25 Enterprise Managerの削除(単一および複数OMS環境)

この章では、Enterprise Managerシステム全体を削除する方法、およびOracle Management Service (OMS)を実行していたホストが失われた場合に、Oracle Management Repository(管理リポジトリ)からOMSのエントリを削除する方法について説明します。

この章の具体的な内容は次のとおりです。

削除の範囲

Enterprise Managerシステムのコンポーネントを削除する際の範囲について次に説明します。

表25-1 削除の範囲

環境タイプ OMSタイプ インストール・タイプ 削除されるコンポーネント 削除されないコンポーネント

単一OMS、複数OMS

最初のOMS

新規のインストール

  • 最初のOMS (インスタンス・ホームを含む)

  • 中央エージェント

  • 管理リポジトリ

該当なし

単一OMS、複数OMS

最初のOMS

アップグレード

  • 最初のOMS (インスタンス・ホームを含む)

  • 管理リポジトリ

中央エージェント。

セントラル・エージェントを削除するには、Oracle Management Agentの削除を参照してください。

複数OMS

追加のOMS

新規のインストール

追加のOMS

  • 管理リポジトリ

  • 追加のOMSホストで稼働しているスタンドアロン管理エージェント。

    セントラル・エージェントを削除するには、Oracle Management Agentの削除を参照してください。

複数OMS

追加のOMS

アップグレード

追加のOMS

  • 管理リポジトリ

  • 追加のOMSホストで稼働しているスタンドアロン管理エージェント。

    セントラル・エージェントを削除するには、Oracle Management Agentの削除を参照してください。

Enterprise Managerシステムの削除

単一OMS環境または複数OMS環境でEnterprise Managerシステムを削除するには、次のステップに従います。

注意:

  • 最初に、削除の範囲で説明した削除の範囲を理解してください。

  • 複数OMS環境では、追加のOMSインスタンスをまず削除してから、最初のOMSを削除します。

  • この項で説明するステップでは、OMSインスタンスが削除されるだけではなく、管理リポジトリも削除されます。

  • 管理リポジトリがデータベースから削除されると、空のデータベースを他の任意の目的に再利用できます。Enterprise Managerスキーマのみがデータベースから削除され、物理ファイルまたはデータベース・ソフトウェアのソフトウェア・バイナリはホストに残ります。

  • この項で説明するステップでは、データベースに適用されたパッチの削除やロールバックは行われません。

  • OMS (最初のOMSまたは追加のOMS)の新規インストールの場合、この項で説明するステップでは、ミドルウェア、OMS、OMSインスタンス・ホームおよび管理エージェント・ディレクトリは自動的に削除されますが、Oracle BI Publisher用に構成された共有場所の内容は削除されません。内容を手動で削除する必要があります。

  • OMS (最初のOMSまたは追加のOMS)のアップグレードの場合、この項で説明するステップでは、ミドルウェア、OMSおよびOMSインスタンス・ホーム・ディレクトリは自動的に削除されますが、管理エージェント・ディレクトリとOracle BI Publisher用に構成された共有場所の内容は削除されません。管理エージェントはOracle Management Agentの削除の説明に従って削除し、Oracle BI Publisher用に構成された共有場所の内容は手動で削除する必要があります。

  1. OMSホストのOracleホームの削除スクリプトを一時的な場所またはステージング場所にコピーします。

    cp <ORACLE_HOME>/sysman/install/EMDeinstall.pl <temporary_location>

    次に例を示します。

    cp /u01/software/em13c/oraclehome/sysman/install/EMDeinstall.pl /u01/tmp_deinstall

  2. OMSを削除します。

    <ORACLE_HOME>/perl/bin/perl <temporary_location>/EMDeinstall.pl -mwHome <ORACLE_HOME> -stageLoc <temporary_location>

    データベース資格証明(SYSおよびSYSMAN)とWebLogic Domain資格証明を入力するように求められます。資格証明を入力して、削除を進めます。

    次に例を示します。

    /u01/software/em13c/oraclehome/perl/bin/perl /u01/tmp_deinstall/EMDeinstall.pl -mwHome /u01/software/em13c/oraclehome -stageLoc /u01/tmp_deinstall

注意:

削除処理により、/etc/oragchomelistファイルから自動開始スクリプトであるS98gcstartupスクリプトのエントリが削除されますが、スクリプト自体は削除されません。このスクリプトとこのスクリプトに関連付けられたsymlinkは、Enterprise Managerを同じホストに再度インストールする際に、インストーラがスクリプトを自動的に上書きし、symlinkを再作成するため、そのまま残しておくことができます。

ただし、Oracle製品のホストをクリアする場合には、このスクリプトとスクリプトに関連付けられたsymlinkを手動で削除することをお薦めします。これを行うには、/etc/rc.d/ディレクトリに移動し、S98gcstartupスクリプトを検索します。このスクリプトは通常、/etc/rc.d/ディレクトリ内のサブディレクトリにあります。スクリプトが存在するサブディレクトリに移動し、スクリプトを削除します。たとえば、/etc/rc.d/rc3.d/S98gcstartup または/etc/rc.d/init.d/gcstartup/S98gcstartupなどにあります。

OMSからのプラグインのみの削除またはアンデプロイ

OMSからEnterprise Managerシステム全体ではなく、プラグインのみを削除またはアンデプロイするには、Enterprise Manager Cloud Controlコンソールのプラグインページを使用します。手順については、『Oracle Enterprise Manager Cloud Control管理者ガイド』を参照してください。プラグインのみのアンデプロイには、この章を使用しないでください。

管理リポジトリからのOMSエントリの削除

追加のOMSが稼働しているホストを失った場合、必ず管理リポジトリからOMS用のエントリを手動で削除します。これを行うには、次のステップを実行します。

  1. 次のコマンドを実行して、WebLogic DomainからOracle WebLogic Serverやアプリケーションなどを再構成し、管理リポジトリからすべてのOMS関連のエントリを削除し、OMSのターゲットoracle_oms、oracle_oms_pbs、oracle_oms_consoleを削除します。

    $ORACLE_HOME/bin/omsca delete

  2. OMSの次のWebLogicターゲットを手動で削除します。
    • /EMGC_GCDomain/GCDomain/EMGC_OMS2 (weblogic_j2eeserver)

    • /EMGC_GCDomain/instance2/ohs2 (oracle_apache)

これで、削除された追加OMSの参照がEnterprise Managerからなくなりました。OMSを削除するには、「Enterprise Manager Systemの削除」で説明されている手順に従います。