリックします。
「ログオン」タブで「デスクトップとの対話をサービスに許可」オプションを選択します。
「OK」をクリックして、変更を保存します。
考えられる原因
Windowsホストにビーコンをデプロイする必要があります。このホストでは、Internet Explorerが使用可能で、Siebel HIアプリケーションに接続するためにInternet Explorerが正常に使用されます。Internet Explorerが見つからない場合、サービスは使用不可と表示されます。
解決方法
動作する既存のInternet ExplorerがインストールされているWindowsシステムにビーコンをデプロイします。
問題
SARMメトリックがコンポーネントに対して使用できません。または診断レポートに「データなし」と表示されます。
考えられる原因
Siebel 7.8の場合、sarmqueryユーティリティがSiebel製品の一部としてパッケージされていません。SARMメトリックを収集するには、エージェントのインストール・ディレクトリ(具体的には'bin'サブディレクトリ)にSARMユーティリティをコピーする必要があります。sarmqueryユーティリティが使用できない場合、または十分なアクセス権限が付与されていない場合、SARMメトリックを収集できません。
解決方法
sarmqueryユーティリティおよび関連するDLLを<agent dir>/agent10g/binディレクトリにコピーするか、このユーティリティおよびDLLに対するアクセス権限を確認します。