6 クラウド・ポリシーの定義および管理
内容は次のとおりです。
クラウド・ポリシーについて
クラウド管理ポリシーは、EM_CLOUD_ADMINISTRATOR
が定義し、パフォーマンス・メトリックしきい値またはスケジュールに基づいて一定のアクションを起こすことのできるルールです。独自のポリシーを作成することも、すぐに利用可能なポリシーを使用することもできます。Oracle提供のすぐに利用可能なポリシーは編集できませんが、ポリシーの類似作成クローニングを実行して、必要な編集を行うことができます。
注意:
セルフ・サービス・ユーザー(EM_SSA_USER
)も、自分にアクセス権が付与されているサービスのクラウド・ポリシーを作成できます。
クラウド管理ポリシーには、パフォーマンス・ベース・ポリシーとスケジュール・ベース・ポリシーの2つの種類があります。パフォーマンス・ポリシーは特定のターゲット・タイプのパフォーマンス・メトリックに基づきます。スケジュールベースのポリシーは、定義したスケジュールに基づいて実行されます。1つ以上のポリシーをグループ化するとポリシー・グループを作成できます。次を実行できます。
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次のタイプの新規ポリシーを定義します:
パフォーマンス・ポリシーの定義
パフォーマンス・ポリシーは、特定のターゲット・タイプやその関連ターゲットのパフォーマンス・メトリックに基づいて構成されます。メトリックに基づいたポリシーの条件およびルールを作成できます。
パフォーマンス・ポリシーを定義するには、次のステップに従います:
ポリシーのアクティブ化および非アクティブ化
ポリシーを定義すると、ポリシーはアクティブになり、1つ以上のターゲットに適用できます。次のステップに従って、アクティブなポリシーを非アクティブにできます。
- ユーザー・ロールに応じて、メニュー・オプションを使用してインフラストラクチャ・ポリシー・ページに移動します。
- ポリシー・ホームページで、所有し、管理者権限を持つポリシーのリストが表示されます。
- 表からポリシーを選択し、「解除」をクリックします。ポリシーは非アクティブ化され、ポリシーのステータスは非アクティブとマークされます。このポリシーはアクティブになるまでターゲットに関連付けできず、現在のアソシエーションはさらに評価するために一時停止されます。
ポリシーを非アクティブ化すると、「非アクティブ」としてマークされます。非アクティブなポリシーをアクティブにするには、表からポリシーを選択して「アクティブにする」をクリックします。確認ウィンドウで、「アクティブにする」を再度クリックします。これで、ポリシーが「アクティブ」としてマークされます。
ポリシー・グループの作成
ポリシー・グループを定義するには、次のステップに従います:
例1
毎週金曜の6:00 pmにゲスト仮想マシンを停止して、毎週月曜の9:00 pmに再起動する場合、次のようにポリシーを作成できます。
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まず、ゲスト仮想マシンを毎週金曜の6:00 pmに停止するスケジュール・ベース・ポリシーを作成します。「ゲスト仮想マシン停止ポリシーの作成」を参照してください。
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次に、ゲスト仮想マシンを毎週月曜の6:00に再起動する別のスケジュール・ベース・ポリシーを作成します。「ゲスト仮想マシン起動ポリシーの作成」を参照してください。
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これら2つのポリシーを1つのポリシー・グループに統合して、これらのポリシーを1つ以上のゲスト仮想マシン・ターゲットに関連付けます。「ポリシー・グループの作成(起動および停止)」を参照してください。
ポリシー・グループの作成(起動および停止)
ゲスト仮想マシン・ターゲット・タイプの2つのポリシーを定義した後、これらのポリシーを1つのポリシー・グループに統合して、ポリシーを1つ以上のターゲットに関連付けることができます。ポリシー・グループを作成するには、次のステップに従います:
- ユーザー・ロールに応じて、メニュー・オプションを使用してインフラストラクチャ・ポリシー・ページに移動します。
- クラウド・ポリシー・ページで「ポリシー・グループ」をクリックします。
- 「作成」をクリックします。クラウド・ポリシー・グループ・ページが表示されます。
- グループの名前と説明を入力します。
- 「追加」をクリックし、作成した2つのスケジュール・ポリシーを選択します。
- 「OK」をクリックしてクラウド・ポリシー・ページに戻り、作成したポリシー・グループをクリックします。
- 作成したポリシー・グループの詳細(ポリシー・グループの名前、このグループに関連付けられているポリシーの数、関連付けられているターゲットの数など)が表示されます。
- 下部にある「含まれるポリシー」タブをクリックして、このポリシー・グループに関連付けられているポリシーを表示します。
- 「アソシエーション」タブをクリックして、このポリシーに関連付けられているゲスト仮想マシンのリストを表示します。このポリシー・グループにさらにゲスト仮想マシンを関連付けるには、「追加」をクリックします。
- このポリシー・グループがアクティブな場合、このポリシーに関連付けられているゲスト仮想マシンはスケジュールどおりに停止および起動されます。
例2
層インスタンスを毎週金曜に1にスケール・ダウンし、毎週月曜に2にスケール・アップする、Oracle層インスタンス・ターゲットのポリシー・グループを定義するとします。次のポリシーを作成できます。
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まず、層インスタンスを1にスケール・ダウンするスケジュール・ポリシーを作成します。「層インスタンス・スケール・ダウン・ポリシーの作成」を参照してください。
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次に、層インスタンスを毎週月曜日に2にスケール・アップする別のポリシーを作成します。「層インスタンス・スケール・アップ・ポリシーの作成」を参照してください。
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これらのポリシーを統合して1つのポリシー・グループを作成します。「ポリシー・グループの作成(スケール・アップおよびスケール・ダウン)」を参照してください。
ポリシー・グループの作成(スケール・アップおよびスケール・ダウン)
Oracle層インスタンス・ターゲット・タイプの2つのポリシーを定義した後、これらのポリシーを1つのポリシー・グループに統合して、ポリシーを1つ以上のターゲットに関連付けることができます。ポリシー・グループを作成するには、次のステップに従います:
- ユーザー・ロールに応じて、メニュー・オプションを使用してインフラストラクチャ・ポリシー・ページに移動します。
- クラウド・ポリシー・ページで「ポリシー・グループ」をクリックします。
- 「作成」をクリックします。クラウド・ポリシー・グループ・ページが表示されます。
- グループの名前と説明を入力します。
- 「追加」をクリックし、作成した2つのスケジュール・ポリシーを選択します。
- 「OK」をクリックしてクラウド・ポリシー・ページに戻り、作成したポリシー・グループをクリックします。
DRSおよびDPMポリシーの作成
リソースの動的スケジューリング(DRS)ポリシーおよび分散電源管理(DPM)ポリシーは、サービスの品質を改善し、負荷に基づいて実行中の仮想マシンをサーバー・プール内で動的に再配置することにより電力消費を減らします。
リソースの動的スケジューリング(Dynamic Resource Scheduling: DRS)ポリシーは、Oracle VM Serverの使用率をリアルタイムでモニタリングしてサーバー・プールをリバランスし、実行中の仮想マシンに安定したリソースを提供します。DRSにより、負荷の高いOracle VM ServerのVMが、より多くのリソースを使用可能なOracle VM Serverに移行されます。
分散電源管理(Distributed Power Management: DPM)ポリシーにより、電力消費を最小化するようにサーバー・プールが最適化されます。DPMは、リソース使用率が少ない期間はプール内の電源オンのサーバーを減らすことで、DRSをさらに完全なものにします。これによって、リソース使用率が増加したときに、必要に応じて自動的に電源がオンになります。
DRS/DPMポリシーを設定するには、次のステップに従います:
注意:
ポリシーの作成後、ポリシーは有効化され、ポリシーに含まれるすべての仮想サーバー・プール・ターゲットに適用されます。DRS/DPMポリシーを無効化するには、Oracle VM Serverプール・ターゲット・タイプのスケジュール・ベース・ポリシーを作成して、「ポリシー・アクション」フィールドで「DRS/DPMポリシーの無効化」ポリシーを選択します。スケジュール・ベース・ポリシーの作成の詳細は、「スケジュール・ベース・ポリシーの定義」を参照してください。スケジュール・ポリシーを編集し、必要に応じて「DRSの有効化」または「DPMの有効化」を選択して、ポリシーを有効化できます。
自動DRSまたはDPMポリシーの作成
EM_CLOUD_ADMINISTRATOR
ロールを持つユーザーとしてログインし、「エンタープライズ」メニューから「クラウド」、「インフラストラクチャ・ポリシー」の順に選択します。- 「作成」メニューから、「スケジュール・ポリシー」を選択します。
- スケジュール・ポリシーの作成ページで、ポリシーの名前と説明を入力します。
- ターゲット・タイプとして「Oracle VMサーバー・プール」を選択します。
- 「ポリシー・アクション」フィールドから「DRSの有効化」または「DPMの有効化」を選択します。
- ポリシーのスケジュールと頻度を指定し、「OK」をクリックしてポリシーを保存します。
- クラウド・ポリシー・ページで作成したポリシーを選択し、「アソシエーション」リージョンで「追加」をクリックします。
- ポリシーを関連付けるOracle VM Serverプール・ターゲットを選択して、「選択」をクリックします。
- 選択したターゲットに対してDRMまたはDPMポリシーが自動的に有効化されます。