OPatchAuto -binaryは、選択したOracleホームに複数のパッチを適用するツールです。セッションごとに1つのOracleホームのみパッチを適用できます。ユーティリティは、ビットを適用する前に前提条件チェックを内部的に実行します。
操作の性質
OPatchAuto -binaryは、ターゲットがすでに停止していることを前提にしています。
OPatchAuto -binaryは、Oracleホームへのバイナリ・ビットの適用以外に他の操作を実行しません。
OPatchAuto -binaryでは、セッションごとに複数のパッチを適用できます。選択されるパッチは、次のタイプ/構成のいずれかになります。
1つ以上の個別パッチ
1つの複合パッチ
1つのシステム・パッチ/バンドル・パッチ
1つのシステム・パッチ/バンドル・パッチと1つ以上の個別パッチ
複合パッチが含まれている1つのシステム・パッチ/バンドル・パッチ
複合パッチが含まれている1つのシステム・パッチ/バンドル・パッチと1つ以上の個別パッチ
1つのシステム・パッチ/バンドル・パッチと1以上の個別パッチおよび1つの複合パッチ
複数の複合パッチ
OPatchAutoは前述のすべてのパッチ・タイプを適用できますが、OPatchはシステム・パッチを適用できません。(Opatchは個別パッチと複合パッチを適用できます)。そのため、システム・パッチ適用はopatchauto -binaryの特別な値になります。
分析モードで実行する場合、OPatchAuto -binaryはパッチに対して前提条件チェックを実行しますが、ビットは適用しません。分析モードでOPatchAuto -binaryを実行するには、-analyze
コマンド・ライン・オプションを使用します。詳細は、「構文およびコマンド」を参照してください。
opatchauto -binaryユーティリティのコマンド・ライン構文は次のとおりです。
opatchauto [ apply | rollback ] <patch_location> -binary -oh <oracle_home path> [-phBaseDir <Patch_Base_Directory>] [-target_type <target_type>] [-id <patchID1, patchID2,..> ] [-analyze] [-invPtrLoc <oraInst.loc> ] [-jre <JRE Location> ]
オプション | 説明 |
---|---|
<patch_location> |
パッチの場所へのパスです。SystemPatchの場合、このパスにはbundle.xmlファイルが含まれています。 |
phBaseDir |
ベース・パッチ・ディレクトリの場所。 |
oh |
パッチを適用するOracleホームのパス。 |
id |
ロールバック・セッションに対して指定できるパッチID。値はapplyセッションでは無視されます。 |
target_type |
Oracleホームのタイプを指定します。これらは各ターゲット・タイプの事前に定義された値です。 |
analyze |
前提条件チェックのみを実行し、レポート・モードでパッチを適用またはロールバックします(パッチ適用/ロールバックは実際には実行されません)。前提条件チェックが実行され、その結果、パッチ・セッションの実行可能性が報告されます。 |
invPtrLoc |
インストールで |
jre |
Oracleホーム下のデフォルトの場所のかわりに、指定した場所のJRE (Java)を使用するようにOPatchAutoに指示します。 |
force_conflict | パッチの適用を妨げる競合が存在する場合、-force_conflictフラグを使用して強制的にパッチを適用できます。OPatchは、現在のパッチを適用する前に、競合するパッチをすべて削除します。適用操作にのみ適用されます。 |
例6-1 OPatchAuto -binaryの使用方法
opatchauto apply <UNZIPPED_PATCH_LOCATION>/<PATCH_ID> -binary -target_type cluster -oh <GI_HOME>