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Oracle® Fail Safeインストレーション・ガイド
リリース4.2.1 for Microsoft Windows
E88306-02
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1 概要およびインストール前のチェックリスト

このマニュアルでは、Oracle Fail Safeのインストールについて順を追って説明します。Oracle Fail Safeのインストールでは、Oracle Fail Safe ClientおよびOracle Fail Safe Serverをインストールするためのオプションが用意されています。通常、クライアントとサーバーをインストールしますが、必要に応じてインストールをカスタマイズできます。たとえば、すべてのクラスタを管理するために単一のデスクトップ・システムを使用する場合、そのシステムにOracle Fail Safe Managerをインストールできます。

Oracle Fail Safe Managerは、Oracleシングルインスタンス・データベースを構成および管理するためのグラフィカル・ユーザー・インタフェースです。

Oracle Universal Installerのグラフィカル・ユーザー・インタフェースを使用してインストールを実行します。複数のシステム上で同じインストールを実行する場合は、Oracle Universal Installerをサイレント・モードで実行し、バッチ・ファイルまたはスクリプトでインストール・プロセスを自動化できます。サイレント・インストールの詳細は、「サイレント・モードのインストールと削除」を参照してください。

この章の内容は次のとおりです。

クラスタのセットアップ前提条件

Oracle Fail Safeのインストール前に次の構成作業を実行する必要があります。

  • Oracle Fail Safeがクラスタを管理し、Oracleクラスタのリソースへのアクセスに使用できるWindowsユーザー・アカウントを作成するか選択します。詳細は、「ユーザー・アカウント」を参照してください。

  • Microsoft Windowsフェイルオーバー・クラスタ・マネージャの「操作」メニューにある「クラスターの検証」アクションを選択してから、「検証レポートの表示」アクションを実行して結果を確認します。先に進む前にMicrosoft Windowsフェイルオーバー・クラスタ検証プロセス中に検出された問題を解決します。

  • クラスタのノードのサブセット上にOracle Fail Safeをインストールする場合、Oracle Fail Safeをインストールしたノードの1つでクラスタ・グループを実行していることを確認してください。Microsoft Windowsフェイルオーバー・クラスタ・マネージャを使用して、クラスタ・グループの場所を表示または変更できます。クラスタ・グループをOracle Fail Safeをインストールしていないノードに移動すると、Oracle Fail Safeが適切に機能しません。

  • Oracle Fail Safeのインストール中に、Microsoft Windowsイベント・ビューアが実行されていないことを確認します。これが問題となるのは、既存のインストール上でインストールする(インプレース・アップグレード)場合だけです。

    注意:

    Microsoft Windowsイベント・ビューアを実行しながら、Oracle Fail Safeをインストールすると、インストール手順で、fsus.dllファイル(日本語システムでは、fsja.dll)をコピーできないことを示すエラーが返され、再試行するか、無視するか、取り消すかを尋ねられます。Microsoft Windowsイベント・ビューアを停止してOracle Fail Safeインストールのエラーウィンドウで再試行をクリックすると、インストールを続行できます。

ユーザー・アカウント

Oracle Fail Safe Serverは、インストール時に指定したアカウントを使用してログインします。ユーザー・アカウントはドメイン・ユーザーである必要がありますが、特別なドメイン権限は必要ありません。このアカウントは、各クラスタ・ノードのローカル管理者ユーザー・グループのメンバーである必要があります。Oracle Fail Safeは、クラスタの管理や、Oracleデータベースなどの一部のOracleリソースへのアクセスに、このユーザー・アカウントの権限を使用します。クラスタ内のすべてのノードは同じユーザー・アカウントを使用する必要があります。

ソフトウェアの互換性

各種オペレーティング・システムの現行ソフトウェアの互換性については、『Oracle Fail Safeリリース・ノートfor Microsoft Windows』を参照してください。

ディスク領域要件

次の表にインストール・タイプごとのディスク領域の要件を示します。

インストール・タイプ ディスク領域(MB)

標準インストール

243

クライアントのみインストール

223

インストールおよび構成

Windows 7を実行しているOracle Fail Safeユーザーには次の前提条件が必要です。

  • Windows Management Framework 4.0

  • .NET 4.0以上

Oracle Fail Safeをインストールする前に、これらのシステムがアップグレード済であることを確認する必要があります。インストールの手順の詳細は、Microsoftのドキュメントを参照してください。

ソフトウェアの推奨インストール順序

このマニュアルではOracle Fail Safeのインストールを詳細に説明していますが、Oracle Fail Safe環境を実装するためには、他の製品のインストールも必要です。図1-1に、2ノード・クラスタへのソフトウェアの推奨インストール順序を示します。

注意:

図1-1の手順番号は、後述するリストの手順番号と一致していません。リストでは、図よりも詳細な情報を説明しているためです。

図1-1 2ノード・クラスタへのソフトウェアの推奨インストール順序

図1-1の説明が続きます
「図1-1 2ノード・クラスタへのソフトウェアの推奨インストール順序」の説明

次のリストに、インストールの順序と、Oracle Fail Safeの使用開始に役立つ他の作業の詳細を示します。

  1. 各クラスタ・ノードで、Microsoft Windowsフェイルオーバー・クラスタ機能を追加および構成します。

    Oracle Fail Safeと一緒に使用できるMicrosoft Windowsのバージョンについては、『Oracle Fail Safeリリース・ノートfor Microsoft Windows』 を参照してください。

  2. クラスタ・ノードごとに、Oracle Fail Safeとの併用を計画するオプションのOracleソフトウェア(Oracle Databaseと他のアプリケーション)をインストールします。共有クラスタ・ディスク上にすべてのアプリケーションとデータベース・データ、コントロールおよびログ・ファイルを配置し、それらがフェイルオーバーできるようにします。Oracle Fail Safeを起動した後にOracle製品を追加する場合、新しいインストールを識別できるように、Oracle Fail Safeを再起動する必要があります。クラスタの各ノードでクラスタ・サービス・アクションを再起動して、これを実行します。クラスタ・サービスを再起動すると、ノードのすべてのクラスタ・グループが強制的に別のノードにフェイルオーバーします。

    Oracle Databaseソフトウェアをインストールする場合、Oracle Fail Safeをインストールする前でも後でもデータベースを作成できます。非クラスタ環境の場合と同様に、データベース・リスナーも含めてデータベースを作成します。ただし、ローカル・システム・ディスクにはOracleデータベースのみをインストールする必要があります。

  3. 各クラスタ・ノードに、Oracle Fail Safeのサーバー・コンポーネントをインストールします。

    Oracle Fail Safeのインストールの詳細は、「Oracle Fail Safeのインストール」を参照してください。

  4. (他の管理コンソールを設定する場合などに)オプションで、Oracle Fail Safe Managerを1台以上のクライアント・システムにインストールします。

図1-2は、プライベート・ディスクおよび非共有クラスタ・ディスク上にインストールする必要のあるソフトウェアおよびファイルを示しています。

図1-2 非共有プライベート・クラスタ・ディスクにインストールされているソフトウェア

図1-2の説明が続きます
「図1-2 非共有プライベート・クラスタ・ディスクにインストールされているソフトウェア」の説明

既存クラスタへのノードの追加

既存のクラスタにノードを追加する場合は、次の作業を実行します。

  1. Microsoftの手順に従ってノードをクラスタに追加します。
  2. 新しいノードに、Oracle Fail Safeとの併用を計画するオプションのOracleソフトウェア(Oracle Databaseと他のアプリケーション)をインストールします。
  3. プライベート・ディスク(たとえば、各ノードのシステム・ディスク)に配置されている実行可能アプリケーション・ファイルをインストールします。
  4. 新しいノードに、Oracle Fail Safeのサーバー・コンポーネントをインストールします。同時にOracle Fail Safe Managerをインストールできます。

インストール後の手順

Oracle Fail Safeが正常にインストールされた後、次の作業を実行します。

  1. 任意のOracleソフトウェアをインストールした場合、次の作業を実行します。
    • 共有クラスタ・ディスク上の アプリケーション・データおよびログ・ファイルの構成。

    • 共有クラスタ・ディスクまたはプライベート・ディスクのどちらかにおける、アラート・ファイルおよびトレース・ファイルの構成。

      アラート・ファイルおよびトレース・ファイルをプライベート・ディスク上で構成することにより、管理者は問題が発生したノードを判別できますが、複数のファイル・セットをメンテナンスする必要があります。それぞれのクラスタ・ノードで違うパラメータにする場合にのみ、プライベート・ディスクにテキスト・パラメータ・ファイル(pfile)を置くことをお薦めします。たとえば、プライマリ・ノードより少ないリソースのフェイルオーバー・ノード上でデータベースを使用する場合(フェイルオーバー・ノードに、リソースが必要な別のアプリケーションまたはデータベースがある場合など)に利用できます。

      クラスタ・ディスク上のデータベースの再作成については、使用しているデータベースの、インポートおよびエクスポートに関するドキュメントを参照してください。

  2. Oracle Fail Safe Managerを起動し、各クラスタ・ノード上で管理者権限を持つドメイン・アカウントを使用してクラスタ別名に接続します。プロンプトが表示されたときにインストールが完了していることを確認する必要があります。サイレント・インストールを実行する場合、PowerShellコマンドTest-OracleClusterを実行して、インストールを完了できます。

    コマンドライン・ユーティリティの詳細は、『Oracle Fail Safe概要および管理ガイドfor Microsoft Windows』を参照してください。

    Oracle Fail Safeの起動に関する情報は、「使用の開始」を参照してください。

  3. グループの作成およびグループへのリソースの追加の順を追った説明は、『Oracle Fail Safeチュートリアルfor Microsoft Windows』を参照してください。