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Oracle® Enterprise Manager Sybase Adaptive Server Enterprise (ASE) Plug-inユーザーズ・ガイド
13.2.1.0
E94915-01
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1 Sybase ASEプラグインの概要および前提条件

この章では、Sybase Adaptive Server Enterprise (ASE)プラグインについて説明し、Oracle Enterprise Manager Cloud Controlのインストールに必要な前提条件を示します。

この章の内容は次のとおりです。

1.1 Sybase ASEプラグインの概要

System Monitoring Plug-in for Sybase Adaptive Server Enterpriseは、Oracle Enterprise Manager Cloud Control 13cを拡張して、Sybase Adaptive Serverインスタンスを管理できるようにするためのプラグインです。このプラグインをCloud Control環境にデプロイすることで、次の管理機能を使用できるようになります。

  • Sybase Adaptive Serverインスタンスの監視。

  • Sybase Serverインスタンスの構成データの収集および構成の変更の追跡。

  • 監視対象メトリックおよび構成データに設定されたしきい値に基づくアラートおよび違反の表示。

  • 収集データに基づいた豊富なレポートの提供。

  • リモート・エージェントによる監視のサポート。ローカル・エージェントは、Sybase Adaptive Serverと同じホストで稼働するエージェントです。リモート・エージェントは、Sybase Adaptive Serverが稼働するホストとは異なるホストで稼働するエージェントです。

  • Sybase ASE DatabaseのCPU時間と実行数を含む最上位SQL文とそれらに関連する統計を収集および表示します。

  • Sybase ASE Databaseの表別の最上位待機数および最上位待機時間を含む最上位ロック待機イベントに関する情報を収集および表示します。

  • Sybase ASE Databaseを起動および停止するためのCloud Controlジョブの使用率。これらのジョブは、Cloud Controlジョブ・ライブラリからのみでなく、Sybase ASEプラグインのUIのホームページからもアクセスできます。

  • 使いやすいチャートや表の形式で重要なSybase ASEのメトリックを公開します。

1.2 このリリースでの新機能

Oracle Enterprise Manager Cloud Control 13cのSybase ASE Databaseプラグインのこのリリースには、Sybase ASE環境に関する可視性向上のための数多くの新機能が含まれています。強調表示された次の機能は、このリリースに含まれる新機能です。

1.2.1 サポート更新

Oracle Enterprise Manager Cloud Control 13cのSybase ASE Databaseプラグインは、jconn4.jar JDBCドライバをサポートし、jconn3.jarのサポートを維持するために更新されました。

1.2.2 ユーザー・インタフェースの更新

ユーザー・インタフェースが更新され、パフォーマンス・ページが追加され、ホームページに新しいリンクが追加されました。

ホームページ(図1-1)が拡張され、「サマリー」セクションにパフォーマンス・ページへのリンクが追加されました。これにより、プラグイン全体でより効率的なナビゲーションが有効になりました。

図1-1 Sybase ASEターゲットのホームページ


img/GUID-3F751A07-BB6F-4829-8184-082E34C4D151-default.png

まったく新しいパフォーマンス・ページ(図1-2)がプラグインに追加され、選択した期間内で監視対象のSybase ASEのキー・パフォーマンス・インジケータ(KPI)に対する洞察力が高まりました。これには、接続のKPI、メモリーのKPI、および領域とCPUのKPIが含まれます。

図1-2 Sybase ASEプラグインのパフォーマンス・ページ


img/GUID-A712824B-119E-45F8-85FD-C88804426188-default.png

1.2.3 Sybase ASEの即時利用可能なモニタリング・テンプレート

このリリースでは、3つの即時利用可能なモニタリング・テンプレート(図1-3)が追加され、Sybase ASE Databaseの構成が簡素化されました。これには、必要に応じて使用できる効率、トラフィックおよび使用率のモニタリング・テンプレートが含まれています。

図1-3 Sybase ASEプラグインのモニタリング・テンプレート


img/GUID-C038EC9D-30CC-4255-97F3-CA8501851364-default.png

1.2.4 Sybase ASE Databaseプラグイン・メトリックのしきい値

このリリースでは、追加のメトリックしきい値(図1-4)を有効にして、Sybase ASE Databaseのユーザー制御を向上させることができます。これには、デバイス統計、上位10の大きなキャッシュ・オブジェクト、待機イベント統計、キャッシュ・プール統計および他の多くのメトリックのしきい値が含まれます。

図1-4 Sybase ASEプラグイン・メトリックのしきい値


img/GUID-73AF4621-9FCF-4D75-ADFD-712A45CA8442-default.png

1.2.5 Business Intelligence Publisherレポート

このリリースでは、Sybase ASEプラグインの以前のリリースに含まれるInformation Publisherレポートは、BI Publisherレポートに移行されました。BI Publisherレポートにより、複雑さが解消され、レポートの開発およびメンテナンスが簡略化されます。

これらのレポートの使用方法の詳細は、「Sybase ASEプラグインのメトリックおよびレポート」を参照してください。

1.3 Sybase ASEプラグインでサポートされているプラットフォーム

プラグインでは、Sybase ASEのインストールが可能なすべてのプラットフォームでSybase Adaptive Server Enterprise (ASE)の監視をサポートします。

1.4 Sybase ASEプラグインでサポートされているソフトウェアのバージョン

このプラグインでは、次のバージョンの製品がサポートされます。

  • Enterprise Manager Cloud Control 13c:

    • このプラグインは、Oracle Enterprise Manager Cloud Control 13c (13.1.0.1.0)以上(Oracle Management Server (OMS)およびOracle Management Agent)の最新のリリースで動作保証されています。

  • Sybase Adaptive Server Express (XE)、Enterprise (EE)およびDeveloper (DE)エディションのバージョン15.7から16.0。

注意:

System Monitoring Plug-in for Sybase Adaptive Serverは、Sybase Adaptive Serverクラスタの監視に対して動作保証されていません。詳細は、『Oracle Enterprise Manager System Monitoring Plug-inトラブルシューティング・ガイド』に記載されている既知の問題を参照してください。

1.5 Sybase ASEプラグインの前提条件

プラグインをデプロイする前に、次の前提条件を満たす必要があります。

  1. Sybase Adaptive Server Enterpriseバージョン15.7から16.0がインストールされていること。

  2. Oracle Enterprise Manager Cloud Controlの次のコンポーネントがインストール済で実行中であること。

    • Oracle Enterprise Manager Cloud Control 13c (13.1.0.1.0)以上。

    • Oracle Management Agent 13.1.0.1.0以上(このリリースのエージェントでサポートされる任意のプラットフォーム)

      エージェントは、Sybase Adaptive Serverと同じコンピュータ上にインストールする(ローカル・エージェント監視)か、Sybase Adaptive Serverと異なるホスト・コンピュータ上にインストールする(リモート・エージェント監視)ことができます。

    • インベントリと使用状況のパッチ(20692416)がインストールされている必要があります。このパッチは、My Oracle Support (https://support.oracle.com)からダウンロードできます。

  3. 監視ツールと診断(MDA)表は、問い合せる前にインストールする必要があります。次の手順に従って、MDA表をインストールします。

    1. 構成パラメータenable cisが1に設定されていることを確認します。設定されていない場合は、ASEを再起動します。次のコマンドを実行します。

      sp_configure 'enable cis', 1 
      go
      
    2. MDA表をインストールします。sqshを使用してこのスクリプトを実行すると、エラーが発生します。sqshでは、$がsqsh変数の開始点だとみなされます。ネイティブRPC名も$で始まるため、名前が変わります。かわりに、次のようにisqlを使用するか、sqsh使用時に-Lexpand=0オプションを指定してsqsh変数の拡張機能を無効にします。このスクリプトはinstallmasterに含まれています。

      isql -U sa -P yourpassword -S YOURSERVER \
           -i $SYBASE/$SYBASE_ASE/scripts/installmontables
      
    3. MDAアクセスを許可されたログインにmon_roleを割り当てます。これにはsaログインも該当します。

      use master
      go
      grant role mon_role to sa
      go
      
    4. MDAの基本構成を次のようにテストします。現在使用中のログインにこのロールを付与した場合は、mon_roleをアクティブにするために、いったん切断した後で再接続しなければならない場合があります。

      select * from master..monState
      go
      
    5. すべての構成パラメータを有効にします。これらはすべて動的です(per object statistics activeパラメータを除く)。ここでは、pipe表のメッセージ数はすべて100に設定されていますが、より大きな数を指定することもできます。

      sp_configure "enable monitoring", 1
      go
      sp_configure "sql text pipe active", 1
      go
      sp_configure "sql text pipe max messages", 500
      go
      sp_configure "plan text pipe active", 1
      go
      sp_configure "plan text pipe max messages", 100
      go
      sp_configure "statement pipe active", 1
      go
      sp_configure "statement pipe max messages", 500
      go
      sp_configure "errorlog pipe active", 1
      go
      sp_configure "errorlog pipe max messages", 100
      go
      sp_configure "deadlock pipe active", 1
      go
      sp_configure "deadlock pipe max messages", 100
      go
      sp_configure "wait event timing", 1
      go
      sp_configure "process wait events", 1
      go
      sp_configure "object lockwait timing", 1
      go
      sp_configure "SQL batch capture", 1
      go
      sp_configure "statement statistics active", 1
      go
      sp_configure "per object statistics active", 1
      go
      sp_configure "enable stmt cache monitoring", 1
      go
      sp_configure "max SQL text monitored", 4096
      go
      set mon_stateful_history off
      go
      
    6. SQLバッチ数が多くなることが予想される場合は、次の静的パラメータをより高い値に設定してください(この設定は1ユーザー接続当たりのバイト数で指定します)。

      sp_configure "max SQL text monitored", 2048
      go

    注意:

    次の構成パラメータを有効にすると、5%以上のパフォーマンス・オーバーヘッドが生じます。

    sp_configure "sql text pipe active", 1
    sp_configure "sql text pipe max messages", 500
    sp_configure "max SQL text monitored", 2048
    sp_configure "plan text pipe active", 1
    sp_configure "plan text pipe max messages", 100
    sp_configure "statement pipe active", 1
    sp_configure "statement pipe max messages", 500
    sp_configure "statement statistics active", 1
    sp_configure "per object statistics active", 1
    sp_configure "enable stmt cache monitoring", 1
    sp_configure "max SQL text monitored", 4096 
    set mon_stateful_history off
  4. JDBC URLの一部として、IPアドレスもホスト名も使用できます。ホスト名がネットワークで一貫して解決されることを確認します。nslookupやtracerouteなどの標準TCPツールを使用してホスト名を検証できます。プラグインをデプロイする管理エージェントで次のコマンドを使用して検証します。

    • nslookup <hostname>

      IPアドレスと完全修飾ホスト名が返されます。

    • nslookup <IP>

      IPアドレスと完全修飾ホスト名が返されます。

  5. プラグインは、TempDBのキャッシュ・サイズに依存する場合があります。

  6. 監視ユーザーがSybase ASEターゲットの一部のデータベースに対する権限を持っていない場合は、SYSSEGMENTSに問い合せる権限を監視ユーザーに指定するか、各データベースにゲスト・ユーザーを作成します。

  7. Sybase ASEのジョブの使用を有効にするには、次の設定が必要です。

    1. Sybase ASEのプラグインはローカル構成としてデプロイする必要があります。ローカル構成は、プラグインがインストールされたOracle Management AgentがSybase ASEサーバーのホストに存在する構成です。

    2. 管理Sybase ASE資格証明とエージェント・ホスト資格証明の両方に対してSybase Adaptive Server Enterpriseの優先資格証明を設定します。

    3. 次のSybase環境変数を設定します。

      • STARTSERVER: Sybase startserver実行可能ファイルのフルパスを指定する必要があります。次に例を示します。

        /apps/sybase/ASE-15_0/install/startserver
        
      • RUNFILE: Sybase runfile実行可能ファイルへのフルパスを指定する必要があります。次に例を示します。

        /apps/sybase/ASE-15_0/install/RUN_SYBASE_SERVER
        
  8. JDBCドライバがSybase/SAP ASEインストールで使用可能であることを確認してください。JDBCドライバは、データベース・ソフトウェアのインストール場所にあります。

    • Sybase 15.7 ASEの場合:

      echo $SYBASE
      =/apps/sybas
      $SYBASE/jConnect-7_0/classes/jconn4.jar
      /apps/sybase/jConnect-7_0/classes/jconn4.jar
      
    • Sybase 16.0 ASE

      /apps/sap/jConnect-16_0/classes/jconn4.jar
      

    ドライバが存在しない場合、「JDBCドライバの設定」の手順に従います。