Oracle Database ApplianceでOracle Databaseを管理します。 Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームの場合は、データベースを管理するためのoakcli
コマンドを参照してください。
Oracle Database Appliance Webコンソールのデプロイメントによって、オペレーティング・システム・グループおよびユーザーが作成され、そのメンバーにアプライアンスでのシステム管理権限が付与されます。
構成時に、2つの管理アカウントがOracle Database Applianceのために作成されます。それらは、ユーザーID (UID)が1001のgrid
ユーザー、およびUIDが1000のoracle
ユーザーです。 ユーザーgrid
は、Oracle Grid Infrastructureのインストール所有者です。 ユーザーoracle
はOracle Databaseのインストール所有者であり、すべてのOracle Databaseホーム(Oracleホーム)の所有者です。 デフォルトで、これらのユーザーは、そのメンバーにOracle DatabaseおよびOracle Automatic Storage Managementを起動および管理する権限が付与されるオペレーティング・システム・グループのメンバーです。
次の表に、Oracleシステムの権限グループ、およびオペレーティング・システムの認証グループに関する情報を示します。
表8-1 Oracle Database Appliance上のオペレーティング・システムのグループおよびユーザー
Oracleシステム権限 | グループ名 | グループID (GID) | gridはメンバーである | oracleはメンバーである |
---|---|---|---|---|
Oracleインベントリ・グループ(OINSTALL) |
|
1001 |
はい(主グループ) |
はい(主グループ) |
dbaoperグループ用のOSOPER |
|
1002 |
はい |
はい |
OSDBAグループ |
|
1003 |
いいえ |
はい |
Oracle ASMのOSASMグループ |
|
1004 |
はい |
いいえ |
ASMグループのOSOPER |
|
1005 |
はい |
いいえ |
ASMグループのOSDBA |
|
1006 |
はい |
はい |
デプロイメント中に初期データベースを作成する場合、SYS
およびSYSTEM
ユーザーのパスワードは、Webコンソールで設定したマスター・パスワードです。 構成後に両方のユーザーのこのパスワードを速やかに変更し、これらの特権アカウントを使用したデータベースへの不正アクセスを防止します。
親トピック: Oracle Databaseの管理
Oracle Database Applianceは、標準的なOracle Databaseのロードおよび移行ツールの使用をサポートします。
既存のデータベースからOracle Database Applianceにデータをロードまたはデータを移行する場合は、標準的なOracle Databaseのロードおよび移行ツールを使用できます。 このようなツールには、次のものがあります。
Oracle GoldenGate
SQL*Loader
Oracle Data Pump
トランスポータブル表領域
RMAN
また、RMANユーティリティはOracle Database Applianceでデータベースをバックアップおよびリカバリする場合にも使用できます。
親トピック: Oracle Databaseの管理
Webコンソールを使用してデータベースのリストとデータベースの詳細を表示したり、データベースを作成および削除します。
親トピック: Oracle Databaseの管理
Oracle Appliance Manager Webコンソールを使用して、Oracle Databaseやデータベースの詳細を表示し、Oracle Database Applianceでデータベースを削除します。
親トピック: データベースの操作
Oracle Appliance ManagerのWebコンソールを使用して、Oracle Database Applianceにデータベースを作成します。
注意:
同じアプライアンスにOracle Database Standard EditionとEnterprise Editionのデータベースは混在できません。 Oracle Database Applianceのデプロイ中に選択したデータベース・エディションによって、アプライアンスで作成するデータベース・エディションが決まります。 エディションを変更するには、Oracle Database Applianceを再デプロイする必要があります。Oracle Database 12.1は、Oracle Automatic Storage Management (Oracle ASM)およびOracle ASM Cluster File System (ACFS)の両方でサポートされています。 Oracle Database 11.2はOracle ACFSでのみサポートされています。 Oracle ACFSで複数のデータベースが作成される場合、各データベースは、データファイルごとに独自のOracle ACFSファイル・システムで構成され、/u02/app/db user/oradata/db unique name
のネーミング規則が使用されます。 このマウント・ポイントのデフォルト・サイズは100 GBです。
親トピック: データベースの操作
Webコンソールを使用して、バックアップからデータベースを作成します。
ホストのオブジェクト・ストア資格証明を取得します。
バックアップ先としてオブジェクト・ストアの資格証明を使用してバックアップ・ポリシーを作成します。
バックアップするデータベースにバックアップ・ポリシーを添付します。
データベースの手動バックアップを作成し、ファイルを保存します。
親トピック: データベースの操作
Webコンソールを使用してデータベース・ホームのリストと詳細を表示したり、データベース・ホームを作成および削除します。
親トピック: Oracle Databaseの管理
Oracle Database Applianceで1つ以上のOracleホーム・ディレクトリとOracleデータベースを作成および管理します。
Oracleホームは、Oracle Databaseバイナリをインストールするディレクトリで、ここからOracle Databaseを実行します。 Oracle Database Applianceは、Oracle Databaseホームの様々なリリースを含む、複数のOracleホームをサポートします。 特定のOracleホームに複数のOracleデータベースを作成できます。 Oracle Appliance ManagerのODACLIコマンドを使用して、Oracle Database Applianceで複数のOracleホームおよびデータベースを作成および管理します。 Oracle Database Appliance Managerでは、OracleのOptimal Flexible Architecture (OFA)標準に準拠したOracle Database Oracleホームが自動的に作成されます。
Oracle Database Applianceプラットフォームに対してサポートされている特定のOracleソフトウェア・リリースに関する情報を取得するには、関連するReadmeファイルまたはリリース・ノートを確認してください。
ODACLIコマンドを使用してOracle Database Applianceで複数のホームを作成する場合、コマンドにより、Oracleホーム・クローニング・プロセスが開始されます。 Oracle Database Applianceデプロイメントにおいて、ユーザーoracle
はデフォルトのソフトウェア・インストール所有者です。
注意:
前のリリースからアップグレードしない場合は、インストール対象のOracle Databaseバージョンに対するOracle Database Applianceエンドユーザー・バンドルをダウンロードしてください。
Webコンソールまたはコマンドライン・インタフェースを使用してデータベースを作成および管理できます。
Oracle Database Applianceでデータベースを作成、リスト、詳細表示および削除するには、ODACLIコマンドを使用します。 odacli create-database
コマンドを使用すると、ユーザー入力を最小限に抑えながらデータベースを作成できます。 追加オプションなしでこのコマンドを実行すると、新規のデータベース・ホーム(ORACLE_HOME)が作成されます。 --dbhomeid
オプションを使用すると、既存のホームにデータベースを作成できます。 dbhomeidを検索するには、odacli list-dbhomes
コマンドを使用します。
または、Webコンソールを使用してデータベースとデータベース・ホームのリストを作成し、それらを記述および削除することもできます。 データベース・ホームの名前、ID、バージョン、データベース・ホームが作成された日時および場所を含むすべてのデータベース・ホームのリストを同じページに表示できます。 「削除」をクリックしてデータベース・ホームを削除します。 「データベース・ホームの作成」をクリックして、新しいデータベース・ホームを作成します。
注意:
Oracle DatabaseパッチをOracle Database Appliance上のOracle Databasesに直接適用しないでください。 ソフトウェア・スタック全体での動作がテストされたOracle Database Applianceパッチ・バンドルのみを使用してください。 1回かぎりのデータベース・パッチが必要な場合は、Oracleホームに適用できます。 Oracle Database Applianceパッチ・バンドルを適用すると、将来のパッチ適用イベント時の競合の原因となり、ロールバックして再適用する必要がある場合があります。
親トピック: データベース・ホームの使用
Oracle Database Appliance RDBMS Cloneファイルをローカル・マシンにダウンロードして、新しいデータベース・ホームを作成します。
このソフトウェア・クローン・ファイルには、Oracle Database ApplianceのOracle Databaseソフトウェア・イメージが含まれています:
新しい12.1データベース・ホームを作成するには、Oracle 12.1.0.2.x RDBMSソフトウェア・クローン・ファイルを使用します。
新しい11.2データベース・ホームを作成するには、Oracle 11.2.0.4.x RDBMSソフトウェア・クローン・ファイルを使用します。
Oracle Database Appliance X6-2モデルはOracle Database 11.2.0.3.xをサポートしていません。
configure-firstnet
を使用してパブリック・ネットワーク・インタフェースを構成します。Oracle Appliance Manager Webコンソールを使用してデータベース・ホームとデータベース・ホームの詳細を表示したり、Oracle Database Applianceでデータベース・ホームを削除します。
親トピック: データベース・ホームの使用
Oracle Appliance Manager Webコンソールを使用して、Oracle Database Applianceにデータベース・ホームを作成します。
親トピック: データベース・ホームの使用
次のトピックを参照して、データベースを準備してデータベース全体をOracle Database Applianceに移行する方法について学習します。
RMAN Duplicate
コマンドを使用して、データベース全体をアプライアンスに移行します。odacli register-database
コマンドを使用して、移行したデータベースをアプライアンスに登録します。親トピック: Oracle Databaseの管理
RMAN duplicateコマンドを使用すると、アクティブ・コンテナ・データベース(CDB)または非CDBデータベース全体をOracle Database Applianceマシンに移行できます。
RMAN Duplicateを使用する場合は、ソース・ターゲットとターゲット・データベースからのネットワーク接続があることを確認してください。
ソース・データ: 移行する既存のデータベース。
ターゲット・データベース:Oracle Database Appliance環境で作成された新しいデータベース。
ソース環境とターゲット環境の間にネットワーク接続がない場合、オフラインの移行方法を使用できます。 オフラインの移行では複製にRMANバックアップ・セットを使用している場合があります。この方法ではプライマリ・データベースへの接続は不要です。
この手順ではおおまかに次のステップが含まれます。
Oracle Database Applianceを最新バージョンにデプロイまたは更新します。
プロビジョニングが正常に完了したことを確認します。
ベアメタル・プラットフォームを使用している場合は、コマンドodacli list-jobs
とコマンドodacli describe-job
を使用してステータスを確認します。
仮想化プラットフォームを使用している場合は、コマンドoakcli list-jobs
とコマンドoakcli describe-job
を使用してステータスを確認します。
コマンドライン・インタフェースからインスタンスのみのデータベースを作成します。
ベアメタル・プラットフォームを使用している場合は、odacli create-database
コマンドをodacli create-database
フラグとともにOracle Database Applianceマシンで使用してください。 新しいデータベースはターゲット・データベースです。
仮想化プラットフォームを使用している場合は、oakcli create-database
をinstanceonly
フラグとともにoakcli create-database
マシンで使用してください。 新しいデータベースはターゲット・データベースです。
インスタンスのみのデータベースを作成すると、以下も作成されます。
データベース・ファイルの格納に使用されるACFSファイルシステム
データベース・インスタンス/rman duplicateコマンドに必要なディレクトリ構造
SYSユーザー用のパスワード・ファイル
静的リスナーを構成します。
バックアップと復元操作を使用して既存のデータベースをターゲット・データベースに移行します。
移行したデータベースをアプライアンスに登録します。
親トピック: データベースの移行
コマンドライン・インタフェースからインスタンスのみのデータベースを作成します。
注意:
初期データベースを作成せずにアプライアンスをプロビジョニングした場合は、新しいOracleホームを作成する必要があります。 データベース・ホームのバージョンが移行したデータベースと異なる場合は、移行したデータベース用の新しいデータベース・ホームを作成します。 移行したデータベース専用のデータベース・ホームを作成する場合があります。この例では、データベース・バージョン12.1.0.2.160719と新しいデータベース・ホームを持つインスタンスのみのデータベースPRODDB
を作成します。
親トピック: データベースの移行
データベースを複製する前に静的リスナーを構成します。
静的リスナーは、RMAN Duplicateコマンドを使用する場合にのみ必要です。
次の手順を実行してlistener.ora
ファイルを手動で構成します。
親トピック: データベースの移行
RMAN Duplicate
コマンドを使用して、データベース全体をアプライアンスに移行します。
最新バージョン12.1.2.9.0を使用するOracle Database Appliance X6-2S、X6-2MまたはX6-2L。
odacli list-jobs
およびodacli describe-job
コマンドを使用して、ステータスを確認します。
ソース・データベースと宛先データベース間にネットワーク接続が存在するか確認する。
親トピック: データベースの移行
odacli register-database
コマンドを使用して、移行したデータベースをアプライアンスに登録します。
dbclass
、dbshape
、servicename
およびパスワードは、データベースを登録する際に必須です。 dbclass
およびdbshape
で、sga_target
およびpga_target
の設定が決まります。 データベースinit.ora
パラメータは、odacli register-database
コマンドの一部としてリセットされます。 登録後にinit.ora
パラメータで、パラメータが正しく設定されているか確認します。
注意:
スタンバイ・データベースの場合は、odacli register-database
コマンドを実行する前に、スタンバイ・データベースをREAD ONLY
モードで開きます。
親トピック: データベースの移行
インスタンス・ケージングを使用してOracle Database Appliance上でシステム・リソースを管理します。
Oracle Databaseには、複数のデータベース・インスタンスを実行する複数CPUサーバーでCPU割当てを管理する方法が用意されています。 この方法はインスタンス・ケージングと呼ばれます。 インスタンス・ケージングは、初期化パラメータを使用して、インスタンスが同時に使用できるCPU数を制限します。
インスタンス・ケージングとOracle Database Resource Manager (リソース・マネージャ)が連携して、複数インスタンス間で必要なサービス・レベルをサポートします。 統合により、アイドル・リソースを最小限に抑え、効率を最大限に高め、コストを下げることができます。
Oracle Database Applianceテンプレートは、各データベース・インスタンス・ワークロードのサイズに合せて事前チューニングされています。 特定のコア数で動作するよう設計されています。 インスタンス・ケージングによって、各データベースのワークロードは、テンプレートで割り当てられたコアのセットに制限されます(これによって、複数のデータベースを同時に、パフォーマンスを低下させることなく、Oracle Database Applianceの容量まで、実行できるようになります)。 計画的成長に備えるために、現在のニーズよりも大きいデータベース・テンプレート・サイズを選択できます。
注意:
Oracle Database Applianceテンプレートはベスト・プラクティスを実装しており、特にOracle Database Appliance用に構成されているため、これらのテンプレートを使用することを強くお薦めします。
Oracle Database Appliance Managerインタフェースは、データベースのクラスとしてデータベースのサイズ設定テンプレートを参照してください。
デフォルトでは、Oracle Database Applianceインスタンス・ケージングは有効ではありません。 インスタンス・ケージングを有効にするには、Oracle Database Appliance上の各データベースに初期パラメータRESOURCE_MANAGER_PLAN
を設定します。 このパラメータでは、リソース・マネージャが現行のインスタンスに対して使用するプランを指定します。 このパラメータを設定すると、リソース・マネージャがデータベース間のコア・リソースを割り当てるようになります。 このパラメータでプランが指定されていない場合、リソース・マネージャとインスタンス・ケージングは有効になりません。
各データベースに対して選択したOracle Database Applianceデータベース・テンプレートのサイズに従って、コア・リソースのインスタンス・ケージング割当てが有効になります。 CPU_COUNT
初期化パラメータは、テンプレートに設定されます。 統合する各データベースのサイズと一致するCPU_COUNT
設定を使用して、インスタンス・ケージングを構成するための標準の指示に従います。
親トピック: Oracle Databaseの管理
Oracle Enterprise Manager Database Express (EM Express)またはDatabase Control Console (DB Console)を使用してデータベースを管理できます。
EM Expressコンソールは、Oracle Database 12.2.0.1または12.1.0.2で使用できます。 DB Consoleは、Oracle Database 11.2.0.4で使用できます。 両方のコンソールは、Oracle Databasesを管理するためのWebベースのツールです。
EM Expressコンソールには、次の機能があります。
保管やユーザー管理などの基本管理タスクのサポート
パフォーマンスの診断と調整のための包括的なソリューション
グラフィカル・ユーザー・インタフェースでのパフォーマンス・アドバイザ
SQL*Loader、Oracle Recovery Manager (RMAN)などのグラフィカル・ユーザー・インタフェース用のOracle Databaseユーティリティ
EM Expressはデータベース・サーバーの内部に構築されており、データベース外のアクションを実行することはできません。
親トピック: Oracle Databaseの管理